ALONG CAME JOHN (BLUE NOTE)

JOHN PATTON (1963/4/5)

ALONG CAME JOHN


【パーソネル】

FRED JACKSON (ts) HAROLD VICK (ts) JOHN PATTON (org)
GRANT GREEN (g) BEN DIXON (ds)

【収録曲】

THE SILVER METER / I'LL NEVER BE FREE / SPIFFY DIFFY
ALONG CAME JOHN / GEE GEE / PIG FOOTS

【解説】

野尻湖まっぷ♪

 今まで木曽川以外でウインドサーフィンをしてみて、楽しかった例(ためし)がありません。 ついでに言うと僕の場合、多摩市でタムシになった例(ためし)もないんですが、ま、別にタムシが多摩市の風土病というわけでもないので、当然と言えば当然なんですけどね。そういえば最近、何だか股のところが痒いので不審に思って調べてみたところ、内股の左側の部分がタムシ色に変色していることに気が付いたんですが、多摩市には最近行ったことがないので、原因は他のところにあるものと思われます。で、それはそうとウインドサーフィンなんですが、僕は10数年来、木曽川のマカイビーチをホームゲレンデにしておりまして、この場所に取り立てて不満があるわけではないんですが、正直なところちょっと飽きてきちゃったんですよね。例えて言うなら、会社の近くの喫茶店の“チクワの磯辺揚げ定食”(税込み578円)は値段もお手頃でそこそこ美味しいんだけど、さすがに毎日だとちょっと飽きるよね。…みたいな。たまにはタマネギも食わせろ!…というので、琵琶湖や浜名湖に行ってみたこともあるんですが、結果的にはどうもこう、今ひとつでありました。車を止めるところがないというのがまず最初の問題点でありまして、ま、よく探してみればそれなりにはあるんでしょうが、よく探してみないとそれなりにありません。車を走らせていて、あっ、今のところ!…と気付いた時には既に通り過ぎていて、そこで引き返せばいいんでしょうが、ま、この先にもあるだろうしぃ。…などと思っていると、結局のところどこにも入れず仕舞いで、ふと気が付いたら琵琶湖を1週してたりして、いやあ、駐車場探しというのは難しいものでありますなぁ。

 …などと嘆いていたら、「ちゃんと下調べしないからいけないんだ。」と、舌平目に言われてしまいました。何故ここでいきなり舌平目が登場するのかと言うと、“下調べ”と“舌平目”で、ちょっぴり韻を踏んでいるかな?…と思ったからなんですが、たかだかヒラメ科の魚類の分際で僕に意見するとは、ちょっと生意気ですよね。ちょっとムニエルにすると美味しいからっていい気になっているんだと思いますが、でもまあ、確かに舌平目のムニエルというのは高級ですからね。同じ平坦系のオサカナ料理でも“カレイの煮付け”なんかとは格が違うわけでありまして、鰈技師の言うことは無視することが出来ても、舌平目の意見には耳を傾けておいたほうが得策ではないか?…という気もします。なるほど、確かに下調べというのは大切ですよね。そこで今回、野尻湖に行くにあたって、当地のウインド状況をネットで詳しく調べてみたんですが、なかなかよさげなサイトを発見しました。 ここ です。このページの左側のフレームに“野尻湖ゲレンデ情報”というメニューがあるんですが、ここを見れば野尻湖のゲレンデ情報は一目瞭然、いやあ、さすがは“野尻湖ゲレンデ情報”ですなぁ。これがもし、“野尻湖小尻娘情報”というようなものであれば、僕の知りたい情報は何も得られなかったに違いないんですが、個人的には“小尻”というのにあまりソソられるものを感じませんからね。で、このゲレンデ情報によるとですね、野尻湖には“セイリングエリアA”と“セイリングエリアB”と“セイリング禁止水域”というのがあるようです。で、野尻湖周辺の旅館やホテル及びマリンスポーツ屋さんの分布状況を調べてみるとですね、弁天島の北から西側にかけてのエリアに集中しているようです。このサイトを開設している“グリーンスポーツクラブ”というのは湖の南側にあるようで、勝手にサイトを引用しておいてこんなことを言うのもなんですが、ちょっと辺鄙な感じがしないでもないですよね。セイリングエリアに出るには何にも字の書いてない空白のエリアを突っ切っていかなければならないようで、その点がちょっと心配ですよね。どうしてこの辺りが空白になっているのか部外者には窺い知ることが出来ないんですが、ま、おそらく風がぜんぜん吹かないとか、ウンコ臭いとか、河童が出て“しりこだま”を抜かれちゃうとか。琵琶湖のなぎさ公園の辺りとか、けっこうウンコ臭かったりしたんですよね。いや、その日はたまたま近くにウンコが落ちていただけなのかも知れませんけど。

