ROY HAYNES’ MODERN GROUP (SWING)

ROY HAYNES (1954/10/26,28)

ROY HAYNES' MODERN GROUP


【パーソネル】

BARNEY WILEN (ts) JAY CAMERON (bs) JIMMY GOURLEY (g)
HENRI RENAUD (p) JOE BENJAMIN (b) ROY HAYNES (ds)

【収録曲】

RED ROSE / A MOUNTAIN SUNSET / LAFFIN' AND CRYIN'
MINOR ENCAMP / SUBSCRIPTION / DILLON

【解説】

 今週はスキーに行くから、“jazz giant”はお休みだねっ♪…と勝手に心に決めていたんですが、天気が悪そうだったのでヤメにしました。そこでまあ、今日は“天気とペンキ”とか、“ヤメと八女茶”とか、“しましたと山下”といったテーマでお届けしようと思うんですが、いや、別に“しましたと岩下志麻”でもよかったんですけどね。でも、“ヤメとハメハメハ大王”というのはどうも今ひとつのような気がするので、話題を“天気とペンキ”の一点に絞ってみたいと思います。ということでスキーの話でありますが、最初は“菅平高原スキー場”にしようか?…と思っていたんですよね。というのも、長野県内のわりとメジャー系のゲレンデで、まだ行ったことがないのはここくらいになってしまったからなんですが、いつも行こう行こうと思っているのに、なかなかイケない。そんな不感症みたいな感じになっちゃっているんですよね。決定打に欠ける嫌いがあるのがその要因ではないか?…と思うんですが、ゲレ面(編集部注:ゲレンデ面積のこと。)はそこそこ広いし、コー・バリ(編集部注:コース・バリエーションのこと。)だって豊富だし、近くには“ふれあい真田館”という日帰り温泉施設もあったりして、悪くはないよな?…という気もするんですが、どうも何だかインパクトが弱いというか。ゲレ面が広くてコー・バリが豊富といっても、要は中小規模のスキー場の寄合女体…って、んなものに寄り合っている場合ではなく、要は中小規模のスキー場の寄合所帯でありまして、標高差が小さくて、ロング滑走が不可というのが、どうもなぁ。…と、僕なんかは思ってしまいます。“表太郎”とか“裏太郎”といったゲレンデのネーミングはチャーミングでいいと思うんですけどね。“表太郎”と“裏太郎”で滑って、最後は“すたみな太郎”で締める。…という企画も考えたんですが、いや、そういう名前のバイキングの店があるんですよね。焼肉と寿司、食べ放題♪…みたいな。が、昨日、ウチで焼肉を食べたので、今朝は何だか胃がどーんとしておりまして、この上“太郎カルビ”でも食べ放題しちゃった日にゃ、下痢になっちゃうことは必至。それに“ふれあいサナダムシ館”ならともかく、“ふれあい真田館”では、さほど興味をソソられるものもないので、結局のところ“菅平高原スキー場”はまたしても候補から外されちゃったんですが、何でもいいけどこのスキー場、“すがだいらこうげん・すきーじょう”という名前だったんですな。僕はてっきり、高原管平 (たかはら・かんぺい) という人がやっている、“カンペイ・タカハラすきーじょう”だとばかり思っておりました。

