SHARPSHOOTERS (MERCURY)

CANNONBALL ADDERLEY (1957/12/15)

SHARPSHOOTERS


【パーソネル】

NAT ADDERLEY (tp) CANNONBALL ADDERLEY (as) JUNIOR MANCE (p)
SAM JONES (b) JIMMY COBB (ds)

【収録曲】

OUR DELIGHT / WHAT'S NEW / FULLER BOP MAN / JUBILATION
STAY ON IT / IF I LOVE AGAIN / STRAIGHT NO CHASER

【解説】

 いやあ、盛り上がりましたなぁ、トリノオリンピック女子フィギュアスケート。…という話の前に、まだオリンピックがぜんぜん盛り上がっていなかった頃のネタを片付けておきたいと思うんですが、まず第一に何が盛り上がらなかったのかというと、スキーのジャンプ団体が盛り上がりませんでした。やはり原田クンが4人のメンバーに選ばれなかったのが痛かったと思うんですが、一戸剛クンではあまりにもインパクトが弱すぎるんですよね。だいたい、名字を何と読むのかという事すら、最初の時点ではよくわからんかったんですが、いっそのこと名前を “建” にすれば “一戸建” となって、賃貸マンションよりはお金持ちという印象を与えることが出来たんですけどねぇ。 とまあそれはともかく、岡部孝信・葛西紀明・伊東大貴・一戸剛というメンバーで行われた団体戦は、ラージヒルの個人成績からすると、ま、6位がいいとこ?…という話でありまして、コーチの事前の予想でも6位。よし、じゃ、6位狙いでいこう!…という何ともネガティブな心構えで試合に挑んだところ、結果のほうもやっぱり6位ということでありまして、ま、予想どおりというか、何とか目標は達成出来たというか。ま、日本人の活躍は端からあまり期待していなかったのでいいんですが、個人戦では優勝候補と言われていたアホネン君もハウタマキ君もさっぱりでありましたな。僕はマッティ・ハウタマキが金メダルを取って、新聞の見出しに “待ってた、ハウタマ金!” と書かれるのを楽しみにしていたんですが、続いてはスピードスケートでありますかー。

 男子500mでは金メダルに最も近いと目されていた加藤条治クンが6位に沈みました。清水クンは15位に清水ました。盛りを過ぎた清水クンはともかく、ジョージ君にはかなり期待していたんですけどねぇ。前の組で転倒者が出て、リンクの整備で10分ほど待たされるという不運があったものの、それくらいの不運は、ふーん。…と軽く流せるくらいの余裕が欲しかったですね。ま、唯一の救いは期待度ゼロ、知名度ゼロだった “第3の男” 、及川佑クンが4位に入ったことなんですが、彼の頑張りは 「びっくりドンキー」 の知名度を大きく高めることになって、まさしく表彰モノと言ってもいいでしょう。少なくとも会社からレギュラーバーグ3食分くらいのチケットは貰ってもいいような気がするんですが、個人的には結構好きなんですよね、 「びっくりドンキー」 のレギュラーバーグ。大きな木のお盆にゴハンとハンバーグが盛り付けてあって、何となく囚人になったような気分が味わえる人気メニューなんですが、でもまあ、メダルを取ったわけでもないのに3食分というのはちょっと甘やかし過ぎですかね?レギュラーバーグを注文すれば、もれなくソフトドリンク1杯プレゼント♪…の優待券くらいでいいかも知れません。5位入賞の上村愛子で紙皿製の金メダルでしたからね。

