LUMINESCENCE! (PRESTIGE)

BARRY HARRIS (1967/4/20)

LUMINESCENCE


【パーソネル】

SLIDE HAMPTON (tb) JUNIOR COOK (ts) PEPPER ADAMS (bs)
BARRY HARRIS (p) BOB CRANSHAW (b) LENNY McBROWNE (ds)

【収録曲】

LUMINESCENCE / LIKE THIS! / NICARAGUA
DANCE OF THE INFIDELS / WEBB CITY / MY IDEAL / EVEN STEVEN

【解説】

 みんな、 “GPS” を活用してるかな? “GPS” というのはアレですよね。 “Gal's Pants is Sukesuke”…というのは前回使ったので、今日はまた新しいのを考えなければならんのですが、えーと、そうですなぁ。 “GPS” というのはアレですよね。 “Gleat Paipan is Subesube (偉大なパイパンはスベスベ)♪”の略…ではなくて、 “Global Positioning System” ですよね。…って、いや、今日のネタはもうひとつだったかなという気がしないでもないんですが、とにかくまあ、前回は “GPS” を用いたカーナビゲーションシステムの動作原理のところまで話が進んでおりました。何だかこう、根本的なところで騙されているような何ともすっきりしない結末ではありましたが、とにかくまあ、日常生活においては “原理” よりも “下痢” のほうが切実な問題でありまして、先日、 “やぶはら高原” というところへスキーに行った際も、何だか今ひとつすっきりしない腹具合だったんですよね。朝、4時ごろに家を出てしばらく中央道を走っていたんですが、中津川ICで降りた辺りから事態はかなり切迫してまいりました。僕はスキーで木曽方面に行く場合、必ず “道の駅・賤母(しずも)” の便所を利用することにしているんですが、そこに到着した時点で、もはや一刻の猶予もない状態に追い込まれてしまいました。この道の駅にはですね、 “本館” のほかに、 “離れ” のような場所にも小規模なプチ便所があって、その閉塞的な雰囲気がシャイな性格の人には安心感をもたらすので、僕はもっぱらそちらのほうを愛用しているんですが、ただ個室の数が2つしかないのが玉に瑕でありまして、生憎、その日は2つの部屋とも先客がいたんですよね。というか、すんでのところで若いニイチャンに先を越されてしまいました。うーん、これはちょっとヤバいことになりましたなぁ。。。

 …と思っていたら、そのニイチャンはすぐに個室の中から出て来たんですよね。もう、パンツを下ろす暇もなかったんぢゃないか?…と思ってしまうほどの早業でありまして、僕は思わずその顔をじっと見詰めてしまったんですが、彼の目に浮かんだ、まるで許しを請うかのような表情の意味を詮索する暇もなく、便器に腰を下ろして用を足すと、うーん、何ともすっきりしない下痢便状況でありますなぁ。。。体調不良では、せっかくのスキーの楽しみも約30%減といったところでありますが、とにもかくにも眼下に広がるこの“汚物”を一刻も早く処分しなければ。…と思って便器の水を流したところ、ぜーんぜん流れていかないんですよね、これがまた。いや、勢いよく水が流れ出てくるところまではいいんですが、それが何時までたっても下水管のほうに流れ落ちていきませんで。いわゆる “便所が詰まった” という状態になってしまったわけなんですが、いや、焦りましたな。焦ったあまり、思わずもう一回便器の水を流してしまったわけなんですが、これはあまり効果がありませんでした。と言うか、むしろ逆効果でありました。勢いよく便器内に流れ込んだ水は下痢便を溶かし込んで茶色の汚水と化し、和式便器のふちから溢れんばかりの勢いで充満して、もう少しで床から靴から靴下から、すべてが汚水まみれになっちゃうところでありました。いや、あぶなかったですな。あと2センチくらいでオーバーフローしそうでしたもんね。もうちょっとで取り返しの付かないところになるところでした。