 で、続いて候補に挙がったのは、“八方尾根で滑って、八宝菜を食べる”…という企画だったんですが、“八方”は前に行ったばかりだし、“八宝菜”はさほど好きでもないしぃ。…というので、最初から候補に挙がりもしませんでしたな。ちなみに前回“八方”に行った時は、ティファニーで夕食を食べました。そういう名前の店が岐阜羽島にあったんですよね。看板に大きく“和牛ステーキ”とか書いてあって、店構えも何だか小洒落た感じだったので、「高いんぢゃないか?」と懸念していたんですが、店内に足を踏み入れてみると、何だかとっても“昭和”を感じさせるレトロな喫茶店…といった感じのところでした。メニューには“小倉トースト”なんかもあったのですっかり安心したんですが、にもかかわらず、檄高っ!“和牛ステーキ”なんか、2000円以内だったら奮発出来る範囲だよね?…などと思っていた僕の予算を大幅にオーバーする価格設定となっておりまして、いや、和牛をナメきっていたと言わざるを得ませんね。もう、“ブロンコ・ビリー”あたりの感覚でいましたもんね。長島スパーランドの社員食堂は元旦だけ特別メニューになっていて、ステーキが150えんで食えたりするんですが、ま、それよりは高いよね?…ということくらいはさすがに僕も覚悟しておりました。が、その覚悟を遥かに凌駕する高値だったのでステーキはきっぱりと諦めて、それでも2480円くらいの“和牛網焼き定食”を注文しちゃったのは、もうヤケというか何というか。とまあ、そんなこんなでスキーの企画としては“チャオ御岳”と“きそふくしま”のハシゴ…というのを考えたんですが、天気が今ひとつな様相だったので、今週はヤメにして、とまあそんなことで“天気とペンキ”でありますが、先週、ストレスの多い工事現場にペンキ屋さんが来ておりました。浄水機の塗装作業をお願いしたんですが、浄水機と言っても水道の蛇口に付けるようなチンケなものではなく、ハシゴでよじ登らなければならないような馬鹿デカいものでありますので、3人で3日がかり、総計3人工を要する作業であります。屋外露出なので、「天気が悪いと、もう少し時間がかかりますぅ。」と言っておりましたが、かように“天気とペンキ”というのは、綿密な関わり合いを持っているわけでありますな。で、このペンキ屋の親方というのが、気さくなオッサン…といった感じのキャラでありまして、ベラベラとどうでも言いことを話しかけてくるのがややネックではありましたが、人間的には悪くない人物であると思います。少なくとも某・役場の担当者よりは格段にオトナであります。が、歯並びは悪かったですね。もう、ボロボロって感じぃ?…というレベルに達しておりましたが、あれはやはり、シンナーの吸い過ぎが原因なんですかね?  塗装屋さんも大変だなぁ。…と思ってしまった次第でありますが、ということで今日は“ペンキ”についてもう少し深く掘り下げてみようと思うんですけどね。

 ペンキの種類には大きくわけて3つの系統があります。“洋式”“和式”“小用”…って、それはペンキの種類ではなくて、便器ですね。ペンキのほうはというと、アレです。これはもう、そう簡単に3つの系統に分類出来ないほどたくさんの種類がありますので、あとでじっくり検討してみることにして、まず最初に“ペンキの歴史”ということについて考えてみることにしましょう。えー、世界で最も古い塗料はですね、“エジプトミイラの絵館”であると言われております。“ペンキの歴史”で検索したら、そのようなことが書かれたサイトがヒットしたのでまず間違いないと思いますが、ところで“エジプトミイラの絵館”って、何なんですかね? “エジプトミイラ羊羹”とかなら、スフィンクス前売店で1本580円くらいで売られているような気がするんですが(←現地未確認。)“絵館”というのは初耳ですな。で、調べてみたところ、何ら得られるものはありませんでしたので、この問題はとりあえず保留することにして、続いては“日本におけるペンキの歴史”ということについて考えてみましょう。結論から言うと、ペンキペリーと一緒にやって来た。…というのが通説のようでありますが、ペリーというのはアレです。「南国土佐を後にして」…って、それはペギー葉山ですね。で、ペリーのほうはというと、日米通商修好条約。とっても言いにくいですね。どうしても“にちべいつうしょうすーこう条約”とかになってしまいますが、それ程までに崇高な条約であったのだ。…と、ペリー自身は自画自賛していたようですけどね。で、ペリーがどのように日本にペンキをもたらしたのかというと、おそらくペリーが缶をペリカン便で送って来たのではないか?…と思われるわけですが、ちなみに“ペンキ”という言葉の語源はオランダ語の“pek”から来ているんだそうでありますな。いや、“pek”というのがどういう意味なのかはよくワカランのですが、何やら帆船に関連のある言葉だそうでありまして、要するにペンキと言うのは帆船の木材保護のために使われていたものである…と。 ペク→ペク→ペク→ペク→ペク→ペク→ペク→ペク→ペンキ。ばんざーい!…という経緯をたどって今日の“ペンキ”という言葉が生まれたわけでありますが、なるほど、これで“ペンキの歴史”は完璧にマスターしました。たいして面白い話でもなかったな。…というのが僕の正直な感想なんですが、ま、世の中、そうそう面白い事ばかりが転がっているわけではないしぃ。…ということで、先に進みます。

