THE FRANK WESS QUARTET (MOODSVILLE)

FRANK WES (1960/5/9)

THE FRANK WESS QUARTET


【パーソネル】

FRANK WESS (ts,fl) TOMMY FLANAGAN (p)
EDDIE JONES (b) BOBBY DONALDSON (ds)

【収録曲】

IT'S SO PEACEFUL IN THE COUNTRY / RAINY AFTERNOON / STAR EYES
STELLA BY STARLIGHT / BUT BEAUTIFUL / GONE WITH THE WIND
I SEE YOUR FACE BEFORE ME

【解説】

 “賢兄愚弟” という言葉があります。お兄ちゃんは賢いんだけど、弟はアホ。 ま、簡単に言ってしまえばそういうことになるんですが、確かに世の中にはそういう兄弟がいるかも知れません。特に政治家とか実業家の長男の場合、小さな頃から的確な後継ぎ教育を施すことによって、そこそこの素養のあるコドモであれば、それなりに賢いコドモに育て上げるのはさほど難しいことではありません。 対する次男坊のほうは生まれながらにしてお気楽な立場でありまして、さほど親から過度なプレッシャーをかけられることもないので、外を元気に走り回って木によじ登り、上から落ちて、手首を骨折…みたいな、ちょっとアホっぽいコドモになってしまうのも分からんではありません。 長男は後継ぎ、次男は骨接ぎ。…というのが “賢兄愚弟” の典型であるわけですが、普通のサラリーマン家庭の場合、この言葉はあまりあまり当てはまらないような気がします。お兄ちゃんはただ人がいいのだけが取柄の凡人なんだけど、弟のほうはなかなかのキレ者だったりして、ただ、あまりにもキレ過ぎて血管が切れたり、切れ痔になったりして、病弱なのが難点。…といった兄弟の話はよく耳にします。どうしてそういうことになるのかと言うと、これはやはり “初期不良” ということではないですかね? 自動車でも家電製品でも電子機器でも、初号機というのはまだ試作の段階であって、使っているうちに様々な問題点や不具合が生じるものであります。それらをひとつずつ解決することによって、後継機種でようやく完成に近い製品が出来るわけなんですが、つまり長男というのはコドモとして、まだベータ版の状態にあると言えるわけなんですよね。デザイン的にもまだこなれてない部分があったりして、概して次男よりも長男のほうが不細工だったりするのも、やむを得ないような気がします。親としてもコドモを作るのは初めてだから、勝手が分からなかったりするんですよね。その結果、タラコ唇のコドモが出来てしまったというような失敗は、次に次男を作る場合の教訓として活かされ、お兄ちゃんとは似ても似つかない男前の弟が生まれてきたりすることになるわけです。 弟というのはまさに “再チャレンジ” の賜物であったわけなんですなー。

 かく言うサバ兄弟も、弟である僕のほうが男前で、しかもキレ者であるというのは皆さんご承知の通りです。キレますからねー、僕は。 まだ切れ痔になるほどの境地には達していないんですが、役所の担当者に叱られて逆ギレするくらいのキレ味は持ち合わせております。たまに鼻の血管が切れて、鼻血を出すことだってあります。つまりウチの場合、 “愚兄賢弟” とまでは言わないまでも “凡兄賢弟” であることは間違いなくて、ただ、いくら自分で賢弟だと言ってみても、具体的な裏付けがないとそれを信用してくれない人がいるかも知れません。世の中には疑い深い性格の人がいますからねー。 ということで、ここはひとつ、検定でいい成績を取って僕の賢弟ぶりをアピールしよう!…と思った次第でありますが、そんな僕にぴったりの “Yahoo!” のコンテンツがありました。 みんなの検定 って、いや、こんなものがあったんですな。ちっとも知りませんでした。 これは一体どういうものであるのかと言うと、みんなで問題を考えて、みんなでそれに解答する、ミンミンみんなのミンナミン。 そのようなコンセプトのコンテンツであるようです。 みんなで問題を考えて、みんなでそれに解答する、ミンミンみんなのミンミン餃子。 そのようなコンセプトのコンテンツではないところがちょっと残念ではあるんですが、美味しいですからねー、ミンミン餃子。 少なくともミソミソ餃子よりはいいよな?…という気がするわけなんですが、味噌臭いですからねー、ミソミソ餃子。

