FIRE DOWN BELLOW (PRESTIGE)

TED CURSON (1962/12/10)

FIRE DOWN BELLOW


【パーソネル】

TED CURSON (tp) GILDO MAHONES (p) GEORGE TUCKER (b)
ROY HAYNES (ds) MONTEGO JOE (conga)

【収録曲】

FIRE DOWN BELOW / THE VERY YOUNG / BABY HAS GONE BYE BYE
SHOW ME / FALLING IN LOVE WITH LOVE / ONLY FOREVER

【解説】

 今年の “新語・流行語大賞” が決まりましたなー。この賞に選ばれた新語や流行語というのは、選ばれた時点で既に新しくもなければ、流行もしていないというのが通例なんですが、増してやそれが去年のものともなると、もはや隔世の感がありますよね。 ちなみに去年の年間大賞は何だったのかというと、 「チョー気持ちいい」 だったりするんですが、いや、これは20回を超える新語・流行語大賞の歴史において、最も愚かしい選択であったと思うんですけどね。第47回の ”日本レコード大賞” に、近藤真彦の 「愚か者」 を選んだのと同じくらいの愚挙だったと思うんですが、去年の流行語大賞には他にも 「気合だー!」 とか、 「セカチュー」 とか、 「…って言うじゃない ○○斬り! …残念!!」 などが選ばれていて、2004年というのは新語・流行語の分野においては、まったくの不作であったと言わざるを得ません。 それにしても、波田陽区ですかぁ。。。(←遠い目。) ちなみに、この賞に選ばれたお笑い芸人は、次の年には確実に芸能界から姿を消すことが約束されているようなものなんですが、レイザーラモンHGも来年は危ないところですよね。そもそもこの人、住谷正樹という名前で “よしもと新喜劇” に出ていた頃は、プロレスと乳首くらいしか持ちネタのない地味な脇役だったんですが、ある日、いきなりハードゲイと化して、あれよあれよという間にブレイクしちゃったんですよね。ま、本人も、ただ腰を振るだけの最低の芸…と自覚しているようなので、放っておいても勝手に消えていくと思うんですが、よしもと新喜劇では来年 “ぢゃいこ” あたりがブレイクするかも知れませんなー。

 で、この新語・流行語大賞はお笑い部門の他に、政治・経済・芸能・スポーツなど、いろいろなジャンルから選ばれることになっているようですが、政治の分野からは大賞受賞は確実だと思われていた 「刺客」 を差し置いて、 「小泉劇場」 などという、今ひとつインパクトのない言葉が大賞に選ばれましたね。 「刺客」 のほうも何とかベスト10には食い込んでおりましたが、受賞者は “該当者なし” となっていて、この言葉を最初に使ったとされる亀井静香はさぞや悔しい思いをしていることでありましょう。 “ちっとも静かでない亀井静香” と呼ばれる静香ちゃんが、この事態を黙って見ているのがちょっと不思議な感じがするんですが、世の中には “亀井静香” 同様、ちっとも静かでないのに “静” という名前が付いているものがあります。 “静電気” というのがそれなんですが、僕はこの冬になって、ずっとコイツに悩まされております。クルマのドアとか、ドアノブとか、スチール製の戸棚とか、スチール製のロッカーとか、とにかく金属製のものであれば何でもかんでも手を触れる度に、バチッ!…と激しいショックに襲われて、最近ではすっかり金属ノイローゼになっております。 “金” と名前が付くものは、例え “金隠し” でも触る気がしなくて、いや、金隠しは陶器で出来ているから、触っても大丈夫だとは思うんですけどね。 が、金隠しそのものは安全だとしても、中に入るのに便所のドアノブに手を触れる瞬間が要注意でありまして、激しい便意を堪えて駆け込もうとした瞬間に、バチッ!…とやられると、ショックのあまり、思わず漏らしそうになってしまいます。いけません。