 “ペンキの中身”。便器の中身はウンコだったり、場合によってはゲロだったりするんですが、そのような子供じみていて、汚い話はおいといて、ペンキのほうはアレです。6〜8割の“揮発する成分”と、2〜4割の“膜として残る成分”から成り立っているそうです。揮発する成分はだったり、アルコールだったり、シンナーだったりするわけですが、つまりペンキというのは“膜として残る成分”を“揮発する成分”に溶かして塗りつけて、しかるのちに“揮発する成分”が乾いて揮発しちゃうと、“膜として残る成分”が膜として残る…と。 ま、簡単に言ってしまえばそのようなメカニズムであったわけなんですね。で、ペンキの種類としては、まず大きく“油性”と“水性”の2種類に分類されるんですが、ま、世の中に存在するありとあらゆる物質は、大抵この2つに分けることが出来るんですけどね。例えば油性ペン水性ペン油性ボールペン水性ボールペン、あとはえーと・・・、ま、それくらいですか。世の中に存在するありとあらゆる物質…と大きく出たわりには2つしか思い付きませんでしたが、あ、おっさんなんかでもアブラっぽい人と、水っぽいタイプの人がいたりしますよね。最近ではキンチョールだって地球のことを考えて水性のものが登場したりしております。で、塗料の世界でも同じことが言えまして、昔はペンキと言えば油性のものが当たり前だったんですが、近頃はラリラリ防止の観点から水性ペンキが主流になっているようです。素人考えでは、水性ペンキって、雨で流れるんぢゃないの?…という点がちょっと心配だったりするんですが、それが素人考えというヤツでありまして、実際のところそのような心配はまったくありません。いや、どうして大丈夫なのか、素人である僕には今ひとつよく理解出来ないんですが、プロの人が「大丈夫だ。」と言っているのだから、きっと大丈夫なんだと思います。人を信じる心。それが世の中を生きていく上ではとても大切です。塗っている最中に雨が降ってきたり、津波が押し寄せてきたりしたら大丈夫ではないような気もするんですが、完全に乾いてしまえば大丈夫。そういうことなんだと思います。で、塗料の種類をもっと詳しく分類していくと、ニトロセルロース塗料とか、アルキド樹脂塗料とか、アミノアルキド樹脂塗料とか、ビニル樹脂塗料とか、アクリル樹脂塗料とか、エポキシ樹脂塗料とか、ウレタン樹脂塗料とか、その他いろいろあるようなんですが、こうして書いていても、何だかまったく面白い話に展開しそうもない気配が濃厚になって来ましたので、ここは2つの種類に絞って話を進めてみたいと思います。

 エポキシ系ウレタン系。この2つの種類に絞って話を進めてみたいと思いますが、というのもですね、今回の浄水機の塗装に関して、設計書には“エポキシ系”にしなはれ。…みたいなことが書いてあったわけです。エポキシ。いい響きですよね。何かこう、“エポックメイキングな岸部シロー”の略?…みたいな気配が感じられて、僕は好きです。何か、今にも 『ルックルック』 のテーマ曲が聴こえてきそうですよね。いや、破産して降板しちゃいましたけど。それに比べて、ウレタン。何とも情けない響きですよね。何かこう、“売れっ子・痰吐きジジィ”の略?…みたいな気配が感じられて、僕は嫌です。痰を吐いて、売れっ子になるな!…と、僕は言いたいです。いや、今ひとつワケはわからないんですけど。それに“ウレタン”というのはアレですよね。「ウレタンが売れたん?」…みたいなしょうもないギャグしか思いつかないところも嫌ですよね。それに比べてエポキシのほうはというと、えーと・・・、「エポキシがピロシキ?」…って、ウレタン以上にしょうもなくてワケわかんないギャグしか思いつきませんでしたが、とにかくまあ、僕は断然“エポキシ派”を自認している次第でありまして。にもかかわらず、浄水機屋の工事担当のイトウ君ってば、「エポキシやめて、ウレタンにさせて貰えませんかぁ?」などと言ってきたんですよね。なんて勝手な浄水機屋の工事担当や!…と思ってしまいました。だいたいこのイトウ君ってば、浄水機を搬入据付する際にも、「基礎の周りに穴があって危ないので、何とかなりませんかぁ?」とか言ってきたんですよね。何ともならんっ!つべこべ言わずに、さっさと搬入・据付しろって!…と思わずにはいられませんでしたが、ま、結果的にはつべこべ言わずに搬入・据付してくれましたので、別にいいんですけどね。が、塗装仕様の変更に関しては結局イトウ君の意向に押し切られる形になって、“エポキシ系ウレタン系の違いについて明記した上、ウレタン系を激しく推奨する旨を記載した協議書”というのを提出させられるハメになりました。面倒なので、「んなこと言われても、わからん!」…と言って、上司に押し付けておきました。上司なんてものは、面倒なことを押し付けられるためにいるようなものですもんね。寿司も奢ってくれないような上司は、面倒なことを押し付けられて当然!…というのが部下としての統一見解であるわけですが、先日、その上司がボーナス査定用に作った評価書をこっそり見たところ、「自分の得意な分野では頑張っているが、苦手な分野になると逃げる傾向にある。」などと書かれておりました。わははははははは。