 その意味では弁天島の北側のエリアも、目の前が“セイリング禁止水域”なのでちょっと問題ありですよね。ま、セイリング禁止水域と言っても通過するだけなら大丈夫みたいなんですが、ここはやはり“セイリングエリアA”にすぐ出られる湖の西岸に居を構えるのがベストではないかと思われるわけでありまして。東岸のほうは冬瓜を食べるにはいいのかも知れませんが、個人的に冬瓜はあまり好きではありませんからね。で、いろいろと調べてみた結果、 宮川旅館 がいいんぢゃないか?…という結論に達したわけでありますが、いや、地図で見る限りは、限りなく湖のほとりに位置していそうな感じですからね。琵琶湖とか浜名湖で今ひとつ楽しめなかった要因として、ようやく駐車場を見つけても(←しかも有料)、そこから水面までがクソ遠いやんけ!…ということが挙げられるんですが、湖とは道路を挟んだ反対側だったりして。ウインドと言うのはけっこう道具がたくさんいるので、運搬するだけで大変なんですよね。クソ遠いは、ウンコ臭いはで、いいことなんかひとつもなくて、その点、木曽川のマカイゲレンデは駐車場(←無料)からすぐのところから出艇することが出来るので、いろいろ試してみたんだけど、結局のところは木曽川がいちばんラクかな?…という結論に達してしまうわけでありまして。だからまあ、野尻湖にも宮川旅館にもあまり多くのものは期待しておりませんで、で、もうひとつ気になったのは“グリーンスポーツクラブ”のゲレンデ情報に書いてあった、ヨット、ボート、ウインドサーフィンなどの持ち込み艇は許可ナシではできません。持ち込みされる方は必ず湖畔に点在する船関係の業者や宿泊施設などで尋ねてください。…という一文であります。小学生の頃、「餅くさい」という理由で“餅”というあだ名を付けられていじめられた経験のある僕にとって、持ち込み艇は許可が必要というのはちょっぴり衝撃的でありました。子供の頃は餅に泣かされ、大人になってからは持ち込みで泣かされ、これはもう、年寄りになったら餅を喉に詰まらせて窒息しちゃういに違いないと言ってもいいかも知れませんが、グリーンスポーツクラブでは持ち込み料プラス施設使用料として1名1000円で出艇させてくれるらしいので、大人しくここを利用させてもらったほうが無難でしょうかね?

 …と思いつつ、何の手立ても施さないまま当日になってしまいました。ま、駄目なら駄目で別にいいやぁ。…というくらいの気持ちで、あまりヤル気はなかったですからね。それならそれでナウマンゾウ博物館でも見ておけば、それで十分に「野尻湖した。」と、世間に胸を張って言えるわけだしぃ。…などと思っていたんですが、いざ宮川旅館を訪れてみるとですね、おおっ、これは抜群のロケーションぢゃん!