 …という餃子問題はさておいて、僕は今からこの検定の中から適当なものを選んで解答して、高得点をあげて自分の賢弟ぶりをアピールしなければならないわけでありますが、そのためには、どの検定を選べばいいかというのが重大なポイントになりますな。 もし不得意な分野の検定を受検して、その結果がとっても低得点だったりしたら、とんだ大恥をかく破目になりますからね。 僕の不得意なジャンルと言うと、例えば日本の芸能界の事情には極めて疎かったりするんですが、“松平健検定”、通称 “松検(マツケン)” なんてのではとても高得点が期待できなくて、松平で末代までの恥さらし。…といった事態に陥ることが懸念されます。それだけは避けたいところです。それだけは避けたいので、 “鮭検定” というのはどうか?…と思って調べてみたらそんなものはなくて、仕方なく今度は “サバ” で検索してみたら “サバティーニ検定” というのがヒットしたんですが、サバティーニって何なんっすかね? テニスプレイヤー? でも、サバティーニをどれほど知っているか料理・歴史・などを出題!!…などと書いてあるから何だか違うような気もするし、とりあえずワケもわからないまま受検してみたところ、40点しか取れなくてとんだ恥さらしだったので、この話はなかったことにして。 やはり不得意な分野というのは、あまり得意ではないということが判明したので、ここはひとつ、自信のあるジャンルで再チャレンジしようと思うんですが、となればやっぱり “ジャズ検定” ということになりますかね? 僕は曲がりなりにもこうしてジャズ系のサイトを主催しているわけなので、ジャズに関する知識は少なくともクロコには引けを取らないと自負しております。クロコというのはうちで飼っている黒ネコなんですが、ジャズのことはまったく分かってませんからね。煮干と田作りの違いは理解しているみたいなんですけど。 で、調べてみたところ、ジャズ系の検定というのはひとつしか無くて、 J's JAZZ CLUB 公認 ジャズ検定(初級編) というのがソレなんですが、えー、初級ぅ?…というのが僕にはちょっと不満であります。どうせならもう少し骨のある問題にチャレンジしたかったところなんですが、ま、その思いは “骨付きカルビ検定” のほうで果たすことにして、ジャズ検がこれしかないということなら仕方がないですよね。 で、初級編ということであれば、僕はかなりの高得点をあげる自信があるんですが、もし65点以上取れなかったら、僕は今日限りでこのサイトをやめるっ!!…と宣言しておいて、では始めましょうかぁ。

 問題は全部で10問あります。 というか、問題は全部で10問しかありません。 この “みんなの検定” というのは、問題数が10問だったり5問しかなかったりして、何とも物足りない出来栄えだったりするんですが、ま、所詮は素人のみんなが問題を作っているわけですからね。これくらいが限界なのかも知れません。 で、ジャズ検定の問題をここにそっくりそのまま引用するというのは恐らく問題があると思われるので、適当に要点だけを書いておくことにしますが、まず第1問は “ジャズの発祥地” に関する問題でありますか。4つの選択肢の中から正解と思われるものにチェックを入れる方式で解答を進めていくわけなんですが、ここでの選択肢は 「ニューヨーク」 「シカゴ」 「ニューオーリンズ」 「水戸」 となっております。4択、もしくは5択の問題では選択肢でひとつだけボケておいて、なんでやねん!…と笑いを取るというのが定番なんですが、 “水戸” というのはどうかと思いますね。どうせなら 「ニューヨーク」 「ニューオーリンズ」 「ニューカレドニア」 「乳頭温泉」 …と、 “ニュー” で韻を踏んでおいて欲しかったところでありますなー。 で、みんなにも是非この検定にチャレンジして貰いたいので、僕の回答と正解は敢えてここでは伏せておきますが、ま、この街はハリケーン・カトリーナの被害ですっかり有名になったので、ジャズ・ファン以外の人でもわりと簡単に答えられるのではなかろうかと。