 みんな、便所が詰まった時はどうするかな? もし、そのような逼迫した事態が自宅の便所で起こってしまったとしたら、ま、自分で何とかしなければ何ともならないわけでありますが、もしそれが公衆便所であった場合は、話はまた別であります。逃げるが勝ちっ! そう、それしかありませんよね。僕は個室の中から外の様子を窺って、そこに誰もいないことを確認すると、一目散に逃げました。中に誰も入っていない時は、個室の扉は自動的に開放状態になる。…という構造であったため、便所に一歩足を踏み入れた途端、問題の茶色い汚水がモロ見えやん!…といった感じでありましたが、気にしている場合ではありません。あの日の朝、問題の便所を利用した人は相当に不快な思いをしたに違いありませんが、あの状況において詰まった便所を放置して逃げる意外にどのような手立てがあったというのでしょうか? 仕方ないぢゃん。便所にスッポンが置いてなかったんだしぃ。(←反省の色無し。) 今から思えば僕の前に問題の個室に入ったニイチャンの行動があまりにも挙動不審だったんですよね。入ったと思ったらすぐに出てきて、あれは絶対にパンツを下ろすだけの時間的な余裕はなかったに違いなく、彼がウンコをしなかったことだけは明らかであります。となると、水が流れない便器であることを察してウンコをするのをヤメたのか?…というと、それほど勘の鋭いニイチャンであるようには見えなかったし、それにあの、僕と目が合った時の何やら申し訳なさそうな表情から察するに、あのニイチャンが何か余計なことをしたんぢゃないか?…という気がするんですよね。何か余計なことと言うと、例えばクルマに酔って気分が悪くなって便所が詰まるような硬質のゲロを吐いたとか、ウンコを漏らして汚れたパンツを便器に流しちゃったとか、とにかくまあ、そのような余計なことをしでかしてくれたに違いなくて、つまりまあ、便器が詰まったのは僕のせいではなくて、このニイチャンの責任であったわけですね。何というをしてくれたんでしょうな、あのニイチャンは。。。

 今でもあの日のことを思い出すと、たとえ自分の責任ではないにせよ、ちょっぴり申し訳ないような気がしないでもないんですが、でもまあ、詰まった便器の水も3分後くらいには綺麗さっぱり流れていったかも知れないしぃ。(←とっても楽観的。) とまあそんなことで、僕は下痢腹のまま “やぶはら” に到着した次第でありますが、僕が書きたかったのはそんな事ではなくて “GPS” の話なんですけどね。 みんな、 “GPS” を活用してるかな? 僕はですね、とってもよく活用しております。GPSの活用に関しては、小林カツ代に次いで日本でも2番目くらい?…と自負しているくらいでありますが、具体的にGPSをどのように活用しているのかというとですね、まずはえーと、カーナビでありますか。それに続いて最近は “ハンディGPS” というのまで買ってしまいましたが、僕のGPSの活用例としてはですね、以上です。 日本で2番目と大きく出た割にはぜんぜん大したことなかったな。…と思わずにはいられませんが、ちなみに “ハンディGPS” というのはどのようなものであるのかと言うと、とってもハンディなGPSで山なんかに持っていくヤツ。…と言えばわかって貰えるでしょうかね? 山登りや山歩きの趣味があるわけでなく、山菜採りを生業(なりわい)としているわけでもなく、山川豊が好きでもない僕がどうして山で使うような器具を買ったのかというとですね、ま、早い話が衝動買いなんですけどね。事の発端はですね、どうしたら広い駐車場で迷わず自分のクルマにたどり着くことが出来るか?…というところから始まったんですが、よく迷うんですよね、僕って。どうして迷うのかと言うと、自分のクルマを止めた場所がわからなくなるからなんですが、いや、何かよい方法はないものですかね?

