SOUL OUTING! (PRESTIGE)

FRANK FOSTER (1966/6/27,7/11)

SOUL OUTING!


【パーソネル】

VIRGIL JONES (tp) FRANK FOSTER (ts) PAT REBILLOT (p)
BOB CUNNINGHAM (b) <#2-4> RICHARD DAVIS (b) <#1,5> ALAN DAWSON (ds,conga)
BILLY BUTLER (g) <#1,5>

【収録曲】

SHOW THE GOOD SIDE / WHILE THE CITY SLEEPS / SKANKAROONY
CHIQUITO LOCO / NIGHT SONG

【解説】

  “生 (ナマ) と、そうでないもの。どちらがエライか?” という問題について考えてみたいと思うんですが、世の中には数多くの生と、そうでないものがありますよね。例えばラーメン屋さん。ラーメン屋さんでラーメンを食べていて、ふとソーメンが食べたくなる。…ということはあまりないんですが、ギョーザが食べたくなる事はありますよね。便座に座っていてギョーザが食べたくなることはあまりないんですが、ラーメン屋の椅子に座っていると、そういう事がよくあります。 そしてギョーザを食べるとどうしてもビールを飲みたくなってしまうんですが、ラーメン屋でビールを注文すると 「生とビンがありますが?」 と聞かれる事がありますよね。そう聞かれてどう答えるは、その人の趣向やその時の気分によって左右されることになるんですが、明るくて爽やかで大らかな気分になっている時は 「ナマっ!」 と、明るく爽やかに大きな声で答える事が多いような気がします。対して、人生に対してやさぐれた気分だったりする場合には、暗い声でぼそぼそと 「ビンでいいっす。」 みたいな答え方をすることになって、ますます気分が落ち込むことになるんですが、ビール以外にも例えば八つ橋や椎茸なんかにも生のものと、そうでないものがあったりしますよね。 生のビールは生ビール、生の八つ橋は生八つ橋、生の椎茸は生椎茸なんですが、そうでないビールはビンビール、もしくは缶ビール、そうでない八つ橋はただの八つ橋、そうでない椎茸は干し椎茸ということになって、“生”というのは色々な概念に対比する言葉であることが分かるんですが、ビールにしろ、八つ橋にしろ、椎茸にしろ、僕はビンのものやら缶のもの、もしくは干したものよりも生のほうが好きでありまして、生 (ナマ) と、そうでないもの。どちらがエライか?…ということで言うと、現時点では3−0で生 (ナマ) が優勢という状況になっておりますな。

 八つ橋と言えば こんなもの が出ているようなんですが、いや、見た瞬間は “ポリンキー” か? …と思ってしまったんですけど。で、次の瞬間、こんなん、八ツ橋バージョンとちゃうやん! 生八ツ橋バージョンやん!…と思ってしまったんですが、ナマでないほうの普通の八つ橋というのはスノーボードのハーフパイプみたいな形をした固い煎餅みたいな食い物ですからね。ま、最近のヤングな若者は、八つ橋と言えば生八つ橋のことだと思っている人が大半なので、一概にキティちゃんの勘違いをバカにすることは出来ないんですが、ちなみにこの画像は さえっちのブログ から無断で勝手に引用させて頂きました。無断で勝手に画像を引用しておいて細かいことを言ったりするのは、さえっち (←誰?) には大変申し訳ないんですが、最近、生八ツ橋に似ている『おたべ』というのもあって…結構おいしかったです(^-^) というのはですね、ちょっと違うような気もするんですけどね。 あのな、 “おたべ” と言うのは生八つ橋の商品名なんやで、さえっち!…と、彼女の間違いを正してやりたい気持ちでいっぱいでありますが、今日のテーマは “キティちゃんと、さえっちの小さな過ちをネチネチと追及する。” というものではないので、話を先に進めましょう。 生と、そうでないものでは、生のほうが3ポイントほどリードするという序盤の展開だったんですが、ここから “そうでないもの” の反撃が始まります。形勢が逆転するきっかけになったのは “生卵と、そうでないもの。” という対戦カードだったんですが、僕はですね、生卵というのがあまり好きではありません。特に黄身と白身とをつなぐ “からざ” の部分が何だか粘度のある鼻水を食べているみたいで、どうにも好きになれんのですよねぇ。。。