宮川旅館の駐車場より野尻湖を見る♪ 湖側から見るとこんな感じ♪

 えー、右の端に見えている、写真だとけっこう小綺麗ぢゃん。…と誤解されかねない建物が宮川旅館であります。通称“宮っち”。ま、別に“宮りん”でも“宮ぴょん”でもないんでもいいんですが、“宮りん”というのが一番、微妙に整腸作用がありそうでいいかもしれませんね。で、その“宮りん”の建物の隣が駐車場になっていたんですが、その駐車場というのがですね、道路側から奥に向かって、駐車スペース→ぷち草むら→超ぷち砂浜→湖という分布になっていたんですよね。車からボード他道具一式を降ろして、草むらでセッティング。で、砂浜に移動して、湖へGO!!これぞまさしく僕の理想とするゲレンデ状況でありますが、あとこれで問題になるのは、こんなところで本当にウインドをやってるような物好きがいるのか?…ということなんですが、例えば今までウインドのメッカと言われている御前崎だとか敦賀の水島だとかに偵察に行ってみても、時期が悪いのか、時間帯が悪いのか、天候が悪いのか、あるいは僕が何か致命的な間違いを犯しているからなのか、ウインドサーファーの“ウ”の字も見えた例(ためし)がなかったんですよね。長良川に鵜飼を見に行った時は“鵜”の字がたくさん見えたものでありますが、やはり僕が何か致命的な間違いを犯しているんですかね?致命的な間違いと言うと、例えば、御前崎だとばかり思っていたのが、実は“あいざき進也”だった…みたいな。で、問題の野尻湖はどうなのかと言うとですね、おおっ、まずまずでありますな。風が吹いた時のマカイのように、100人オーバー(←日本野鳥の会調べ)という程ではないんですが、ま、10人そこそこはいるんじゃないですかね? ということで、では早速、出艇することに致しましょう。

いざ出艇♪(ボードの向きは逆ですけど。。。)

 水の透明度はかなり良好です。少なくとも“かれいの煮こごり”よりは透き通っていると思います。…って、んなものと比べるほうが間違っているような気もするんですが、透明度は5〜7mというから、かなりのものであると思います。で、水温はですね、思ったよりも温かったですな。5秒くらい浸かっているとチアノーゼが出るんじゃないか?…と懸念していたんですが、ぜんぜん大丈夫でした。で、湖底はですね、黒い細かい砂のようなものが堆積しておりました。若干、足が埋まる感じがありますがフジツボで負傷する恐れはなさそうなので、転落して膝の皿からフジツボがうじょうじょ…という都市伝説とは無縁であると言えるのではなかろうかと。で、湖に出るところまでは抜群のコンディションだった“宮川旅館前ゲレンデ”でありますが、若干の問題もあることが判明しました。それは何かと言うと、桟橋が多いということなんですが、超ぷちビーチの両側を桟橋に挟まれているもんだから、風向きによっては出艇から15秒後には左右どちらかの桟橋にぶち当たる…ということになってしまいます。ま、そこさえクリアしてしまえば後はどうにでもなるんですが、ここまで来ると風も急に強くなるような感じがありますな。某グリーンスポーツクラブのゲレンデ情報によると午前中は南寄りの風、午後からは北寄りのサーマルウインドが吹くとのことなんですが、午後3時頃は確かに北寄りだったような気がします。北寄りの風だとどういうことになるかと言うとですね、弁天島の横の辺りに出るような気がします。野尻湖というのはかなり奥のほうまで入り組んだ複雑な地形をしているんですが、弁天島の周辺をうろうろしている分にはちょうど手頃な大きさであると言えるでしょう。琵琶湖とか浜名湖辺りは湖としてはあまりにもデカ過ぎて、常に流される恐怖と背中合わせだったんですが、ここならば大丈夫。それに湖面はバス釣りのモーターボートやら、手漕ぎボートやら、あひるボートやらで、とっても賑やかでありますので、いざとなったらボートの人に救助して貰うか、あるいはアヒルの背中につかまっていけば、命だけは助かるものと思われます。いやあ、心強いですなぁ。ま、唯一の難点と言えば、岸に戻るのが非常に困難であるということなんですが、湖の中央付近では秒速5〜6mくらい吹いていた風が、桟橋のところまで来ると、ぱたっと無くなっちゃうんですよね。この状態で狭い桟橋に挟まれた宮川旅館前に戻るのは至難の業でありまして、どう頑張っても隣の隣の貸しボート屋の桟橋の向こう側に行きそうになって、泣く泣く帰還を諦めて再出艇…という破目になってしまいました。ああ、ぼくはこのまま一生、“みやがわりょかん”にもどれず、湖のうえで死んでしまうのでしょうか?