 …というので、まず最初に考えたのは “発信機と受信機のセット” でありました。駐車したクルマに発信機をセットして、受信機でその位置を見付けることが出来ないか?…という発想ですよね。渡り鳥や熊なんかの生態観察、もしくは徘徊老人の捜索などにその手の機器が使われているという話はよく耳にしますが、調べてみるとこの手のシステムは非常に大掛かりなものでありまして、とても一個人が駐車車両の探索に利用出来るような代物ではありませんでした。で、次に考えたのが “万歩計” なんですけどね。マンポン技師として万歩計に着目したのは当然の成り行きであると言えるかも知れませんが、これを駐車車両の探索にどのように活用するのかというとですね、まず自分がクルマを止めた位置から横方向に歩いていって、曲がり角まで何歩だったかをカウントするわけです。そこで向きを買えて今度は縦方向に歩いて、建物の入口まで何歩を要したかを覚えておくわけです。歩いた縦と横のそれぞれの歩数をメモリ機能付きの万歩計に記録して、その歩数を逆に辿ればすぐにクルマまで戻れるねっ♪…という、我ながら実にナイスなアイデアでありましたが、ただこの方式の最大の欠点はですね、万歩計というのは1日単位でしか歩いた歩数を記録出来ないところにありまして、横方向に続いて縦方向の歩数を記録させようとすると、足掛け2日間という日時を要することになってしまいます。そんなことをしてたら、日が暮れるちゅうねん!!

 で、いろいろと調べているうちに、どうやら “電子コンパス” というものがあるらしい。…ということが判明し、それならいっそ、 “ハンディGPS” という手もあるぢゃん。…ということになって、おもわず衝動買いしてしまった次第でありますが、いや、たかが自分がクルマを止めた位置に戻るだけのために “ハンディGPS” というのは大げさ過ぎやしないか?…という意見もあろうかとは思いますが、仕方ないぢゃん、もう買っちゃったんだしぃ。 ガーミン社製の“geko301” というヤツなんですけどね。ゲコさんまるいち。何だかとってもヘンな名前ですよね。でもまあ、道案内をして貰うなら酔っ払いよりも下戸の人に頼んだほうが確実であるに違いないのでまあいいとして、ちなみに “geko” というのは “geckoヤモリ” にちなんだネーミングのようなんですけどね。 “301” よりも安い “geko201” や “geko101” といった機種には趣味の悪いヤモリのマークがついていて、しかも本体カラーが黄色となっておりまして、とても僕の美的センスを満足させるものではありませんでしたので、奮発して高いのを買ってしまいました。買ってしまってから、たかが自分がクルマを止めた位置に戻るだけのために “ハンディGPS” というのは大げさ過ぎやしないか?…ということに気が付いて、衝動買いをかなり後悔することになってしまいましたが、でもまあ、もう既に買ってしまったものは仕方ないしぃ。ま、せいぜい活用法を考え出さねばなりませんなぁ。。。

 …ということで僕はこれをスキー場へ持っていくことにしたんですが、いや、これがなかなか面白いんですよね。わははははははは。…と、大笑いするほどには面白くはないんですが、ま、聖教新聞で連載されていた 「バリバリ君」 程度には面白いのではなかろうかと。いや、大して面白くはなかったんですけどね、 「バリバリ君」 。 んなことで、その成果の程は ここ を見・て・ね♪

