OUT OF THIS WORLD (BLUE NOTE)

THE THREE SOUNDS (1962/2/4,3/7,8)

OUT OF THIS WORLD


【パーソネル】

GENE HARRIS (p) ANDREW SIMPKINS (b) BILL DOWDY (ds)
【収録曲】

GIRL OF MY DREAMS / OUT OF THE PAST / JUST IN TIME
I'LL BE AROUND / MY SILENT LOVE / SANCTIFIED SUE
OUT OF THIS WORLD / YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG

【解説】

 連休も終わっちゃいましたね。そこで今日は電球について考えてみたいと思うんですが、いや、別に減給でもピン球でも何でもよかったんですが、給料を減らさせることについて考えるのはあまり楽しくないし、ピン球ではとても1回分のネタがまかなえるとは思えないしー。じゃ、電球なら大丈夫なのか?…と言われるとそれもあまり自信はないので、とりあえずピン球で1000字分くらい稼いでみようと思うんですが、ピン球というのはアレですよね。ピンポン玉です。ピンキーとキラーズのピンキーのほうが、「私、ピン球が好きなのぉ♪」…という旨の発言をして以来、ピンキラのファンの間ではピン球がブームになったそうですが、ぴんから兄弟のファンの間ではさほど話題に上らないまま、現在に至る。…というのが近代ピン球史の大まかなガイドラインでございます。 少し時代を遡ってピン球誕生の歴史について調べてみると、これにはピンポンというスポーツが綿密に関ってくるということが分かります。ま、そりゃそうでしょう。ピン球なんてピンポン以外に、何に使うねん?…といった感じですもんね。ま、実際のところピン球の用途は何もピンポンに限られるわけでなく、あらゆるスポーツに応用することが可能なんですが、例えばえーと…、ピン球野球とか。これは一体どういうものなのかと言うと、ピン球を投げてサランラップの芯で打つという、ま、そういう競技なんですが、バットはあくまでもサランラップの芯でなければなりません。アルミホイルの芯では駄目です。あれはヘニャヘニャ過ぎて、ピン球を打ってもパコッ!…という情けない音がしてキャッチャーゴロになるのが関の山で、爽快感というのがまるでありません。その点、サランラップの芯はいいですよね。丈夫ですからね。たかがサランラップの芯に、あれほどまでの強度が必要なのか?アルミホイルの芯くらい簡単なものにしておけば、サランラップの単価は2円くらい安くなるんぢゃないか?…という気もするんですが、ま、サランラップの芯がアルミホイルの芯みたいになってしまったらピン球野球というスポーツが成り立たなくなってしまうので、アレはアレでいいと思うんですけどね。

 ただ、サランラップの芯というのは何もピン球野球のバットにリサイクルする為にあの強度になっているのではなくて、それなりに何か正当な理由があるんだと思うんですけどね。サランラップとアルミホイルを比べてみると、明らかに “芯に巻き付ける気合の入り方” に違いがありますからね。アルミホイルのほうは何だか投げやりな感じで芯に巻きつけられていて、隙があればすぐにほどけてやろうという意図がミエミエなんですが、それに比べるとサランラップのほうはきっちりしております。あまりにきっちり巻き付けられているので、引き出し口が分からんじゃないか!…と腹が立ってくるほどなんですが、あれだけきっちり何重にも巻かれていると芯にかかる力も半端ではなく、アルミホイルみたいなやにこい (←方言?) 芯では、グヂャっと潰れてしまうのでありましょう。子供なんかでも芯の弱い子供はすぐプレッシャーに押し潰されて、不良に走ったりしますからね。あの固い芯はサランラップが不良に走らない為に必要不可欠であるわけですが、にもかかわらず中には不良に走っちゃうラップもいて、その結果どうなるのかと言うと、不良品になっちゃうんですけどね。さすがに本家、旭化成のサランラップや、その対抗馬であるクレラップにはそういうことはないんですが、銀行が粗品で配っているパチもんのラップ、いわゆるパチラップには不良品が多いです。機嫌のいい時は大丈夫なんですが、少しでもご機嫌斜めになるともう駄目で、すぐ斜めに切れたりします。斜めに切れたラップで丼に蓋をしても中の豚汁が こぼれるので捨てる破目になるんですが、これで2巻半から3巻分は駄目になっちゃいますもんね。いや、斜め切れというのは逆ギレと同じくらい、始末が悪いものでありますなぁ。。。