 で、頑張ったと言えば女子500mで4位に入った岡崎朋美も健闘しました。ちょっぴり老けたかな?…という気がしないでもないんですが、34歳にしては十分に可愛いし、性格もよさそうですよね。さば的にはかなりタイプだったりするんですが、 「これから及川クンと慰め合います。」 …という台詞は “2ちゃんねる” のスレッドにもなって、数々のエロ小説が作られたりしておりました。ところで君は、カーリング女子の “チーム青森” の中では誰が好きかな? いや、頑張りましたよね、カーリングも。女子ばかりが取り上げられて、男のほうはどうして話題に上らないのか?…と思ったら、カーリング男子に日本チームは出場出来なかったんですな。 「びっくり日本新記録」 のカーリング競技で活躍した三浦康一をもってしても、オリンピックレベルには達していないということなんですかね?もっともあの番組では、とにかくストーンを出来るだけ遠くまで投げた人が勝ち。…という単純化されたルールになっていたし、三浦康一クンは自らがストーンになって果敢に氷の上を滑っていったものの、記録としては伸び悩んでいましたしね。 とまあそれはそうと、女子カーリングチームにはなかなか可愛いしギャルが揃っておりましたな。本橋マリリン、目黒萌絵りん、小野寺りん、林りん (りんりん) …って、いや、何でも語尾に “りん” を付ければいいというものでもないような気もしますが、個人的にはやはり小野寺チャンか林チャンあたりがいいと思いますね。いや、ぽちゃ系好きの僕としてはマリリンは絶対に外せないところなんですが、19歳という年齢がネックなんですよね。これだけ齢が離れていると、恐らく共通の話題がないと思うんですよね。 「昔、 “びっくり日本新記録” でカーリングやってたよね。」 …という話題を振っても、 「はぁ?」 …と言われるのがオチでありまして、いや、27歳の小野寺チャンにこのネタが通用するとも思えんのですけど。

 はい、次。スノーボードクロス。これは見ていて面白かったです。ハーフパイプの成田童夢クンを見て、スノーボードって所詮は子供の遊びの延長だよね。…という悪い印象を持ってしまった日本のおじさんも、クロスを見てスノーボードの楽しさを再認識した事でありましょう。ま、スノーボードクロスも子供の遊びの延長のようなものなんですが、とにかく、いちばん最初にゴールした人が勝ち!…という単純なルールが、おじさんにも分かりやすくていいと思います。で、最後まで何が起こるか分からないハラハラ・ドキドキの展開もいいですよね。特に女子の決勝では優勝を目前にしたヤンキーぎゃるが最後のジャンプで余計なグラブを入れて大コケして、土壇場で逆転されておりましたな。あれぞまさしく “蛇足” というものであったな。…という気がするんですが、ま、本人にしてみれば “画竜点睛” のつもりだったのかも知れませんけどね。あとはえーと、スキーのクロスカントリーでありますか。あれは大変ですよね。僕は今日、志賀高原に来ておりまして、この原稿もサンバレーにある “あやめホテル” というところで書いているんですが、奥志賀高原から焼額山への100mくらいの連絡コースを歩くのでさえも、かなりの苦痛でしたからね。クロスカントリーなどという競技をやってみようと考える人は相当に我慢強いか、あるいは真性のマゾであるに違いないんですが、この分野でも日本人ギャルは頑張りました。女子団体スプリントで夏見円チャンと福田修子(のぶこ)チャンが8位入賞を果たしました。順位だけみると大したことないと思われるかも知れませんが、外人のおっさんのような女を相手にしての体力勝負でこの成績だから、立派なものだと思いますね。で、この2人はルックス的にもかなりポイントが高いものがありまして、いや、まどかチャンはともかくとして、のぶ子チャンのほうは、のび太のママみたいな顔のおばさんだとばかり思っていたんですよね。いや、名前から受けるイメージだけで勝手な先入観を持ってはいけませんな。…ということに気付いた次第でありますが、そんなことでいよいよ女子フィギュアスケートなんですけどね。

 アルベールビル五輪で伊藤みどりが銀メダルを獲得したことにより、フィギュアスケートは顔ではない!…ということが判明したわけでありますが、トリノに出場した3人娘はなかなかの美形揃いでありましたな。いや、村主章枝を美形と言い切るのはどうか?…という反対意見が出されることは百も承知なんですが、僕は安藤美姫よりも、すぐりんのほうが好きですね。いや、ショートヘアのギャルが好きな僕としては、髪を切ったミキティは外せないところなんですが、18歳という年齢がネックなんですよね。これだけ齢が離れていると、恐らく共通の話題がないと思うんですよね。 「昔、 “びっくり日本新記録” でカーリングやってたよね。」 …という話題を振っても、 「はぁ?」 …と言われるのがオチでありまして、いや、誰が相手でもそれしか話のネタがない僕のほうにもかなり問題があるんですが、フリーの演技で4回転ジャンプに果敢に挑戦して玉砕したミキティの姿は、ハーフパイプの今井メロに通じるものがあって、いや、まだ10代なんですからね。チャレンジする気持ちは大切だと思うんですよね。で、前半のショートプログラムが終わった段階で、ま、安藤美姫は自滅待ちとして、すぐりんが4位で、荒川の静香ちゃんが3位でありますか。ついにメダルも射程圏内に入ったか?…と、期待に胸が膨らむところでありますが、でも及川クンや岡崎朋美と同じく、最後の最後に逆転されて結局は4位どまりになるんぢゃないか?…と、嫌な予感を抱いた人も少なくないことでありましょう。ここまで運に見放されてしまうと、人間誰しも疑心暗鬼に陥ってしまうんですよね。いやあ、いい夢を見させて貰いました。。。