 ということで、今日はバリー・ハリスです。もう、ばりばり、バリー・ハリスです。ちなみに 「バリバリ君」等身大の学会員を描く4コママンガとして、仏子を激励する 「寸鉄」 と共に高い人気を誇っていたようですが、最近は日常の折々の何気ない題材を扱っている 「あおぞら家族」 というのに変わってしまったようです。日常の折々の何気ない題材を描いた漫画というのはそれほど面白くはないかも知れませんが、でもまあ、等身大の学会員よりはマシ?…という気がしますよね。…って、そのような差別的な発言は厳に慎まなければなりませんね。そんなこと言ったら、ハービー・ハンコックに叱られます。「そんなこと言うなら俺、もう明日から学校行かねーよ!」…とか言って、グレて不純異性交遊に耽ったりします。自立を模索して何かと親に歯向かったりする年代ですからねぇ。…って、 「ハービー・ハンコックは反抗期」 という話はどうでもよくて、バリー・ハリスでありますな。バリー・ハリスはですね、齧歯類の小動物が好きらしいですね。前歯でドングリをかじる姿がカワイイ〜♪…とか言っておりましたが、 「バリーはリス好き」 という話もどうでもよくて、えーと、 『ルミネッセンス』 ですか。この言葉はどこかで聞いたことがありますな。確か、光とか照明に関する用語だったような気がするんですが、試しにちょっと調べてみたところ、 “らくらく化学実験ガムテープばりばり発光” というサイトがヒットしました。いやあ、諸方面でご活躍なんですなぁ、バリバリ君は。ちなみに長崎名物の “皿うどん” というのもバリバリしてますよね。高校時代に修学旅行で彼の地を訪れた塩サバ2号は、「 “皿うどん” というのを食べた。バリバリして、今ひとつやった。」…と、感想を漏らしておりました。とまあそれはともかく、このアルバムはですね、3管編成なんですよね。しかもその3管が揃いも揃って、地味。…というところに特徴があるんですが、まずテナーがジュニア・クックで、バリトンがペッパー・アダムス、でもってトロンボーンがスライド・ハンプトンという布陣になっております。低音系の管楽器ばかり3本揃えて、しかもバリー・ハリス自らがアレンジも担当しているというのだから、ある意味、やや異色作であると言ってもいいかも知れませんが、でもまあ、遺書臭くなければそれはそれでいいと思うしぃ。ということで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 1曲目はアルバム・タイトル曲の 「ルミネッセンス」 です。ハリスのオリジナルなんですが、この言葉はどこかで聞いたことがありますな。確か、光とか照明に関する用語だったような気がするんですが、それにしても何なんっすかね? “ちょんがけ君” って。いや、僕は今、工事写真の整理をしながら、その合間に息抜きでこの原稿を書いているところなんですが、屋根工事の写真を整理していたら、材料のタイトフレームの箱に書いてあったんですけどね、ちょんがけ君。おそらくそういう商品名なんだろうと思われますが、深井戸用の水中ポンプの名前が “イドボーイ” だったりして、妙なところでネーミングがフレンドリーだったりしますからね、この業界って。ちなみに今回の管理棟新築に関る屋根工事は “折版葺” という工法だったんですが、僕は初めてこの文字を目にした時、どうしてここにいきなりキノコが出てくるんや?…と不思議に思いました。よくみたら “茸(きのこ)” ではなくて、“葺(ふき)” という字だったんですけどね。藁葺きとか、茅葺きという場合の “葺き” でありますな。ついでに言うと “折版” のほうは “せっぱん” と読むようで、屋根は “せっぱん” にする。…というものだから、僕はてっきり、代金を折半にするのかと思ってしまいました。いやあ、建築工事というのは難しいものでありますなぁ。 で、このハリスのオリジナル曲はですね、とってもバピッシュな作りでありまして、3管のアレンジからはタッド・ダメロンの影響が色濃く感じられるように思われます。ダメロンは駄目論…というのを唱える人は少なく、むしろミュージシャンの間では非常に尊敬されているらしいので、それも当然と言っていいかも知れませんが、演奏のほうはですね、快活なイントロに続いてハムカツなテーマ部の吹奏があって、この部分は微妙にコール&レスポンスだったりもするんですが、基本はやはりバップでありますな。スピード感とドライブ感が、とってもアストラカンだと思います。いや、アストラハン地方で産したカラクール種羊の胎児・子羊の毛皮のことらしいんですけど。

