THE PRISONER (BLUE NOTE)

HERBIE HANCOCK (1969/4/18,21,23)

THE PRISONER


【パーソネル】

JOHNNY COLES (flh) JOE HENDERSON (ts,a-fl) GARNETT BROWN (tb)
HERBIE HANCOCK (p,el-p) BUSTER WILLIAMS (b) ALBERT HEATH (ds)
HUBERT LAWS (fl) <#1,2,4> JEROME RICHARDSON (b-cl,fl) ROMEO PENQUE (b-cl) <#3,5>
TONY STUDD (b-tb) <#1,2,4> JACK JEFFERS (b-cl) <#3,5>

【収録曲】

I HAVE A DREAM / THE PRISONER / FIREWATER
HE WHO LIVES IN FEAR / PROMISE OF THE SUN

【解説】

 愛知万博も残すところあと1ヶ月余りとなりました (2005年8月22日現在) 。目標としていた入場者数1500万人もクリアして、まずは大成功と言ったところですが、今後、駆け込み需要による入場者の増加が予想されるので、最終的には2000万人を超えるかもしれませんね。夏休みが終われば客も減るだろうしぃ、涼しくなるだろうしぃ。…というので、9月になってから訪問しようと思っていた人は、混雑度に関しては当てが外れちゃうかも知れませんが、とにかくまあ、お食事に関してはハワイ名物のロコモコがお薦め♪…ということで、いや、空いていさえすれば “たん喰い亭” で牛タン三昧というのも悪くないかな?…という気もしたんですが、牛タンなんてのは焼肉屋でカルビやロースの合間に少しだけ食べるからいいのであって、最初から最後までずーっと牛タンというのは、ちょっと飽きるような気もします。それにこの原稿を書いている現在、僕は風邪をひいてとっても喉に痰が絡んでいるので、何だかあまり、タン食いてぇ。…といった気分にはなれないのでありまして。

 ということで万博レポの後半でありますが、パビリオンの待ち時間の目安としてはですね、携帯でも見れる このサイト が便利だと思います。  ま、ここに書いてある情報と実際の待ち時間とが必ずしも一致してなかったような気もするので、ちゃんと更新しているのか?…というのはちょっと疑問なんですが、ま、プラスマイナス2時間くらいの誤差を見込んでおけば、それなりの目安にはなるのではなかろうかと。ためしに現在 (2005年8月22日9時38分) の混雑情報をチェックしてみたところ、えーと、 “長久手日本館” が約100分待ちですか。 “名古屋市パビリオン「大地の塔」” は約20分待ちとなっていて、僕たちが行った時に比べるとかなり空いている模様でありますな。統計的に見て休み明けの月曜日は客が少ない傾向にあるようなので、平日に休みを取れる人は狙い目だと思いますが、ま、20分待ちくらいなら藤井フミヤ君の顔を立てて、あまり前評判のよろしくない世界最大の万華鏡を覗いてみるにヤブサカではないですからね。…と書いているうちに “大地の塔” の待ち時間は40分に増えてしまって、この情報が割とリアルタイムで更新されていることが判明したんですが、40分ともなると無理してフミヤ君の顔を立てる必要もありませんな。そもそも僕はチェッカーズがあまり好きではなくて、ショッカーのほうが悪役としての素質は上なんぢゃないか?…と思っているんですが、それはそうと “中部千年共生村” って、そんな地味なパビリオンもあったんですな。恐らく、このままずっと待ち時間0分のまま会期末を迎えるんじゃないかと思われますが、外国パビリオンというのも人気・不人気の格差が極端ですよね。そんなことでまあ、ちょっとグローバル・コモンのほうを覗いてみることにしましょう。

