BUCK JUMPIN’ (SWINGVILLE)

AL CASEY (1960/3/7)

BUCK JUMPIN'


【パーソネル】

RUDY POWELL (as,cl) AL CASEY (g) HERMAN FOSTER (p)
JIMMY LEWIS (b) BELTON EVANS (ds)

【収録曲】

BUCK JUMPIN' / CASEY'S BLUES / DON'T BLAME ME / ROSETTA
AIN'T MISBEHAVIN' / HONEYSUCKLE ROSE / BODY AND SOUL
GUT SOUL / I'M GONNA SIT RIGHT DOWN AND WRITE MYSELF A LETTER
【解説】

 先日、バッティングセンターへ行ってきました。僕はどちらかというと “バッティング” よりも “○ッティング” のほうが好きなんですが、あ、この“”の部分には、各自で好きな文字を入れてくださいね。 と言われても、思い当たる節は1文字しかないぢゃないか。…などと思われる人がいるかも知れませんが、よくよく考えてみると結構あるものなんですよね。切るのが好きな “カッティング” とか、お座り好きの “シッティング” とか、あとはえーと…、とりあえずそれくらいしか思いつきませんが、よくよく考えて見ると、切ったり座ったりするのって、それほど面白いものでもありませんよね。そんなことをするくらいなら、まだ野球のタマでもかっ飛ばしていたほうがマシなんぢゃないか?…という気がしないでもないので、そんなことでまあ、バッティングセンターに行ってきたわけなんですけどね。桑名には僕の知っている限り、バッティングセンターはひとつしかありません。 “桑名バッティングセンター” というのが正式な名前なのかどうかはサダカではないんですが、とにかくそのひとつだけです。場所の説明をするのがちょっと難しいんですが、国道258号線の桑名警察署の近くに吉野家がありますよね。あのあたりから1本か2本くらい北側の筋に入って、国道1号線方面に走っていったあたり。確かそのあたりに存在していたのではなかったか?…という気がするんですが、あまり自信はありません。確か近くに “玉銭(たません)” というパチンコ屋があったような気もします。町工場に囲まれた何だか雰囲気陰気なところでありまして、設備自体もかなりレトロが入っていて、少なくともギャル連れで遊びにいくところではないな。…という感じのところなんですが、いや、個人的にはかなり気に入っているんですけどね。

 あれは今から5年か10年か15年ほど前のことでありましたか。あまりにも古い話なので、もはやどれくらい前の話だったのかわからなくなってしまいましたが、僕はこのバッティングセンターで “ホームラン賞” を貰ったことがあるんですよね。チョコバットだって、たまに “ヒット” が出るくらいで、いまだに “ホームラン” というのを目にしたことがないんですが、バッティングセンターでホームラン賞を貰ったというのも、後にも先にもこの1回だけなんですよね。このバッティングセンターのホームラン賞はですね、打席から見て向こう側のネットの高いところのど真ん中のところに丸い穴が開いていて、そこに打球を放り込むとホームラン!…というシステムなんですが、でもって、このバッティングセンターを切り盛りしているおっさんがですね、ちょっと怪しいなり風体をしているんですよね。どのように怪しいのかというと、アチラの筋の人っぽいというか、子供だったら泣いちゃうというか、大人でも半泣きになっちゃうというか、とにかくまあ、そういう雰囲気を醸し出しているおっさんなのでありまして。で、ある日、僕の放った打球がですね、向こう側のネットのほうににふらふらっと上がっていって、あ、こりゃ、どう考えてもセンターへの凡フライやな。…と思っていると、ホームラン賞の穴の下のところに着地して、そのまま余勢をかって転がり上がって、そのまま穴の中にぽとりと入っちゃったんですよね。ウゥ〜〜〜〜ゥ♪…と、場内にはサイレンが鳴り響き、受付のところにいたおっさんにギロリと睨まれてしまいました。このガキめ、インチキしやがって!…と思われたに違いありません。コドモ心にも、いや、その当時の僕が コドモだったのかオトナだったのかもあまり記憶にはないんですが、とにかくまあ、我ながらインチキくさい当たりだったな。…ということは自覚しておりましたので、ゲーム終了の時点でさっきのホームランはなかったことにして、そのままこっそりと人目につかないように帰ろうと思ったんですが、受付のところで恐いおっさんに、「おいっ。」…と、呼び止められてしまいました。いやあ、これはとんでもないことになってしまいましたな。これから僕はきっと、奥の “拷問室” みたいなところに連れ込まれて、「さっき、インチキしたやろ!?」…と、激しい口調でなじられるのでありましょう。小指の1本とまではいかないまでも、前歯の2本くらいはへし折られるのを覚悟しなければなりません。いやあ、偶然とはいえ、ホームランなんか打つんじゃなかったですなぁ。。。

