TWO GUITARS (PRESTIGE)

KENNY BURRELL & JIMMY RANEY (1957/3/5)

TWO GUITARS


【パーソネル】

DONALD BYRD (tp) JACKIE McLEAN (as) KENNY BURRELL (g) JIMMY RANEY (g)
MAL WALDRON (p) DOUG WATKINS (b) ART TAYLOR (ds)

【収録曲】

BLUE DUKE / DEAD HEAT / PIVOT / CLOSE YOUR EYES
LITTLE MELONAE / THIS WAY / OUT OF NOWHERE

【解説】

 先日、バッティングセンターへ行ってきました。“桑名バッティングセンター”は何だか今ひとつ気がすすまないので、朝日町にあるアソビックスあさひというところに行ってみることにしたんですが、うんぬん。…という話を前回ここで書きましたが、先日、再びバッティングセンターに行ってまいりました。今回は“桑名バッティング”のほうにしておいたんですが、というのもですね、前回、“アソビックスあさひ”で思わぬ大散財をしてしまったからなんですけどね。…という話を今回は鶏揚げてみたいと思います。…って、唐揚げを作っている場合ではなくて、そういう話を取り上げてみたいと思います。で、この度、桑名バッティングセンターを訪問して判明したことはですね、おっさんがさほど恐くはなかったということなんですが、いや、見た目は怪しくても根はいいおっさんだったというのは前回の時点で既に判明していたんですが、見た目的にもさほど怪しいというわけでもないな。…という感じでありました。子供だったら泣いちゃうし、大人でも半泣きになっちゃうことは必至という印象があったんですが、オトナになって冷静に考えてみると、何もわざわざ半泣きになる程のことでもなかったな。…みたいな。よって、前回分の原稿に関して一部、訂正をしておきたいと思います。お詫びはしません。反省もしません。人生において思い違いというのはよくあることだし、私が何か悪いことをしましたか?…と橋本龍太郎クンみたいに開き直っておいて、本題に入りたいと思うんですけどね。

桑名バッティングセンターの外観♪ 桑名バッティングセンターの打席より♪

 これが桑名バッティングセンターの全貌であります。これが桑名バッティングセンターなのかっ!…と、見た者が激しい衝撃を受けて、思わず失神してしまうという程のものでもなくて、ま、ごく普通のバッティングセンターですな。ま、多少、設備自体が老朽化していて小汚い感じはあるので、潔癖症の人だったら湿疹くらいは出るかも知れませんが、おじさんのキャラだって失禁しちゃうほど恐いというわけでもなかったしー。ただ、町工場に囲まれた陰気な雰囲気のところだったよな。…という昔の印象はまさにその通りでありまして、リゾート気分は皆無と言ってもいいのではないかと。ま、バッティングセンターなんてものは爽やかな高原とか、海の見える景勝地とかのイメージはあまりなくて、どちらかというと場末の雰囲気が濃厚に感じられる娯楽施設であるので、ま、それはそれで別にいいと思うんですけどね。で、このバッティングセンターにはですね、打席が6つか7つほどありました。何せもう1週間も前のことなので細かい数字は忘れてしまいましたが、ま、おそらくそれくらいではなかったかという気がします。6つか7つの打席のうち、一番奥のところが左打ち専用ゾーンとなっておりまして、左投げ左打ち左蹴り右書き右食いの僕はいつもそこを利用することになるんですが、左打ち専用なのでいつも空いているところがいいですな。まず、待ち時間はゼロですもんね。最近のバッティングセンターは10打席あればそのうちの2打席くらいが右左兼用という格好になっていて、そういうところでは右打ちの人も当然のようにその打席を利用することになるので、なかなか順番が回ってこないんですよね。右打ちの人は右専用のところで打てよ!…と言いたくなるんですが、何せ僕は小心者で気が弱いので、とてもその場で文句をつけるだけの勇気はありません。せめてホームページに強調フォントで書いて鬱憤を晴らすくらいが席の山なんですが、その点、桑名バッティングの左専用システムはいいですなぁ。 ま、もっとも右専用の打席だって、ほとんど順番待ちをする必要がないほど空いているような気がしないでもないんですけどね。