 ということで、遅ればせながらエポキシ系ウレタン系の長所・短所についてお勉強しておこうと思うわけでありますが、そんな些細な事でボーナスを減額されたらたまったもんじゃないですもんね。で、調べてみました。

 エポキシ系 : とても堅い塗膜を形成する樹脂です、耐酸性、耐アルカリ性、耐食性に優れていますが、日光に弱いので日の当たらない場所でしか、塗料の性能を発揮できません。

 ウレタン系 : 屋根、外壁、などの外部塗装でもオールマイティな塗料です、密着性に優れ、耐候性、低汚染、防カビ、防コケに優れています。すこしコストがかかるネックですが、塗り替えに最適な塗料です。

 やや中国人留学生風の日本語になっているのがネックでありますが、人様のサイトを無断で勝手に引用しておいて、文句を言ってはいけませんね。内容的にはまずまず的確なところを押さえていると思います。“防コケ”って、そんな日本語あるのか?…というのがやや疑問なんですが、ま、言いたいことは何となく分かるので、さしたる問題ではないと思います。で、浄水機屋の工事担当のイトウ君が引っ掛かっていたのは、どうやらエポキシ系日の当たらない場所でしか、塗料の性能を発揮できません…というところにあるようでして、なるほど、確かに屋外露出の日の当たりまくりな場所に設置された浄水機を塗装するわけですもんね。 が、“すこしコストがかかるネックですが…”という点で役場がエポキシ系を選んだのもワカランでもなくて、ま、結局のところ、余計にかかった費用に関しては浄水機屋が全部かぶる…ということで、無事に和解が成立した次第でありまして。 とまあ、苦手な分野に関してこれだけ熱心に頑張って勉強したわけなので、さぞや決算ボーナスは多額なものになることでありましょう。…ということを期待して、今日の話はおしまい。

 ということで、今日はロイ・ヘインズです。通称、ロイ・ヘン。巷間、ロイ・ヘインズルイス・ヘイズの区別がつくようになればジャズ・ファンとしては中級レベル。…などと言われておりますが、さらにダスコ・ゴイコビッチとの違いも押さえておけば完璧ですよね。いや、ロイ・ヘインズダスコ・ゴイコビッチではまったく何の共通点もないので、容易に区別が付くような気もするんですけどね。で、今日のアルバムは地味です。スウィング原盤…って、そんなマイナーなレーベルはぜんぜん聞いたことがないし、いや、それはただ僕が無知で知らないだけのことかも知れませんが、少なくともジャケットは地味です。ブラシでタイコの表面をお掃除しているロイ・ヘンのモノクロ写真。何の変哲もない上に、例えようもなく地味です。で、参加しているサイドマンも地味です。えーと、バーニー・ウイレンにヘンリ・レナウド? 誰やそれ?…と思ってしまった僕でありますが、あ、“BARNEY WILEN”に“HENRI RENAUD”と書いて、バルネ・ウィランアンリ・ルノーと読むんですか。それだったら、なんとなく分かります。で、バリトン・サックスがジェイ・キャメロンで、ギターのジミー・ガーリーなんて人も入っておりますな。 “ソソられ度” は皆無であると言っていいかと思いますが、ちなみにこのアルバムはロイ・ヘンのリーダー作としては通算2枚目のもので、異郷の地、フランスのパリで録音されたものなんだそうです。なるほど、だからバルネやら、アンリやらが入っているわけでありますな。で、見た目同様、演奏のほうも何だか今ひとつ華がないものとなっておりまして、とても花の都パリで作られたものとは思えないんですが、これはどう贔屓目に見ても1曲あたり5行も解説が書けそうな気がしないので、とりあえずどうでもいい話で行数稼ぎをしておきましょう。えーと、先日、ストレスの多い工事現場の現場事務所前の駐車場からクルマを出そうとして、ぼーっとしながらハンドルを右に切って車をバックさせていたら、やがて、ぼんっ!…という音と共に、何やら鈍い衝撃が伝わってまいりました。「ん?」と思いながらバックミラーで後方を見ると、そこには何やら人様のクルマが止まっておりました。焦ってクルマを前方に移動させてミラー越しにそっと様子を窺ってみると…、何やらそのクルマのバンパーの左の前の辺りがへっこんでいるような、そうでもないような…。でもきっと、目の錯覚だよね!?…と判断した僕は、その場から逃走しました。すいません。気が動転していたもので。。。ま、日常生活にはよくあることですよね。

