JUNIOR’S BLUES (RIVERSIDE)

JUNIOR MANCE (1963/2/14)

JUNIOR'S BLUES


【パーソネル】

JUNIOR MANCE (p) BOB CRANSHAW (b) MICKEY ROKER (ds)
【収録曲】

DOWN THE LINE / CREOLE LOVE CALL / RAINY MORNIN' BLUES
YANCEY SPECIAL / GRAVY WALTZ / CRACKLIN'
IN THE EVENING / BLUE MONK / THE JUMPIN' BLUES

【解説】

 この原稿を書いている今現在、世の中はゴールデン・ウィークで浮かれていることと思います。いいですよねぇ、ゴールデン・ウィーク。個人的にバレンタインとかクリスマスといったイベントは別になくてもいいんぢゃないか?…という気がするんですが、毎年、まったくといっていいほど楽しいことなど何もありませんからね。まだ節分のほうが太巻き寿司の丸かじり出来るから、楽しいや。…と思ってしまうほどなんですが、いや、大して美味しくはないんですけどね、太巻き寿司。なんでも “恵方(えほう)巻き” と言って、縁起のええほう (←恵方) を向いて寿司を丸かじりすると、その年は災いが起こらないと言われております。いや多分、嘘だと思いますけどね。毎年、寿司を丸かじりしようとして口を大きく開け過ぎてアゴが外れる年寄りが後を断たず、その時点で災いが生じてるやん!…と思わずにはいられませんが、ま、所詮は迷信だからそういうこともあるわけでして。

 ということで、今日は迷信について考えてみたいと思います。迷信、あるいはジンクスと言ってもいいかも知れませんが、明確に言うと迷信とジンクスは違うものなんですけどね。ジンクスとチンカスと言うのも違います。 ジンクスと殿様キングスと言うのも別物であるわけなんですが、とにかくまあ、ジンクスというのは縁起の悪い事柄だけを対象にしているようなので、先ほどの “恵方巻き” のように災いが起こらないといった類のものは、迷信ではあってもジンクスとは言わないわけです。恵方巻きを食べると、アゴが外れるというジンクスがある。…という言い方なら正しいんですけどね。もっともそれはジンクスというよりも、ただ単に物理的な問題であるような気もするんですけどね。で、ジンクスと言えばいちばん有名なのがプロ野球の世界で言われる “2年目のジンクス” というヤツでありまして、これはどういうことなのかと言うと、入団1年目で大活躍した新人選手が、2年目になるとさっぱり駄目になっちゃうという。確かにそういう選手は少なくありませんよね。2年目になると相手チームから研究されるとか、新鮮味が薄れて飽きられちゃうとか、そういった側面があるんでしょうが、あとはまあ “3年目の浮気” とか、 “5年目の破局” とか、 “桃栗3年柿8年” とか、“首振り3年、焼き一生”とか、いや、何だか最初の話とはまったく関係が無くなってきた上に、最後のは尺八とウナギがごっちゃになっているような気もするんですけど。