 で、2問目は “ブルー・ノート” という言葉の意味について、正しくないものを選ばせるという問題となっております。間違っているものを選べ。…というのがポイントでありまして、間違って間違っていないものを選んでしまうとそれは間違いという事になってしまうので、注意が必要です。選択肢は 「青い表紙のノート」 「音階の名前」 「ジャズライブハウスの名前」 「有名なレコードレーベル」となっておりまして、分かる人には分かるし、分からない人でも何となく分からないでもないような問題となっております。 ただ、ボケとしてはちょっと弱いような気がするので、どうせなら 「 “ブルマと乳頭” の略」 って、それは “ブル・ニュートー” やがなっ!…とかにしたほうがよかったのではなかろうかと。 で、3問目は 「Miles Davis」 「Joe Pass」 「Bill Evans」 「横森正三」 の4人の中からギター奏者を選ばせるという、何のひねりもない問題となっております。 横森正三って、誰やねん!?…と思ってググってみたら6件ほどヒットしたので、一応そういう人が実在してはいるようなんですが、どうせなら 「乳頭太郎」 みたいな名前にしておいて、また乳頭かいっ!出てくるとおもたわー! と思わせるというのがお約束ではなかろうかと。

 続いて4問目です。日本の最初のジャズシンガーと言われる “二村定一” が最初にレコーディングした次期はいつ? 知らんわいっ! 初級編にこんな問題、出すなっ!…と思わずにはいられませんでしたなー。 誰やねん、二村定一!?…と思ってググってみたら、こちらは 16,200件ほどヒットしたので、ただ僕が知らないだけの話で、世間では相当に有名なオッサンであるようなんですが、あ、もちろん検定の最中にカンニングしたりするのは不正行為なので、すべて回答を終えた時点で調べたんですけどね。 で、僕が二村定一について何にも知らない以上、ここはジャズの歴史やレコーディング技術の誕生といった事実関係から正解を類推するしかないんですが、 「平安時代」 「明治時代」 「大正時代」 「昭和時代」 という選択肢からすると、これは恐らく平安時代でありましょう。…というセンだけは絶対に無いと言ってもいいのではなかろうかと。 で、続く5問目は “即興演奏” のことを何と言うか?…という問題なんですが、選択肢は 「オーガニック」 「ゼネコン」 「インプロビゼーション」 「合コン」 となっております。 僕はよく分からない選択問題に直面した場合、 “仲間はずれ除外の法則” によって正解を導き出すことにしているんですが、例えばこの4つの選択肢の場合、 「ゼネコン」 と 「合コン」 は韻を踏んでいるから仲間通し。 で、残る2つは仲間ハズレだから正解からは除外してよいと判断出来るわけでありますな。すると選択の余地は2つにまで絞られて、同じ “まぐれ狙い” にしても正解確率は25%から50%まで倍増することになるんですが、こういうセコいテクニックを使わせないためにも出題者はもう少し工夫をしなければなりません。 「ゼネコン」 「合コン」 と来たのなら、残る2つの選択肢を 「レンコン」 と 「大村崑」 にするとか。 もっともこの選択肢の中には正解が含まれてないような気もするので、僕の “仲間はずれ除外の法則” というのはまったく役に立たないどころか、むしろ失敗に終わる確率が高いような気がしないでもありません。

 6問目、 “サッチモ” のニックネームで有名なトランペッターは誰? 「野村沙知代」 「Chick Corea」 「Thelonious Monk」 「Louis Armstrong」 。 問題としては “ひねり” がなさすぎて今ひとつなんですが、 「野村沙知代」 というボケは悪くないですな。それはサッチーやがな!…と、ツッコミを入れることが出来るのはポイントが高いです。 どうせなら 「和泉元彌の母・節子」 というのも選択肢に加えて、それはセッチーやがな!…と、ダブルで突っ込めるようにしておくと、よりベターです。 調子に乗って 「スチュワーデス」 まで出して来て、それはスッチーやがな!…とやらせるのは、あきらかに逆効果です。ボケは2回までに押さえておくのが常識だし、4択問題で3つもボケたら自然とと正解がバレてしまいますからね。 で、続く7問目は “Art Blakey” が1955年に結成したバンドの名前を答えさせる問題なんですが、 「シャープ&フラッツ」 「ジャズ・メッセンジャーズ」 「ブレイキー・トリオ」 「モダン・ジャズ・カルテット」 …って、選択肢があまりにも韻を踏んで無さ過ぎぃ。。。 「シャープ&フラッツ」 を出すなら 「シーナ&ロケッツ」 とか 「もんた&ブラザーズ」 とか 「森雄二とサザンクロス」 とか 「ジュンとネネ」 を出すべきだし、 「ジャズ・メッセンジャーズ」 とくれば当然、 「ジャズ・マッサージャーズ」 でボケるべきだと思います。 高校の頃、よく “油圧ブレーキーとジャズ・マッサージャーズ” なんてバカを言ってたものだ。( 遠い眼 )…という、 “2ちゃんねる” の書き込みもありますしね。…って、いや、思わず正解をばらしてしまいましたが、いまさらもう、どうだっていいですよねー、こんなジャズ検定。