 幸いにも目撃者はなかったようで、追いかけてくるクルマもなさそうだったのでとりあえずは一安心だったんですが、用事を済ませて2時間後くらいに戻って、駐車場の前を徐行運転しながらこっそりと様子を窺ってみると、そのクルマはまだ元の位置に駐車したままでありました。“犯人は必ず現場に戻ってくる”というのは犯罪捜査の基本である。…という話を何かで読んだことがあるんですが、とにかくその場は素通りしてクルマを役場の駐車場に止めておいて、そして1時間くらいしてからもう一度こっそりと様子を見に行ったんですが、今度は僕が接触したクルマの横に、もう1台の別のクルマが止まっておりました。ラッキー!…と思いましたね。そのクルマの影に隠れて被害箇所が見にくくなって発見が遅れる可能性が高くなりましたし、いざとなったら隣にクルマを止めた人に、「バックするときに気づかないうちにぶつけたんとちゃいますかぁ?」…などと責任を転嫁することも可能です。THINGS ARE GETTING BETTER。物事はだんだんよい方向に向かっております。で、そのうち周囲はすっかり暗くなって、発見される確率はますます低くなって、で、僕が現場から帰る時にはもう、そのクルマの姿は見えなくなっておりました。きっと、全然たいしたことなかったんだ。…と僕は思います。でもまあ、少なくとも、ぼんっ!…という音がしたのと、何やら鈍い衝撃が伝わって来たのは紛れもない事実でありますので、被害車両の持ち主にはこの場を借りてお詫び申し上げたいと思います。ゴメンよぉ。。。で、その翌日、同じ駐車場で電気屋の職人のお兄さんが人様のクルマに自分のクルマをぶつけたとかで、ちょっとした騒ぎになっておりました。そのお兄さんは被害者にその旨を正直に告白して、場合によっては修理費の負担も…などという交渉をしていたようでありますが、いやあ、やっぱりこういうのって日常生活にはよくあることだったんですねー。よかった、よかった。(編集部注:ちっともよくねーって!)