 …と思っていたら、いやあ、やってくれましたなぁ、静香ちゃん。フィギュアスケートは割とナマで鑑賞しやすい時間に中継をしていたんですが、毎日6時半に起きる僕がテレビを付けたら、ちょうど荒川静香の演技が終わったところでありました。いや、よかったです。ナマで見ているとドキドキして心臓に悪いですからね。しかも静香ちゃんの演技は完璧だったそうで何よりなんですが、絶対に好演するやろな。…と思っていたアメリカのコーエンがコケちゃったようで、この時点で荒川がトップでありますか。生で見ていたすぐりんの演技も上出来だったと思うんですが、得点でコーエンを上回ることは出来ず、この時点でメダルはちょっと厳しくなりました。で、問題はいちばん最後に滑るロシアのスルツカヤなんですが、いや、彼女がコケた時は、思わず、おおっ♪…と思ってしまいましたね。人の失敗を期待して、コケたら喜ぶ。そういう嫌な性格になってしまうのがフィギュアスケート鑑賞の宿命であるわけですが、いや、コケなくても恐らく静香ちゃんが金メダルだったと思うんですけどね。 で、荒川静香と言えば、すっかり有名になったのが “イナバウアー” であるわけですが、恐らくこれは今年の流行語大賞の金メダル…とまではいかないまでも、8位入賞くらいはするんじゃないですかね?もっとも、流行語大賞の選考が行われる12月には、もはや誰もがこんな言葉は忘れているに違いないんですが、もしその頃まで現役であるようなら、忘年会の出し物でもしようかと思っているんですけどね。題して、 “稲葉クンのイナバウアー” って、いや、氷の上でなくても、スケート靴を履いてなくても、あそこまで後ろに反るというのは至難の技でありまして、失敗して後ろにコケて後頭部を強打して、 「稲葉、うわ〜。」 …という結果に終わるのがオチのような気がするんですけど。