 7問目。 “キング・オブ・スイング” として知られるクラリネット奏者は? 「ベニー・グッドマン」 「カウント・ベイシー」 「グレン・ミラー」 「JF・ケネディ」 。 ま、基本に忠実な問題ではありますが、やや面白みに欠ける嫌いがありますな。 どうせなら (問) 生涯、不良に走らなかったバンドリーダーは? (答) グレン・ミラー。 グレンだけに、グレなかったんだねっ♪…みたいな。 いや、これではもはや、ジャズ知識でも何でも無いような気がしないでもないんですけど。 で、8問目。 最近、日本で放映された “ビッグバンドをテーマとした映画” があります。そのタイトルは? これだけでは何のことやらさっぱり分かりませんが、選択肢を見て、ようやく出題者の言わんとすることが理解できました。 「カバーガールズ」 「モダンガールズ」 「お色気ガールズ」 「スウィングガールズ」…って、女子高生のジャズバンドをテーマにした映画と言わんかいっ! ちなみに僕はジャズの中でもビッグバンドというのはあまり好きではないし、ましてや女子高生なんて、ちょっと若くて、ピチピチしていて、可愛くて、パンツが見えそうになっているだけの話で、あんなのちっともよくないじゃないか!…と思わずにはいられなくて、まったく興味が無かったりするので、この映画は見ておりません。ま、男子高校生のシンクロ物である 「ウォーターボーイズ」 のほうは、もっとソソられるものがないんですけど。

 で、このジャズ検定もいよいよラスト問題となりました。 “Louis Armstrong” がトランペットを始めた意外なきっかけは? 「日曜礼拝でお告げを受けたから。」 「少年院で練習した。」 「道ばたにトランペットが落ちていた。」 「女性にもてると思った。」…って、これはまあ、知ってる人は知っている、わりと有名な話なんですが、ボケとしてはちょっと弱いですなー。 6問目との絡みで、 「サッチモだけに、にっちもさっちもいかなくなった。」 という回答は思いつかなかったのか?…というのが残念でならないんですが、ま、にっちもさっちもいかなくなったのがきっかけでトランペットを始めたというのも、日本語としてはやや破綻してますけどね。 「脚気になったのが “きっかけ” けー?」 とかのほうが語呂としてはよかったかも知れませんが、さて、気になるサバ君の検定結果は・・・?

 ということで、今日はフランク・ウエスです。 いやあ、こんな形でこのコーナーの最終回を迎えることになろうとは、思いもよりませんでした。皆さま、今まで長い間読んで下さいまして、ありがとうございました。 いやあ、もし65点以上取れなかったら、僕は今日限りでこのサイトをやめるっ!!…とか、余計なことを言うんじゃなかったですなぁ。。。  “J's JAZZ CLUB 公認 ジャズ検定(初級編)” の結果は、唯一自信がなかった “横森正三問題” も何とかクリアして、見事に100点っ♪…って、アカンやん!100点取る人、大嫌いっ!…って、 “松本ちえこ” に言われるやんっ! ちえこちゃんに嫌われては生きていても楽しいことなどひとつもないので、今日限りこのサイトは閉鎖することにしようかと。どうせ最近、掲示板にもまったく何の書き込みもないしぃ。。。皆さま、今まで長い間読んで下さいまして、ありがとうございました。。。 ま、いつも 「やめる、やめる。」 と言って、ちっともやめない事では、『塩サバ通信』 は “欽ちゃん球団” と肩を並べるものがありますので、来週になったら何食わぬ顔で再開しているものと思われますが、そんなことで 『ザ・フランク・ウエス・カルテット』 でありますか。 前回がフランク・フォスターだったので、フランクつながりでフランク・ウエスを選んでみたんですが、このアルバムでウエス君はフルートとテナーを半々に吹いておりまして、ジャケットの写真もフルートを吹いている姿になっていたりするので、テナー編というくくりで取り上げるにはちょっと無理がありますかね? でもまあ、細かいことはどうでもいいですよね。どうせ今日が最終回なワケだしー。 で、これ、買って聴いてみるまで気が付かなかったんですが、ムーズヴィルというレーベルから出ている1枚なんですな。ムーズヴィルというのはプレスティッジの傍系レーベルなんですが、その名の通りムード音楽的な作風が特徴となっていて、ジャズとして聴くにはちょっぴり眠くて、つまらなかったりすることが往々にあるんですよね。でもまあ、今さら違うアルバムを探すのも面倒な話なので、では、駄目モトで1曲目から聴いてみることにしましょうかー。

