WHEN THERE ARE GREY SKIES (PRESTIGE)

RED GARLAND (1962/10/9)

WHEN THERE ARE GREY SKIES


【パーソネル】

RED GARLAND (p) WENDELL MARSHALL (b) CHARLIE PERSIP (ds)
【収録曲】

SONNY BOY / MY HONEY'S LOVIN' ARMS / ST.JAMES INFIRMARY
I AIN'T GOT NOBODY / BABY WON'T YOU PLEASE COME HOME / NOBODY KNOWS THE TROUBLE I'VE SEEN
MY BLUE HEAVEN
【解説】

 みんな、 “GPS” を活用してるかな? “GPS” というのはアレですよね。“Gal's Pants is Sukesuke (ぎゃるのぱんつはスケスケ)♪”の略…ではなくて、えーと、何でしたっけ? “Global Positioning System” でしたかね? とにかくまあ、そのようなとってもグローバルでポジショニングなシステムでありまして、この技術がカー・ナビゲーション・システムに応用されていることは世間でもよく知られております。カーナビって、“GPS” なんだよね。…ということは世間のみならず、左官の世界でもよく知られておりまして、左官屋さんたちの間でもカーナビは盛んに利用されているようです。が、カーナビが果たしてどのようにして自分の位置を割り出しているのかといった技術的な仕組みについては、あまりよく知られていないのが実情です。いや、もしかしたら僕が知らないだけの話かも知れませんが、少なくとも僕はよく知りません。よく知らないのでちょっと調べてみることにしたんですが、 “GPS” というのは何でも、地球の周りを飛び回っている衛星を利用しているんだそうですね。家の周りにはよく衛生車が走り回ったりしておりますが、地球の周りには “GPS衛星” という奴が飛び回っておりまして、その数は24匹+おまけの数匹というのだから、大したものでありますなぁ。いや、人工衛星を数える単位が “匹” でいいのかどうかはサダカではないんですが、この “GPS衛星” という奴は地上を走り回っている衛生車がどこにいるのかを即座に見抜くわけだから、相当に感度のいい望遠鏡だとか、隠しカメラだとか、盗聴器なんかを装備しているんだろうな。…と思っていたら、さにあらず。搭載しているのは “時計” だけだというのだから、いや、これはちょっと意外な感じがしますよね。

 ただ、 “GPS衛星” というのは元来、アメリカが自国の威信を掛けて軍事目的で開発したものでありますので、自国の威信を掛けて、時刻を測ってみましたぁ。…といった単純な話でないことだけは確かであります。恐らく、正確堂という時計屋で1980円で売られている時計よりも正確であるに違いなく、ワガママを言ったりゴネたりすることもない、性格も素直な時計であるものと思われます。おそらく原子時計を搭載しているんでしょうね。砂時計のような原始的な時計では駄目だと思います。そういえば渡辺文樹監督の映画に 「ハラハラトケー」 というのがあったような気がしますが、で、原子時計でとっても正確な時間を測定してどうするのかというとですね、その時間を電波に乗せて地球に送信してくるんだそうです。電波と言ってもその速度は無限大ではないので、地球に到着するまでには微妙なタイムロスが生じるわけですが、その時間差から逆にGPS衛星から電波を受信した地点までの距離を割り出すことが出来るというワケでありますな。

 …と言われると、なるほど、そっかぁ♪…と、思わず納得しそうになってしまうんですが、よく考えると、物事はそれほど単純ではないような気もします。その微妙な時間差というのは、一体どうやって測定するんでしょうね? せっかくGPS衛星が電子時計で誤差100万分の1秒レベルの正確な時間を測定しても、その信号を受信する側が “ハラハラドケー” では、まったく意味がないような気がするんですけどね。GPS衛星というのは地表高度約 2万km の辺りを飛び回っているらしいので、電波の速度を約 30万km/s とすると、地表に届くまでに約 0.067秒 の時間差が生じることになります。つまりまあ、GPS衛星から出された “12時00分00.000秒” という信号を地表で受信した時間が “12時00分00.067秒” だったとしたら衛星までの距離は 20,100km ということになるわけですが、受信機側の時計が1秒ほど進んでいたりすれば時間差は“1.0067秒” ということになり、衛星までの距離は 302,010km と算出されてしまいます。でもまあ、クルマを運転していて、ついうっかり目的地を30万キロくらい行き過ぎちゃうというのはよくある話だし、日常生活において1秒くらいの誤差というのは、ほとんど問題にならない些細なものであると言えます。人間、あまり細かいことばかり言ってると、ビッグになれないしぃ。…ということで、この問題に関してはとりあえず棚上げしておいて、話を先に進めましょう。