 ま、さすがに3往復もすると次第にコツが掴めてきて、宮川旅館の桟橋の向こう側、約10mくらいの地点まではニアミス出来るようになったんですが、どうやら桟橋の突端あたりまで来れば足が付くらしい。…ということが判明して、ここまで来たらおとなしくセイリングを諦めて、歩いて戻ったほうが無難なのではなかろうかと。とまあそんなこんなで、野尻湖ウインド事情に関しては、おしまい。で、最後になりましたが、宮川旅館のユースホステル部門の感想について、簡単に触れておきましょう。えーと、ここのユース部門はですね、いかにも旅館部門の片手間にやってるだけやな。…という感じでありまして、うるさいことがまったくなくて、よかったです。午後9時にみんなで談話室に集まって、 「俺らの空は鉄板だ」 を歌わされるということもなかったし、第一、談話室という存在そのものがなかったような気もするし、ユースは部屋での飲食は禁止という話を聞いていたんですが、11号室でビールを飲んで韓国海苔をカジっていてもぜんぜん叱られなかったし、ま、相部屋という点と、料理の質がかなり質素であるという点を除けば、ごく普通の旅館として利用することが出来ました。ちなみにこの日のユース客は男性チームが卓球おっさんと、長距離走青年と、ウインド好青年の3名、女性チームは飛び込みの人妻かよりんという状況でありました。あ、飛び込みの人妻というのは、飛び込み競技に従事している人妻という意味ではなくて、予約無しの人妻ということですね。無理を言えば夕食も用意してくれそうな気配だったんですが、遠慮してパンと焼きもろこしで飢えを凌いでいた模様です。卓球おっさんは卓球のユニフォームを身にまとったおっさんでありまして、盆踊りと卓球、その他もろもろに対する造詣が深く、もろ動画に対する造詣くらいしかない僕の知識を遥かに凌駕しておりました。ただ、喋りすぎてちょっぴりうるさいのが難点ではなかろうかと。長距離走青年は朝の5時半から野尻湖を1週(約15キロ)、夕方頃にもう1週しているんだそうで、いや、何ともご苦労なことでありますな。で、夕食時、シャイで無口な僕が果たしてうまくコミュニケーションを取れるだろうか?…という点を心配していたんですが、卓球おっさんが一方的に喋りまくっていたので、後は適当に頷いているだけで何とかなりました。「どこから来たんですか?」と聞かれて、「三重県です。三重の桑名です。」と答えて、「焼きハマグリのところだねっ。」…というリアクションがあって、それで会話が途切れてしまったんですが、それはそれでよかったと思います。お部屋のほうは当初3人相部屋の予定だったようですが、空きがあったので卓球おっさんだけ別の部屋に隔離ということになり、おかげさまで静かに熟睡することが出来て、よかったです。翌朝、長距離走青年につられて早起きして、朝の野尻湖をぶらっと散歩してみました。昼間の賑やかさとは打って変わって、朝靄の中に静かな湖面がそっと浮かんでおりましたが、いや、これはこれでなかなかよいものでありますな。桟橋の先まで歩いて後ろを振り返ると、妙高山がうっすらと見えておりました。僕の夏休みは、もうすぐ終わろうとしています。