 1曲目は 「イッツ・ソー・ピースフル・イン・ザ・カントリー」 でありますか。 「国の中でとっても平和である」 とでも訳すんですかね? ちなみに日本の中で とっても平和なところと言えば、愛知県の平和町をおいて他ありませんが、とっても平和な町でしたからねー、平和町は。 地元ではもっぱら “ピンフちょう” などと呼ばれておりましたが、合併して今では稲沢市の一部ということになってしまいました。こうして日本からまたひとつ “平和” が消えていってしまうんですなー。 ま、 “プレイランド平和” というパチンコ屋はまだたくさん残っているんですけど。 で、演奏のほうはと言うと、トミー・フラナガンの弾くピアノのイントロが、とってもソニー・クリスの 「ブラック・コーヒー」 っぽいな。…というのが僕の第一印象なんですが、続いてウエスがフルートでテーマを吹き始めると、今度は一転してエリック・ドルフィーの 「グラッド・トゥ・ビー・アンハッピー」 っぽくなったりするな。…というのが僕の第二印象なんですけどね。いやあ、いいですなぁ、フルートって。僕はフルートがフルールの洋菓子と同じくらい好きなんですが、いや、フルフラフルール、何が降ーる♪…というコマーシャルはよくテレビで耳にしていたものの、一度も食べたことは無かったりするんですけどね、フルールの洋菓子。でもまあ、洋菓子だからきっとヤマカガシよりは美味しいに違いなくて、所詮はヘビなんだから、あまり食べる気がしませんからね、ヤマカガシというのは。 で、ドルフィーの場合、せっかくフルートで美しくテーマを演奏しても、アドリブ・パート に入るとちょっぴり意味不明になっちゃったりするんですが、フランク・ウエスは大丈夫。 というか、アドリブ・パートはトミ・フラのソロということになるんですが、この人は本当に趣味のいいピアノを弾きますからね。趣味は下着集めと覗きです。…といった悪趣味な人は、大いに見習って欲しいところでありますが、とか言ってるうちにウエスが出てきてフルートを吹き始めたりして、これはまあメロディを軽くフェイクするような感じで、アドリブなんだかテーマなんだか今ひとつよく分からなかったりするんですが、それだけに趣味としても悪くない出来となっておりまして、そんなことでまあ、1曲目はおしまい。 いや、これは確かにとってもムーズヴィルでありますなー。

 続く 「レイニー・アフタヌーン」 はこのアルバムで唯一のウエスのオリジナルなんですが、テナーで演奏されるアンニュイなテーマは、いかにも雨の昼下がりやなぁ。…といった感じの気怠さが横溢していて、秀逸です。 いや、何だかちょっと冴えない感じの曲だったりするんですが、ま、所詮はレイニーなアフタヌーンですからね。 かく言う、これを書いている現在もまさしく “雨の昼下がり” だったりするんですが、僕はちょっぴりブルーな気分だったりします。今日のお昼ご飯…というか、今日のお昼焼きソバは僕の大好きな “日清焼きそば” だったんですが、おかんがあまりにもキャベツをたくさん入れて過ぎて、ソースと蕎麦の味があまりしなくて、どうも今ひとつだったんですよね。おかげでヤル気がちょっぴり失せてしまった、そんな日曜の雨の昼下がりなんですが、ま、ある晴れた昼下がりというのも 「ドナドナ」 みたいにブルーな気分になったりすることもあるんですけど。 で、演奏のほうはと言うと、フランク・ウエスのテナーが何とも言えずに中間派っぽかったりするんですよねー。 ノスタルジックという点では大いに評価出来るんですが、いかんせん古臭くって垢抜けないムードが漂っておりまして、そんなところがいかにもムーズヴィルでありますなぁ。。。 ということで、次です。 3曲目はおなじみの 「スター・アイズ」 なんですが、フルートによるこのイントロは、ちょっぴり世間を嘗めておりますなー。 ま、嘗めているパートはすぐに終わって、やがてピアノ・トリオによるテーマの演奏になるのでまだ許せるんですが、無理にラテンのリズムにしようとしたところが、そもそも失敗の原因だったと思います。実際問題、普通の4ビートに転じるアドリブ・パートではフランク・ウエスもごく普通にフルートを吹いておりますので、最初っからそうしておけばよかったんだよー! と、説教のひとつもしたくなっちゃいます。この人もフルートだと、さほど中間派っぽいレトロさが目立たなくなるので、その点ではひとまずのところ安心なんですが、そうこうしているうちに再びラテンのリズムに乗ったピアノ主導のテーマ部に戻って、最後にまた世間を嘗めているようなパートがあって、おしまい。 余計なことさえしなければ、悪くない演奏になっていたと思うんですけどねぇ。。。