 「さっき、ホームラン打ったやろ?」 案の定、おじさんが僕に詰め寄ってきました。とんでもないことをしてくれた。…とでも言いたげな、苦々しげな表情をしております。「あ、あれは、下に落ちたのが勢いで転がって入っちゃっただけで…」。 しどろもどろに弁解しようとする僕の言葉を遮って、そのおじさんはですね、「転がってでもなんでも穴に入ったらホームランや。ほら、ホームラン賞っ♪」…と言って、ビニール袋に入ったお菓子の詰め合わせを渡してくれたのでありました。見た目は恐いけど、めっちゃエエおっさんやん!…というので、以来、僕はこのバッティングセンターを贔屓にしているんですよね。さすがにこの不況の時代、そのような良心的な商売をしていては経営が成り立たなくなってしまったのか、最近ではホームラン賞というのはなくなってしまったんですが、昔受けた恩は決して忘れることはありません。 で、先日ですね、バッティングセンターにでも行ってみるぅ?…という気分になったんですが、でも、桑名バッティングだけは避けたいな。…と思ってしまいました。あれだけ親切にして貰っておきながら、何という罰当たりな!…と思われるかも知れませんが、だってあそこ、何だかとっても雰囲気が陰気で、タマを打っていても何だか気分が滅入ってきちゃうしぃ。そこでまあ、飛島バッティングに行こうということになったんですよね。こちらのバッティングセンターは打席数も多くて雰囲気もあかるくて、おまけにオートテニスや卓球台なんかもあって、気分が華やいでいるんですよね。が、国道23号線を名古屋方面に走っていくと、確かにあったはずのバッティングセンターがどこにも見当たらなくて、そういえば今から1年か2年か3年ほど前、桑名バッティングは今ひとつ気乗りがしないから、飛島バッティングに行こう。…という話になって、行ってみたところがどこにも見当たらなくて、しかたなく桑名バッティングまで戻る破目になった。…という経験があったことを、現地まで行ってみて初めて思い出しました。そういうことをはっきりと思い出せるほど、僕の記憶力は抜群であるわけなんですが、いやあ、とっても無駄な時間を過ごしてしまいましたな。ああ、僕はやはり桑名バッティングからは逃れられない運命にあるんでしょうか?

 が、幸いなことに僕は桑名バッティングの呪縛から逃れることに成功しました。朝日町にあるアソビックスあさひというところにバッティングセンターが出来たらしい。…という情報を耳にして、そちらに行ってみることにしました。ここはどういうところなのかというとですね、天然温泉とボーリング場とゲームセンターという、ありとあらゆる遊びをミックスしたような総合娯楽施設でありまして、それに最近、バッティングセンターと卓球場なんかも追加されたらしいとの噂でありまして。で、これがまたけっこうな賑わいぶりでありまして、立体駐車場を増設したとは言え、なかなか駐車場を確保出来ないのが難点ではあるんですけどね。ま、最悪、すぐ隣に消費者金融の無人契約機の駐車場があるので、それを利用するという手がないでもないんですけどね。ま、5万円ほど借り受けておけば文句を言われる筋合いもないだろうし、それに5万円も軍資金があればかなりバッティングにつぎ込むことが出来るので、一石二鳥であると言えましょう。幸い、この日は1台分だけ駐車スペースがぽっかりと空いていたのでサラ金のお世話になることはなかったんですが、逆にアソビックスの駐車場のほうには“無断駐車禁止”の看板が出されておりました。消費者金融利用者の駐車禁止!違反した場合は 50000円 の罰金を頂きます。…とのことでありまして、とりあえずサラ金で5万円借りたいんだけど、駐車場が空いてないから“アソビックス”のほうにとめるかぁ。…と思って実践に移した人は、5万円を借りて無人契約機から出てきた瞬間、アソビックスの人に捕まって、借りたての5万円を罰金として徴収される破目になるわけですね。こうしてみんな、借金地獄に堕ちていくんでしょうなぁ。。。 お前ら、グルやな!?