 桑名バッティングのプレイ料金は200円ぽっきりであります。フーゾク店でのプレイに比べればかなりお値打ちであると言えますが、ま、安いだけあってフーゾクほどのコーフンが期待できないのはやむを得ないところなんですけどね。でもまあ、プレイの後、すっきりして、ちょっぴりぐったりする。…という点では共通するものがあるし、となれば僕は迷わずバッティングセンターのほうを選びますね。じゃ、“野球拳ぷれい♪”が1回2000円ぽっきりだったらどうする?…ということになれば、僕は迷わず野球拳のほうを選ぶと思いますが、それはともかく、桑名バッティングのプレイ料金は200円であると。昔はコイン方式で、1000円でコインが6枚買えたような気がするんですが、いつの間にやら1回200円ということになって、実質的には値上げということになるんですが、今のご時世、それくらいのことはやむを得ませんよね。で、200円でどれだけのタマを打てるかというとですね、ちょっと数えてみたところ、ちょうど23球でありました。“ちょうど”と言うにはあまりにも半端な数字でありますが、おそらく、本来なら1球10円で20球のところ、大マケして3球ほどサービスしてくれているんでしょう。そんなところにおじさんのせめてもの良心が感じられるわけでありますが、この場を借りて、「3球、サンキュー♪」…と、お礼を言っておきたいと思います。ま、おじさんとしてもそんなつまらない駄洒落を言われたところで、迷惑以外の何物でもない気がしないでもないんですけど。

 さて、一方の “アソビックスあさひ” でありますが、こちらのほうは新しく出来たばかりということもあって、垢抜けた雰囲気が漂っておりました。新しく立体駐車場を作るという話は聞いていて、その時についでにバッティングセンターも出来たらしいんだけど、そんなスペース、あったっけ?…と思っていたら、立体駐車場の3階部分に出来ておりました。こんな地に足の着いていないバッティングセンターというのは初めてでありますが、ま、よく考えたら別にバッティングセンターの足が地面に着いていなければならない必然性はないわけなんですよね。こりゃ、一本取られたなぁ。…と、アテネ五輪の井上康生の気分になってしまいましたが、この3階部分にはバッティングセンターのほかに、卓球台やら、ダーツやら、エアホッケーやら、トスバッティングやら、ストライクビンゴなども完備されていて、おおっ、娯楽の殿堂やん!…みたいな。客層としてもたいへん垢抜けておりまして、若いネーチャンなんかも卓球に励んでおられました。で、バッティングセンターはですね、打席の数が8つくらいあったでしょうか。何せもう2週間も前のことなので、細かいことは完全に忘却の彼方に消え去ってしまいましたが、そのうち2打席分が左右兼用になっていて、うち、真ん中の打席は調整中で、もうひとつの一番端っこの打席では案の定、右打ちの人がバッティングに励んでおられました。右打ちの人は右専用のところで打てってば!…と文句も言えず、おとなしく順番待ちをして、さ、いよいよでありますな。あ、その前にここの料金システムを説明しておくとですね、現金またはコインの併用システムになっておりました。基本は1プレイ300円、もしくはコイン1枚となっていて、ちょっぴり割高な感はありますな。ま、小綺麗な施設だし、ギャルもたくさん来ているからやむを得ないところではあるんですけどね。ちなみにコインは2枚だと600円ということになっていて、これではまったく何のお買い得感もありません。6枚だと1680円でしたか、これだと微妙に20円くらいは安くなるんですが、8枚なら2000円(1枚あたり250円)となって、かなり値頃感があるので、思わず、「えーい、2000円分買ってまえー!」…ということになって、いや、何だか店側の思うツボ…という気がしないでもないんですけどね。