 ということで、 “生卵と、そうでないもの。” の勝負が終わって、対戦成績が3−1になったのかというとそうではなく、 “生卵VS茹で卵” の勝負でまず3−1になって、以下、“生卵VS目玉焼き”、“生卵VS玉子焼き”、“生卵VSスクランブルエッグ”、“生卵VSオムレツ”、“生卵VSオムライス”、“生卵VSオム蕎麦”、“生卵VSオム鯖”…と、生卵は “そうでないものチーム” が次々と繰り出して来る刺客にことごとく負けてしまって、あっと言う間に3−8までスコアをひっくり返される事になってしまいました。 “オム蕎麦” はともかくとして、 “オム鯖” は無いやろ!?…という生チームの猛抗議が認められて、とりあえずその試合は無効ということになったんですが、3−7の4点差というのはちょっと厳しいですなー。 その後、生チームは “生クリームVSバタークリーム”、“生娘VS熟女” の勝負に連勝して、いや、個人的に熟女というのは嫌いではないんですが、やっぱり生娘の魅力には少しだけ及ばなくて、何とか5−7まで追い上げたんですが “生節VS鯖節” の対戦で、どちらもあまりソソられるものがなくて、引き分けという結果に終わって、万事休す。 結果的に生チームで試合負けたのは、全部 “生卵” やんけ!…ということで、生卵は試合終了後、怒った生チームの応援団から生卵をぶつけられるハメになってしまうんですが、食べ物以外のジャンルでは生チームもなかなか頑張ってはいるんですけどね。

 例えばスポーツ観戦なんかでも、テレビで見るよりも断然、ナマで見たほうが迫力があるに違いありません。 音楽しかり。レコードやCDでじっくりと音に耳を傾けてみるのも悪くはないんですが、ライブに行って実際の音を全身で体感するというのは、また違った感動が得られるに違いありません。特に尺八なんてのは断然 “ナマ” がいいらしいですね。僕は詳しいことはよく知らないんですが、なんでも世間には “生尺” という言葉があるんだそうで、それがもう、最高にたまらんっ♪…という事だったりするようなんですが、動物というのも自分の目で確かめてみないと、なかなかその実態が掴めなかったりしますよね。いくら、象というのはとっても大きくて鼻が長い動物なんだぞう。…と言われても、言葉や写真だけではなかなかピンとこなくて、動物園で生ゾウを見て始めて、その大きさや鼻の長さを実感出来るわけであります。 獣(ケモノ)はナマがいちばん。 怠け者の人もぜひ動物園に足を運んで、じっくりと生獣 (なまけもの) を観察してみてください。ナマケモノなんかが木の上で怠けている姿が楽しめる筈です。 それはそうと “生脚VSパンスト” なら、断然 “生” の勝ちぢゃん!…と、先程の“生卵と、そうでないもの。” の勝負で、大切なカードをひとつ忘れておりましたが、ま、生脚が勝っても “そうでないものチーム” の7勝6敗1引き分けということで、大勢に影響はないんですけどね。 が、これだけの僅差となってくると、負けたほうとしても欲というものが出てしまいます。 もうひとつ、もうひとつだけ!これで最後にするからっ!…審判団に掛け合って、更にもうひとつの対戦カードが組まれることになったんですが、最後はデジカメ勝負です。 “RAW(生)とJPEGでは、どっちがエラいか?