野尻湖畔から妙高山を望む♪ 朝靄に煙る野尻湖♪

 ということで、今日はジョン・パットンです。まだまだ暑い日が続きますが、暑苦しいオルガン・ジャズだってまだまだ続きます。でもまあ、今日を含めてあと2回くらいでネタが尽きると思いますので、もう少しの辛抱です。で、先々週は上記のとおり、斑尾→野尻湖→黒姫高原→戸隠あたりを散策していたんですが、黒姫のコスモスは、ま、ぼちぼちでしたな。まだ盛りには少し早いといったところでしょうか。で、戸隠は混んでいて車を止めるところがなかったので、そのまま素通りして来ました。その後、白馬に抜けて木崎湖のウインド事情を偵察して来たんですが、あひるボートの数を含めて野尻湖ほどは賑わっておりませんでした。ま、天気が今ひとつということもあったんですが、ウインドをやるならキャンプ場の駐車場を利用出来るかな?…といった感じでしたね。で、この前の土日は“さば家@夏のバカンス企画”ということで、塩サバ2号一家と共に、御嶽山→乗鞍岳→新穂高ロープウェイあたりを散策しておりました。おかげで原稿を書く暇がなくなってしまったわけなんですが、よって今日の後半は超手抜きバージョンでお届けすることになるのではなかろうかと。とまあそういうことで、 『アロング・ケイム・ジョン』 ですね。ジョン・パットンという人はジミー・スミス、童顔ウィレちゃんに続く、ブルーノート第3のオルガニストという存在ではなかったかと思うんですが、詳しいことはよくわかりません。で、このアルバムはそんなパットンの初リーダー作ではなかったかと思うんですが、詳しいことはよくわかりません。いやあ、世の中まだまだ、わからないことだらけですよね。いや、僕に調べる気がないだけの話なんですけど。で、このアルバムの売りはアレですよね。フレッド・ジャクソンとハロルド・ヴィックというコテコテ系の2テナーを従えた編成にありまして、おまけにギターはグラント・グリーン、ドラムスはベン・ディクソンですかい。ベン・ディクソンという人は、便で糞、ん〜♪…という名前であるにもかかわらず、ウンコ臭くない趣味のよいタイコを叩くことで知られておりまして、特にグラント・グリーンと組むといい仕事をするので、大いに期待が持てますね。んなことでまあ、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 アルバム冒頭の 「ザ・シルヴァー・ミーター」 はパットンのオリジナルです。このアルバムは全曲パットンのオリジナルで占められていたような気がするんですが、詳しいことはよくわかりません。で、この曲はアレですね。しゅっしゅっぽっぽっ♪…の歌ですね。しゅっしゅっぽっぽっ♪…と、1・2拍目にアクセントが来るのではなく、しゅっしゅっぽっぽっ♪…と3泊目にアクセントが来る感じなんですが、汽車ぽっぽ風のオルガン伴奏をバックに2本のテナーが単純明快なテーマを奏でるという、そういう作品でございます。メロディ自体は、“ぱぁ〜〜〜〜、ぱぁ〜〜♪”という2音だけなんじゃないか?…という気もするんですが、これだけでちゃんとした曲になるんだから大したものでありますな。ま、ブルースなんて所詮はそんなものなんですけどね。で、テーマに続いて登場するワイルド極まりないテナー・ソロは、おそらくフレッド・ジャクソンでありましょう。リーダー作 『フーティン・ン・トゥーティン』 のジャケットでは今ひとつ趣味の悪い柄のシャツを着ておりましたが、演奏のセンスは抜群でありまして、ソウル派コテコテ系テナー奏者の中では、僕は彼をいちばん高く買っております。3000円までなら出してもいいんじゃないか?…というくらい高く買っているわけでありますが、 『女子高生むれむれブルマ』 というDVDなら5000円は出してもいいかな?…という気がするので、それには負けるんですけどね。そういえば先日、国道41号線沿いの“すけべDVD”の自販機のところに、「夏物入荷!」というのぼりが立っていたんですが、夏物のすけべDVDというのはいったいどういうものなんですかね?やっぱりスクール水着だとか、制服でも夏服だったりとか、体操服でもトレパンではなくて半袖&ブルマだったりとか。気になって原稿も手につかないんですが、フレッド・ジャクソンと思しきテナー・ソロはあれですね。とってもワイルドで、いいと思います。続いて登場するグラント・グリーンのソロは、お馴染みの“単一フレーズこれでもかこれでもか執拗な反復プレイ”も聴かれて、とっても彼らしくっていいと思います。で、続くパットンのオルガン・ソロも、そこそこよかったような気がします。で、テーマの再現部になるわけですが、“ぱぁ〜〜〜〜、ぱぁ〜〜♪”が、微妙にワイルドなバリエーションになっていたりして、いやあ、ソウルですなぁ。とまあそんなことで、いかにも汽車ぽっぽらしい疾走感があって、よかったと思います。