 とまあそんなことで、オリンピックのお話は、おしまい。

 ということで、今日はキャノンボール・アダレイなんですが、なんでもいいけど 「あやめホテル」 の部屋は暖房が効き過ぎぃ。…という気がするんですよね。暑くて顔が火照るホテルであると言えるわけでありますが、ま、オイルヒーターのコックの開閉である程度は温度調節が出来るみたいなんですけどね。が、弁を絞り過ぎると流体の流れが阻害されるのか、配管の異常振動でガタガタと変な音がするので、結局のところは火照るくらいの温度でしか使用出来ないんですけどね。しかも今どき、テレビが100円玉投入方式かい!…と思ったら、さすがに投入口には紙が貼られていて無料で見られるように改造されていたんですが、すけべビデオの放映がないところがちょっぴり寂しいですな。ま、ゲレンデのすぐ横のスキー宿なので仕方がないのかも知れませんが、僕の部屋はスキー場とは反対側に面していて、窓を空けても裏山しか見えないところもちょっと今ひとつですな。裏山が見えたところで、羨ましいと思ってくれる人は誰もいませんからね。ま、心に何かやましいものを抱えている人であれば、裏山側のほうが世間から隔絶された感があって、いいのかも知れませんけどー。 ところで、今回はCDプレイヤーを持ってくるのを忘れてしまったので、記憶力だけを頼りに曲解説を書き進めなければならんのですが、えーと、演目のほうは 『シャープシューターズ』 でありますか。正式には 『キャノンボールズ・シャープシューターズ』 という名前であるようなんですが、このアルバムを取り上げようと思ったきっかけは、ずばり。例の如く、ジャケ絵を書くのが簡単そう。…という、ただそれだけの理由なんですけどね。壁の板にペンキでマルを書いて射撃の的にしてみましたぁ。…というコンセプトなんでしょうが、 「シャープシューターズ(鋭い射的手)」 という名前にふさわしく、ほとんど真ん中付近に命中しております。のび太ほどではないんですが、野比のぶ子並みの腕前であると言ってもいいでしょう。いや、のび太のママも射撃が上手なのか、そこまで調べはついていないんですけどね。ということで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 えーと、まず最初はタッド・ダメロンの 「アワ・ディライト」 でありますか。 「泡の悦び」 というのはおそらくソープランドのようなものなんだと思いますが、トルコ風呂という名称がソープに変更になった今でも、 “マントル” とか “ホテトル” とかいった呼び方はまだ現役ですよね。…と、顔が火照とるホテルの部屋でふと思ったりもしましたが、マーキュリー or エマーシー時代のキャノンボール・クインテットというのは実弟のナット・アダレイや、ピアノのジュニア・マンスといったソウルな面子が集まっていながら、その作風はファンキーというよりも、純正ハードバップという印象が強いんですよね。その意味で、ダメロンの曲を取り上げているのは多いに納得がいくんですが、さすがに記憶だけで曲解説を書き進めるのは無理があるような気がするので、とりあえず家に戻ってから続きは書くことにして。 …ということで自宅でありますが、いや、今日は本当なら “ごりん高原” という地味フェチ好みのゲレンデで滑る予定だったんですが、朝から雨で駄目になっちゃったんですよね。仕方なく小布施の町を散策して、早めに帰ることにしたんですが、そうそうのんびりと無駄話をするだけの時間的余裕はありません。ま、金曜日のうちにジャケ絵だけは書いておいたのでまだ気は楽なんですが、とりあえず先を急ぎましょう。えーと、 「アワ・ディライト」 でありますが、ジュニア・マンスの御陽気なピアノのイントロに続いて2管のユニゾンでテーマが演奏されております。かなり速めのテンポ設定なんですが、…とか言ってるうちに1週間が経過しました。いや、月日が経つのは早いものでありますなぁ。オリンピックなど、遠い昔の出来事のように思えてしまいますが、終盤の話題は何と言ってもスキーの回転で皆川賢太郎クンが4位になったことですよね。スキーが速くなければ、ただのレゲエのおっさんやな。…といった感じのルックスなんですが、アルペン競技での上位入賞は立派の一言だと思いますね。

 ということで 「アワ・ディライト」 なんですが、ジュニア・マンスの御陽気なピアノのイントロに続いて2管のユニゾンでテーマが演奏されております。かなり速めのテンポ設定なんですが、アダレイ兄弟の一糸纏わぬ熱いカラミは、いや、一糸乱れぬ熱いカラミは、辛味大根のような強いインパクトが感じられて、秀逸です。で、ソロ先発はアダレイ兄のほうなんですが、この人の吹きっぷりというのはとにかく直情径行の傾向がある経口避妊薬…といった感じで、ドライブ感が半端じゃないですよね。派手で脳天気で躁病気質なフレージングはむしゃくしゃした気持ちをフッ飛ばしてくれるようなパワーがあって、いいよね。…と思うか、ただむやみやたらに騒がしいだけで、ウザいよね。…と思うかは評価の分かれるところでありますが、頭で考える前に指が勝手に動いちゃうタイプなんでしょうな、恐らく。もしサックス吹きになっていなかったら、掏摸や痴漢の世界でも立派な業師になっていたと思いますが、で、続いてはアダレイ弟のほうでありますか。この人はですね、キャラが地味ですよね。もしラッパ吹きになっていなかったら、カッパを着て雨の中で交通整理をするような仕事がお似合いのような気がするんですが、ここでのプレイはいつになく派手なムードが漂っておりまして、かと思えば後半にコード進行を無視するかのような反復フレーズをリピートして繰り返したりするところは、モード奏法ぉ?…と思ってしまうような目新しさも感じられたりもして、何だか捉えどころがなかったりするんですけどね。で、ソロ3番手のジュニア・マンスはウイントン・ケリーを彷彿させる軽快さで軽く快くスイングしておりまして、とってもいいと思います。で、続く2管ユニゾンとドラムスとの絡みからドラム・ソロへという流れも実に興奮的にエキサイティングでありまして、大いに盛り上がっておりますな。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。いや、正統派ハード・バップとしては完璧な仕上がりでありますな。