 で、バッティングの結果でありますが、最初のプレイは後ろで若いネーチャンが見ていたこともあって、肩に力が入って、さっぱりでありました。左利きやのに、全然アカンやん。…と思われたに違いなく、非常に無念であります。その後、卓球(コイン2枚で1時間)をやったり、その合間にトスバッティングをやったり、ストライクビンゴにチャレンジしたりしました。トスバッティングというのはアレです。下のほうから、ぽーんと緩い球が出てくるのをバットでかっ飛ばすという、何だかとっても地味な機械でありまして、ま、球が遅いから普通のバッティングよりは打ちやすいんですが、その分、面白みという点では今ひとつでありました。しかも、コイン1枚でたったの12球…というのは、何だかあまりにもぼったくりですよね。と言いつつ、不人気で待ち時間がゼロだったから、思わず4回くらいやってしまったんですけどね。で、ストライクビンゴというのはアレです。3×3の的を目掛けてボールを投げて、ブチ抜いた枚数を競うという、そういうアレであります。これもコイン1枚で12球ほど投げれるようになっているんですが、最初のうちはどれくらいの強さで投げれば的に当たるのかまったく感覚が掴めずに、7球ほど連続でワンバウンドの暴騰になっちゃう体たらくでありまして、ま、何とか後半に持ち直して3球だけストライクを取ることが出来たんですけどね。あまりに不甲斐のない成績に自分で納得がいかず、ムキになって5回ほどチャレンジしたんですが、僕がマウンドに登るたびに、小学3年生くらいの女の子が隣に見学にくるようになり、惚れられてしまった以上、その期待に応えなければならないな。…と思うと、肩に余計な力が入ってしまって、またしてもワイルドピッチの連発でありまして、結局のところ5回やって5回とも、ストライクはきっかりと3球だけでありました。一度、1球目と2球目がいきなり連続で的をブチ抜いて、これはもしかしてパーフェクトか?…という期待も空しく、あとは10回投げて1回しか当たらずに、結局は3球やんけ!…という結果に終わったりして、いやあ、散々でありましたな。

 投手としての実力に見切りをつけた僕はバッターに転向した次第でありますが、2回目のバッティングは地道なトスバッティングの成果があらわれたのか、なかなかの好成績でありました。柵越え連発…とまではいきませんが、ま、3回に1回くらいは一塁手の股の間をころころと抜けていくような、エラーすれすれのヒットが打てたのではなかろうかと。そのうち、真ん中の調整中だった左右兼用打席の調整が終わって使用可能になったので、そちらでチャレンジしてみたんですが、ここは90キロと100キロと110キロの3タイプから球の速さを選べるようになっておりました。ちなみにここには130キロの球速を誇るピッチャーもいるようなんですが、残念ながらそこは右打ち専用だったので、ま、110キロなんてぜんぜんカッタるいけど、ま、一応、打ってやるかぁ。…と思って打席に入ってみると、いやあ、速いですなぁ。桑名バッティング専属のピッチャーなんか、あれはせいぜい100キロくらいの球だったんですね。あまりの快速球にちょっぴりビビってしまいましたが、球が速い分、タイミングさえ合えばかなり鋭い打球が飛んでいくのも事実でありまして。今度こそ柵超え連発…とまではいかないまでも、3回に1回くらいはセンターライナーくらいは打てたんじゃないでしょうか。が、そういう時に限って若いギャルも小学校3年生の女の子も、僕のことを見ていてはくれないんですよねぇ。。。

 とまあ、そんなこんなで、ふと気がつけば、6000円も散財しておりました。いやあ、ムキになってトスバッティングとストライクビンゴをやりまくってましたからなぁ。桑名バッティングと桑名体育館での卓球にしておけば、ま、せいぜい900円もあれば済んだのにぃ。…と反省して、先週は桑名バッティングと桑名体育館での卓球にしておいたんですが、ま、1年に1回くらいはこんな豪遊も悪くないですかね?すぐ隣にはサラ金の無人契約機だってあるしぃ。 ということで、この話はおしまい。