<< グローバル・コモン1 >>

 ここはえーと、アジアですな。現在のところ、待ち時間が軒並み0分っ!…という、恐るべき不人気状態となっておりますが、ま、確かにモンゴル、イエメン、イラン…では、あまりソソられるものがありませんよね。イエメン館にはイケメンがいる。…という噂を耳にしたことはあるんですが、僕はどちらかというとイケメンよりも “つけ麺” のほうが好きなので、別にどうでもいいとして。…と、ここまで書いた時点で14時35分になってしまったんですが、おお、 “韓国館” が約50分待ちになっておりますな。何でも、チェ・ジウのパネルの横にヨン様の顔部分がくりぬかれたパネルが並べてあって、そこで写真撮影するのがオバサマの間では大人気らしいですからね。「私がヨン様になってもねぇ。」…という不満の声が多数聞かれるそうですが、ま、ヨン様キーホルダーなんかも売られているみたいですしね。ただ、50分待ちとなるとそれなりの覚悟も必要でありまして、 「箱根八里」 の歌詞にもあるように、箱根の山は天下の険、韓国館も物ならず〜♪…といったところでしょうか。 で、このエリアで僕たちが見たのはですね、えーと、 “サウジアラビア館” だけでありますな。 いや、 “2ch” の 「万博でタダで貰ったものを語るスレ」 みたいなところで、何かタダで貰えるようなことが書いてありましたからね。その日は約10分待ちといった感じだったんですが、とってもサウジアラビアな装束を身に纏ったスタッフは、とっても日本人でありました。さすがアラブの富豪ともなると、アテンダントなどといった下々の仕事は金で現地人を雇って済ませる方針であるようでして。で、出口のところには噂どおり、立派なパンフレットとパソコン用のCD−ROMが “ご自由にお持ち帰り下さい” 状態で山と詰まれておりまして、いや、さすがにオイルマネーの力は大したものでありますな。何だかとっても得した気分♪…でありますが、ウチに帰ってCDを見たらさほど面白いものでもなかったので、ま、所詮はタダで貰えるものだよね。…といった感じではあるんですけどね。

<< グローバル・コモン2 >>

 大阪万博の目玉と言えば、何といってもアメリカ館の “月の石” であったわけですが、愛知万博ではあまり “アメリカ館” というのは話題に上りませんね。何を展示しているんでしょうね?…と思って調べてみたところ、 明るく元気な呼び込みのお姉さん。お兄さんは来館者全員とハイタッチ。脈絡なく 「OK牧〜場!」 と叫ぶマイクパフォーマンス…といった世界のようなんですが、いや、陽気なアメリカンでありますなぁ。僕はそういうノリはあまり得意ではないので、行かなくて正解やったな。…と、胸を撫で下ろしておりますが、いきなり 「OK牧〜場!」 と叫ばれても、どのように反応すればいいのかよく分かりませんよね。OK牧場、フォ〜!…と、レイザーラモンHGのように答えてみたところで、そのようなハードな芸が一般人に受け入れられるとは思えませんしね。 とまあそんなことで、 “グローバル・コモン2” というエリア自体、今回は近づくことがなかったんですが、世間で割と評判がいいのは “国際赤十字・赤新月館” みたいでありますな。プラネタリウム方式のシアターでの映像ショーやギャラリーゾーンなどを通じて、戦争、自然災害、疾病で苦しむ人を救うため、人種、民族、宗教を超えて助け合う世界の人々の姿を目の当たりにすることができます。…って、いや、これぞ万博のあるべき姿ですよね。待ち時間100分は覚悟しなければならないかも知れませんが、お子様には是非とも見せておきたいところでありますな。…といった教育的な配慮は、さば2号ファミリーにはまったくなかったようで、端から観覧予定に入ってなかったようなんですけどね。

<< グローバル・コモン3 >>

チュニジア館外観♪

 このエリアの一番人気は、何といっても “ドイツ館” でありますな。今日は約150分待ちみたいですが、僕が行った時は、240分待ちぃ?…と、思わず声が裏返っちゃうような状況だったのできっぱりと諦めて、 “チュニジア館” にしておきました。待ち時間ゼロでしたからね。ジャズ・ファンであれば誰しも、 「チュニジアの夜」 のチュニジアだよね。…ということで興味を持つに違いありませんが、いや、場内に “チュニ夜” が流れているといった粋な演出はなかったんですけどね。で、この国はまた、チュニジアの首都はチュニスだよね。…と、子供時代に首都を暗記することに夢中になっていた少年にとって、とても覚えやすかったということが記憶に残っているんですが、パビリオンの展示としてはですね、今ひとつでしたけどね。そっか!大して面白くないから、待ち時間がゼロなのか!…ということがよくわかったんですが、あとはえーと、 “トルコ館” ですか。もしかしたら、本場のトルコ風呂があるかも?…と、ある年齢以上のおっさんなら思わず期待してしまうところでありますが、トルコにはトルコ風呂がないのに、トルコと言うとトルコ風呂の本場だねっ♪…とか言われて、悲しい。…と、あるトルコの青年が訴えたのがきっかけになって、トルコ風呂はソープランドという名前に変更されたという経緯がある以上、トルコ館で本場のトルコ風呂が体験出来る可能性は極めて低いと言えるでしょう。 が、もし、あなたのお父さんがトルコ館の前で 「トルコかぁ。ぐへへへ。」 …と、怪しい笑みを浮かべていたとしたら、そのお父さんは間違いなく淫らなことを考えているに違いなくて、いや、嫌ですねぇ、中年のおっさんって。ちなみに僕の頭の中には、飛んでイスタンブールぅ〜♪…というメロディが渦巻いていたんですが、30分待ちぃ?…という感じだったので、諦めて “ボスニア・ヘルツェゴビナ館” に入りました。いや、特筆するようなものは何もなかったんですけどね。