 で、2曲目はおなじみの 「ホワッツ・ニュー」 でありますか。 「新着情報」 ではなくて、 「お久しぶりね〜、あなたに会うなんて〜。」 という内容の歌モノであるわけですが、これはアレですな。出だしの2音は確かに 「ホワッツ・ニュー」 なんだけど、その先は早くもテーマ・メロディがフェイクされていて、何となく 「ホワッツ・ニュー」 みたいな感じがする曲。…といった作品に変貌しておりますね。完全無敵のキャノンボールも、バラードを吹かせると上品でなくて品がなくて下品で、どうも今ひとつやよね。…といった気がするところが泣き所だったりするんですが、これはその弱点がモロに露呈した1曲であると言っていいでしょう。もう、装飾音がクド過ぎぃ。…と思わずにはいられないんですが、絶対的なテクニシャンが陥りがちな陥穽であると言えるかも知れませんね。関東出身の人は関西学院大学を “かんさいがくいんだいがく” と言ってしまいがちな陥穽に陥ることが多いんですが、寛成の改革を断行したのは松平定信でありますな。とまあそんなことはどうでもよくて、哀歓に欠けて、あ、いかんな。…という感じがするアダレイ兄に続いてはサム・ジョーンズのベース・ソロになるんですが、これはなかなかの出来だと思いますね。渋井陽子と同じくらい渋いところがいいと思います。で、それが終わると再びアダレイ兄のあまり渋くないソロがあって、まったく原曲に忠実でないテーマ部のようなものがあって、おしまい。ちなみにこの曲はナット抜きのワン・ホーン編成となっておりまして、マンス君もソロでは出番がなく、ま、これはこれで、たまにはアレと言えないこともないんですけどね。

 ということで3曲目の 「フラー・バップ・マン」 でありますが、これはえーと、W.G.フラーが作った曲なんですな。このW.G.フラーというのが一体どういう人なのか、僕は寡聞にしてセブンイレブンなんですが、いや、ついに桑名にも進出したんですよね、セブンイレブン。地元では新聞記事になるほどのビッグ・ニュースだったんですが、何せ県内で初の出店ですからね。今後3年間で桑名、四日市両市に25〜30店を出す予定…って、そんなにいっぱい、どこに立てるねん?…といった感じなんですが、とにかくまあ、この 「フラー・バップ・マン」 というのはメンフラハップの香りがするファンキーな佳曲でありますな。そうそう、こういうのを待ってたんだよね。…といった感じでありますが、アダレイ兄弟の絶妙の絡みによるテーマ部に続いて、まずはナットのソロでありますか。1曲目に比べるとオーソドックスな展開なんですが、ま、このほうがいかにもこの人らしくていいではありませんか。…という気がしないでもなくて、で、続いてがサム・ジョーンズのベース・ソロというのは前曲に続けてなのでやや工夫に欠ける嫌いが無いでもなくて、ま、続くキャノンボールのソロはそこそこソウルが感じられて、悪くはないと思うんですけどね。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。何だか嫌にあっさりと終わってしまいましたが、4曲目は 「ジュビレーション」 でありますか。小川隆夫クンの書いた日本語ライナーには、ここで演奏されている7曲のうち、オリジナル2曲(エマーシー原盤ではなく “Straight , No Chaser” もキャノンボールの作曲とクレジットされていたが、これはセロニアス・モンクの誤り、そして 『V.S.O.P.』 には“Fuller Bop Man” もキャノンボールではなく W.G.Fuller のクレジットがされており、こうなると “Jubilation” のみが彼のオリジナルということになるが…、などと書いてあって、今ひとつ日本語がよくわからんぞ、隆夫!…と思わずにはいられませんが、ちなみに 『V.S.O.P.』 というのは1984年に発掘された 『マーキュリーV.S.O.P.アルバム』 という未発表曲集のことらしいんですけどね。ま、日本語が怪しいのは印刷する際の誤植ということも考えられるので別にいいんですが、それはそうと 「ジュビレーション」 って、ジュニア・マンスのオリジナルではなかったっけ?…という気がしないでもなくて、いやあ、隆夫クンもまだまだですなぁ。