 ちなみにサランラップの “サラン” というのは原材料の“サラン樹脂”から取ったものだそうでありまして、元を正せばこの “サラン樹脂” という名前は開発者の奥さんの名前 (サラ) と、娘の名前 (アン) を合成したものなんだとか。いや、奥さんと娘ではなくて、開発者が2人いて、それぞれの妻の名前がサラとアンなんだとか、奥さんがサラで妾がアンだとか、アンは妾ではなくて赤毛だったとか、ま、いろいろな説があるようですが、とにかくまあサラとアンで、サラン。ジャイ子とアンだったら、ジャイアン。後はえーと…、こし餡とか、つぶ餡とか、白餡とか、うぐいす餡とか、もはやアンコ関係しか思いつくものがありませんが、とにかくまあ、ピン球野球のバットにはサランラップの芯がいい。…ということが分かって頂けたと思います。で、このピン球野球のいいところはですね、使用するタマがピン球なので、家の中でやってもガラスを割る心配が少ないことなんですが、ま、サランラップの芯を振り回すことになるので、障子を破る恐れは多分にあるんですけど。それともう一点、使用するタマがピン球なので、変化球がよく曲がるというのもありますよね。フォークはちょっと難しいんですが、カーブだったら簡単に曲がります。使用するタマがピン球なので、もしタマがタマに当たっちゃっても大丈夫だし、いや、ピン球というのは実に素晴らしいものでありますなぁ。

 で、この素晴らしいピン球がいつ頃誕生したのかというとですね、1898年頃だと言うのだから意外と歴史が浅いんですな。今年 (2005年) で丁度、生誕107年ということになりますか。いや、丁度というにはあまりにも半端な数字でありましたが、ちなみに今年は “なめねこ” 生誕25周年なんだそうですね。それを記念して “なめねこ免許証” も復刻するそうですが、有効期限が “死ぬまで有効” だったのが、 “なめられたら無効” に変わっているようです。ま、別にどうでもいいんですけどね。で、ピン球生誕107年ということは、ピンポンという競技もそれだけの歴史しか無いのかというとそうではなく、こちらのほうは19世紀末から行なわれていたようです。ま、あまり違いはありませんけどね。フランス宮廷で行われていた屋内テニスが変化したもなんだそうで、いや、ピンポンというのは中国人の品本 (ピン・ポン) 君が考えたものだとばかり思っていたんですが、違ったんですな。で、ピン球も無しにどうやってピンポンをやっていたのかと言うと、当初はコルクやゴム製のタマを使っていたんだそうです。コルクピンポンやゴムピンポンって、何だか極限までつまらないよね。…という気がするんですが、イギリス人のJ.ギップくんも同じ考えだったようで、そこでセルロイド製のピン球を考案したんだそうでありまして。なるほど、ピン球の考案者は緒方洪庵ではなかったんですな。ま、緒方洪庵は名前がコウアンというだけの話で、ピン球とは何の関係もありませんからね。

 ということで、ピン球の話はおしまい。えーと、ここまでで約2900字でありますか。さすがに1回分は無理でしたが、わりと健闘しましたね。あとは軽く電球で流しておきましょう。しかし何ですな。電球というのはよく考えると、いい加減な名前ですよね。確かに電球というのは電気を使うし、タマのような形をしているんですが、それによってどのような効果がもたらされるかという点がネーミングから丸っと欠如していますよね。電気でピカっと光るタマだから、電ピカ球。…というのならわかるんですが、ただの “電球” ですからね。で、本来ならこの問題についてもっと深く議論しなければならないんですが、ピン球問題に行数を費やし過ぎてしまったので、涙を飲んで先に進みます。電球は誰が発明したのか?…という問題でありますが、いや、これは簡単ですよね。中国人の電球 (デン・キュウ) 君…ではなくて、アメリカのエジソン君であることは小学生でも知っています。中国人の小学生 (ショウ・ガクセイ) 君だって知っています。が、実はエジソンより前に電球を作っていた人がいるそうなんですよね。ハンフレー・デービーというのがその人なんですが、えーと、ハンフレー・デービー。特に何も思いつきませんね。これがもしハンフリーという名前の人だったら、何だかこう、半分フリチンのような名前の人ですなぁ。…とでも何とでも書けるんですが、つまらない事だと思います。いや、半分フリチンも十分につまらないとは思うんですが、とにかくまあ、この人が世界で初めて白熱電球の実験を行なったのが1802年ということですんで、エジソンに先立つこと、実に77年前ということになります。