 ということで、罪の告白をしたことでちょっぴり気分も晴れましたので、1曲目から参りましょう。まずは 「レッド・ローズ」 という曲ですな。「赤い薔薇」ですかぁ。そういえば僕が接触したクルマ(エスティマ?)はレッド・ローズっぽい色合いをしておりましたが、ま、済んだことは忘れることにして、作曲したのはクリスチャン・シェヴァリエという人のようです。このアルバムではこのシェヴァリエ君の作品が3曲ほど取り上げられているんですが、後藤誠クンの書いた日本語ライナーによると、生年月日不詳、1955年から60年代初頭にかけて、パリのジャズ・シーンで活躍したピアニスト&アレンジャー…といったキャラなんだそうでありまして。いやあ、こんなキャバクラ通いの好きそうなキャラのプロフィールまで調べなければならんとは、ライナーノート書きという商売もなかなか大変でありますなぁ。報酬にカキフライの一皿でも奢ってもらわないと割が合いませんよね。…って、僕だったらその程度の現物支給で快く引き受ける所存でありますので、もしよかったら気軽に声を掛けてくださいね。で、「赤い薔薇」はアレです。誠クンいわく、ジェリー・マリガンのカルテットを思わせる急速調のチューン…とのことでありますが、急速調のチューンというのはいいですね。少なくとも、胃拡張の中年よりはいいと思います。んなもの、ただ不健康なだけですもんね。で、曲のほうはというと、確かにジェリー・マリガンのカルテットを思わせる急速調のチューンでありました。誠クンの言うことはいつも“”に溢れておりますなぁ。もう、とっても新撰組って感じぃ? で、テナーにバリトンが絡む、いかにもウエストコースト的なテーマ・アンサンブルに続いて、ジミー・ガーリーのギター・ソロとなります。こんなの、最初に持ってくるなよ!…と言いたくなるような地味なソロではありますが、ま、洒脱といえば解脱。そんな仕上がりではあるんですけどね。で、ソロ2番手はバルネですか。ソフトなトーンとスムーズなフレージング。ま、バルネらしさはよく出たソロであるな。…と言ってもいいのではなかろうかと。で、続いてキャメロン君のバリサク・ソロなんですが、演奏内容はともかくとして、何やら出所不明の息抜け音のようなものが耳について、そいつが妙に気になってよくありません。楽器のどこかに穴でもあいているのか、あるいはキーを叩く音なのか、とにかくまあ、キャメロン君には反省を求めたいと思います。いや、キャメロン君の責任なのかどうかはサダカではないんですけどね。で、続くアンリ・ルノー君のソロは軽快でいいと思います。で、ホーン&ギターのユニゾン VS ドラムスの4バースみたいな洒落たパートがあって、こういうところはいかにも西海岸的なんですが、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 はい、2曲目。「マウンテン・サンセット」。 あ、ここまで書いて思い出したんですが、アルバム名を書くのをすっかり忘れておりました。『ロイ・ヘインズ・モダン・グループ』 というのがソレです。日本語に訳すと 『ロイ・ヘインズの近代的な集団』 ですかぁ。こういう、日本語に訳しても地味なタイトルというのはヤメて欲しいところでありますなぁ。…という話を書こうとして、すっかり忘れておりました。で、2曲目は 「マウンテン・サンセット」 です。日本語に訳すと 「山の日没」 ですかぁ。何かこう、ちっとも洒脱な感じが伝わってこないので「マウンテン・サンセット」 と片仮名のままにしておいたほうがいいような気がしますが、いかにも山の日没らしいロマンチックな雰囲気のあるバラードとなっております。作曲したのは前曲同様、シェヴァリエ君ですね。しかしなんですな。キャバリエ君ならともかく、シェヴァリエ君では、さほどキャバクラ通いが好きそうな感じでもないな。…という気がしてきましたが、それはともかく、ギターとベースの絡む導入部から、バルネのテナーにキャメロンのバリサクが絡むテーマ部にかけて、いかにもサンセットだなぁ。…といった感じが漂っておりますね。とってもウエストコースト的です。サビの部分のギターにバリトンが絡むあたりも秀逸。で、アドリブ・パートではバルネ・ウィランがフィーチャーされておりますな。アルトを思わせるようなトーンで叙情的なソロを聴かせていて、絶妙です。 ということで、次。またしてもシェヴァリエ君のオリジナルで、「ラフィン・アンド・クライン」 という曲です。再び急速調のウエスト・コースト風アンサンブルをもつナンバー。ウィラン(ts)、キャメロン(bs)のソロが聴かれる。…って、まるっと日本語ライナーのまるまま引用でお茶を濁してしまいましたが、ここにきて早くも書くことが枯渇して来ちゃいました。しかたがないので“枯渇のミンチカツ”という話をしたいと思うんですが、先日、マックスバリュー輪之内店で“チビッコミンチカツ”を買って食べた。…という話を塩サバ2号にしたら、「懐かしいなぁ。“おから”か何かようワカランやつ。」…とか言っておりまして、それはミンチカツやなくて、メンチボールやがな。…って、いや、一般人にはまったく意味のわからない話でありましたな。だいたい、30代も半ばになって“チビッコミンチカツ”なんぞを食べている僕もどうか?…と、自分でも思うんですが、でもまあ、心はいつまでもたっても少年だしぃ。