<< グローバル・コモン4 >>

 ここに移る前に、フランスピザについて語っておかねばなりません。いや、ボスニア・ヘルツェゴビナ館の前あたりで、結構みんなが食べているんですよね、フランスピザを。 そもそもフランスピザというのがどういうものなのかと言うと、サイト検索しても愛知万博関連のページしか出てこないので、恐らくここでしか売られていない食べ物なんだと思いますが、フランス人が万博会場で売りに出しているピザ。ま、そういうものだと思うんですけどね。店員が 「ノン!」 と言っていたという証言があるので、フランス人である事は間違いないと思うんですが、ピザ自体がフランス風であるかどうかはフランスに行ったことがない僕にはよくわかりません。ま、普通に美味しいピザではあったんですけどね。 が、後で1個1000円という話を聞いて、1個1000円?…と、思わず声が裏返ってしまったんですが、いや、てっきり500円くらいのものだとばかり思っていました。ロコモコをドリンク付き1000円で売ったりして、オー、日本人、ボッタクリねー!…などという悪い評判が立ったらどうするのかと懸念していたんですが、フランス人も似たようなものだったんですな。ちょっぴり安心しました。 で、 “グローバル・コモン4” なんですが、 “オーストリア館” “スイス館” といったところは30〜40分待ちといった感じで、このところ待ち時間ゼロのところばかりに入って行列に対する耐性が著しく低下してしまった僕たちには、とても耐えられるだけの自信がありません。かと言って待ち時間ゼロのところは、それ相応に全然つまらないよね。…ということが明らかになっているし、で、妥協の産物として待ち時間約10分の “北欧共同館” に入ってみました。うーん、相応ですかね?待ち時間ゼロのところよりは展示もちゃんとしておりましたが、さほど面白いというわけでもなく、ま、10分がいいところでしょう。

ロシア館@マンモス骨格標本♪

 次、“コーカサス共同館” (待ち時間0分) 。待ち時間相応でしょう。で、このエリアの最後に “ロシア館” に入ってみることにしたんですが、下手をすれば30分は待たされるぅ?…といった感じで、ちょっとしたチャレンジだったんですけどね。ただ待ち時間2時間オーバーでとても並ぶ気にはなれなかった “冷凍マンモス” を、さば2号ジュニア1号あたりがまだ完全には諦めてないようなので、とりあえずロシア館のマンモスを見せておいて、「これが噂のマンモスなんだねっ!凄いねっ!見れてよかったねっ!」…などと、うまく言いくるめられないものかと思って、僕が強く観覧を薦めたんですよね。結果、20分待ちくらいで中に入ることが出来て、さほどの時間のロスにはならなかったんですが、さすがに相手が小学6年生ともなるとそんな子供騙しの手は通用しないようで、冷凍マンモスとロシア館の “マンモスの骨格標本” はまったく違うものであることを見破られてしまいましたが、ちなみにロシアのマンモスはですね、思ったよりも小さなものでありました。ま、所詮は象の仲間ですからね。恐竜のような迫力を求めるほうが間違っているのかも知れませんが、他にはマンモスの毛のようなものも展示されておりましたな。あれは本物なんですかね?…ということも気になるんですが、マンモスの毛を略すと、やっぱり “マン毛” なのか?…というのも大いに気になるところでありまして。