 で、その原理を元に1820〜40年頃には白熱体に白金コイルを用いたものが試作されたようですが、なんせ白金というのは高価なものですからね。カイロにするならともかく、コイルにするのはちょっと無理があるわけでして。その後、いろいろと研究開発が行なわれ、1879年にエジソンが電球を発明…というか、よくやく実用的なレベルのものを作り出すことに成功したわけですが、その際、フィラメントに日本の竹を用いたのが大正解だったね♪…という話はよく知られたところでありまして。日本の竹って、竹の子の若竹煮にする以外にも世の中の役に立っていたんだね♪…と、子供心にも誇らしい気がしたものでありますが、実はこの竹に着目したというのもエジソンの専売特許ではなくて、1950年代にドイツのハインリッヒ・ゴーベルという人が竹の炭をフィラメントに使った炭素電球というのを作っております。その後、竹炭のかわりにカラスミやイカ墨を使った電球も作られたようですが、カラスミというのは酒の肴にはよくても電球には不向きで、イカ墨というのはスパゲティにはよくても電球には不向きで、結局のところは日本の竹がいいというところに落ち着いたようなんですけどね。 その後もいろいろと改良が加えられ、現在の電球はフィラメントにタングステンが使われているそうです。タングステンというのがどういうものなのか詳しくは知りませんが、おそらくテングサ (←寒天の材料) とテン (←イタチ科の哺乳類) の相の子のようなものではなかろうかと。 で、フィラメントが切れにくいようにガラス球の中にはアルゴンガスが封入されているそうです。ガラスが透明だと、眩しいやんけ!…と文句を言ってくる人がいるので、中にシリカという物質を塗り付けたりもします。シリカというのは二酸化珪素のことなんですが、これをゲル状にしたものはシリカゲルと呼ばれ、乾燥剤として広く煎餅の袋の中とかに入れられております。なるほど、シリカゲルというのは “シリカ・ゲル” であって、 “尻嗅げる” では無かったんですなぁ。

 とまあ、そんな電球でありますが、最近は蛍光灯に押されてやや肩身の狭い思いをしているようです。その原因はいくつかあるんですが、まず第一にエネルギー効率が悪いですからね。白熱電球というくらいだから光になるより熱になる部分のほうが多く、40ワットの電球の場合、光になるのが3ワット、熱になるのが26ワットというのだから、無駄もいいところですよね。同じ40ワットでも蛍光灯なら光8ワット、熱11ワットなので、同じ電気を使っても明るさは3分の1程度ということになります。この熱が出るという特性を逆手に取って、焼き上がったイカ焼きやタコ焼きを保温するケースに大きな白熱電球を付けたり、煙草の火の代わりに子供の顔に押し付けて根性焼きの代用にしたりと、もっぱら “焼き関係” では活躍しているようですが、本業の光部門では今ひとつ旗色がよくないようですね。いきなり切れるというのもよくありませんな。夜中に下痢による便意を催し、便所に駆け込もうとして階段の電気を付けようとしたところ電球が切れて、取り替えている余裕は無いので暗闇の中を駆け下りようとして足を踏み外し、大コケした拍子にその衝撃で思わず漏らしてしまったぢゃないか!…という経験は誰にも一度くらいはあると思います。それもこれもみんな、電球が切れたせいや!…と、ブチ切れることになって、いや、まったくもって不良ラップの斜め切れと電球切れには注意をしなければなりませんね。ということで、オチに今ひとつキレはありませんが、今日の話はおしまい。