 とまあそんなことで、今日はギタリストを2人片付けておきましょう。 ケニー・バレル ジミー・レイニーです。ケニ・バレのほうはまあ説明不要として、ジミー・レイニーというのはアレですかね?ジム・レイニーというのと同じ人物なんすかね?で、ジム・レイニーというのはアレですな。日本語で言うと“体育館雨模様”。そういう人でありますな。油井正一センセイの作でありまして、なかなか綺麗ではあるんですが、タッド・ダメロンの“勃起時不能論”と比べると、ややインパクトが弱いかと。不能という概念を根底から覆す衝撃的な学説でしたからねぇ、アレは。で、今回、 『2ギターズ』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんですが、これはアレですよね。プレスティッジお得意のブローイング・セッションでありまして、ま、ギタリストが主体なので正確にはピッキング・セッションというべきなのかも知れませんが、適当にメンバーをかき集めてジャムセッション風の演奏をやらせて、一丁あがり。…という、たいへんお気楽なプロデュースによる一作でありますな。ま、唯一、工夫が伺われる点としてはギターを2本入れたということくらいなんですが、それとて、トランペット2本の 『トゥ・トランペット』 があって、ロリンズ&コルトレーンの 『テナー・マッドネス』 があって、マクリーン&ジョン・ジェンキンスの 『アルト・マッドネス』 があって、じゃ、今度はギターでやってみるぅ?…という、ただそれだけの発想ですもんね。ま、それでもそこそこの名盤になっちゃうというのは、ジャズなんてものは本質的にそういういい加減なものだからなんでしょうが、ま、メンバーさえ集めれば後はどうにでもなっちゃいますからね。もっとも野球の日本代表はメンバーだけ集めてみてもどうにもならない銅メダルどまりでしたが、あれはやはり中畑清クンの采配ミスが原因だと言えるでしょう。好き勝手にやらしておけばいいのに、バントとかヒット・エンド・ランの小技にこだわってましたもんね。例えていうならコルトレーンやロリンズやマクリーンに、「MJQみたいな室内楽路線やってみるぅ?」と言ってるみたいなもんで、そりゃ失敗作になるわいな。…みたいな。ということは放任主義@フリーブローイング路線のプレスティッジ君の采配というのは、それはそれで理に適っている ような気もするんですが、それはそうとジョン・ジェンキンス。ジャズ・シーンから姿を消したと思ったら、いつの間にか北朝鮮に渡って曽我ひとみさんの夫になっていたんですな。いや、それはまた違うジェンキンスさんなのかも知れませんけど。司法取引に応じて不名誉除隊という処分になることを望んでいるそうですが、ホントにそんな不名誉な方策でいいんですかね?僕としては、いさぎよく脱走兵として罪に服したほうがいいんじゃないか?…という気がするんですが、ま、人生それぞれですからね。とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 えーと、まずは 『ブルー・デューク』 ですか。マル・ウォルドロンの曲なんですな。で、演奏のほうはアレです。いきなり、ダグ・ワトキンスのウォーキング・ベースで幕を開けます。何かこう、意表を突かれた感じのするオープニングでありますな。もっとこう、いきなりワーッとくるかと思っていたら、地味にベースの爪弾きとは、なかなか渋い演出だと思います。で、続いてテーマ部の合奏になるんですが、ギター2本がユニゾンで奏でる主旋律にトランペットとアルトが絡むという、これまたなかなか凝ったアレンジが施されております。お客さん、凝ってますなー。…とマッサージの人に言われるほどの懲りようでありますが、 『名門女子マッサージ部 女子高生とマッサージ師ひろし』 というすけべDVDは、なかなかよさそうですね。“名門女子マッサージ部”という設定は今ひとつよくわからんのですが、マッサージ師の名前が“ひろし”であるというのは、心底納得がいきます。マッサージ師が “ひろし” でなくて、どうする!?…みたいな。…などと言ってる間にテーマのほうは終わっちゃいましたが、いかにもマルらしい、ちょっぴり変則的なハードバップ曲としか言いようのない、やや風変わりなメロディでありますな。で、最初に聴かれるギター・ソロはジミー・レイニーのほうであります。原文ライナーに英語でそのようなことが書いてあったので、アイラ・ギトラーが嘘をついているか、僕の英語読解能力に問題でもない限り、まず間違いないと思います。この人のスタイルはアレですね。僕はギターには詳しくないので、あまりよくわかりません。ま、悪くないんぢゃないですかね?(←いい加減。) で、続くドナルド・バードのソロは、出だしの部分がやや上ずり気味なのが玉に瑕なんですが、ま、それはいつものことですしね。途中、バックのリズムが倍テンポになるあたりからバードも次第に調子を上げてきて、ま、悪くないソロなんぢゃないですかね?少なくともバードらしさは出ているような気がします。で、続いてバレルのソロがあって、マルのソロがあって、最後はマクリーンでありますか。いやあ、やっぱりいいですな、プレスティッジ時代のマクリーンは。ま、どのソロを聴いても同じやん。…という気がしないでもないんですが、変にフリーキーなソロをやられても戸惑うだけですからね。世の中やっぱり保守的なのが一番ですな。支持政党は保守党…って、もはやそんな政党は無いんでしたっけ?…と言ってるうちに2本のギターが絡み合うパートになって、ま、これは“2ギターズ”だから仕方ないような気もするんですが、個人的には無くてもよかったかな?…という気がしないでもありません。で、テーマに戻って、おしまい。ま、オープニングとしては、まずまずですかね?凝っているのは確かに凝っているんだけど、大盛り上がりというほどでもねーな。…といった感じでありました。