 迷信と聞いてまず最初に思い出すのは、 「食べてすぐ横になると、牛になる」…というヤツです。子供の頃、よく言われましたよね。「食べてすぐ横になると、牛になるでぇ。」…とか。横浜の子供だったら、「食べてすぐ横になると、牛になるじゃん。」…とか。名古屋の子供だったら、「食べてすぐ横になると、牛になるだぎゃ。」…とか。最後のはちょっと無理があったような気もするんですが、全国一律で同じような迷信が伝わっているというのは興味深いところですよね。名古屋だったら 「味噌カツになる」 、宇都宮だったら 「餃子になる」 、高松だったら 「うどんになる」 、沖縄だったら 「豚足になる」 …とか、それぞれのお国柄に応じたキャラに変身してもよさそうなものですが、日本全国、押しなべて “” 。ご飯に限らず、パンを食べてすぐ横になっても、うどんを食べてすぐ横になっても、焼きビーフンを食べてすぐ横になっても、何を食べても、押しなべて“”。牛鍋を食べてすぐ横になっても “”。えーと…、その先の話が続きませんので、別の迷信の話をしたいと思うんですが、「夜中に爪を切ると、よくない」…というのもありますよね。よくない。…って、生じる結果があまりにも漠然としていて具体性に欠ける嫌いがあるんですが、親の死に目にあえないとか、蛇が出るとか、爪の先から狐が入るとか、深爪しちゃうとか、間違えて肉まで切っちゃうとか、色々なことが言われている地方もあるみたいですけどね。爪と肉との間に針を刺すとか、生爪を剥がすとか、いや、拷問ではなくて迷信の話でありましたが、とにかくまあ、夜中に爪を切っていい事などひとつもないようでして。もっとも、蛇が出るのは爪切りではなくて、夜中に口笛を吹くと…のほうだったような気もするんですが、ちなみに夜中に口笛を吹いた時に登場するものは蛇に限らず、泥棒だとか、狼だとか、痴漢だとか、変質者だとか、露出狂だとか、いろいろなバージョンがあるようです。泥棒なんてのは、口笛を吹けば人の気配を察して逃げちゃうような気もするんですが、ま、露出狂の場合は見せてナンボの商売なので、人の気配を察して近寄ってくるということはあると思うんですけどね。

 えーと、ほかに“夜中シリーズ”というのはないんですかね?「夜中にモナカを食べると太る」…とか。確かにねぇ。寝る前にモナカなどの甘いものを食べるのは控えたほうがいいですよね。で、一方、昼間にやってはいけない禁忌というのもあるのではないかと思って調べたところ、これは見当たりませんでした。基本的に昼間というのは何をやっても大丈夫みたいなんですよね。だからたとえ昼間から、「ああん、昼間っからぁ♪」…といった行為を行なっていたとしても、ぜんぜん罰(ばち)が当たるようなことはないんですが、では一体どのようなことをすると罰が当たるのかというと、「(ほうき)をまたぐと罰が当たる」とか、「囲炉裏(いろり)をまたぐと罰が当たる」とか、「便器をまたぐと罰が当たる」とか、とにかく “またぐ” という行為が禁忌とされているようです。いや、便器など、またがずにどうやって用を足すんだ?…と思わずにはいられませんが、ま、これは僕が勝手に捏造した迷信でありますので、またいでもたぶん大丈夫だとは思いますけど。 で、話は変わって、「茶柱が立つと縁起がいい。」…というのがありますよね。縁起がいい。…って、生じる結果があまりにも漠然としていて具体性に欠ける嫌いがあるんですが、こちらは “夜中の爪切り” と違って、具体的な効能が伝えられている地域はないようですね。唯一、「茶柱が立つと子ができる。」…という言い伝えはあるようなんですが、これはおそらく、 “立つ” というところに何か希望の光を見出したんじゃないでしょうかね?茶柱だって立ったんだしぃ。…みたいな。ま、これ以上この話を続けていくと、高邁なサイトの品位が著しく損なわれてしまう恐れがあるので次に行きますが、えーと、「ミミズに小便をかけるとチ○チンが腫れる」…って、あ、だからこういう品位を損ねるようなネタはヤメにしてですね、でもこれは実によく耳にする言い伝えでありますので、まったく無視するわけにもいかないんですけどね。で、これはですね、結論から言ってしまうと、まったく効果はありません。いや、せめて腫れてでも…という一縷の希望を抱いて試してみたところ、ぜんぜん駄目ぢゃないか!…という結果に終わってしまったという実体験に基づく話ではなくて、よく人伝(ひとづて)に聞くんですよね。ミミズに小便をかけたけど、ぜんぜん腫れなかった。…という話を。所詮、ミミズにそれだけの実力はないわけでありまして、どうせなら漆の木の前で露出してみるとか、そういった実績のある方法を試してみるほうが得策なのではなかろうかと。いや、あとでどうなっても知りませんけど。