 ということで、今日はザ・スリー・サウンズです。 ジーン・ハリスアンドリュー・シンプキンスビル・ドゥディの3人によるピアノ・トリオのユニットなんですが、3人のうちの誰がリーダーで、僕は下っ端で、君はパシリだよね。…といった序列を作らず、僕たちみんな立場は対等で、好きなゲームメーカーはタイトーだよね♪…というのを建前としております。おそらくインベーダーゲームで育った世代なんでしょうな。ま、それはそれでいいんですが、おかげでこの人たちのアルバムのジャケットには3人が仲良く顔を並べているものが多く、書くのが面倒やねん!…と思わずにはいられません。ホント、やめて欲しいですよね。おかげで “jazz giant” 登場回数も過去3回と少なく、ジャケ絵のほうは手抜きバージョンか、あるいは3人の顔が小さくて何とでも誤魔化せるものに限られております。そこでまあ、今回は 『アウト・オブ・ジス・ワールド』 なんですけどね。ぎゃる系ジャケ絵というのは僕のもっとも苦手とするところでありまして、それはおそらく、僕があまりギャル好きでないことに原因があるんだと思いますが、でもまあ、おっさん3人の顔を書くよりは遥かにマシだよね。…という気もするので、このアルバムを選んでおきました。で、これはどういうものなのかと思ったら、彼らのBN最終作となった 『ブラック・大木戸』 という のがあるんですけどね。そのセッションで演奏をたくさん録りためた結果、LP1枚に納まりきれない余剰在庫が多数発生してしまったんですが、それらを寄せ集めて再生した結果、誕生したのがこの 『アウト・オブ・ジス・ワールド』 であるということでありました。いや、何だかまったく期待が持てそうもありませんよね。 ということで、あまり期待しないで1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 まず最初は 「ガール・オブ・マイ・ドリームス」 という曲ですな。“私の夢の少女”。 ちなみに僕が夢としている少女はですね、ま、少女でなくて、多女でも別にいいんですが、とにかくロリ声であることが前提条件となります。ロリ声で、「ああん、さばさんってとっても、さばりんなのぉ♪」…と言ってくれさえすれば、他に何も求めるものはありません。ま、別にロリ声でなくてダミ声だったとしても、「ああん、さばさんって…(以下略)」 というのさえあれば、ぜんぜん大丈夫なんですけどね。こんな低いレベルの夢でさえ、いまだに叶わずにいるわけなんですが、この演奏はアレです。典型的なスリー・サウンズ・サウンドやな。…といった仕上がりとなっております。レッド・ガーランドの2倍はベタなブロック・コードと、レス・マッキャンより5倍は通俗的なノリ。その2つを兼ね備えたスタイルはアメリカの大衆にはウケがいいんでしょうが、日本の長州力にはあまり評判がよくありません。もともとあまりジャズが好きそうな感じはしませんもんね、長州力って。で、ビル・ドゥデイくんの叩くタンバリンがこれまた、やかましいっ!…んですよね。出過ぎたタンバリンと丹波哲郎は、うるさい。…というのは、ジャズ界と霊界では常識となっておりますので、ここはひとつ、もう少し控えめな叩き方にして欲しかったところでありますな。テーマ自体、なかなかキュートなメロディを持っているようなんですが、これだけ賑々しくやられるともはや何が何だかよくわからなくて、なんだかよくわからないうちにアドリブ・パートに入って、本人達は大いに盛り上がっているようなんですが、聴いているほうは今ひとつ中に入っていけなくて、、そうこうしているうちにテーマに戻って、おしまい。ま、アルバム冒頭の景気付けのようなものだと思って、軽く聞き流しておけばそれでいいのだと思います。

 ということで2曲目です。 「アウト・オブ・ザ・パスト」 というのはベニー・ゴルソンの曲なんですな。 “パスト” というのは “過去” のことだと思いますが、人間誰しも、他人 (ひと) には言えない過去というのが1つや2つはあるものでして。かく言う僕にも他人には言えない過去が2つや3つはあるんですが、それは何かと言うと、他人には言えない事だから、ここには書けないんですけどね。興味のある人はメールで、「さばさんの過去の秘密、お・し・え・て♪」…と問い合わせて頂ければ、ギャル系に限って教えてあげてもいいんですが、ま、そんなに勿体をつけるほど大した過去があるわけではないんですけどね。実は過去に加古隆が好きだったとか、過去の僕はカッコよかったとか、過去にカッコーを食べたことがあるとか、その程度の話でありまして。いや、カッコーの話は嘘なんですけどね。カッコよかったというのもいささか怪しいところがありまして、僕は昔から、「カッコいい〜!」と言われるよりも、「かわいい〜♪」と言われることのほうが多い少年でしたからね。とまあそれはそうと、この曲はですね、実に出来がいいですね。日本語ライナーで原田和典クンが、それにしても、ベニー・ゴルソンの 「アウト・オブ・ザ・パスト」 がこんなにピアノ向きの曲だとは思わなかった。…と書いている通り、実にしっくり、しっとりとまとまっておりまして、聴いていて、思わずうっとりしちゃうことは請け合いでございます。あとはまあ、尻取りとか関取とか、語尾に “とり” の付く言葉はいくつかありますが、翻訳ソフトで名前を和訳したら “流行遅れのビル” となってしまったビル・ドゥディのブラシによる控えめなサポートも絶妙でありまして、それにしても “DOWDY” にはそんな意味があったんですな。辞書を見ると “やぼったい” とか “むさ苦しい” といった意味もあるようで、主にギャル系を対象に用いられる言葉であるようですが、ご先祖様は一体何を考えてこんな苗字を名乗ることになったんすかね?…という問題に関しては僕にわかる筈もありませんが、ジーン・ハリスくんもここでは得意のブロックコードを控えめにして、シングルトーン中心で淡々と弾いているところがいいですよね。ま、中盤以降、我慢できなくなって思わずブロックしちゃう場面もあるんですが、ま、許容の範囲内といったところでありましょう。ハリス君のウイントン・ケリー的なプレイが楽しめる1曲として、傾聴に値する出来であると思います。