 ということで、この話は次回に続きます。

 ということで、今日からギター編ですね。よく考えたらオルガン編でもう1枚、紹介する当てがあったんですが、前回の原稿に 「オルガン編はこれでおしまい。」 …と書いてしまった以上、今回からきっぱりとギター編に移行します。自分の発言にきっちりと責任を取る、男らしい立派な態度だと思いますね、我ながら。で、ギター編でありますが、人材が極めて些少である故、あっという間に終わっちゃうと思われます。ま、4回がいいところですかね?ジャズの世界でギターという楽器は今ひとつマイナーな存在でありまして、ま、探してみればギタリストというのはけっこうたくさんいるような気もするんですが、個人的にあまり好きではないので、手持ちがありません。僕の贔屓のキダ・タローがリストから抜けてるぢゃないか!…とか、何かとご不満もあろうかとは思いますが、もしレビューして欲しいアルバムがございましたら、僕のところにCDを送ってくださいね。ま、気分次第では取り上げないこともないではありません。私の恥ずかしい写真とかでもかまいません。タワシの恥ずかしい写真というのはいりません。私ったら、こんなぼろぼろのタワシをいつまでも使っていたりして、恥ずかぴぃ〜。…って、ま、気持ちはわからんのでもないんですが、そんな写真を見たいとは思いません。私のすぶたを見て♪…とか言って、酢豚の写真を送ってくるのもやめてくださいね。とまあそんなことで、今日はアル・カッセイです。誰やそれ?…などと難しい質問をしてはいけません。答えられないことを聞くというのは嫌がらせ以外のなんでもないですからね。最近の子供は歩くということを知らないから足腰が弱っている。もっと歩かっせい。…って、僕が彼の名前で思いつくネタと言ったらそんなものなんですが、今日はスイングヴィル盤の 『バック・ジャンピン』 というアルバムを紹介したいと思います。スイングヴィルというのはアレですよね。プレスティッジの傍系レーベルでありまして、もっぱら中間派風の作品を取り扱うという、そういうアレであります。日本のジャズ界において中間派路線というのは馬鹿にされること以外に何の取柄もないわけでありまして、今ひとつセンスのよくない統一デザインのジャケットと相まって、スイングヴィル盤というのはムードヴィル盤同様、日本のジャズ・ファンの間では、「“ヴィル物”かぁ。」…と、軽くあしらわれる傾向にあります。いけません。鶏口となるも牛後となるこなかれ。…という諺もあるではありませんか。いや、ぜんぜん関係のない話なんですけどね。しかし何ですな。“牛後”というのは何だか、“午後”という漢字を書こうとして、間違えて真ん中の棒が上に突き出ちゃったような感じがあって、見ていて何だか落ち着きませんよね。でもまあ、そんなことはどうでもいいので、とりあえず1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 えーと、まずはアルバム・タイトル曲の 「バック・ジャンピン」 でありますか。それはそうとこの“AL CASEY”という人、正確にはアル・カッセイではなくて、アル・ケーシーと発音するんですかね?ケーシー高峰のケーシー?とすれば僕のとっておきのギャグ、「子供をもっと歩かっせい。」というのはどうなる?…と思わずにはいられませんが、ま、ぜんぜん大したことはないギャグなので、別にどうなってもいいんですけどね。でもって、このアルバムにはルディ・パウエルなるアルト奏者兼クラリネット奏者が参加しておりますな。この人がいったいどのような人物であるのか寡聞にして知りませんが、名前からしておそらくバド・パウエルの実弟、もしくは実兄、あるいは “いとこ” か “はとこ” 、でなければ、赤の他人といった関係にあるのではなかろうかと思われます。それはそうと、 “赤の他人” というのはどうして “赤” なんですかね? “みどりの他人” とかでは駄目なんでしょうか? “みどりの他人” では何だか、 “みどりのおばさん” とか “みどりの窓口” みたいぢゃん。…というのが、おそらく “みどりの他人” では駄目な理由だと思うんですが、ではどうして “赤” なのかというと、これはアレですよね。自分の息子が日本赤軍に入ったのを嘆いた父親が、「アイツのことはもう勘当した。アイツはもう、赤の他人ぢゃ。」…と言ったのがきっかけではないかと思うんですが、本当のところはよくわかりません。この問題はまた、後半に書くことがなくなってから検証することにして、とりあえず演奏について言及してみたいと思いますが、えーと、 まずは「バック・ジャンピン」 ですか。この曲はアレですね。テーマ自体はシンプルなブルースではないかと思われます。ケーシーのおっさんが淡々とテーマを奏でておりますが、何とも地味で、しみじみとした滋味の感じられる。そんなシジミの味噌汁のような演奏に仕上がっております。ケーシーのおっさんのギターというのはアレですね。いかにも訥々とした田舎のおっさんといった感じで、弦楽器の原点のようなシンプルな音色が心に染みます。ところで、問題のルディ・パウエルはどうしたんだ?…と思っていると、結局、最後までこの人は登場の機会がなくて、それどころかピアノの音すら聞こえてこなくて、早い話がこれはギターとベースとドラムスのトリオ演奏なんですな。後半、大いに盛り上がる…ということもないんですが、ま、それなりにジワジワと輪島的にはムードが高まって、不意にギターの独奏になって、クリスマス・ソングの一節を引用するあたりが、ま、ご愛嬌でありますな。んなことで、1曲目はおしまい。