 はい、4曲目。 よくやくシェヴァリエ地獄から抜け出して、いや、地獄というほど酷くはなかったんですが、ウエストコースト系のサウンドが苦手な人にはちょっぴり苦痛の日々だったに違いなく、でもB面のセッションは大丈夫です。「マイナー・インキャンプ」 というのはデューク・ジョーダンの超有名作 「ジョードゥ」 の胃鳴動曲…って、ああん、そんな胃痙攣みたいなのぢゃなくて、 「ジョードゥ」 の異名同曲なんだそうでありまして、これだったらもう元気溌剌としたハード・バピッシュな演奏が期待出来るに違いありません。あ、その前に“メンチボール”について簡単に説明しておかなければなりませんが、これはですね。僕たちがまだ子供だった頃、うちのオヤジがよく名古屋の名鉄百貨店(だっけ?)で買ってきたお惣菜でありまして、“メンチ”と称しておりながら、主原料はほとんど“おから”だったりするという、偽装表示も甚だしい食い物でありました。で、素材のチープさをごまかすために、かなり濃厚なあんかけ状のタレで覆われておりまして、それに騙されて最初の一口、二口はけっこう美味しいんですが、最後のほうになってくるとクドくって飽きてきちゃうという。塩サバ2号はどう思って食っていたのか知りませんが、少なくとも僕にとっては「最下層のメニューやな。」といった感じでありまして。個人的にはマルシンハンバーグのほうが好きだったですね。でもまあ、確かに懐かしくはありますな。ノスタルジックな郷愁を呼び起こすという意味ではもう一度食べてみたいような気もするんですが、今食べたらきっと、昔以上に今ひとつでありましょうなぁ。 ということで、「マイナー・インキャンプ」。 ギターが主導する主旋律にホーン陣が絡む。…といったアレンジが施されておりまして、仕上がり具合としてはやっぱり西海岸風のものとなっておりました。ま、これはこれで悪くはないと思うんですけどね。で、ソロ先発はバルネです。この人の演奏はバルネではありますが、あまり粘るね。…といった感じではなくて、よく言えば洒脱、悪く言えば淡白。卵の白身は卵白で、白いパンツは純白ですけどね。しかしなんですな。ぱんつは白が好きっ♪…とはいっても、あまりに飾り気のない純白…というのも考え物ですよね。せめて端っこのほうがフリフリになっているとか、小さなイチゴ柄があしらってあるとか、ワンポイントでキティちゃんが付いてたりするのもイイかも知れませんね。ホワイトデーのお返しを買う際には、そこのところを考慮していただけると嬉しいです。…って、いや、別に僕が貰うわけではないので、そこのところを考慮して貰ってもしょうがないんですけどね。どうせ人様の彼女が穿くものなんだから、前から見たら純白だけど、ひっくり返したら真っ黒だねっ♪…みたいなオセロ仕様のぱんつが好きなら、別に買うのを止めはしません。 ということで、ソロ2番手はガーリーのギター・ソロです。ま、普通の出来ですね。続くキャメロンのバリトン・ソロは例のキーキー音が邪魔でありまして、やっぱりこの人には反省を求めていかなければなりませんな。反省して、 「僕の半生」 みたいな自分史を書いて欲しいところでありますが、いや、書いてくれたところでまったく読んでみる気はしないんですけど。どうせ英語、読めないしぃ。 で、続くアンリのソロは良好で、個人的にはこのメンバーの中ではこの人が一番のタイプであるかも知れません。あ、ほとんど今まで登場する機会がありませんでしたが、ロイ・ヘンの切れのあるドラミングも悪くありません。で、この曲ではリーダーのソロもフィーチャーされておりまして、ま、出来としてはそこそこなんですけどね。

 はい、残り2曲。もうちょっとの辛抱です。「サブスクリプション」 はアンリ・ルノーのオリジナルです。アート・ペッパーがタンパ盤あたりで取り上げていそうな感じの曲でありますな。いや、これといった根拠があってそう言ってるわけではないんですけど。で、ここではアレです。バルネのソロがまずまずです。 ということで、残り1曲。 ここに来て僕は何だか急速にヤル気を喪失しておりますが、最後の「デュロン」 だけ録音日も違っていて、構成自体もホーンやギターの抜けたピアノ・トリオによるものとなっております。 が、これがなかなかよい仕上がり具合でありまして、そこはかとないラテンのフレーバーも効果的だし、何よりアンリ・ルノーのピアノにぴったりと寄り添うようなロイ・ヘンのドラミングが堪能出来るのが嬉しい限りです。全曲、トリオでやったほうがよかったんぢゃないか?…と思ってしまいましたが、そういう人は有名な 『ウイ・スリー』 や、さほど有名ではない 『ジャスト・アス』 あたりを聴くとよろしいのではなかろうかと。…とまあ、そんな1枚なのでありました。

【総合評価】

 良くも悪くもウエストコースト風。ウエストコース風がよい。…という人にはいいかも知れませんが、よくないという人にとっては、あまりいいとは言えません。ぱんつ同様、好みの問題ですな、こりゃ。


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