 …と、しばし優越感に耽って、では本題に入りましょう。この曲はアレですよね。コテコテのゴスペル・ソングでありまして、ここまでゴスペルっぽいのはゴスロリ好きの僕でもちょっぴり引いてしまうところがあるんですが、この曲をアダレイ兄弟は意外にあっさりと料理しているんですよね。そこのところがソウル・ジャズでなく、純正ハード・バップな本作の特徴であるわけですが、管楽器とベースとの間でそれなりにコール&レスポンスも行われているので、ゴシック&ロリータ好きの人ならそれなりに楽しめるのではなかろうかと。それはそうと、嶽本野ばらってオトコだったんですな。ちっとも知りませんでした。ギャルだとばかり思っていた上に、名字も “ごくもと” と読むものだと思っていたほど世間知らずの僕でありますが、地獄・監獄の “獄” ではなくて、御嶽の “嶽” という字なので、言われてみれば確かに “たけもと” で正解なんですけどね。でもそんなの、言われなければわからんちゅうの!…と逆ギレしておいて先に進みますが、テーマ部ではミディアム・テンポでグルーヴィな感じだったのが、ソロ先発のキャノンボールはいきなりの倍テンポで飛ばしまくっておりますな。ま、三重県には 「飛ばして鳥羽市に行く」 という地口ネタもあることなので、飛ばすこと自体は別に悪くはないと思うんですが、そういえば鳥羽にある “鳥羽水族館” は漢字変換に失敗すると “飛ばす遺族間” になったりするんですよね。一刻も早く駆けつけないと遺産相続で不利になるしぃ。…というので、思いきりクルマで飛ばす遺族の姿を彷彿させて秀逸なんですが、東京都内であまり飛ばすと、都バスと追突したりするので注意が必要だと思います。で、ここでのアダレイ兄もちょっとやり過ぎのような気がしないでもないんですが、そこへいくとソロ2番手のナット・アダレイは分をわきまえた落ち着いたプレイに終始していて、なかなか好感が持てますな。 “出る杭は打たれる” とギリシャの哲学者、ウタレール・デルクイも言っておりましたが、ちょっと意外だったのは、きっとコテコテの真っ黒ノリの演奏をしているに違いないと踏んでいたジュニア・マンスが、わりとあっさりしたスタイルだったことなんですが、ま、ここではサイドマンの立場ですからね。サウナマンのように目立つことは控えようという、殊勝な心掛けなのかも知れません。キャノンの兄貴にも見習って欲しいところでありますが、ま、彼の場合はリーダーという立場なので、山本リンダ程度には目立っていいのかも知れませんけどね。

 ということで、次です。5曲目は 「ステイ・オン・イット」 なんですが、これはタッド・ダメロンとディジー・ガレスピーの共作なんですな。華やかなバップ曲やな。…といった感じの作品でありまして、なかなか凝ったアレンジが施されたテーマ部からはダメロンの香りが漂ってくるような気がしますな。個人的にはダメロンよりもエメロンの香りのほうが好きなんですが、いいですよね、シャンプーの香りのするギャルというのは。パンスト好きの人は、エメロンよりもナイロンの香りのほうが、たまらんっ♪…とか言って、ハアハアと興奮したりするようですが、僕にはその気持ちはまったく理解出来ません。僕はパンスト自体があまり好きではありませんからね。だいたい、パンツと靴下を一緒にしてしまおうという発想自体が間違っておりまして、パンツはパンツっ!靴下は靴下っ!…というケジメをはっきり付けて欲しいと思います。で、演奏のほうはというと、ソロ先発のキャノンボールは、ま、いつものペースだから別にいいとして、弟のナットのほうがですね、はっちゃけておりますね。これほどハイノートをヒットさせるナットというのは今まで耳にしたことが無かったんですが、コルネットではなくてトランペットを吹いているんでしょうか?とにかくまあ、ガレスピーばりの派手な吹きっぷりに度肝を抜かれる思いでありますが、安藤美姫は “2ちゃんねる” の世界では “アンキモ” と呼ばれているんですな。個人的にはアンコウに限らず、キモ関係の食い物というのはあまり好きではないんですが、キモいですからね、キモって。ところが先日、酔った勢いで食べてしまった砂肝というのはそれほど気持ち悪くはなかったんですが、調べてみたら砂肝というのは肝臓(レバー)ではなくて、胃の一部だったんですね。ちっとも知りませんでした。ついでに言うと、焼肉屋で食べるハラミというのは横隔膜のことだったんですね。僕はてっきり、牛の腹のほうにある身のことだよね。…と思っていたんですが、ま、横隔膜というのも背中側と腹側に分類すれば、どちらかというと腹身に属する部位であると言えるかも知れませんけどね。しかしまあ、胃とか腸とか横隔膜とか、人間というのは動物のあらゆるパーツを食ってしまうものなんですな。で、今、畜肉の世界でもっともトレンドな部位と言えば “脊柱” であるわけですが、2年前の “セカチュー” に続いて、今年は “セキチュー” が流行語大賞に選ばれるかも知れませんね。 とまあそんなことで、ハイノート・ヒッターなナットに続いてはジュニ・マンのソロになるんですが、途中で管楽器のユニゾンが絡んできたりして、なかなかコーフン的な展開となっておりますな。ということで、テーマに戻って、おしまい。