  僕は中学生くらいの頃からとてもカメラに興味のある少年でした。特に 『アクションカメラ』 という専門雑誌が大好きで、僕もオトナになったらこういうパンチラ写真を撮ってみたいな♪…という憧れを持っていたんですが、オトナになった今ではそんなことはどうでもよくなって、胸チラのほうがいいよね?…とか思うようになって来ました。 僕の心のチラ・ランキング…略して“チランキング”では 胸チラ>パンチラ>チンチラ ということになっておりまして、チンチラなどという齧歯目の小動物にはさほどソソられるものを感じないんですよね。 猫のチンチラのほうは、可愛いっ♪…と思うんですが、チンがチラっと見えたりするチンチラというのは迷惑以外の何物でもないし、ま、それはそうと、胸チラとかパンチラの写真というのは、やっぱりRAW (生) で撮ったほうが生々しいかな?…という気がしないでもないので、手持ちの “Nikon D50” の設定をRAWに変えてみると同時に SILKEYPIX という現像ソフトを買ってみることにしました。 16,000円もして、高いっ!…と思わずにはいられませんが、生々しい生写真には変えられないわけでありまして。 そもそもRAWとJPEGでは、どっちがエラいか?…という問題については僕も今ひとつよく分かっていないんですが、何でもRAWで撮影したデータというのは現像ソフトによって自分の好きな色合いに仕上げることが出来るんだそうですね。僕の考える “綺麗な写真” というのは、空の色はあくまでも青く、紅葉した木々の葉はあくまでも赤く、そしてパンツの色はけがれのない純白。そう言った “めりはり” のある仕上がりであるワケなんですが、RAWで撮影すればそれも可能になったりするんですかね? ま、何と言っても 16,000円ですからね。黄ばんだパンツを白くするくらいの芸当は持ち合わせているのではないかと期待しているんですけど。 つめかえ用 720mL が税込み 176円で買えるワイドハイターでもそれくらいのことは出来るので、その91倍くらいは白くなって貰わないと元が取れません。

 ということで、早速その実力の程を試してみたいと思うんですが、生憎と今、僕の手元にはRAWで撮影したパンツの画像がありません。 RAWでパンツを撮影するためにノーパン喫茶へ行ってみたんですが、よく考えたらノーパン喫茶のウェイトレスというのはパンツを穿いていないので、パンツ写真の撮りようが無かったんですよね。いやあ、迂闊でありました。己の不徳を恥じるより他ありませんが、今からランジェリーパブへ行くだけの時間的な余裕はないので、今日のところは “紅葉した木々の葉を赤くする路線” で何とか我慢して頂きたいと思います。紅葉した木々の葉を赤くする。字で書くのは簡単なんですけどね。 “紅葉した木々の葉” と、フォントのカラーコードを “ff0000” にしてやれば一発で赤くなるんですが、写真ではなかなかそうも行きません。 今回、素材とする写真は “RAW+JPEG” という設定で撮ったので、カメラの側で適当に絵作りされたJPEGデータも同時に記録されているんですが、それはこんな感じになっておりました。

JPEG

 橋の上から川の水の流れと木の葉っぱを写したものなんですが、葉っぱがピンボケであること以外は、ま、無難な仕上がりではないか?…と思います。 葉っぱもそれなりに赤く色付いていて、特に手を加える必要も無いような気がするんですが、それでは 16,000円もの大金を投資した意味がないっ!…というので、とりあえずパラメータを適当にいじって、RAWデータのほうを現像してみることにしましょう。そもそも僕は赤緑色弱なので、紅葉の鮮やかさというのが普通の人に比べると今ひとつよく見えていないような気がするんですが、そういうことならもう、思いっきり葉っぱを赤くしてやるぅ!…というので、まず手始めにホワイトバランスの調整をしてみることにしました。写真で白いものを白く写すというのは、白を黒と言いくるめるよりも難しい作業なんだそうで、どうやらそれには “色温度” というのがポイントになってくるようですな。 “エロ音頭” なら何となく、エロい音頭なんやろな。…というので分かるような気がするんですが、色温度というのは何だか今ひとつよく分からなくて、とにかくまあ現像パラメータの色温度を下げてやると全体が青っぽくなって、逆に色温度を高くしてやると赤っぽい色合いになるらしいんですけどね。 僕の意図はとにかく葉っぱの色を真っ赤にするところにあるわけなので、色温度を最大値の 90000ケルビンにして、で、続いては “色偏差” でありますか。これは色温度よりも更に意味がよく分からんのですが、とにかくまあ、色調をグリーンにしたり、マゼンタにしたりするものなんだそうで。 マゼンタというのはプリンタのインクにもあったような気がするんですが、どんな色でしたっけ? えーと、明るい赤紫色ですかね? 僕の意図はとにかく緑色の葉っぱを赤色にするところにあるわけなので、マゼンタ側の最大値 +50に設定して、グリーンの葉っぱをマゼンタ色に変えてやりましょう。このソフトではパラメータを変更するとリアルタイムにその結果が反映されて実に分かりやすかったりするんですが、おおっ、これだけで随分と葉っぱの色が赤くなりましたなー。 結構センスあるぢゃん、僕ー。 で、最後に “アンシャープマスク” というアンパンマンのアンパンチと同じくらい効果がありそうなパラメータを最大値の ( 量:500% 半径:5.0pixel しきい値:255 ) に設定して輪郭を強調してやれば、ピンボケ気味の葉っぱもくっきりはっきり鮮やかに、目にも鮮やかな絵葉書のような素晴らしい写真が出来上がるに違いありません。 ということで、さ、いよいよ、現像っ!