 「黒猫が前を横切ると不吉」。これも迷信ですよね。うちにはクロコという名前の黒猫がいて、しょっちゅう前を横切ったり、ゴロゴロしていたり、猫缶を食べていたり、猫便所でウンコをしたりしておりますが、とりたてて不吉なことが起こったりはしておりません。ま、確かにウンコをした直後は、ウンコ臭いぢゃないか!…という状況になってしまって、決して幸せな気分というわけにはいかないんですが、それもまあ、すぐに慣れるし−。 逆に「黒猫が前を横切ると縁起がいい」…と言われている地方もあったりして、何だかこう、白黒はっきりしろ!…と言いたくなっちゃいますが、ま、黒猫は黒いに決まっているんですけどね。その他、猫にまつわる言い伝えというのはたくさんあって、「猫が顔を洗うと雨になる」…とか。ま、クロコを観察していると、雨であろうが晴れになろうが、そんなことはお構いなしに、いつもペロペロと顔を洗っているような気がするんですけどね。最近は “ビオレu” の洗顔フォームがお気に入りのようで、やっぱり弱酸性だニャー。…などと言っておりましたが、いや、いい年をしたオトナが、そういうすぐに分かるような嘘を言ってはいけませんね。顔を洗う…というか、ただ自分の唾を顔面になすりつけているだけのようにも思われ、何だか余計に汚らしいだけのような気もするんですが、猫の唾液はウイルスの温床だとも言われてますしね。ある意味、デンジャラスな小動物ですからなぁ、猫というのは。 猫に引っ掛かれて傷口からバイキンが入り、手がパンパンに腫れ上がって、吐き気、発熱。…といったひどい症状が出ちゃう場合もあります。ちなみにこの病気には医学的に立派な名前が付けられておりまして、 “猫ひっかき病” というのがそれなんですが、いや、もうちょっと工夫のある名前を付けられなかったのか!?…と思わずにはいられないんですけど。“ミミズに小便…” は迷信に過ぎないとしても、猫のほうはちょっと注意が必要ですね。自分の局部をブラブラさせて “猫じゃらし” をするような真似は厳に慎まなければなりません。

 ということで、迷信の話はおしまい。

 ということで、今日はジュニア・マンスでありますが、それはそうとゴールデンウィークもすっかり終わってしまいましたなぁ。いや、これを書いている現在、土曜・日曜とまだ2日の休みがあるんですが、それはあくまでも通常のお休みでありまして、僕の心の中で連休は既に終焉してしまいました。そして今年もまた実りのない1週間でありました。2度の3連休のうち、木曽川ウインドサーフィンが2回、セントレアの散策が1回、金魚まつりが1回と、4日間は外に出ていたので外出率は 66.7%なんですが、ま、金魚まつりは夜にちょっと散策しただけなので 7.3%ほど差し引いて、実質的には 59.4%といったところでしょうか。屋台でねり飴フライドポテトを買ったんですが、ねり飴のほうは、ただ甘いだけやん! フライドポテトのほうは、ただ辛いだけやん!…という感じでありました。フライドポテト (←詰め放題) は、詰め放題と言われてもそんなに詰め込めるものではないし、威勢のいい兄ちゃんが、「こっちのほうが美味しいでー!」…と出してきたヤツはすっかり冷めていた上に、極悪的に塩味が強烈だったんですよね。高血圧になるちゅうねん!…と思わずにはいられなくて、いや、世の中、威勢がいいだけでは何ともならないものなんですね。ま、威勢よく塩をばら撒いた結果、ああなっちゃったのかも知れませんけど。 一方、ねり飴というのはアレです。水飴を2本の割り箸で“ねりねり”して、カキ氷用のシロップで色を付けたものであります。ただ水飴を“ねりねり”しただけやん!…という気がしないでもないんですが、割り箸代や“ねりねり”の労務費を考えると、100円という値段は、ま、妥当なところでありましょう。フライドポテト屋なんて、詰める手間を客に押し付けておいて 300円ですからね。ま、あれだけ塩辛いと塩代も馬鹿にならないのかも知れませんけどね。