 世の中には体質的に静電気が溜まりやすい人と、そうでない人がいるようで、そうでない人は、たかが静電気くらいで大騒ぎして。…と思われるかも知れませんが、溜まりやすい人にとってはですね、これは死活問題でありまして。 ま、静電気で感電死したという話は、乾電池で感電死したというのと同じくらい、あまり耳にしたことがないので、死活問題というのはやや大袈裟かも知れませんが、ショックのあまり漏らしちゃった人もいるくらいですからね。馬鹿になりません。労働安全の世界には “42Vは死にボルト” という言葉があって、例え42Vという低い電圧であっても、死ぬときは死ぬんだよね。…と言われております。また、同じく労働安全の世界には “38Vは鯖ボルト” という言葉もあって、38Vという電圧なら死ぬことはないんだけど、とってもサバなんだよね。…ということが言われております。いや、今ひとつ意味はよくわからんのですが、体質によっては蕁麻疹が出たりするのかも知れませんね。 で、ひるがえって静電気というのはどれくらいの電圧があるのかと言うと、 2000〜14400Vというのだから、相当のものでありますな。仮に 14400Vであるとすれば、378回ほど蕁麻疹が出て、342回ほど死んでも不思議ではないわけでありまして、漏らすくらいの被害で済んだのは不幸中の幸いなのかも知れません。それにしても 14400V。 僕は職業柄、AC100Vくらいまでなら耐える自信はあるんですが、AC200Vともなると肘のあたりまで、ガツン!…とくる衝撃があって、かなり嫌なものなんですよね。それが 14400Vともなると、72ガツンくらいのショックがある筈なんですが、それでもショック死したりしないのは何故なんでしょうか?

 その辺りの事情を便器に詳しい人に聞いたところ、専門じゃないから分からない。…とのことでありましたが、なるほど、確かにそうですよね。便器に詳しい人は大便器の封水トラップとかには詳しくても、静電気に関しては素人であるに違いありません。そこで、便器ではなくて電気に詳しい人にその辺りの事情を聞いてみたんですが、どうやら電気で恐いのは電圧ではなくて、電流なんだそうですね。電流がたくさん流れれば 42Vで死ぬこともあるし、電流さえ流れなければ 14400Vでもガツンと来るだけで意外と大丈夫だったりする…ということであるようです。静電気では 3000Vで針で刺されたような痛みを感じ、5000Vで腕までガツンと来て、12000Vで腕全体を強打された感じになるそうなので、僕が今までに経験した最大値は 3800Vくらいのものなのかも知れません。チクッ!…では済まないんですが、ガツンというところまでは行きませんからね。となると、やはり 14400Vというのはかなり強烈であると言わざるを得ませんが、どうしてこれほどまでの高電圧が体に蓄積されることになるんでしょうか?

 静電気というのはですね、物と物とを擦り合わせると発生するそうです。下敷きとセーターという組み合わせがなかなか効果的でありまして、子供の頃、脇に下敷きを挟んで擦って帯電させて、髪の毛を逆立てて遊んだ経験は誰にでもあると思います。セーターというのは普通に脱ぐだけでもバチバチと火花が出るほど静電気持ちにとってはデンジャラスな衣服なんですが、アクリル、ポリエステル、麻、木綿、絹、レーヨン、ナイロン、ウールとあるうち、ウールと言うのは一番プラスの電気を帯びやすいんだそうですね。逆にアクリルは非常にマイナスの電荷を帯びやすいそうですが、つまりアクリルとウールの組み合わせが静電気持ちにとっては最も危険なわけでありますな。先生、俺、毛糸のパンツを穿く時は、アクリルのスカートはやめるよ!…という心掛けが大切なんですが、身につけるものにちょっと気を遣うだけで、静電気というのはかなり軽減出来るんだそうですね。例えば靴なんかでも電気を逃がしやすい革靴のほうがいいそうです。ゴム底の靴を履いて車から降りるなどというのは、自ら進んで静電気を溜め込むような自爆行為であると言えましょう。それでかぁ!…と、僕には思い当たる節があるんですが、このところずっと電気を通さないゴム底の安全靴を履いてましたからね。普通の感電に対しては効果的な安全靴も、こと静電気に関しては裏目に出てしまったようで、今後は溜まった電気がすぐ逃げるように、裸足にフリチンというスタイルで仕事をするようにしたいと思います。…って、別にパンツは穿いてても大丈夫なのかも知れませんけど。