 3曲目、 「ジャスト・イン・タイム」 。この手の軽めの歌モノはスリー・サウンズの最も得意とするところでありまして、ただその料理法が今ひとつ日本人の口には合わないところもあるんですが、せっかくの本マグロなのにどうしてカルパッチョにしちゃう? 生で、醤油を付けて食べればええやん!…みたいな。ま、カルパッチョというのもそれはそれで美味しいものなんですが、何も本マグロを使うことはなくて、あんなものはキハダマグロで十分ですからね。キハダマグロなんか食べて、黄疸になったらどうするんだ?…と心配する向きもあるかも知れませんが、キハダマグロを食べても肌が黄色くなることはありませんので、ご安心のほどを。 みかんを食べ過ぎると手が黄色くなっちゃいますけどね。で、この曲、イントロなしで、いきなりテーマをブロック・コードで弾くというのはどうか?…という気がしないでもないんですが、ま、レッド・ガーランド風に聴こえなくもないので、これはこれでいいとして。ビル・ドゥディ君はテーマ部ではブラシ、アドリブに入ってからはスティックと使い分けていて、何でもいいけどこのドゥディ君、学生時代のあだ名は間違いなく “童貞クン” であったものと思われます。で、ピアノ・ソロの後、ピアノとドラムスの8バースがあったり、ピアノとベースの絡みがあったり、ベースのピチカート・ソロがあったりと、まさにメンバー全員が三位一体となった演奏が行われておりまして、ま、いいんぢゃないですかね。

 4曲目の 「アイル・ビー・アラウンド」 はガーランド風のバラード演奏が楽しめるナンバー。後半、ややブルージーになるあたりはこの人ならではの持ち味であると思います。 5曲目の 「マイ・サイレント・ラヴ」 もバラードですね。タイトルが “私の静かな愛” だから、あまり喧しくはしようがないんですが、似たような曲調の演奏が続くので、ちょっとダレる感じがダレル・ホールとジョン・オーツ。…という気がしないでもありません。いや、ホール&オーツの歌というのはそれほどダレる感じはないんですけどね。 んなことで、このあたりは軽く流しておいて、次に参りましょう。6曲目の 「サンクティファイド・スー」 はジーン・ハリスのオリジナルですな。ゴスペル・タッチの曲作りは、さすがに寺院好きのジーン・ハリスだな。…といった感じなんですが、いや、ゴスペルというのは寺院ではなくて教会の音楽なんですけど。ちなみにタイトルの訳語は “スーを神聖にしました” となりましたので、ま、そういう意味なんでしょうね。スーというのはキャンディーズのメンバーだと思います。好きだったんですよね、スーちゃん。いいですよね。何かこう、股間がスースーするような感じがあって。…って、いやそれはノーパンでズボンを穿いちゃった時の話であって、スーちゃんとは何の関係もないんですけど。 で、この曲、アンドリュー・シンプキンスのベース・パターンが一種独特のムードを醸し出して、いて、童貞クンは途中からタンバリンを取り出しております。ま、1曲目の時ほど喧しくはないので、別にいいんですけどね。で、全体としては、まあまあかな?…といったところでしょうか。