 カーナビゲーション・システムはGPS衛星までの距離を測って、それでどうして自分の位置が分かるのかというとですね、そこには “三角測量” の原理というのが利用されているんだそうです。 “三角測量” というのはどういうものなのかと言うとですね、詳しいことはよく知りません。 “三角木馬” だったら、SMの責め具だよね。…ということが分かるんですが、何せ相手は “三角測量” ですからね。ま、詳しいことはよくワカランのですが、離れた3つの地点からのそれぞれの距離が分かれば、その位置が特定出来るんだよね。…といった原理であるようでして、つまりまあ、カーナビは衛星A・衛星B・衛星Cという、3つの衛星からのそれぞれの距離が分かれば、自分がどこにいるかを特定出来るという、そういうシステムになっているわけでありますな。が、ここで終わってしまっては、受信側の時計の精度が今ひとつである以上、その測定精度は極めてアバウトなものになってしまいます。福岡に行こうと思っていたのに、いつの間にやら北朝鮮に連れて来られた。…といった、よど号ハイジャック事件のような事態になりかねません。そこでですね、石橋を叩いて渡る、石橋渡クン(11歳)のような慎重な性格であるカーナビ君は考えました。いや、石橋渡クンという名前では、石橋を叩いて渡るのか、石橋を普通に渡るのか、分からないぢゃないか!…という意見もあろうかとは思いますが、人間、あまり細かいことばかり言ってるとビッグにはなれないので、話を先に進めます。とにかくまあ、慎重な性格であるカーナビ君はですね、GPS衛星3個からだけの信号じゃ、どうも今ひとつ信用出来ないよね。…と思って、4番目の衛星からも信号を受信することを試みるんですよね。そういう疑い深い性格のキャラというのは、友達として付き合っていくには、どうか?…という気がしないでもないんですが、とにかくまあ、地球の周りを飛び回っている24個のGPS衛星というのはですね、地上のどの地点からも、どの時刻でも最低4個は補足出来るように配置されているそうでありまして、そこでカーナビ君はですね、衛星A・衛星B・衛星Cのほかに、衛星Dからも信号を受信することにした次第でありまして。

 その結果、とんでもない事実が判明して、カーナビ君は愕然とします。衛星ABCまでの距離から割り出した位置と、衛星BCDまでの距離から導き出した位置との間に、とんでもない誤差が生じてしまったんですよね。受信側の時計に1秒の誤差が生じていた為に、衛星までの距離を30万キロも間違って算出してしまった因果が今頃になって報いているわけでありまして、いや、1秒という数字をちょっと甘く見過ぎていましたなぁ。衛星BCDからの測定結果がこんなことになると知っていたら、俺、BCGの予防接種を受けておくべきだったよ。…と、ぜんぜん関係のないところで反省したりして、カーナビ君は、人間、あまり細かいことばかり言ってると、ビッグになれないしぃ。…という考え方を根本から見直さなければならない事態に陥ってしまいました。いや、人間やっぱり、細かいところまで気を配らないと、ビッグにはなれないものだったんだねー。 …ということに気が付いたカーナビ君はさっそくBCGの予防接種を受けることにして、ついでに受信側の時計を合わせることも考えるわけなんですが、 “117” に電話するのも通話料金がもったいないよね。…と考えたケチなカーナビ君は、もっと違った方法で時刻を合わせることを試みます。すなわち、衛星ABCと、衛星ABDと、衛星BCDという3つの受信パターンからそれぞれ位置を検出して、その誤差がもっとも少なくなるように受信側の時計を校正するんだそうでありまして。いや、カーナビ君もなかなかうまいことを考えたものでありますなぁ。

 …というのが、ここ2週間ほど僕がGPS関連のいろいろな解説を読んだ結果、導き出された自分なりの動作原理であるわけですが、いや、もしかしたら根本的なところで何か大きな間違いをしているかも知れませんけどね。でもまあ、人間、あまり細かいことばかり言ってるとビッグになれないしぃ。…ということで、この話は次回に続きます。