 続く 「ケーシーズ・ブルース」 はムード満点のスロー・ブルースです。1曲目に続いてケーシーのオリジナルでありまして、ということは1曲目に続いてこの2曲目でも、ケーシーは自分で曲を作ったということになるわけですね。大したものです。ま、どの曲もブルースばっかりやん。…というところに若干の工夫のなさが見受けられるわけですが、 「ケーシーのブルース」 はアレですな。アーシーなブルースでありますな。ほの暗いムードのダークなテーマ部は、またしても地味な演奏であることを予感させるんですが、すると一転、ルディ・パウエルのアルトが登場して、下劣なシャウトが炸裂します。まさに、満を持して…といった感じでありまして、ちょっと音が小さいかな?…と思ってボリュームを大きくしていた人は、ここでのけぞっちゃうこと必至。ま、幸いにもこの乱入者はすぐに取り押さえられて静かになるんですが、再びほの暗いムードに転じた後、次に登場するのはハーマン・フォスターでありますか。ルー・ドナルドソンとの活躍で知られるこのピアニストは、下品なことにかけてはルディ・パウエル君にもひけを取らないんですが、ここではやはりすぐ取り押さえられて、ケーシー君の趣味のよいギター・ソロへと流れていきます。いや、相変わらずの訥弁ですなぁ。ま、相変わらずの血便…というのに比べれば腸の調子もよさそうで何よりなんですが、おっと、ここで再びパウエル君の乱入でありますか。今度はソロ・パートだけにそう簡単に取り押さえることは出来ないんですが、なんとも形容しがたいスタイルの持ち主でありますな。ワイルドと言えばワイルド。モダンか?…と言われると、それほどでもなくて、どちらかというと中間派に属しているものと思われますが、じゃ、古臭いのかと言われると、ウンコ臭い。そんな感じのアルトでありますな。で、続いてハーマン・フォスターの登場です。出だしの部分が何だか大人しくて、ちょっぴりガーランド風だったりするので、どうしたのか?…と思っていたら、後半はきっかりと下品になっておりました。一安心ですね。ゴンゴンと叩きつけるようなブロック・コードが特徴なんですが、黒さがただものではなくて…、とか言ってるうちにテーマに戻って、演奏は終わっちゃいました。

 3曲目はスタンダードの 「ドント・ブレイム・ミー」 ですか。ケーシーのギターがしみじみとテーマを歌い上げる、なかなかの名バラードだと思います。アルトのパウエル君が出てこないので、安心してボリュームを上げるすることが出来ますね。…と思っていたら途中から登場しちゃったんですが、でも、大丈夫でした。ここでのパウちゃんは抑制の効いた趣味のよい演奏に終始しておりまして、 『アート・テイタム&ベン・ウエブスター・カルテット』 でのベンちゃんのプレイを彷彿させるものがあったりします。アルトとテナーの違いはあっても、何だか似てるな。…という気がしないでもない。…といった程度には似ているのではないかと思わないでもありません。いやあ、しみじみ、いい吹きっぷりですな。続くアル・ケーシーのソロも短いながらなかなかよい味を出しておりますし、ま、この人たちはバラードをやらしておけば大丈夫なのではなかろうかと。で、4曲目です。 「ロテッサ」 ですか。これまた何だか歌モノっぽい瀟洒なナンバーでありますな。冒頭、アルトとドラムのブラシによるイントロが秀逸で、続くギターによるテーマ演奏が後逸です。…って、タマを後ろに逸らしている場合ではなくて、何だかこう、室内楽的なフィーリングを色濃く感じさせる仕上がり具合となっております。いやあ、オシャレ(←栗東所属、メス4歳)ですなぁ。いや、昔、そんな名前の競走馬がいたんですよね。本当に栗東所属でメスで4歳だったかどうかはサダカではないんですけど。で、演奏のほうはソロ1番手がカーシーで、2番手がパウエルです。このままの着順で決まれば枠番連勝は4−7ですかね?…って、何を根拠にそんな数字が出てくるのか、今ひとつよくわからんのですけど。 3番手にはハーマン・フォスターがつけていて、つけ麺大王はスタート直後に落馬しました。いや、最初からそんなのは出走してなかったような気もするんですけど。あ、ここでのパウエルのソロはアレです。悪くはないんですが、3曲目の時ほどはよくありません。若干下品なところがあって、全体のムードをぶち壊しております。ハーマン・フォスターは、ま、無難なところでしょう。ということで、最後にベースとの絡みのパートがあって、テーマに戻って、おしまい。