 とまあそんなことで、買ってみました静電気防止グッズ。シビレフグとか、わざと痺れさせるグッズというのは試してみるのも楽しいものなんですが、痺れを取るほうはそれほど嬉しくなくて、でもまあ、背に腹は変えられませんからね。リストバンドとかブレスレットの類いは何だかしゃら臭いし、ギンナンはウンコ臭いし、いや、この際あまりギンナンは関係なんですが、静電気というのはクルマから降りる時に一番ひどく発生するよね。…という気がするので、クルマの鍵をつけるキーホルダータイプのものを選んでみました。これ(↓)です。

静電気除去きーほるだー3種類♪

 まず最初に買ったのがいちばん右のタイプなんですが、これはですね、静電気が溜まった体でキーホルダーの胴体部分を握り締めると、その電気パワーによって液晶表示部にムンクの叫びみたいなのが出るという、そういう仕組みのアレなんですけどね。ああん、何だか楽しそう♪…と、さっそくクルマから降りた時に胴体部分をしっかと握ってみたんですが、叫び画像はまったく表示されませんでした。ま、帯電が少ない 場合は絵が表示されないことがありますが、効果に変わりはありません。…と説明書にも書いてあったので、すっかり安心してドアに手を触れるとですね、バチッ!…と激しい痛みが走って、駄目ぢゃん!ぜんぜん効果がないぢゃん! あるいは僕の使い方が悪くて、胴体部分を握り締めたまま、キーホルダーの先っちょで金属部分に触れるんだっけ?…と思って、翌日はその方法で試してみたんですが、今度は指先に、ビシッ!…と電気が走って、依頼、この役立たずの “叫び野郎” は一度も叫ぶ姿を見せることがないまま、机の引き出しに放り込まれることになったのでありました。今回、写真撮影のために久しぶりに引っ張り出してみたんですが、返す返すも腹の立つクズ製品でありましたな。あまりにもムカつくので、肛門にでも挿してやろうか!?…と思ってしまいましたが、そんなことをしても自分が痛いだけなのでヤメにして、さ、次のグッズを試してみましょうかぁ。 今度はですね、写真・左のタイプを試してみることにしました。これは確か“叫び野郎” と同じメーカーの商品だったと思うんですが、こいつはですね、叫びの絵が液晶画面に表示される変わりに、管の中のネオンが青く光るタイプのやつであります。でも結局、原理は同じなんじゃないか?…という気がしないでもないんですが、こちらのほうはチェーンの部分を握ったまま、筒の先っちょ部分を金属に触れさせると体に溜まった電気が放電されてネオンが青く点灯するんだそうで、握っただけで電気を空中に逃がそうという “叫びタイプ” よりは効果がありそうな気がしますよね。 が、結局は指先を電気が流れるわけだから、やっぱり痛いんぢゃないか?…という気がしないでもないので、恐る恐る金属部分にキーホルダーの管を接触させてみるとですね、おおっ♪ 思った以上にネオンが青く明るく光ったので、思わず感嘆の声を上げてしまいましたが、こうして少しずつ電気を流してやればちっとも痛くなくて、その後で素手で金属部分を触っても、ぜんぜん大丈夫なのでありました。いや、これはスグレモノでありますなぁ。 ただし、ドアを開ける時はキーホルダーを持っていたほうの手を使わなければ駄目で、反対の手で触るとやっぱりバチッ!…と来るようなので、それだけは注意しないといけないんですけどね。