 ということで、今日はレッド・ガーランドでありますが、いや、今日の前半ネタは何だか小難しい話になっちゃいましたね。書き始めてみたものの、筆のほうがぜんぜん進まずに、更新が1週間遅れる破目になってしまいましたが、テーマの選択ミスやったな。…と、心の底から反省しております。前半が今ひとつ面白くなかった分、後半で挽回…出来るかどうかはサダカではないんですが、ま、多分無理でしょうな。共倒れになる公算が非常に強いわけでありますが、とにかくまあ、 『ホエン・ゼア・アー・グレー・スカイズ』 でありますか。『灰色の空があるとき』 …といった意味ではなかろうかと思いますが、灰色というのはどうもこう、今ひとつ印象がよくないですよね。何だかこう、ハイエナの色っ!…といった感じがして、薄汚いイメージを持たれてしまいます。英語でグレーというとちょっぴり渋い感じがして、それほど悪い印象はないんですけどね。ちなみに灰色がハイエナの色だとすると、グレーは宇宙人の色でありますな。 “グレイ” と呼ばれる種類の宇宙人は大抵、皮膚の色がグレーだと言われております。どうして “グレイ” の肌の色がグレーなのかというと、やっぱり無難だからではないですかね? リクルート・スーツというのも大抵、紺色かグレーと相場が決まってますもんね。宇宙人のグレイも面接試験に先立って、洋服の青山あたりで仕入れてきたのでありましょう。「2パンツのヤツにした。」…とか言っておりましたので、一見するといつも一緒の皮膚であるように見えて、微妙に下半身だけ穿き替えているものと思われます。ソースや醤油をこぼしたり、カレーうどんの飛沫が飛んだり、尿漏れしたりして、どうしてもパンツというのは汚れてしまいがちですからね。とまあそんなことで、では1曲目から聴いていくことにしましょうかぁ。

 えーと、まず最初はですね、 「ソニー・ボーイ」 という曲ですね。日本語に訳すと、 「坊や少年」 といったところでしょうか? 何かこう、あまりソソられるものがありませんなぁ。どうせなら 「お嬢ちゃん少女」 とか、 「ギャル少女」 とか、 「おばさん少女」 なんかのほうがいいんぢゃないか?…という気がしないでもないんですが、ま、人の好みはそれぞれですからね。ブルボンの 「チーズおかき」 よりも 「味ごのみ」 のほうが好みや。…なんていう人もいるくらいですからね。僕個人としても 「味ごのみ」 というのは嫌いではないんですが、ただ、中に入っている小魚だけは余計なような気がします。かといって、小魚の代わりに大魚が入っていたらもっと嫌なような気もしますが、とにかくまあ、1曲目は 「ソニー・ボーイ」 でありますな。アルバム冒頭からやや意表をつくスロー・バラードでありまして、なるほど、ハイエナ色の空の下ではこのようなセンチなナンバーがお似合いなのかも知れませんね。いかにもガーランドらしいスイートでラブリーなタッチの無伴奏ソロによるイントロに続き、ドラムスとベースが入ってテーマが登場するという式次第でありますが、このリズムが入ってくる瞬間というのが、もう、背筋がゾクゾクするくらいよいですなー。思わず背筋(はいきん)運動をしたくなっちゃうほどゾクゾクしてしまいますが、学生の頃、よくやらされましたよね、背筋。腹ばいになって、両手両足を持ち上げる感じで“海老反り”になって、ウルトラマンの飛行ポーズを取る運動でありますが、あまりにも飛行ポーズを取りすぎて、非行に走った少年もおりましたなぁ。(←編集部注:いねーよ。) で、この演奏はアレですよね。イメージとしてはビル・エバンスの弾く 「マイ・フーリッシュ・ハート」 に似てるよな。…と、ふと思ってしまいましたが、昼下がりに人妻なんかと一緒に聴いたら、ロマンチックな気分になれることは請け合いですよね。で、アドリブ・パートではあまり冒険をせず、スキーで言えばボーゲンに徹するといったところでしょうか。 テーマ・メロディを噛みしめるようにじっくりと料理しておりまして、時折ソフトなブロック・コードを交えるあたりが、いかにもイカ飯 (いかめし) って感じですよね。いや、関係ないですけどね、イカ飯。個人的にはあまり好きではないしぃ。