 2曲目の 「アイル・ネバー・ビー・フリー」 はスローなブルースですね。個人的にはスローなブルースよりもブルーのズロースのほうが好きなんですが、ブルーと言ってもあまり濃い青はいけません。限りなく透明に近いブルーというのか、透け透けのタイプがいいですよね。で、この曲はですね、ウエィスという人とベンジャミンという人の共作 のようでありまして、ちっとも全曲パットンのオリジナルなんかではありませんな。おまけに1曲目の 「ザ・シルバー・ミーター」 はベン・ディクソンの作曲だそうでありまして、ここまでくると嘘つきを通り越して、もはや詐欺の領域でありますな。ま、別にいいんですけど。(←反省の色なし。) で、2曲目はオルガンがリードする主旋律に2本のテナーが絡む形でテーマが演奏され、続くオルガンの独奏部分はどこまでがテーマでどこからがアドリブなのか今ひとつ判然としないんですが、歌物のバラードと言ってもいいようなキュートな世界が展開しております。…と、ここでテンポが速くなってオルガンのアドリブ・パートに突入します。全体的にパットンのオルガンをフィーチャーした作りとなっておりまして、2人のホーン奏者は刺身で言うと“つま”のような、ステーキで言うとインゲンのソテーのような存在に従事しているようです。ま、パットンの歌心を堪能するには最適なナンバーなのではなかろうかと。で、3曲目の 「スピフィー・ディフィー」 はディクソンのオリジナルでありまして、シンプルなシャッフル・ビートに乗った曲で、アーシーな味わいがたまらない。…と、日本語ライナーに後藤誠クンが書いているとおりの演奏だと思います。いやあ、誠クンの書くことはいつも“誠”に溢れておりますなぁ。もう、ジャズ・ライター界の新撰組みたいな?で、ソロ先発はG.グリーンなんですが、これがまた実に素晴らしい出来でありまして。もう、歌いまくるK元総務部長(←今の役職、知らん。)と言った感じでありまして、いや、沖縄・石垣島旅行の宴会の席で歌いまくってましたからなぁ。3曲連チャンでかなり顰蹙を買っておりましたが、ミスターISOことK部長の「桃色吐息」も耳を塞ぎたくなるような惨状でありました。それに比べるとソロ2番手のパットンや、3番手のフレッド・ジャクソン(←多分)のプレイなど見事の一言でありまして、そういう反面教師的な意味合いでは、それなりに価値のあるカラオケ大会だったのではなかろうかと。