RAW→JPEG

 最終戦の結果、生チームはいたずらに負け数を増やすだけの結果に終わって、ま、これできっぱりと諦めが付くような気もするんですけどね。 いや、デジカメの “生現像” というのは思ったほど生易しいものではありませんなぁ。。。 ということで、今日のお話はおしまい。

 ということで、今日はフランク・フォスターなんですが、今ひとつ地味ですよね。日本での知名度はフランク・シナトラの足元にも及ばなくて、でもまあ、熱心なマニアの間ではそこそこ知られていたりもして、フランク・シナトラとフランク・フォスター、それにフランク・ウエスを加えて “世界3大フランク” という呼び方をすることもあります。 さらにフランク永井を追加して“フランク四天王”と称したり、ついでだからフランキー堺も入れて “フランクっぽいゴレンジャー” にしちゃおうという動きもあったようですが、フランキー堺はフランキーやん!フランクとちゃうやん!…というので、さすがに却下されたみたいですけどね。やはり “フランクっぽい” という括りはちょっと無理があったようですが、今回の主人公であるフランク・フォスターについて、僕はあまり多くの事を知りません。主にカウント・ベイシーの楽団で活動していて、性格はフランクで、好きな食べ物はフランクフルト。 でもって、好きな機械は孵卵器。…という事くらいしか把握していなくて、どうやら卵を温めて雛に孵すのが好きだったようですが、生卵があまり好きではない僕としても孵卵にはちょっぴり興味があって、子供の頃にスーパーで買ってきた生卵を使い捨てカイロで温めてヒヨコを孵そうと頑張った事がありました。その結果、タマゴは孵卵せず、ただ腐乱しただけだったんですが、やはり専用の機械を使わないと駄目なんでしょうかね? とまあそんなことで、では 『ソウル・アウティン』 、行ってみましょうかー。

 まず最初はフォスターのオリジナルの 「ショウ・ザ・グッド・サイド」 という曲なんですが、この人はテナー奏者というより、むしろ作曲家として広く知られていますよね。 「故郷の人々」 とか 「草競馬」 とか 「オールド・ブラック・ジョー」 とか、彼の作った曲は日本でも広く親しまれているんですが、いや、もしかしたらそれは違うフォスターだったりするのかも知れませんが、とにかくまあ、この 「私は良いサイドであることを示す」 という曲はアレですな。 この人のあまりよいサイドが示されていない能天気な感じの仕上がりでありますな。もうちょっと知的なタイプの人なのかと思ったら、意外とアホっぽいんですよね、これがまた。 この曲にはギターのビリー・バトラーという人が参加していて、それがより一層リズム&ブルースでチープな雰囲気を醸し出しているんですが、フランクのソロ・パートに入るとムードは一転…とまではいかないまでも、23度くらいは硬派方向に転じることになって、わりと普通に楽しめるようになって参ります。この人のプレイを今まであまり真剣に聴いてみたことが無かったんですが、ジョージ・ブレイスにも通じる遊び心があったりして、顔がちょっぴり瑞穂市役所水道施設課のスズキ君と似ていますよね。スズキ君はちょっぴり年齢不詳のキャラでありますので、もしかしたら僕に気安く “君付け” で呼ばれるのが不本意なお年頃であったりするのかも知れませんが、でもってソロ2番手はバージル・ジョーンズでありますか。 バジルを使った料理が得意そうな感じのする渋系のトランペッターなんですが、バジルというのは馬の汁のことでは無かったんですなぁ。…というのを僕はつい最近、 「よしもと新喜劇」 を見ていて知ったんですけどね。ちなみにこの人はサド=メル楽団などで活動していたようで、同じビッグバンド出身ということでフォスターとはウマが合ったようなんですが、ちょっとだけリー・モーガンっぽかったりするヒップなスタイルの持ち主であるようです。 とまあそんなことで、トランペット・ソロの後はテーマ部に戻ることになるんですが、提示部とはちょっぴり味付けを変えているところなどはなかなか芸が細かくて、でもって、その後、再びテナーのソロが短くフィーチャーされていたりして、最後にもう一度テーマに戻って、おしまい。 ま、アレンジの点ではフォスターのいい面がそれなりに示されていると言っていいかも知れません。