 あまりにも調子がいいので調子に乗ってもうひとつ違うタイプのもの (写真・真ん中) も買ってしまったんですが、これも基本的には左のやつと同じ “左タイプ” であります。筒の部分がスリムで全体的に金属っぽくて、デザイン的にはこちらのほうがお洒落な感じがします。静電気の除去効果もまったく問題はないんですが、ただ発光部分が小さくて、おまけにオレンジの電球みたいな光り方をするので、今ひとつインパクトがありませんな。やはり全体が青く光ってくれるほうが僕は好きです。そんなことで結局、僕はもっぱら左のやつを愛用しているんですが、いろいろと試してみた結果、静電気というのはやはりクルマから降りる時に一番たくさん発生しているみたいですね。キーホルダーも持ってドアの部分に触れながら立ち上がると、シートから身を離した瞬間からジワジワと青くネオンが光り初めて、その状態が5〜6秒ほど続きます。で、完全に立ち上がってから改めて管の先を金属部分に触れさせてみると、ただ青白く光るだけでは飽き足らずに、じゅ〜っ…と何やら恐ろしげな音がすることもあったりして、我ながら自分の電気の溜まり具合にちょっとビビってしまいますなぁ。そのまま放電させずにドアに触っていたと思うと…。 ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル

 ま、いずれにせよコイツのお陰で、便所のドアに手を触れた瞬間に漏らしちゃうようなことも無くなるに違いありません。 “接して漏らさず” という貝原益軒先生を守って生きていける、そんな予感のする冬の始まりでございます。

 ということで、今日はテッド・カーソンです。カーソンと言うのはアレですよね。夜なべをして手袋を編んでくれた人ですよね。…って、それはカーソンやなくて、母さんやがな!…というのは僕の得意な持ちネタのひとつなんですが、得意ネタというのは必ずしも面白いとは限らず、むしろ非常につまらないことが多いという事実を感じ取って頂ければ幸いです。 とまあそれはそうと、テッド・カーソンと言えば 『ミンガス・プレゼンツ・ミンガス』 だよね。…と思っている人は少なくないに違いなくて、エリック・ドルフィーと五分に…とまでは言えないまでも、ドルフィーと一割二分五厘くらいに渡り合う姿に胸を熱くした人は多いでしょう。あまりにも胸を熱くし過ぎて胸焼けになった人もいるそうですが、今日はですね、そんな熱い男カーソンにも、ほのぼのとしたデビュー時代があったんだね。…ということを示す1枚を紹介したいと思います。 『ファイア・ダウン・ビロウ』 というのがソレなんですが、いや、タイトルだけ見ると実に熱そうな感じがするんですけどね。何だかこう、上から火が降ってきてベロベロになっちゃいそうな火渡り神事を彷彿させるものがあります。が、実際の火渡り神事というのはただ炭火の燃えかすの上を歩くだけの話で、ちっともスペクタクルではなかったりするんですが、このカーソンのアルバムも派手なのを期待していると拍子抜けしちゃうような緩〜い出来となっていて、そこのところが何とも言えずにアレだったりするんですけどね。ただ、メンバー的にはなかなか面白いものがあって、ピアノがギルド・マホーネスだったりするところは魔法と茄子が好きな人にとっては嬉しいところだし、モンテゴ・ジョーのコンガが入っているのも、コーンが好きな人には楽しめるに違いありません。美味しいですからね、コーン。少なくとも僕は昆布よりもコーンのほうが好きなんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょうかー。