 4曲目はテナーによる 「ステラ・バイ・スターライト」 でありますかー。 「星影のステラ」 という邦題で知られるこの曲を聴くと、僕はどうしても地域限定キティちゃん好きだったサミーちゃんのことを思い出してしまうんですが、あれは今から8年ほど前の事でありましたか。彼女のメールに 「私ね、ウチではいつも “どてら(?)” みたいなのを着てるのぉ♪」 みたいなことが書いてありましたので、 “どてら” の似合うギャルってエエよなぁ。何かこう 「星影のドテラ」 って感じぃ?…という話題で、大いに盛り上がったことがあるんですよね。その程度の話題で盛り上がれたとは、今から思えばとっても幸せな時代でありましたが、そんな素敵な思い出のいっぱいつまったこの 『塩サバ通信』 も、今日が最終回でありますかぁ。。。 とまあそれはそうと、演奏のほうはというと、これがまた露骨なまでに恥骨…は、あまり関係なくて、露骨なまでに中間派ムードが横溢しておりまして、ま、むせび泣くムード・テナーだと思えば、それなりに楽しめるんですけどね。中間部で聴かれるフラナガンのピアノも小粋だしー。 で、5曲目はジミー・ヴァン・ヒューゼンの地味なバラード、 「バット・ビューティフル」 でありますか。サンリオ好きの僕としては、バッドとくれば “ばつ丸” やろ?…という気がするんですが、バッドではなくてバットなので、ま、ビューティフルでいいのかも知れませんけど。 伊集院とくれば絶対に “パンダバ” やろ?…という点に関しては、絶対に譲れないものがあるんですけど。 ホモ用のダッチワイフ…というか、ダッチハズバンド (?) の “伊集院健” は、ちょっと僕の趣味にはマッチしませんからね。 で、演奏の方はほうはと言うと、トミ・フラの弾くピアノのイントロが何とも言えずにビューティフルでありまして、これはさしもの “ばつ丸” も、ちょっと出番がないって感じぃ? で、フルートで演奏されるテーマ部も、この曲の持つモツ鍋…は、あまり関係なくて、この曲の持つ美しさを最大限に引き出していると言えるでありましょう。 アドリブ・パートに入るとミディアム・テンポになって、ビューティと言うよりもキュートといった感じになるんですが、フラナガンのソロではそれがリリカルに転じて、ウエスの再登場によって斉藤仁 (←柔道家) みたいになって、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 なかなか柔道着のよく似合う男でしたよね、斉藤仁。 ま、さすがに伊集院健には負けますけど。

 続く6曲目の 「ゴーン・ウィズ・ザ・ウインド」 は、とっても 「風と共に去りぬ」 でありますな。これまたフラナガンのピアノがとってもリリカルだったりするんですが、フランク・ウエスのテナーはアレですな。 『アート・テイタム&ベン・ウエブスター・カルテット』 。 アレでのベンちゃん、そのものでありますな。 ま、あそこまでサブトーンがエロくはないんですが、さぶ系の人には、なかなかソソられるトーンであると言っていいのではないでしょうか。 ま、僕にはその気がないので、ちょっぴり “さぶぼろ” が出ちゃうサブトーンではあるんですけど。別名 “さぶいぼ” とか、 “ぞぞけが立つ” と言ったりもしますけどね。 ということで、いよいよラストです。 「アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォー・ミー」 はフルートでお気楽に演奏されているキュートなナンバーでありまして、ま、これはこれで悪くないんじゃないですかね? とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 良くも、悪くも、ムーズヴィル。…でありますなー。


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