 ということで2曲目です。 「ホワイル・ザ・シティ・スリープス」 は原文ライナーを見る限り、ストローズとアダムスのブロードウェイ・チームがレスポンシブルしたものであるようなんですが、えーと “responsible” というのは “責任がある” という意味なんですかね? 少なくとも “スッポンしゃぶる” ではないと思うんですが、便所のスッポンをしゃぶったりするのは、あまり衛生的ではないですからね。 ま、カメのほうのスッポンならダシが出ていいかな?…という気がするんですが、この曲が実にまたボサノヴァしておりまして、何とも言えずにいい感じなんですよね。 軽目のリズムに乗ってテナーとトランペットのユニゾンで演奏されるテーマ部はジャズ・ボッサとして模範的な仕上がりでありまして、でまた、ソロ・パートの1番手にピアノを持って来たというのも何とも洒落た演出だと思います。 ちなみにこのアルバムに参加しているピアニストはパット・レビロットという人でありまして、まったく聞いたことのない名前で、何だかパッとしないよね。…と思っていたわけなんですが、何の何の。 このパット君はパッとしないどころか、何ともパッとしているレビロットでありまして、ここでのソロはあの 「ブルー・ボッサ」 におけるマッコイの演奏と比べても何ら引けを取るものではありません。無論、ソラーナ上級代表と比べても決して引けを取るものでは無いんですが、いや、 “引けを取る” という言葉はちょっぴり “ヒゲを剃る” と似ているよね?…と思ったら、何となくソラーナ上級代表の名前が出て来てしまったんですけど。 僕はニュースでこの名前を耳にする度に、いつも部下から 「ちゃんと毎日、ヒゲ剃らーな、上級代表!」…と言われている、むさ苦しいヒゲ面のおっさんの顔が浮かんでしまうんですが、 上級代表というのがあるということは、世の中には中級代表とか下級代表と言った役職もあったりするんですかね?…というのもちょっと気になったりするんですけど。

 で、演奏のほうはというと、パット君に続いてフォスターが登場してテナーのソロを披露することになるんですが、1曲目と比べるとオーソドックスな感じがして、悪くないですよね。スタイルは誰に似ているか?…と聞かれるとちょっと困るんですが、ボサノヴァっぽいところが何となく 「ブルー・ボッサ」 のジョー・ヘンダーソンに聞こえてしまったりするし、 「リカード・ボサノヴァ」 のハンク・モブレイみたいなところもあるし、 「お嫁サンバ」 の郷ひろみ…というのは、さすがにちょっと違うと思いますが、ワイルドでいて流麗で、マイルドでありながら鉄アレイ。そんな感じの演奏でありますな。 で、続いてバージル君のソロも聴きたかったところなんですが、残念ながらここでは声がかからなかったようで、そのままテーマに戻って、おしまい。4分20秒と、ちょっぴり短めでやや物足りないところはあるんですが、日本人好みの実に分かりやすい演奏であったな。…という気がします。 で、続く3曲目の 「スカンカルーニー」 はフォスターのオリジナルなんですが、何となくスカンク臭い曲を思わせるタイトルですよね。 …と思っていたら、原文ライナーには、フランクが私にそれを持ち出したので、「 Skankaroony 」は、「かなり汚らしい少女 ( 心における特定の少女なし ) のモンタージュ写真として書かれた。( ← “翻訳これ一本”訳 ) などと書かれておりましたが、 “pretty raunchy” は “下品可愛い” ではなくて、 “かなり汚らしい” と訳されてしまったんですな。 かなり汚らしい少女…というと、僕の頭には “○○ちゃん” の顔がふと浮かんで来たんですが、今、これを読んでいるギャル系読者はこの “○○ちゃん” の部分に、自分の嫌いな女の子の名前を入れて読むといいと思います。僕はちょっとくらい汚らしいくらいの少女であれば十分にストライクゾーンなんですが、かなり汚らしいとなると、さすがにちょっと考えてしまいますな。 頭に蛆虫が涌いていて、洗髪するとワカサギの餌になるような感じなんでしょうか? おそるべし、スカンカルーニー!