 えーと、まず最初はアルバム・タイトル曲の 「ファイア・ダウン・ビロウ」 です。 “down below” には “地獄” と言った意味があるようなので、 “地獄の業火” とでも訳すんですかね? その割には何とも能天気なラテン調のナンバーだったりするんですが、リタ・ヘイワーズが主演した映画の為にネッド・ワシントンが書いた曲なんだそうです。ネッド・ワシントンもリタ・ヘイワーズも、どういう人なんだかまったくよく知らないんですが、ヘイワーズというのはアレですよね。平和を愛する野球チームみたいな感じがしますよね。 『頑張れ、ヘイワーズ』 とか、そういう映画も作れそうなんですが、どういう映画なのかと言うと、平和を愛する野球チームが頑張って野球をするという、そういう内容になると思うんですけど。いや、何だかとってもつまらなさそうですよね。 一方、カーソンの演奏はと言うと、ロイ・ヘインズのタイコと、コンガの軽快なリズムに乗った、何とも平和主義者な仕上がりでありまして、あ、こういうのをカリプソというんですな。…と、日本語ライナーを読んでひとつ賢くなりましたが、軽やかなトランペットの歌いっぷりが何とも脱力系で、よいですなー。ミンガスの元では顕著だった前衛派の片鱗は、ここではまったくと言っていいほど感じられなくて、ちなみにこれがデビュー3作目ということなんですが、成るほど、根はこういうタイプの人だったんですなー。 で、カーソンに続いてマホーネスがソロを取るんですが、ブロックコードを多様するも思ったほどの黒さはなくて、むしろレッド・ガーランド的なキュートさを感じさせるところがちょっと意外でありました。いや、もっとクドいキャラだという先入観があったんですが、思いのほかにサラッとしていて、良好です。ということでで、テーマに戻って、おしまい。いや、何とも軽いオープニングでありました。

 で、2曲目の 「ザ・ベリー・ヤング」 はアレです。 ザ・とっても若いバラードです。とっても若いというと、2歳くらいですかね? いくら僕がロリ好きだと言っても、さすがにそれはちょっと若過ぎぃ。…という感じでありまして、せめて小学4年生から高校1年生くらいでないといけません。で、そこから途中が大きく開いて、32〜46歳くらいまでならまた大丈夫だったりするんですが、ま、もしこれを読んで下さっているギャルの中に範囲外の方がおられましたら、どうもすいません。ま、基本的には年齢など関係なしに、男でなければ大抵は大丈夫でありますので、ま、そこはそれ、概ねそういうことでありまして。 で、この演奏はですね、コンガ抜きのワンホーン・カルテットとなっておりまして、実に淡々としたカーソンの吹きっぷりが非常に印象的であります。…と言い切るにはやや印象が薄いような気がするんですが、よく言えば毒がなくて苦みもない、ミヤリサンのようなプレイだと言えるんですけどね。こんなもので下痢が治るのか?…と心配になるほど何だか頼りない薬なんですが、ま、ミヤリサンなんてのは積極的に下痢を治すというよりも、少しでも便が柔らかくなる度合いが軽減されたらいいな。…といった消極的な薬効を期待して飲むものですからね。このバラードで泣こう!…とかそういう大それたものさえ期待しなければ、それなりに楽しめる1曲であるとは思います。 で、次。3曲目は 「ベイビー・ハズ・ゴーン・バイ・バイ」 ですか。かつて 「涙のバイバイ」 というタイトルで日本でも発売されたことのあるポップ・チューンなんだそうですが、成るほど、確かにとってもポップなチューンですよね。ミディアム・スローの何ともホノボノとした演奏でありまして、軽めのコンガのリズムが安っぽさをうまく演出していて秀逸です。所詮は 「涙のバイバイ」 だしぃ。…というヤル気のなさがいい味を出しています。これがもし 「人身の売買」 だったらもう少し真剣に取り組まなければならないところなんですが、あるいは 「インキンがカイカイ」 だったりしても事態はかなり重大なんですけどね。痒いですからねー、インキンは。 で、ここではカーソンの歌心に富んだソロに続いて登場するマホーネスのピアノがなかなかの出来でありまして、前半は転がるようなタッチのシングル・トーンでシンプルに。で、後半はブロック・コードを交えてきらびやかに…って、定番中の定番の手法ではありますが、そういうありきたりなところが悪くなくて、ま、そんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目の 「ショウ・ミー」 は、アレです。お馴染み、 『マイ・フェア・レディ』 からのナンバーです。 「ショウ・ミー」 という曲は正味、庶民的なナンバーなんですが、ここでのカーソンはミュート・トランペットのピアノレスでコンガ入りのカルテットという、かなり変則的なフォーマットで演奏しております。意欲的な試みである。…と高く評価することが出来ますが、残念ながらこの試みはですね、思いきりスベっておりますなぁ。もっと普通にやればよかったのにぃ。…と思わずにはいられませんが、僕はどうもピアノレスというのがあまり好きではありませんからね。トップレスだったらよかったのにぃ。…と思わずにはいられません。僕は断然、ノーパン喫茶よりもトップレス喫茶派ですからね。じゃ、トップレス喫茶とノーパンしゃぶしゃぶなら、どっちを選ぶか?…と言われるとかなり悩むんですが、いや、ノーパンはともかくとして、しゃぶしゃぶというのはかなり捨て難いですからね。結論としては、やっぱりトップレスしゃぶしゃぶやな。…ということになるんですが、最初から露出しているのではなくて、薄切りの牛肉で作ったブラを身につけていて、それを外してシャブシャブして食べさせてくれるようなシステムだと、もっといいと思います。ついでに薄切りの牛肉で作ったパンツを脱いでそれをシャブシャブしてくれてもよくて、となるとノーパンというのもそれはそれで捨て難いかも知れませんなー。 で、演奏のほうは後半、トランペットとドラムスの4バースもあったりして、ジャズ的スリルという点では本アルバムでもベストの出来であると言えるかも知れませんが、やはりギャル受けしないという点は大いに問題があるのではなかろうかと。