 続いては歌モノです。 「イフ・アイ・ラブ・アゲイン」 。これはアレですよね。クリフォード・ブラウンが 『スタディ・イン・ブラウン』 で演奏していた曲ですよね。…という印象が非常に強いんですが、ここでのアダレイ兄弟のプレイもそのバージョンを彷彿させるものがありますな。…という気がしないでもありませんね。テーマ部のアレンジが似ているのか、もしブラウニー版を聞き直してみて、ぜんぜん似ていなかったら話が面倒になるので聞き比べるのはヤメにしておきますが、キャノンボール、ナット共、相変わらず派手なアドリブ・プレイを展開しておりますな。マンスのソロも無難にまとめられていて、根は地味なキャラである筈のジミー・コブまでが溌剌としたドラミングを聞かせていたりして、これもキャノンボール・マジックというやつなんですかね? 少なくともダーク広和のテーブル・マジックよりは凄いよな。…という気がするんですが、演奏の後半はキャノンボール→昆布→ナット→昆布の4バースで大いに盛り上がって、テーマに戻って、おしまい。

 で、アルバムの最後を飾るのはセロニアス・モンクの 「ストレート・ノー・チェイサー」 でありますか。僕はこの曲が今ひとつ好きではなかったりするんですが、それはそうとダーク広和って実はけっこう凄いマジシャンだったんですね。怪しいテーブル・マジックの通信講座をやってるくらいだから、どうせ大した奴ではなかろう。…と思って馬鹿にしていたんですが、オフィシャルHPのプロフィールのところを見たら、おもなTV出演として 「笑点」 の名前があったんですよね。紅白歌合戦や隠し芸大会のテクニカルアドバイザーもやっているみたいだし、なるほど、堺正章の活躍の影には広和のダークな後押しがあったというわけなんですな。ま、広和クンのアドバイスがなくともマチャアキは十分に芸達者だと思いますが、個人的には堺正章よりも堺すすむの “なんでかフラメンコ” のほうが好きだったりするんですけどね。 で、演奏のほうはというと、あまり好きな曲ではないので別にどうでもいいような気もするんですが、イントロの部分がちっとも 「スト・ノー・チェ」 らしくなくて、おおっ!…と思っていたらテーマ部ではやはり、おなじみのメロディが登場しておりまして、で、ソロ先発のナット君は何やら覇気が感じられないハキハキしない演奏を繰り広げておりますな。…と思ったら中盤ではわりと持ち直してきて、で、後半はややダラけてきて、サム・ジョーンズのベース・ソロへとバトンが手渡されます。で、このサム君のソロはですね、まあまあですかね?前半はウォーキング・ベース風に、で、後半はそれなりにメロディアスなソロを展開しておりますが、ちょっと長過ぎぃ。…という気がしないでもありません。続いて登場するマンスのソロでやや盛り返して、トリを飾るキャノン君の派手な歌いっぷりでちょっとだけ盛り上がって、テーマに戻って、おしまい。ま、このアルバムはですね、だいたいこんなところです。

【総合評価】

 意外と派手なナット、意外と落ち着いたジュニア・マンス、意外と叩きまくるジミー・コブ…と、意外なところで楽しめる1枚でありますな。ま、キャノンボールに関してはいつも通りなんすけど。


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