<< グローバル・コモン5&6&冷凍マンモス >>

キッコロゴンドラ北ゲート駅から見た人山の黒だかり♪ 観覧車から見た人山の黒だかり♪

 時間の都合でここまでは回れませんでした。順番でいうと “超伝導リニア館” の後でグローバル・コモン3→4と回って、キッコロゴンドラに乗って北ゲートに戻って、グローバル・コモン1を覗いたんですが、その後で “観覧車” に乗ったら4歳くらいのガキ以外は大人でも小学生でも軒並み一律700円も取られたりして、ぼったくりもいいところなんですけどね。 ということで、最後の締めはやっぱり “冷凍マンモス” でありますか。ロシア館の骨格標本で誤魔化しきれなかった以上、しかたがありません。単独観覧なら夕方5時以降のほうが空いている。…という係員の言葉を信じて夕方まで引き伸ばしていたんですが、夕方6時の時点で待ち時間は70分といったところでした。個人的には “マン毛” のほうを堪能したから “冷凍” のほうはもうどうでもよかったんですが、オトナである僕は大人しく、さば2号ファミリーの道楽に付き合うことにしてと。 結果的には30分ほど並んだだけでマンモスと対面することが出来て、端からまったく期待はしてなかったので、「まあまあやん。」と思えるくらいには感動することも出来て、ま、結果的には見ておいて正解だったと思います。

 とまあそういうことで、後はお土産を買って帰るだけだねっ♪…と思っていたら、北ゲート近くの公式ショップがこれまた凄い人だかりでありまして、まず店の中に入るまでに並んで、入店してショッピングカートの中に適当に商品を放り込んだら (←ゆっくり吟味する余裕なし) 一度店の外に出て、再び会計の為の行列に並ばなければなりません。今から思えば、そのまま持ち逃げしても分からなかったんぢゃないか?…という気がするほどの混雑ぶりだったんですが、ちなみに僕のすぐ前に並んでいた小4くらいの少年のカゴの中身はモリコロ・クッキー1箱 (←推定料金380円) だけでありました。んなもんくらい、万引きしろよ!…と思わずにはいられませんでしたが、ちなみにモリコロまんじゅうとかクッキーみたいな定番のお菓子は名古屋駅とかセントレアでも普通に売られていますので、無理して会場で買う必要もないのではなかろうかと。桑名市内の東名阪・大山田PAにも売ってますからね。ただ、まんじゅうとかクッキー以外の雑貨類に関してはやはり会場でないと手に入らないものも多く、ちょっと無理してでも公認ショップは覗いておきたいところでありますな。荷物になるからと思って帰りがけにお土産を買おうとするとハマるので、空いているうちの早めの購入がポイントでありましょう。 ということで、最後にロシア館謹製 “マンモスの子供” の写真を掲載したいと思います。こうして見ると、マンモスというのは所詮、象に気が生えた程度のものやな。…という気がしないでもないんですが、これを見てくれぐれも 「マンモスの子供だから “マン子” だねっ♪」 などと会場内で口走らないよう、ご注意願います。とまあそんなことで、万博レポはおしまい。

マン子ちゃん♪

 ということで、今日はハービー・ハンコックです。純ジャズ・ファンからブラコン好き、あるいは学会員に至るまで、幅広い層から支持されているハービーでありますが、60年代純ジャズ作品となるとブルーノート盤に限定されて、意外と選択の幅が広くありません。 “jazz giant” で紹介してないものとなると、えーと、 『エンピリアン・アイルズ』『ザ・プリズナー』 くらいですかね? ということで、今日は後者のほうを紹介したいと思うんですが、BN後期の、もう腐りかけ?…といった雰囲気が趣味の悪いジャケットの端々から漂ってきて、秀逸です。 タイトルが 「ザ・囚人」 なので、何となく檻に入っているようなデザインなんだと思いますが、ハービー、何か悪いことでもしたんですかね?禁断の薬 (ヤク) に手を出して麻薬等取締法違反とか、動物園のヤク (←哺乳類ウシ科) に手を出して器物破損とか。 いずれにせよこのアルバムはいかにもBN後期らしい大きめの編成が特徴でありまして、えーと、ジョニー・コールズジョー・ヘンダーソンガーネット・ブラウンジェローム・リチャードソン, ヒューバート・ロウズでありますか。いずれも立派に脇役が務まるくらいの実力は兼ね備えた豪華メンバーでありますが、その他、ロメオ・ペンキュー(?)、トニー・スタッド、ジャック・ジェファーズあたりはまあ、枯れ木も山の賑わいの “枯れ木部隊” のような気がしますけどね。一方、リズム・セクションのほうはバスター・ウィリアムスアルバート・ヒース…と、やや小粒でありますな。バスター・ウイリアムスなんて、バントの構えからヒッティング…みたいな小技は得意そうなんですが、あまり大きなのは期待出来そうもないですもんね。アルバート・ヒースのほうは、えーと…、特に思い浮かばないので、とりあえず1曲目から聴いてみることに致しましょう。