 5曲目は 「恋に恋して」 と、この辺りはお馴染みのナンバーが続きますね。が、これまたミュート・トランペットのピアノレスでコンガ入りのカルテットとなっていて、僕個人としてはどうもあまり印象がよくないんですが…、と思っていると途中からマホーネスのピアノが入ってきて、かなり印象の悪さが改善されるんですが、トランペットのソロに続いて登場するピアノ・ソロの出来も素晴らしくて、いやあ、やはり世の中はピアノ入りでありますなぁ。…と、つくづく思います。ということで、テーマに戻って、おしまい。 さ、残すところあと1曲でありますな。結論から言ってしまうと、僕はこのアルバムではこの最後の曲がいちばん好きなんですが、 「オンリー・フォーエヴァー」 というのがその演目なんですけどね。ジョニー・バーグとジェームズ・モナコのペンになる曲で、1940年の映画 『リズム・オン・ザ・リバー』 の中の1曲なんだそうです。ジョニー・バーグもジェームズ・モナコもどういう人なんだかまったくよく知らんのですが、ジェームズ・モナコというのはアレですよね。何となく、皮の中にアンコが入って入る和菓子が好きなんだよね。…という気がしますよね。 ま、それはそうと 「オンリー・フォーエヴァー」 というのは実に美しいメロディを持った曲でありまして、これはアレです。十分に泣けます。2曲目のバラードでは、やや単調に流れる丹頂ヅル。…という感のあったカーソンも、ここでは円熟味に溢れたプレイを披露しておりまして、スラーするような独特の節回しに彼の個性が感じられます。スラーって、流れるように…でしたっけ? 確か中学の音楽の時間にそのように習った記憶があるんですが、もしかしたら違っているかも知れません。何せ、5段階評価で “2” の時もあったりしましたからね、僕の音楽の成績って。 で、中間部で聴かれるガーランド・ライクなマホーネスのソロも秀逸で、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、おしまい。

【総合評価】

 

 終わりよければ、すべてよし。…で、何となくいい気分のまま聴き終えることが出来ましたが、初めてこれを聴いた時の印象としては、とになく地味で盛り上がらないという、それしか頭に残りませんでしたけどね。そもそもトランペットのワン・ホーンというのはバラード以外ではサウンド的になかなか難しいものがあるんですが、ま、それなりにアレではないでしょうかね?


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