 5曲目はファッツ・ウォーラーの 「エイント・ミスビヘブン」 ですか。ルディ・パウエルがここではクラリネットを吹いていて、中間派気分はいやがおうにも高まります。ドとレとミとファとソとラとシの音はちゃんと出ているので、パウエル君はクラリネットをとっても大事にしていたみたいですね。で、クラとギターとの絡みがとってもオシャレ(←栗東所属、メス4歳)です。アル・ケーシーというギタリストはテクニックという点では今ひとつなんぢゃないか?…と思っていたんですが、ここでのソロを聴くとぜんぜんそんなことはないですね。少なくとも、僕よりはうまいです。5つの音しか弾けませんからね、僕って。ギターには5本の弦があるので、それを指で弾けば5つの音が出るんですが、あ、弦の途中を指で押さえるのとかは無しね。…って、そんなレベルですからね、僕って。とまあそんなことで、次です。 「ハニーサックル・ローズ」 って、これまた中間派の必須アイテムみたいな曲を持ってきましたな。 “すいかずら” なんですよね。いや、何がなのかと言うと、 “ハニーサックル” というのは “すいかずら” のことらしいんですよね。…と言われてもそれがいったどのようなものなのか、まったく見当はつかないんですけど。酸っぱい“かずら”みたいなものなのか、あるいは東北地方の人がスイカを見て、「西瓜ずら。」と言っているのか。で、ここでの演奏はアレです。アルトによるイントロ → ギターによるテーマ演奏 → ベースのピチカート・ソロ → ピアノ・ソロ → アルト・ソロ → ギター・ソロ → アルトとドラムスとギターの4バース(か?) → テーマに戻らずにエンディング…といった構成になっております。ソロ・オーダーを通常の逆にした感じで、そこのところがちょっぴり斬新タイガースですよね。いや、今年は弱いですけどね、阪神。パウエル君のソロがちょっぴり下品なのがマイナス材料なんですが、それを除けば概ね良好で、この “ミスビヘブン” から “ハニーサックル” への流れは、本アルバムでもハイライトと言えるのではないでしょうか。…という気がしないでもありませんね。

 で、ラストです。僕の持っている輸入盤CDには、この後、おまけ曲が2つほど入っているんですが、無視します。無視するのが悪ければ、割愛します。なかったことにする。…というのでもいいかと思います。上部の 【収録曲】 のところもフォントを最小にして、おまけに黄色にしておきましたので、誰も気付いていないと思いますが、えーと、本アルバムの最後を飾るのは名スタンダードの 「ボディ・アンド・ソウル」 でありますか。僕、好きなんすよね、この曲。この人たちはバラードをやらしておけば大丈夫…という前例に鑑みて、おそらくこの曲も大丈夫なんぢゃないか?…と踏んでいたんですが、実際のところ、大丈夫でした。パウエル君をはずしたのが最大の勝因かと思うんですが、いや、バラードでは意外と味のあるプレイをしていたので、あながちそうとも言い切れないかも知れませんが、シンプルなアル・ケーシーのギターが何ともいい味を出しております。サバ節というのもなかなかいい味が出るんですけどね。いや、ただ生臭いだけやん!…という気がしないでもないんですけど。とまあそういうことで、おしまい。

【総合評価】

 期待度0%だったんですが、その期待は見事に裏切られました。隠れた名盤…とまでは言えないんですが、ま、 “かぶれたミョウバン” とは言えるのではなかろうかと。かぶれるんですよね、ミョウバンって。ま、人によるんでしょうけど。で、演奏のほうはとう言うとですね、 “バラードとブルースの夜@室内楽ばーじょん” といった感じでありまして、特に3曲目以降は意外とオシャレだったりしておりました。まったくハードではないので、軟便の人でも何べんか聴いても大丈夫ではなかろうかと。


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