 で、曲のほうはどうなのかと言うと、唐突な感じのイントロがいかにもスカンク的ではあるものの、ジャズ・ロック風のチープなリズムに乗って演奏されるテーマはちょっぴり 「カミン・ホーム・ベイビー」 のパチモンくさいムードがあったりして、これはこれでなかなか悪くはありません。後半はストップ・タイムが効果的に使われていたりして、なかなか凝った作りとなっておりまして、でもって、ソロ洗髪は…いや、ソロ先発はフォスターでありますか。ここでの彼はですね、ワイルドです。 で、続いてバージル君のトランペット・ソロになるんですが、ここでの彼はちっともリー・モーガンではなくて、でもまあ、後半はちょっぴりモーガンっぽかったりもしておりますが、ソロ3番手のパット君のピアノは1曲目と比べると何だか妙に黒っぽくなっておりまして、チープな出来となっておりますな。 各自のソロ・スペースでもストップ・タイムが用いられておりますが、ベースとなるリズムが何ともスカスカで安っぽいところが、安いカニを彷彿させて、なかなか味わい浅いです。身がスカスカだったりしますからな、安物のカニというのは。 恐らく高いカニの脚6本分くらいの身の量で10本をまかなっているのではないかと思われますが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 続く4曲目の 「チクイート・ローコ」 もフォスターのオリジナルなんですが、タイトルで何となく分かる通り、ラテン調の曲に仕上がっていて、良好です。いいですよね、ラテン。少なくとも僕はラテンがカーテンよりも好きなんですが、カーテンがあるとうまく覗きが出来なかったりしますからね。世の中のカーテンをすべてレースにしろって!…と思わずにはいられませんが、自分の部屋にあるカーテンがレースだけだったりすると、太陽がまぶしいやないけ!…ということになったりして、カーテン選びというのもなかなか難しいものでありますなぁ。 で、演奏のほうはというと、テーマに続いてフォスターのソロがあって、それに続いてバージル・ジョーンズのソロがあって、いや、この人はラテンになると妙にモーガンっぽさが増強されるところがあったりして面白いですな。わははははははははは。 で、続くボブ・カンニングハムのベース・ソロは弓弾き中心だったりするところが何だかけったくそ悪いですな。だいたい、ハムの分際でカンニングをしたりして、怪しからんっ!…という思いもあったりして、僕はカンニングのような不正行為は絶対に許せないタチですからね。不正をするフセイン大統領というのも許せないので、彼は死刑になって当然だと思うんですが、ハムは大好きだったりするんですけどね。その大好きなハムがカンニングに走ったというので、僕は残念なのと、裏切られた思いでいっぱいなんですが、それに続くアラン・ドウソンのソロ…というか、ドラムスとベースとピアノの絡みみたいなパートは、かなり斬新な展開で、悪くありません。ラテンなのにこの部分だけちょっぴり前衛風だったりして、なかなか面白い試みではありませんか。 ということで、テーマに戻って、おしまい。

  アルバムの最後を飾る 「ナイト・ソング」 は 「夜の歌」 でありますなぁ。2曲目と同じくストローズとアダムスが作ったものであるようですが、またしてもラテン調かいっ!…というところに町会長としてはちょっぴり苦言を呈したいところなんですが、AABA形式の “Bの部” でオーソドックスな4ビートに転じるなど、それなりに工夫の跡は窺えるんですけど。 アドリブ・パートも基本的に4ビートに乗って展開されておりまして、ここでのフォスターはちょっぴりコルトレーンっぽかったりするよね?…ということろが、ちょっぴり新鮮だったりもしました。 続くパット・レビロットのソロはマッコイ…というより、むしろハービー・ハンコック的な反抗期を思わせるところがあったりして、なかなか芸風が広いですな。 で、続いてのベース・ソロはカンニングハムではなくて、もしかしたらリチャード・デイビスであるのかも知れず、やや前衛っぽい小難しさがいかにもこの人らしくて、ちょっぴり難しいです。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 今日のところは以上です。

【総合評価】

 フランク・フォスターって、こんなキャラだっけ?…と思ってしまう、やや個人的な印象とは違っていたアルバムでありますな。アホっぽいので始まって、小難しいので終わって、途中、ラテンっぽいのが悪くないところは評価してもいいと思います。…といった1枚なのではなかろうかと。


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