 2曲目の 「デット・ヒート」 もマルのオリジナルです。ちょっぴりラテンのリズムのイントロから、キャッチーなメロディのテーマ部への流れは、なかなかいいですね。ギター主導、管楽器従属…というパターンなんですが、テンポが速いのと、メロディがわかりやすい分だけ、1曲目よりも気分的に乗れる感じがします。で、ソロ先発はまたしてもギターですか。ま、ギタリストが主役のアルバムなので、それもやむを得ないかな?…とは思うんですが、個人的にはこういうパターンは1曲だけでよかったな。…という気がします。いや、今日の僕って、ちょっぴり愚痴っぽいですね。ちなみに今回はバレルが先発ということなんですが、すぐにマクリーンのファナティックなソロにスイッチしちゃうので、ま、細かいことはいいかな?…と思います。あ、ファナティックというのはアレですね。よく意味もわからずに使っているんですが、恐らく熱狂的とか、そういったことではないかと思います。円鏡(えんきょう)的とか、そういうことではないと思います。けっこう好きだったんですよね、月の家円鏡。「エバラ焼肉のたれ」のCMとか。…って、ずいぶんと古い話をしているうちに演奏のほうはジミー・レイニー、ドナルド・バード、マルと、どんどんソロが進んでいって、各自のアドリブ・パートがかなり短めなところがちょっぴり残念ですね。もっとじっくり聴きたかったんですが、…とか言ってるうちにテーマに戻って、おしまい。3曲目の 「ピヴォット」 も、これまたマルのオリジナルです。リーダー2人は曲作りに関してはマルに丸投げという感じですが、ちなみにこれ、レイ・ドレイパーの 『チューバ・サウンズ』 というアルバムにも入っていた曲のようです。確かにどこかで聴いたことのある曲ですな。いかにもマルらしい作風だと思います。で、今回は今までとは逆に管楽器主導でテーマが演奏されていて、仕上がりとしてはかなりオーソドックスですな。ま、ソロ先発は相変わらずギターなんですけどね。原文ライナーによると…、って、たまにはカンニングする前に自分なりにブラインド・フォールドしてみると、えーと、2分の1の確率で、これはジミー・レイニーのほうですかね? あ、違いました。バレルのほうなんですな。いやあ、僕もおそらくそうなんぢゃないか?…と思っていたんですが、マッサージ師のひろしが自信ありげに、「こりゃ、レイニーだ。」と言い切るものだから、すっかり惑わされてしまいました。そんなヒロシに騙されて、で、ソロ2番手はバードですな。こりゃ、僕でもわかります。ソロの出来としてはまあまあですかね?アドリブの良し悪しは僕にはわかりかねます。3番手がレイニーで、最後がマルですか。でもって、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目は歌物の 「クローズ・ユア・アイズ」 。ブルー・ミッチェルの名演で有名ですが、金沢の兼六園は名園として有名です。水戸の偕楽園もそうですよね。でも水戸と言ったらやっぱり黄門だと思います。あ、そうそう。うちの会社の近くに“MTK”という工場があるんですが、何の略号なんすかね?“水戸黄門 ( MI-TO KO-MON )”というのが語呂的には合うと思うんですが、恐らく違うんでしょうな。で、この 「クローズ・ユア・アイズ」 はケニー・バレルのフィーチャーリング・ナンバーとなっておりまして、フロントの2人とレイニー君はお休みとなります。ミディアム・テンポの演奏で、歌心溢れるバレルのソロが堪能できます。彼のフレージングは相撲甚句よりは楽しめますからね。で、5曲目はマクリーンのオリジナル、 「リトル・メロネー」 ですかい。愛娘のメロネーちゃんに捧げたナンバーなんですが、何度聴いてもヘンな曲でありまして、こんなのを捧げられた娘のほうこそいい迷惑ですよね。まだ “ささげ” (←マメ科の野菜)でも捧げられたほうがマシなのではなかろうかと。ごま和えにすると美味しいですからね。ちなみに “ささげ” に関しては ここ を見れば大抵のことはわかるので、興味のある人はチェックしてみて下さいね。で、この変な曲はトランペットとアルトのユニゾンでテーマが演奏されていて、AABA形式の“B”の部分だけベースのピチカートになるところが面白いと言えば面白いかな?…と言えないこともありません。で、作曲者がまず最初のソロを取る…というジャズ界の不文律に則って、ソロ1番手はマクリーンでありますな。テーマ自体がヘンなだけにアドリブだって意味不明になっちゃうのがこの曲の難点でありまして、ま、たまにワケわかんなくなっちゃうのもマクリーンのいいところなんですけどね。 “痘痕(あばた)も笑窪(えくぼ)” という言葉もありますが、それにしても “痘痕(あばた)“ も “笑窪(えくぼ)” もずいぶんと難しい漢字でありますな。漢字テストに出たら絶対書けませんよね。実は“笑窪”というのも半ば当て字のようなものでありまして、正しくは “” という漢字を使うようです。もはやこうなるとフォントを拡大しない限り、どういう字なのか判別すら出来ませんな。太字にしたら余計ですね。で、演奏のほうはどうなったのかと言うと、マクリーンの後、マル、レイニー、バレルと続いて、その後、何やらごちゃごちゃと原文ライナーには書かれておりますが、もうどうだっていいです。曲自体があまり好きではないので、解説にも愛が感じられませんね。ま、世の中、得てしてそういうものなんですけどね。