 胎児の毛皮って、そんなものを使って水子の祟りは大丈夫なのか?…と心配になってしまいますが、ソロ先発はですね、ジュニア・クックでありますな。この人はホレス・シルヴァーの下でファンキーやってた印象が強いんですが、ここではビ・バップ的なケレン味のないプレイに徹していて、秀逸です。ソロの後半、バックで残った2人のフロント陣がユニゾンで絡んでくるあたりは3管JMを思わせるものがありますが、バピッシュな演奏とは言っても67年の演奏なんだもん。少しはそういうところもあってしかるべきでありましょう。で、ソロ2番手はスライド・ハンプトンですね。でもって3番手はペッパー・アダムスです。この曲の解説に関しては、しっかり行数だけは稼いだな。…という感じなので簡単に名前を羅列するにとどめておきますが、続くバリー・ハリスのソロは名前を出すだけでは勿体ないほど内容が充実しておりまして、ま、工夫のない言い方で恐縮なんですが、パウエルそっくり!…といったところですね。もう少し詳しく言うと、鬼気が希薄で、唸ってないパウエルといったところでありましょうか。ハリスらしさが十二分に発揮されたソロであると、かように評価してよいのではなかろうかと思う次第でありまして、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 2曲目の 「ライク・ジス」 もハリスのオリジナルであります。さすがはリス好きらしい齧歯類ライクなミディアム・スロー・ナンバーでありまして、ファンク色が希薄だった1曲目に比べ、幾分グルーヴィーなフォーリングが浜田エンジニアリング。…といったところでありましょうか?いや、先週、一緒に仕事をしてたんですよね、浜田エンジニアリング。昨日はヒロシくんにカルビ大将でカルビ・ランチを奢っていただいて、ありがとうございました。ちなみにヒロシくんはレディース・ランチを頼んでおりましたが、どうせならレディと一緒に食べたかったな。…などと贅沢は申しません。で、この曲では一応3管の皆さまも演奏には参加しておりますが、登場するのはテーマ部だけでありまして、基本的にはピアノトリオ+おまけ3人…といったところでしょうか。ちょっとした短い小品といった感じでありますな。 “短い小品” というのはおかしいのではないか? “短い短品” か、 “小さい小品” にするべきではないか?…という意見もあろうかと思いますが、でもまあ、 “短小” という言葉もあるくらいだから、別にいいと思いますけどね。 ああん、 “短小” では、ちっともよくないのぉ。…って、そんなこと言われたって、自分の努力でどうなるモノでもないしぃ。…と、何だかすっかりイジけた気分になってしまいましたが、ま、箸休め的に楽しめる、なかなか味わい深い逸品であるように思います。

 で、3曲目。これまたハリス君のオリジナルで、 「ニカラグア」 という曲です。これはアレですね。ラテン系バップとでも言いましょうか、パーカーの 「バルバドス」 に似た感じの作品でありますな。いや、パーカーの作品にそんな名前の曲があったかどうかあまり自信はないんですが、でもまあ、あったとしても別に不思議ではないような気もします。ただしこの 「ニカラグア」 のほうは全体の雰囲気が今ひとつ地味なところがネックでありますな。トランペットの代わりにバリサクを入れた変則3管編成の弱点がモロに露呈したというか、テーマ部の演奏に今ひとつ華が感じられないんですよね。でもまあ、そろ先発のハリスのピアノは相変わらず校長だし、そういえば最近、某・墨俣町の小学校にちっとも工事の工程表を持っていっておりませんなぁ。いつも職員室にいる某ギャル系職員が今ひとつ愛想がよくないので自然と足が遠ざかってしまったんですが、先日は性格のよい校長先生が緊迫した迫真の演技で、「緊急放送!3階の東の隅の教室に不審者が侵入!生徒達は直ちに外に避難してくださいっ!」…というのをやっておりましたな。例の卒業生による教師殺害事件を受けて緊急に避難訓練を実施した模様でありますが、今の時期、作業服姿で職員室に入っていくと、直ちに通報されそうで、ちょっぴり嫌でありますな。…とか言ってるうちに3曲目は終わってしまって、続いてはパウエルの 「ダンス・オブ・ジ・インフィデルズ」 でありますか。日本では 「異教徒の踊り」 という名前で知られておりますが、これまた何とも盛り上がりに欠ける曲調が特徴的でありまして、こういうのを地味な3管でやってはいかん!…と思わざるを得ませんね。アルバム全体としては、ここのところが “中だるみ” であると言ってもよくて、いや、ハリス→クック→ハンプトン→アダムスと続くソロはそれなりにいい出来だと思うんですけどね。が、ジャズに関してコアでない僕は、どうしてもテーマがソソられるものでないと、なかなか中に入っていけない達でありまして。カルビ大将に一人で入れないほどシャイですからね、僕って。 ま、ヒロシくんも似たようなことを言っておりましたので、誰でもそうなのかも知れませんけどね。何だかちょっと嫌ですもんね、 “一人カルビ” って。