 ということで2曲目です。あ、個人的にあまり好きでないのはあくまでもイカ飯の話でありまして、 「坊や少年」 は実に素晴らしい演奏であったな。…と評価する次第でありますが、続いては 「マイ・ハニーズ・ラヴィン・アームズ」 でありますか。いや、いいですな。とってもハニーな恋人の腕に抱かれたりすると、髪の毛に蜂蜜がべったり付いてワヤになっちゃうような気もするんですが、蜂蜜ぷれい♪…というのはマニアの間では根強い人気があるみたいですからね。で、この甘ったるい曲名から、1曲目と同様のラブリーな童謡風バラードを頭に描いていたんですが、違いました。アップ・テンポのスインギーなナンバーでありました。チャーリー・パーシップの切れ味鋭いドラミングに乗って繰り広げられるテーマは、何だか心がウキウキしちゃうような雨季。…といった感じでありまして、いや、毎日雨ばかりだと気分が滅入るような気もするんですが、花粉が気になるこれからの季節、雨というのもそれはそれで悪くないですよね。ズンチャッチャ、ズチャッチャ、ズンチャッチャ、ズチャッチャ♪…と、思わず一緒に歌ってしまう自分に気付く人も少なくないと思いますが、こういうノリのいい演奏を聴くと、思わず “やまと糊” を食べたくなっちゃいますよね。いや、あれは基本的には食べ物ではないような気もするんですが、ほんのり甘くて美味しいので、子供の頃はよく舐めておりました。しかし何ですな。ガーランドのリーダー作というと、ポール・チェンバース&アート・テイラーという組み合わせが多いんですが、ウェンデル・マーシャルとチャーリー・パーシップというメンバーもなかなかいいですな。特にこの曲ではチャリ・パーのバッキングが絶妙だし、間違ってもチェンバースのアルコ・ソロが出てこないところが何よりの安心感につながります。で、ここでのガーランドはですね、シングル・トーンで軽快にスイングしておりまして、時折テーマ・メロディの断片をブロック・コードで挟んだりするところが何とも小粋だと思いますね。ということで、この曲はおしまい。

 本アルバムで最大の聴き物はですね、 「セント・ジェームズ・インファーマリー」 である。…と言われております。日本では 「セントジェームズ病院」 という名前で知られている曲ですよね。病院って、 “ホスピタル” か “クリニック” じゃなかったっけ?…という気がするんですが、 “infirmary” というのはやや古い言い方であるようです。僕の持っている電子辞書には、《やや古》(病院名として)病院(hospital)…などと書かれておりましたが、(学校・工場・修道院・刑務所などの)診療室[所]、保健室…という意味もあって、こちらのほうが何だかピンときますね。ジャズの素材としては、刑務所の診療所だったりしたらいいな。…という気がするんですが、それに合わせて日本語表記も 「セントジェームズ診療所」 としたほうがいいような気もします。ちなみにこれ、ニューオリンズの伝承曲とのことでありますが、何とも日本人好みのメロディが印象的でありまして、そこはかとない哀感と伊予柑が僕達のハートをグッと掴んでやみません。ガーランドはゆったりとしたテンポでグルーヴィに料理しておりまして、何かこう、セントジェームズ診療所に痛風の治療に訪れているような切ない気分になってしまいます。最初の2回はベースだけをバックにしたシングル・トーンで、最後の1回はドラムスが入ったブロック・コードでテーマを反復しておりまして、次第に気分が高揚してくる紅葉パラダイス(←ハダカ天国♪)…といったところでしょうか? で、そのあとアドリブ・パートに入っていくわけでありますが、チャリ・パーのブラッシュ・ワークが絶妙でありますな。診療所と言えばブラシですもんね。いや、あまり意味はよくわかりませんけど。ウェンデル・マーシャルのウォーキング・ベースもマーシャル・プラン的によい味を出しておりまして、いや、ぜんぜん関係ないんですけどね、マーシャル・プラン。で、ガーランドは例によって前半はシングル・トーン中心に、後半はブロック・コードを交えて大いに盛り上げる。…という手法でアドリブを進めておりまして、そこのところがマンネリだと言われれば確かにそうなんですが、でもこれでないと何だかちっともガーランドらしくないしぃ。…というのが難しいところでありますな。が、現時点ではまだ3曲目でありますので、この方策もまだ新鮮な気持ちで受け入れることが出来まして、あ、途中で聴かれる “単一フレーズしつこく反復手法” が、なかなか効果的でありますな。いずれにせよ、これがガーランドなんだね。…といった演奏を嫌というほど堪能出来るシステムになっているのでありました。

 で、4曲目の 「アイ・エイント・ゴット・ノーバディ」 では再びスインギー路線に転じております。もしこの曲名を俳句に詠み込もうとすると、おそらく、ああ、いい〜♪会陰とグッと、脳まで、あ〜ん♪…といったロクでもないものになってしまうに違いないのでヤメておきますが、ここでのチャーリー・パーシップはちょっぴり喧し過ぎるような気がしないでもありません。ま、録音のバランスの関係もあるんでしょうが、この人は基本的にブラシをやらせたほうがいいような気もしますなぁ。で、ガーランドはですね、いつもどおりですね。シングル・トーン中心に、時折ブロック・コードも交えて、大いにスイングしております。軽快ですね。軽快にして、空海。…といった感じでありまして、そこらじゅうに橋をかけたり温泉を掘ったりして、もう大変。ということで5曲目です。 「ベイビー・ウォント・ユー・プリーズ・カム・ホーム」 。家出をした息子に、帰って来てくれ!…と懇願する歌ではないかと思われますが、時おり新聞に謎めいた伝言が載ってたりしますよね。「隆、すべてを許す、帰って来い。父より」…みたいな。そっかぁ。すべてを許してくれるのかぁ。…と思って、安心して家に帰るタカシ君が果たして世の中にどれ程いるのかはサダカではないんですが、この演奏はアレですね。のっけからブロック・コードばりばり全開でありまして、この先どうなってしまうのか?…と思っていると、ふとシングル・トーンが出てきたりして、今までとは微妙に逆パターンになっているところにタカシ君なりの工夫の跡が窺われると思います。いや、関係ないんですけどね、タカシ君。それはそうと、タカシ君とタクシン首相というのは、ちょっとだけ名前が似てますよね。