 6曲目はダグ・ワトキンスのオリジナルで、 「ディス・ウェイ」 というタイトルがついております。この道。敢えて日本語に訳せば、そういうことになりますか。ま、敢えて日本語に訳す必然性もないんですけど。で、ワトキンのオリジナルというのはけっこう珍しいような気がするんですが、何というか、アドリブだけの曲やん。…といった感じですよね。テーマらしいメロディが出てこなくて、のっけからバレルのアドリブみたいな感じで演奏が進んでいきます。以下、バード、マクリーン、レイニー、マルとソロが続いて、その後、何やらごちゃごちゃと原文ライナーには書かれておりますが、もうどうだっていいです。11分20秒もの長尺演奏になると、もはや最後までお付き合いするだけの気力はありません。敢えて言うなら、マクリーンのソロが、さすがや。…ということぐらいでしょうか。で、ラストは歌物の 「アウト・オブ・ノーホエア」 。4曲目とは裏返しにジミー・レイニーをフィーチャーしたナンバーとなっておりまして、バード、マクリーン、バレルの3人は休業となります。個人的には、最後はしっとりとバラードを。…という気分だったんですが、これまたミディアム・テンポとなっておりますな。ま、開始からしばらくはピアノ・トリオによる演奏となっていて、ここのところがなかなかいい感じなので、これはこれで別にいいとは思うんですけどね。とまあそんなことで、おしまい。

【総合評価】

 マクリーンのアルバムを買ったら、ギタリストが2人付いてきた。…と考えればそれなりに楽しめるんですが、ギターをフィーチャーしたナンバーは、ギターがさほど好きでない僕にとっては、やや退屈かも?…という気がしないでもありません。ギターはいらんと思うんですが、でもこれはギタリスト2人のアルバムなわけだし。。。


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