 そんなことでまあ、木曽川@ウインドサーフィン。 スキー場ガイドで活躍したハンディGPSを川の上でも活用すべく、防水パックを買ってデータを取ってみたんですが、スキーの時ほど画期的な結果は得られませんでした。標高の変化をグラフにしてみたところで、標高 2mくらいのところで真横に1本の線が延びただけだったしー。 ま、それはある程度予想が付いていたんですが、期待していた速度のほうもはかばかしい成果が得られませんでした。ウインドの世界最高記録は確か時速 80キロオーバーで、ま、そこまでは無理としても、 40キロくらいは出てるぅ?…と思っていたんですが、1本目の測定結果は何と、MAX 5.5キロ。 しかもそれは水面を疾走している時ではなく、ボードを浜から水中まで運んでいる時点で記録しておりました。駄目ぢゃん!歩くより遅いぢゃん! いくら風のないコンディションだったとはいえ、これはちょっとひどいですなぁ。 後半、僕が耐えられる限界とまでは言わないまでも、そこそこ走るくらいの風が吹いて来たんですが、それでも最高速度は 14.5キロでありました。水の上での体感速度は地上の2倍なんだそうですが、それにしてもこれほどまで遅いとは思いもよりませんでしたなぁ。。。

 ということで、今日は 『ジュニアズ・ブルース』 というアルバムを紹介したいと思います。ジュニア・マンスという人はキャラ的にやや “明るい系” のイメージがあって、暗い系@ネクロフィリア派の日本人ジャズ・ファンにはあまりウケがよくないんでしょうか、名盤ガイドの類ではヴァーブの 『ジュニア』 くらいしか登場しないのが常なんですが、輸入盤ではリバーサイド系のリーダー作がかなりたくさんCD化されております。基本的にはトリオの人ですよね。管入りのものというのはほとんど印象にないんですが、そういえばこの人はサイドマンとしてもあまり顔を出さないキャラですよね? 総括して、オスカー・ピーターソン型のピアニストであると言えるかも知れませんが、えーと、そんなことで 『ジュニアのブルース』 。 サイドはボブ・クランショウミッキー・ローカーでありますか。ミッキー・ローカーと言うとどうしても、ミッキーマウスが廊下を走っているイメージがあるんですが、いや、ローカーというだけでどこにも走っているという要素はないんですけどね。いずれにせよ、やや地味な面子ではありますが、ま、地味な面子でも、痔気味のメンチよりはマシだと思うし、いや、10分間考えてこの程度のボケしか思いつかなかった自分がちょっぴり可愛いと思わずにはいられませんが、そんなことでまあ、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 まずはマンスのオリジナル、 「ダウン・ザ・ライン」 でありますか。 “線の下” 。意味はよくわかりません。こういう場合、きっと翻訳ソフトの “こりゃ英和” が力になってくれると思うんですが、試してみた結果、 “ラインの下方に”という訳語が出てまいりました。いや、あまり力になりませんでしたなぁ。ま、さして期待はしていなかったので、別にいいんですけどね。で、これ、曲自体は非常に出来がいいです。原文ライナーに、リラックス&イージー・スウィングを伴ったキャッチーなブルース。…と書いてある通り、寛ぎと控えめな揺れを伴った、楽しくて覚えやすいブルースとなっております。なるほど、 “catchy” にはそういう意味があったんですな。今までよく意味も分からずに使っておりました。ま、おそらく、キャッチャー地井武男の略だろう。…くらいに思っておりました。で、原文ライナーにはそれだけの解説しか書いてありませんので、後は自力で何とかしなければなりませんが、この曲はアレですよね。確かにイージー・スウィングですよね。軽快にバウンスすると言ってもいいし、バウンシー佐藤を彷彿させるという言い方も出来るようかと思いますが、いや、どこの誰なのかはよくワカランのですけどね、バウンシー佐藤。 バクシーシ山下というのは、すけべビデオの監督なんですけど。