 7曲目。 「アウト・オブ・ジス・ワールド」 。 “こりゃ英和” では 「この世界から」 などという、つまらない訳語が出てしまいましたが、東芝EMIのCDで原文ライナーを日本語に訳している中原尚哉クンは 「この世のものならぬ」 という言葉を使っておりますな。どうやらギャルへの褒め言葉のようですが、個人的にはこのタイトルを見ると、どうしても地球外生物みたいなのが脳裏に浮かんでくるんですけどね。世の中にはたまにいますからね、ウンモ星人みたいな顔をしたギャルというのが。いや、ウンモ星人って “” のマークのUFOに乗ってるんだよね。…ということは知っていても、どういう顔の星人なんだか、今ひとつよくわからんのですけどね。成人の日の催しにもウンモ星人は出席していなかったしー。ま、成人と星人は直接関係はないので、別に式典を欠席したからといって一概にウンモ星人を責めることは出来ないんですけどね。それよりも問題なのは、この曲のアレンジが今ひとつ日本人向きではないよな。…ということなんですが、ま、スリー・サウンズも別に日本人を相手に演奏しているわけでないので、そのことで一概に彼らを責めることは出来ないんですけどね。で、どこがどのように日本人向きのアレンジではないのかというと、面倒なので詳しい解説は省きますが、そういえば “省く” で思い出したんですが、最近、通信販売で “はぼき” というのをあまり見かけなくなりましたな。掃除機のホースの先に取り付けるブラシのようなもので、一時期は “高枝切り鋏” と並ぶヒット商品だったんですけどねぇ。やはり “はぼき” などという、あまりにも漠然としたネーミングがよくなかったんでしょうか? “はたき” + “ほうき” だから “はぼき” なんでしょうが、 “ぼき” という語感にやや健全性の欠如が感じられて、いけません。それと同じく、商業高校の女子生徒が熱心に取り組んでいる “簿記検定” というのも何だか語感に健全性の欠如が感じられて、おもわずコーフンしちゃうのは僕だけでありましょうか?

 話がそれました。で、演奏のほうはというと、これで最後ですね。 「ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・ヤング」 。君はわしをヤングな気持ちにしてくれる。若いおなごのエキスで、こっちまで若返ったような気分じゃのう。ぐへへへへ。…といったエロ爺ぃを主人公にした曲ではないかと思われますが、ちなみに “こりゃ英和” の翻訳結果は 「あなたは私をそれほど若く感じさせます」 となりました。何だかずいぶんと丁寧な物言いですよね。ゼントルマン (←編集部注:“ジェントルマン”の事?) を気取ったら、騙されて若いおなごが靡くかも?…といった下心がアリアリと感じられ、かえって何だかいやらしいような気もするんですが、ま、 “靡く(なびく)” などという漢字をすらすら書けるところはさすがだと思いますけどね。 “亀の甲より年の功” といったところでしょうか。いずれにせよ、このようなエロ爺ぃに “バ@アグラ” を売りつけたらきっといい商売になると思うんですが、最近、街で見かける個人輸入代行の電柱ビラには “バ@アグラ”の他に “男:シ@リス” “女:なんとか@かんとか” というのがあって、伏字の部分に何という字が入るのか、すごく気になるんですけどね。女のほうは名前が長すぎて、伏字の部分以外はまったく覚えがないんですが、男のほうはやはり “シマリス” なんですかね? 可愛いですからね、齧歯類の哺乳動物。2本の前歯で指をカジカジされたりすると、思わずコーフンしちゃうのは僕だけはないと思いますが、それはそうと演奏のほうはですね、ま、普通の出来ですな。テーマ自体はキュートだし、ジーン・ハリス君のノリも悪くないとは思うんですが、何だかこう、全体的に今ひとつインパクトがないな。…みたいな。ま、所詮はそんなものなんですよね、スリー・サウンズって。

【総合評価】

 悪くはないんだけど、アルバム全体を通して、何だかこう今ひとつインパクトがないな。…という気がします。安定感という点では他に類を見ないルイ14世。…といった感じなんですが、世の中、安定路線だけでは面白みがないわけでありまして。2曲目、3曲目、4曲目のあたり、個別に聴くとかなりいい線いってるんですけどね。ま、所詮はそんなものなんですよね、スリー・サウンズって。


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