 ということで6曲目です。 「ノーバディ・ノウズ・ザ・トラブル・アイブ・シーン」 です。 「だれも私が見た問題を知りません。」 …と、 Excite翻訳 では今ひとつこなれてない訳語が出ましたが、それを更に中国語に訳すと、 「誰都不知道我看了的問題」 …でありますか。えーと、とりあえず翻訳してみたものの、その先の展開がまったく期待出来ない結果に終わってしまいましたが、この曲はアレですよね。伝承曲でありますな。よって作曲者のところにも “traditional” とクレジットされているわけでありますが、この演奏はですね。長いです。ぼーっと聴いていて、何だかえらく長い演奏やな。…という印象があったんですが、改めてデータを見直してみると 11分56秒もありました。 11分56秒もあるということはですね、あと 4秒もすれば 12分になるということですよね。 12分も演奏があったりすると、もう十二分に長いよな。…という気がしてしまうわけでありますが、ゆったりとしたテンポで淡々と演奏されておりますので、ぼーっと聞き流しておけば、さほど苦痛になるほどではありません。タンタン麺というは、決して淡々と食えるような代物でないほど熱烈なものであるようですが、先日、僕はハマダさんちのタカシ君とマサル君と一緒に中華屋さんにランチに行ったんですが、僕とタカシ君は台湾ラーメンを、マサル君はタンタン麺を注文したんですよね。台湾ラーメンでも、けっこう辛いな。…と思ってしまったんですが、タンタンのほうはその非ではなかったようで、マサル君は半分ほど手をつけただけでヤメにして、しばらく、「タンタン麺は失敗やったね。」…と、こぼしておりました。僕も一瞬、タンタンにしようか?…と思ったんですが、いや、ヤメといて正解でありましたな。そういえば最近、とんとチンチン麺を食べておりませんが、相変わらずあのお店は毛沢東語録で溢れかえっているんでしょうかね?

 ということで、残すところ、CDおまけ曲だけでありますな。 「マイ・ブルー・ヘブン」 でありますか。 「私の青空」 という、何だかそのまんまの邦題が付けられたりしておりますが、この曲はアレですよね。せーまいながらも楽しい我が家♪…というヤツですよね。ガーランドの持ち味にぴったりの曲調でありまして、何とも小粋な小品に仕上がっておりますな。パーシップのブラッシュ・ワークも絶妙でありまして、余計なことをしてくれたな。…といった結果に終わることが少なくないCDおまけ曲という企画の中では、例外的に成功した一例と言えるでありましょう。ということで、さ、 “麻辣仙人(マーラーセンニン)” でも食べよっと。

【総合評価】

 ガーランドのリーダー作って、ホームランはあまりない変わりに、セカンドゴロ併殺打…みたいなのも少ないですよね。何だか、ぜんぜん打ってるような印象はないんだけど、気が付いたらいつも3割2分をキープしているような安定感があって、アルバム的には当たり外れの少ないタイプの演奏家であります。ま、早い話がどれを聴いても似たようなものであるというか。で、中ではこの 『ホエン・ゼア・アー・グレー・スカイズ』 というのが、ライトがトンネルして2塁まで進んだ。…といった感じの悪くない出来でありまして、それはそうと “麻辣仙人” で思い出したんですが、立食パーティでシューマイに醤油と間違えてラー油をダバダバとかけちゃったことがありまして、いや、間違えたわけじゃないんだ。わざとなんだ。僕、シューマイにラー油をかけて食べるのが好きなんだ。…と、平静を装って何食わぬ顔で食べてみたんですが、いやあ、辛かったのなんのって。間違いは間違いだと、素直に認める生き方をしなければいけないな。…と、しみじみ思ってしまいましたが、いや、僕はこれからもきっと “ラー油シューマイ” を食べ続けることになると思いますけど。負けず嫌いだしぃ。


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