 で、演奏のほうはですね、まず最初にテーマがあります。イントロ無しで、いきなりテーマです。何かこう、思わず口ずさみたくなっちゃうような軽快がメロディラインでありますな。ぴちぴちスカートから透けて見えるパンティラインというのもけっこうソソられるものがあるんですが、このメロディラインもなかなかのものだと思います。 で、テーマからそのままごく自然な感じでアドリブへと流れていくんですが、この人のスタイルというのはアレですよね。 “オスカー・ピーターソン+ウイントン・ケリー÷2” だよね。…と僕は勝手に思っているんですが、ここではわりとリラックスしたタッチでボルテックスなソロを聴かせていて、大いに楽しめる出来となっております。いや、マンホール用のポンプにあるんですよね、ボルテックスポンプ。異物が羽根車に絡まないのが特徴でありまして、これでもうトイレにパンツを流したって大丈夫だね♪…という優れ物でございます。 んなことで、演奏の後半にはボブ・クランショウのピチカート・ソロも聴けて、全体的に寛いだ雰囲気のよいオープニングなのでありました。

 2曲目はエリントン・ナンバーの 「クレオール・ラブ・コール」 です。いいですよね、これ。 “クレオール” と “ラブコール” で韻を踏んでいるところがとってもいいと思います。かなりアーシーなムードのブルースでありまして、やや息苦しい感が無きにしもあらずなんですが、もう花粉症も治癒しちゃったから大丈夫です。で、ここでのマンスの転がるようなタッチはレッド・ガーランドを彷彿させるものがあって、全体的にはアフター・アワーズで、ピンキーとキラーズ。…といった仕上がりになっております。 で、続く3曲目の 「レイニー・モーニン・ブルース」 も気怠い系のブルースで、アルバムのトータル・コンセプションという点ではそれなりに評価していいかも知れませんが、やや一本調子な感は否めません。ま、雨の朝のブルースですからね。気怠くなっちゃうのもやむを得ないところではありますが、気怠い朝は毛玉取りをすると、気分も紛れるマギー史郎。…という話はよく耳にしますよね。

 ということで、4曲目です。ミード・ルクス・ルイスの 「ヤンシー・スペシャル」 でありますか。ミード・ルクス・ルイスというのはブギウギの人だったと思うんですが、なるほど、確かにいかにもブギウギした感じの曲ですよね。タイトルから受けるイメージから、何だか特別にウンコ座りしている兄ちゃん?…みたいな世界を想像していたんですが、実際に聴いてみたところ、別にそんな感じはなかったです。なるほど、 “ヤンシー” と “ヤンキー” というのは違うものだったんですな。 ということで、5曲目です。ピアノ・トリオの演奏というのは何だか今ひとつ書くことがないので、どんどん先に進んでしまいますが、 「グレーヴィ・ワルツ」 はレイ・ブラウンのオリジナルなんですね。出だしはピアノの無伴奏ソロでありまして、またしてもスロー系@気怠いブルースなので、またかい。…と思って、ややうんざりした気分になってしまいましたが、途中、リズムが入ってからはムードが一変します。もう、一遍上人もびっくり。…といった感じなんですが、時宗 (じしゅう) って、何だか今ひとつ地味な宗派の開祖なんですけどね。何だかこう、今日は先生、お休み?…みたいな感じで。 で、一遍上人の名前まで出しておいて何なんですが、別に “一変” というほどムードが変わるというわけでもないな。…という気もしてきて、でもまあ、グルーヴィなワルツだよね。…ということだけは確かなんですけどね。 もっとも “gravy” というのは “groovy” と同義ではなくて、 “肉汁” という意味らしいんですが、転じて比喩的に “うまい汁” という意味でも使われるようです。うまい汁というとアレだよね。やっぱりハマグリ汁だよね。…と、桑名生まれの僕は思うんですが、しかし何ですな。3拍子の変則ブルースというのも、なかなかオツなものでありますな。おつまみイカと同じくらいオツだと思います。3分15秒という短めの演奏なんですが、キャッチーなメロディが印象的な1曲でありました。