  「アイ・ハブ・ア・ドリーム」 というのはアレですね。キング牧師です。キング牧師の有名な演説です。 「私には夢がある」 。いいですなぁ。マーティン・ルーサー・キングというのは黒人公民権運動で知られた人なんですが、愛知万博のテーマにもぴったりですよね。 “キング牧師を語る by 殿様キングス” などという企画は多くの観客に感動を与えるに違いありませんが、もし殿様キングスが多忙であるようなら、代役としてクリスタル・キングでもいいんですけどね。あ〜あ〜♪…と、果てしない夢を追い続けていますからね、クリスタル・キング。 で、 “ザ・囚人” というのは抑圧された黒人を象徴する言葉だったのか。…ということが何となく分かってきたんですが、音楽自体はマックス・ローチの 『ウイ・インシスト』 のように政治色の強いものではなく、その点、ハービーという人は賢いですからね。 「アイ・ハブ・ア・ドリーム」 は、なかなか綺麗なメロディを持った佳曲でありまして、分厚い管楽器軍団が織りなすハーモニーは、さながら “拡大版 『スピーク・ライク・ア・チャイルド』 ” といったところでしょうか? 軍団の中ではアルト・フルートと思しき楽器がよく目立っていて、メイン・テーマの吹奏を任されているようなんですが、吹いてるの、誰?…と思ってパーソネルを見たら、ジョー・ヘンダーソンだじょー?…って、今ひとつ自信がないので疑問文になってしまいましたが、それがもし正解だとしたら、フルート系を吹くジョー・ヘンというのは個人的には初お目見えのような気がして、貴重です。 で、テーマの後はハービーのソロになるんですが、バックにハモりが絡んでくるでなく、ごくオーソドックスな演奏でありますな。ハービーのリリカルさが際立っていて、余計な演出がないのはむしろ喜ばしいところなんですが、ちょっぴりボッサ風の軽目のリズムも軽快ですよね。

 で、続いてのソロはジョニー・コールズでしょうか?フリューゲルを吹くコールズというのは初めて聴くような気がするんですが、フレーズにめりはりのある、めはり寿司。…といった感じでいいと思います。けっこう好きなんですよね、めはり寿司。葉っぱで巻いた寿司飯の握り飯やな。…といった感じの、サカナっ気ゼロの寿司なんですが、微妙に腐りかけて酸っぱくなった葉っぱと醤油とご飯のハーモニーが絶妙で、東紀州方面へ仕事にいった帰りによくスーパーのオークワで買って食べたものであります。ただ、それだけではちょっぴり物足りないので、ドライブイン “あら竹” まで来ると自販機でトリの唐揚げを買ったりしたものなんですけどね。…という話は前にも書いたことがあるような気がするんですが、それにしてもニチレイの冷凍食品をレンジで温めてくれる方式の自動販売機というのは、どうにも手持ち無沙汰なものでありますな。品物によっては温め待ち時間が120秒くらいもあったりして、その間、ほかの人から “せっぱつまって自販機で唐揚げなんか買ってしまった男” として、好奇の視線にさらされることになってしまいます。僕はそれが嫌で、客足の途絶えた夜の遅い時間に他の人がいないことを確認してから自販機に硬貨を投入したものでありますが、何で自販機でエロ本買う時みたいに、びくびくせなあかんねん?…と思うと、情けなくてちょっぴり涙が滲みました。ま、そんな悔しい思いをしてでも食うだけの価値があるほど、ニチレイの冷凍唐揚げは美味しいんですが、でもってソロ3番手はジョー・ヘンですな。アルト・フルートではなく、ごく普通にテナー・サックスを吹いておりますが、いかにも彼らしい “うねうねフレーズ” 連発でとても暑苦しいところがジョー・ヘン好きの人にはたまらないところでありますな。ジョー・ヘン嫌いの人にはただうっとうしいだけですけどね。 ということで、テーマに戻って、おしまい。