 続く5曲目もパウエルのオリジナルでありますが、今度はもう、大丈夫です。 「ウェッブ・シティ」 。好きなんすよね、これ。パウエル意外の演奏で聴いたことがあるのと言えばアート・ペッパーのイントロ盤(だっけ?)くらいなんですが、ソイツがまあ、素晴らしい演奏でしたからね。曲自体はシンプルで、根はバップなんだと思いますが、暴走スレスレといった感じの危うさ、もう、たまらんっ♪…って感じぃ? で、このバリー・ハリス版のほうもまずまずの出来でありますな。ホーンとピアノの掛け合いによるイントロの部分こそ、若干ヘンでありますが、3管が複雑に絡むテーマ部のアレンジはなかなかのカナカナ(←セミ科)だと思います。いや、昆虫の世界にセミ科などという分類があるかどうかサダカではないんですが、あ、カナカナという名前ではなくて、ヒグラシというんですか。カナカナと鳴くからてっきり “カナカナ” という名前かな?…と思っていたんですが、ソロ先発はペッパー・アダムスですな。バリトン・サックスという楽器を最もハード・バピッシュに吹く男。…として世間では知られておりませんが、少なくとも僕はそう思っております。個人的にはマリガンよりも好きですな。で、続くスライド・ハンプトンは日本での人気はさっぱりでありますが、さっぱりとした性格であると言われておりまして、それはそれでいいのではないかと思いますね。でもって、ここでの最大の聴き物はジュニア・クックでありまして、これほどまで熱く吹きまくるクックというのは、そうそうざらには皿回しをしたりしないと思いますね。続くハリスもなかなかホットなヨットを公家諸法度。…といった感じでありまして、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 わけわからん!…といった解説になってしまいましたが、ここでひとつ、落ち着きを取り戻しましょう。 「マイ・アイデアル」 。いいですな、こりゃ。2曲目と同じく、トリオ+おまけ3人による小品でありますが、パウエルの流れを汲む典雅なハリスのバラード・プレイに3管のハーモニーが絡むところが、何とも言えず、何とも言えませんな。何とも言えないので何とも言いようがありませんが、とにかくまあ、何とも言えません。知的ソフィスティケーションとでも言いましょうか、舌がもつれてなかなかうまく言えませんが、それにしてもここでのハリスの弾きっぷりはモロにパウエルでありますなぁ。そこのところが何とも言えず、いいですね。で、ラストはハリスのオリジナルです。 「イーブン・スティーブン」 。韻を踏んでますねー。いいことですねー。韻さえ踏んでいればそれでいいと思っている、極端な “韻偏重主義者” ですからね、僕って。韻を愛するがあまり、インキンになってしまったこともある程ですが、ジミー・ヒースあたりが書きそうなテーマ&アレンジでありますな。 で、ソロ先発のペッパー・アダムスがなかなかいい感じにキレていて、続くスライド・ハンプトンもいい具合にスライドしていて、3番手のジュニアもとってもクックでありますな。で、ソロの最後を飾るのはバリー・ハリスでありますか。相変わらず、バリバリにハリスな弾きっぷりで楽しませてくれまして、でもって、テーマに戻って、おしまい。今日のところはまあ、だいたいこんなところです。

【総合評価】

 全体として決してキャッチーな仕上がりではありませんが、地味な佳作。…といったところですかね? 質としては極めて高いレベルをキープしているんですが、一聴、やや決め手に欠ける地味さの残るところがネックではあるんですけどね。じっくりと時間をかけると、じんわりよさが滲み出てくる。そんな “鯵の南蛮漬け” のような1枚であります。 ところで文中に登場する “らくらく化学実験ガムテープばりばり発光” というのを実際に試してみたところ、2枚のガムテープがぴたーっと粘着してしまって、どうあがいても引っ剥がすことが出来ませんでした。どこが “らくらく” やねん!?…と思わずにはいられません。


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