 で、ここからがLPで言うところのB面になります。まずはマンスのオリジナル、 「クラックリン」 ですか。原文ライナーによると、ゴスペル風の中庸的急速調で、ジュニアのソリッドなノリはローカーのタンバリン味付けなサポートが効果的である…と。いや、これだけで何となく演奏が頭に浮かんできますよね。で、実際のところ、まったくその通りの演奏でありました。ある意味、僕たちが抱いているジュニア・マンスのイメージそのままでありまして、だよねー。この顔にはやっぱり、このノリだよねー。…みたいな。典型的なコール&レスポンスに僕たちの気持ちも思わず高揚しちゃう、びわ湖温泉“紅葉パラダイス” (←ハダカ天国♪)…みたいな。 いや、いいですね、こりゃ。品は無いけど、その代わり、下品。…といったところがとてもいいと思います。 ということで7曲目。 「イン・ジ・イブニング」 ですか。リロイ・カーという人が作った曲のようですね。どういう人なのかはよくワカランのですが、名前からして恐らく、エロい烏賊 (いか) のような人だと思われます。 で、曲のほうはというと、ミディアム・テンポのグルーヴィ・チューンとなっておりまして、別にエロでもイカでも何でもないんですけどね。とまあそういうことで、次。いや、本当に書くことがありませんね。で、8曲目はセロニアス・モンクの 「ブルー・モンク」 なんですが、個人的に僕はあまりこの曲が好きではないので、こいつは無くてもよかったかな?…という気がしないでもありません。でもまあ、弾いてしまったものは今さらどうしようもないしぃ。 で、この曲としてはかなりスローなテンポ設定にもマンス君の工夫の跡が感じられ、ソロの出来自体も悪くないような気もするんですが、いかんせん僕はあまりこの曲が好きではないので、やっぱり駄目ですな。どうしても、のりきれない自分…というのを感じてしまうんですよね。五月ですしね。そろそろ五月病の気が出始めているのかも知れませんが、こういう時は五月屋 (さつきや) の焼きそばでも食べると元気が出るんですけどね。いや、うちの近くにあるんですけどね、五月屋。中学生の頃、バキュームカーのおじさんがホースを抱えて店のテーブルの横を歩いていくのを目撃して以来、どうもここで焼きそばを食べる気にはならんのですが、あれは一体何だったんでしょうね?店の中を通らないと汲み取りが出来ない便所の構造になっているとはとても思えないので、汲み取り口が開かなくなってしまったか何かの非常事態だったのか、あるいは僕の見間違えだったのか。白日夢だったのかも知れませんね。真実がどうであれ、一度染み付いてしまった印象というのはなかなか消すことが出来ず、店の人には申し訳ないんですが、どうも五月屋というとバキュームカーのイメージを払拭出来ませんで。。。

 ということで、ラストです。 「ザ・ジャンピン・ブルース」 はチャーリー・パーカーとジェイ・マクシャンの共作であります。タイトル通りのジャンピンなブルースでありまして、調子のいい曲なのでアルバムの最後を飾るには相応しいですよね。マンスの軽快な弾きっぷりも軽くて快く、ごく微量ではありますがフレージング的にはハンプトン・ホーズを彷彿させる部分もあったりして、ま、いいんじゃないですかね。んなことでまあ、おしまい。

【総合評価】

 ま、いいんじゃないですかね。全体的に黒さよりも軽さが目立つかな?…といった感じなんですが、とってもバウンシー佐藤だと思います。


INDEX
BACK NEXT