 1曲目の 「アイ・ハブ・ア・ドリーム」 は、ハービーのBN時代ベスト集♪…みたいなコンピ盤CDにも入っていて、それこそ耳にタコが出来るほど聴いたものでありますが、アルバム2曲目以降に関してはまったく何の記憶にもなくて、タイトル曲の 「ザ・プリズナー」 なんてのもちゃんと収録されていたんですな。結論から言ってしまうとですね、これはかなりフリーな曲です。 「ザ・囚人」 という名前なのに、こんなに自由で好き勝手をさせてもいいのか?…と思ってしまうほど、全体的にアウトな雰囲気が漂っておりまして、いや、一応テーマ・メロディらしきものはあるんですけどね。ジョニー・コールズが全体をリードして、フルート以下の管楽器軍団がハーモニーを付ける。…といった感じで演奏が始まって、で、その後、コールズが吹くメロディはほとんどアドリブのような気もするんですが、バックのアンサンブルはきちっとアレンジされているような感じもあって、で、ハービーはエレピを弾いているんですな。個人的にエレキ・ピアノというのはあまり好きではなくて、世の中でエレキ化して成功したのって、電動コケシくらいだよね?…という気はするんですが、それはともかく、ちょっぴりドラムスがフィーチャーされたりして、その後はジョー・ヘンのソロとなっております。相変わらず、クドさ満点ですよね。もう、くねくねラーメンの焼豚ご飯もびっくり!…といった感じなんですが、先日、珍しく会社の近くの “くねくねラーメン” という店に行ったんですけどね。この店ではラーメン+ご飯物というセットを頼むことが多いんですが、そのご飯物の部の焼豚ご飯というのがですね、クドいんですよね、これがまた。白いご飯に角切りの焼豚が混ぜてあるようなものなんですが、この焼豚がもう、ほとんどアブラやんけ!…と言いたくなるような代物でありまして、食べると気持ち悪くなることは必至。それでも思わず頼んでしまうのは、ご飯物の部が他には明太子ご飯と野沢菜ご飯しかなくて、明太子はあまり好きではないし、野沢菜と焼豚が同じ値段では何だかちっとも割が合わないような気がするので、思わず焼豚のほうを頼んでしまって後で後悔するんですが、この日は 「醤油ラーメンと焼豚ご飯」 と注文すべきところを、 「小ライスと焼豚ご飯っ!」…と言ってしまって、ギャル店員に思い切り怪訝そうな顔をされてしまいました。うるさいっ!わいはご飯物ばかり食いたいんや!…と開き直るのも大人気ないので、おとなしく小ライスのほうは醤油ラーメンに変更しておきましたが、このラーメンに入っている焼豚がまたアブラくどいので、今度こそ勇気を振り絞って野沢菜ご飯にするか、あるいは普通の小ライスにしておく手もあるんですが、いざとなったらやっぱり焼豚ご飯を注文して、クドいやないけ!…と心の中で思いながら食べることになるんでしょうなぁ。

 ということで、クドいジョー・ヘンダーソンのソロがしばらく続くことになるんですが、これがまた、かなりフリーなフレーズの連発でありまして、いや、これぞイマジネーションの爆発でありますな。…と、素直に思える人にはそれなりに楽しめるんではないかと思いますけどね。 で、続くハービーのソロはテーマ部とは違って生ピアノを弾いておりまして、その選択は正解だったと言えるでしょう。やっぱりピアノとビールと生八つ橋は生が一番ですからね。生でない生八つ橋なんて、生八つ橋じゃないっ!…と思わずにはいられませんが、ま、そういうのは生でない普通の八つ橋として、年輩者の間ではごく普通に受け入れられているんですけどね。うちも子供の頃は大変に保守的な家柄でありましたので、八つ橋と言えば普通の八つ橋っ!しかも、聖護院八つ橋っ!…と、銘柄まで指定されていたんですが、最近は親に反抗して生の八つ橋ばかり買うようにしているんですけどね。銘柄は別に “おたべ” でも “夕子” でもどちらでもいいんですが、僕の名前が “ゆうじ” なのでどちらかというと夕子ちゃんのほうに愛着があって、でも、おたべちゃんから、ぱんつ見せてあげるから、私にして♪…と言われたら、あっさりたなびいちゃうかも知れず、で、ハービーの後には割と達者なバスター・ウイリアムスのソロもあって、え?これでおしまい?…と思わせる一瞬の間があった後、ジョニー・コールズのソロになるんですが、これまたフリーで、ちょっぴり苦痛を感じる出来ではあるんですけどね。 で、 え?これでおしまい?…と思わせる一瞬の間があって、今度は本当におしまい。