 で、4曲目の 「アロング・ケイム・ジョン」 にして、初めてパットンのオリジナルが登場するんですが、あ、B面の3曲はすべて彼の作品で占められているんですね。で、このタイトル曲はというと、コール&レスポンスな典型的なゴスペル・ソングでありまして、アーシーな雰囲気がなんとも言えず泥臭いですなぁ。ソロ・オーダーはパットン、グリーン、ジャクソン(←多分)、パットン(←再び)となっていて、それ以上のことは面倒なので詳しくは触れません。超手抜きバージョンでお届けすると言っておきながら、あまり真面目に解説したりするのは公約違反になっちゃいますからね。ま、敢えて補足をするならば、ワイルドでいて、意外とモーダルだったりもするフレッド・ジャクソンの熱いプレイに注目!…ということなんですが、それにしてもハロルド・ヴィックはあまり活躍の場がありませんなぁ。ま、根が地味な人なので、やむを得ないような気もするんですけど。で、5曲目の 「ジー・ジー」 はパットンが爺ィに捧げた曲であります。いや、もしかしたら違うのかも知れませんが、いや、間違いなく間違っているに違いないんですが、フレッド・ジャクソンのソロはときおりジョン・コルトレーンを、とくに 「ジー・ジー」 での彼を思い出させる、といっておけば充分だろう。…と、原文ライナーにジョー・ゴールドバーグが書いている点に着目しましょう。もっとも誠クンは、コルトレーンというよりはブッカー・アービン的な肉体派のブローを披露。…と指摘しておりまして、僕としてもそちらのほうが正解だと思います。やっぱり、マコっちの書くことはいつも誠に溢れておりますなぁ。曲自体はどこかで聴いたことがあるようなありがちなものなんですが、軽快なノリが心地よいナンバーに仕上がっております。オルガン主導のメロディにテナーが付随する形でテーマが演奏され、ソロはパットン、フレッド・ジャクソン(←多分)、グリーン、ハロルド・ヴィック(←多分)、パットン(←再び)の順番となっております。中でもやはりカラダを張ったフレッド・ジャクソンのブローが凄いですね。グリーンのギター・ソロに続いて聴かれるテナーは恐らくヴィックのほうだと思うんですが、こちらもかなりの熱演ぶりで好感が持てますね。パットン自身のソロはパットン(←再び)のほうが1回目の登場より遥かに盛り上がっておりまして、いや、全体的に実に熱い熱演でありました。いやあ、凄ぇ。。。

 で、ラストの 「ビッグ・フッツ」 はでかい足です。いかにもでかい足で歩いているなぁ。…といった感じのオルガンのバックに合わせて、親しみやすいメロディのテーマが演奏され、とってもでかい足です。ソロ先発はヴィックですかね?意外とモーダルな感じなのでちょっぴり意外な感じなんですが、フレッド・ジャクソンに比べて今ひとつトーンにパワーが感じられないところが地味な印象を与え、ちょっぴり損をしているようなところも。あ、よく見たら 「ビッグ・フット」 ではなくて、 「ピッグ・フッツ」 なんですな。どおりで豚足っぽいワケですよね。ちっともでかい足ではありませんもんね。で、ソロ2番手はパットンのオルガン、続く3番手はフレッド・ジャクソンでありましょう。トーンがヤケクソ気味である分、やはりヴィックよりもインパクトは大でありまして、特に後半はミンガスの 「ホッグ・コーリン・ブルース」 ( ← 『オー・ヤー!』 収録 ) におけるブッカー・アービンを思わせる熱演ぶりでありまして、いやあ、熱いですな。で、再びパットンのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。えーと、このアルバムに関しては、以上です。

【総合評価】

 熱いっす。燃えてまっす。グラント・グリーンやフレッド・ジャクソンが好きな人にもお薦め出来る内容となっておりまして、それはそうとオリンピックの野球は準決勝でオーストラリアに負けちゃいましたな。リリーフに出てきて、きっちりと抑えてくれた阪神のジェフ・ウイリアムスは裏切り者として、即刻クビにするべきだと思います。でもまあ、負けちゃったものはしょうがないよね。。。


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