 3曲目の 「ファイアーウォーター」 は囚人に比べるとまだオーソドックスで聴きやすいナンバーです。シンプルでモーダルなテーマが分厚い管楽器軍団のハーモニーで演奏された後はジョー・ヘンダーソンのソロでありますな。相変わらずの焼豚ご飯ぶりではありますが、焼豚の混ざってない白いご飯の部分だけ食べればぜんぜん大丈夫で、いや、部分的に焼豚のアブラ成分が染み出してご飯自体がアブラまみれになっている箇所もあるんですが、ここでのソロはかなり短いので、我慢出来ない範囲ではありません。で、続くジョニー・コールズのソロは野沢菜的に地味ながらも味わい深くて、個人的にはけっこう好きなんですよね、野沢菜。先日、輪之内のマックスバリュで買った野沢菜チャーシュー飯というのは野沢菜ご飯の上にチャーシューが乗ったものだったんですが、野沢菜ご飯の中にも角切りのチャーシューが入っていて、それがちょっと余分でありました。チャーシューは上に乗ってる分だけでよかったんですよね。でもまあ、くねくねラーメンの焼豚ほどにはアブラっぽくないチャーシューだったので、野沢菜との相性もよくてまずまず、不味くはなかったんですが、あ、コールズの後に珍しくトロンボーンのソロもあるんですね。参加メンバーからするとガーネット・ブラウンだと思うんですが、なかなか赤茶色で渋いプレイをするんですよね、この人。 で、続いてハービーのソロがあって、いや、この人は淡々と弾いているようでも、時折、物凄いテンションを感じさせることがあって、ま、ここではさほどでもないんですが、短いベースのピチカート・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目、 「ヒー・フー・リブズ・イン・フェア」 。ゆったりとしたテンポのナンバーですな。テーマ部ではジョニー・コールズが目立っておりますが、あまりメロディらしいメロディのない作品でありまして、で、そのままハービーのソロへと流れていっております。最初の方ではエレピの音も聞こえたんですが、アドリブ・パートは生ピですかね? バックのリズムはややアウト気味なんですが、ハービーのピアノはきっちりビートをキープしていて、淡々とした中にもハイテンション。…という、彼の特徴の一端の一反木綿のようなものは伺えますな。管楽器の出番があまりなく、ハービーの露出度合いという点では本アルバムでも随一と言っていいフィーチャーされぶりでありまして、ま、たまにはこういうのもいいでしょう。リーダーなんだしぃ。 ということで、ラストです。 「プロミス・オブ・ザ・サン」 。 “太陽の約束” ですか。いいですよね、太陽は。何かこう、燃えてるっ!…って感じがしますもんね。で、この曲はそれほど、燃えてるっ!…という感じではないんですが、何かこう、 『ザ・プリズナー』 というアルバムの基本だよね。…と言った感じの仕上がりでありまして、管楽器多数のアンサンブルによる重厚なテーマ演奏 → 一転してシンプルなピアノのアドリブ・ソロ。…という流れが何だかこう、基本を感じさせるんですよね。 が、ハービーのソロがけっこう長くて、ちっとも基本じゃないぢゃん!…という気もしてきたんですが、個人的にはこの先、コールズ→ジョー・ヘンという基本的なソロ廻しを期待していたんですが、結果的にはピアノだけで終わっちゃいましたな。ということで、テーマに戻って、おしまい。

【総合評価】

 管楽器奏者がたくさん参加しておりますが、基本的にはトリオ+α…と考えてよろしかろうかと。いや、コールズ&ジョー・ヘンあたりには十分ソロ・スペースも与えられているんですが、後半はこれといった見せ場もなくて、ああん、残念。。。ハービーってリーダー作より、サイドに回った時のほうが凄い演奏をするよね。…という言い方をされることも多いんですが、特にホーン奏者に出番を与えずに自分だけでソロをやってる演奏って、意外とつまらんのですよね。…ということがラスト2曲でよくわかりました。 やはり 「アイ・ハブ・ア・ドリーム」 が本作のベストで、 「ファイアーウォーター」 がチョッキ、あとはまあ、付けたしといったところでしょうか。


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