TWO FEET IN THE GUTTER (EPIC)

DAVE BAILEY (1961/10/6)

TWO FEET IN THE GUTTER


【パーソネル】

FRANK HAYNES (ts) BILL HARDMAN (tp) BILLY GARDNER (p) BEN TUCKER (b) DAVE BAILEY (ds)
【収録曲】

COMIN' HOME BABY / TWO FEET IN THE GUTTER / SHINY STOCKINGS
LADY IRIS B / COFFEE WALK

【解説】

 今日はアスファルトコンクリートについて勉強したいと思います。というのもですね、僕は先日、アスファルトについて無知だったのが災いして、とんでもないアヤマチを犯してしまったんですが、順を追って説明してみましょう。岐阜県内の某所で、地下水の汲み上げ過ぎがタタって地盤沈下しちゃった揚水機場の改修を行う工事を我が塩サバ物産(仮名)が受注することになったんですが、工事の内容としてはですね、傾いちゃった配管のやり直しと、傾いちゃった排水桝の据え直しという、ま、わりとチンケな物件だったんですけどね。で、傾いちゃった排水桝を据え直すにあたってアスファルト舗装を割る必要があったので、ついでにガバッと周辺の舗装をやり直そうという話になったんですが、ま、面積でいうと3×5mの、えーと…、さんご、15平方メートルでありますか。ちなみにアスファルト舗装というのはですね、まず最初に砕石を敷き詰めて踏み固めて、その上に“アスファルトの素”みたいなのを撒いて押し固めるという、そういうシステムになっているんですが、撤去する場合は表面のアスファルトにカッターを入れて切断して、しかる後に表面の舗装を剥ぎ取るという、そういった手順を踏むことになっております。で、肝心の作業はすべて下請けの職人にまかせて、基本的には手配師みたいな仕事しかしていないウチの会社では排水桝の据え直し作業をA社、舗装の復旧作業をB社に発注したんですが、それがそもそもの間違いでしたな。ところで“手配師”って、こんな字でよかったっけ?…と思ってサイト検索したところ、 『夜の手配師・すけ千人斬り』 という映画が3件ほどヒットしたんですが、主演は梅宮辰夫ですかぁ。他にも 『ポルノの帝王・失神トルコ風呂』 とか、 『旅路・村でいちばんの首吊りの木』 とか、 『(秘)女子大生・妊娠中絶』 とか、 『パンツの穴・花柄畑でインプット』 とか、なかなか楽しそうな映画に出演しているんですなぁ。…という話はさておいて、排水桝の据え直しを担当したA社のおじさんは、排水桝の廻りのアスファルトだけをツルハシでカチ割って、排水桝を据え直して、そして北の方へと去っていってしまいました。仕方がないので舗装の復旧工事をB社に頼むことになって、僕は現場監督として現地に出向くことになったんですが、いやあ、思いもかけないほど大量の職人が集結したので、ちょっとビビりましたな。最初に来たのはおっさん一人だったのですっかり安心してたんですが、やがて車2台に分乗して若い兄ちゃんが5人ほど姿を現して、もう、男前のやら、ヒゲを生やしたのやら、太っていて声が妙にかん高いのやら、よりどりみどりぃ?…といった感じでありまして、たかだか15平方メートル程度の舗装の復旧にこんな大人数が来て、いったいどうしようというんですかね?

 で、僕は最初に来たおっさんに作業内容の説明をしたんですが、すなわち、3×5mの範囲を指し示して、「ここんとこ、ヨロシク!」…と頼んだ次第でありますが、その短い言葉の中に、僕は万感の思いを込めたつもりでありました。すなわち、アスファルトにカッターを入れて路盤を剥ぎ取って、しかるのちに新しいアスファルトを持って来て、舗装を復旧して欲しい…と。そのおっさんは見るからにベテランという感じだったので、クドクドと詳しく説明しなくても、分かってくれるよね?…と踏んだわけなんですが、いや、職人というのは大抵が職人肌でちょっぴり気難しかったりするので、ここはひとつ、職人としてのプライドを尊重して、“シェフのおまかせコース”で行こうぢゃないか!…と思ったわけでありまして。で、このおっさんも職人としての矜持に賭けて、いい仕事をしてくれるであろうと確信してたんですが、今回に限り、この方針はまったく裏目に出てしまったと言わざるを得ません。このおっさんってば、「この上に盛ればエエんやな?」…と勝手に早合点して、どんどん作業を進めていくんですよね。僕はその様子を見て、もしかしてこれは、古い舗装を剥ぎ取らずに、その上から新しいアスファルトを盛り付けようという方針なのではないか?…ということに気が付いたんですが、いやあ、何だか非常にマズいことになって来ましたなぁ。そんなことをすれば新しく舗装をやり直した箇所だけモッコリと盛り上がってしまって、明らかに不自然な仕上がりになってしまいます。規定どおり古い路盤を剥ぎ取らなかったことはバレバレで、現場監督の僕はその監督責任を激しく問われることになってしまいます。それでなくとも僕は役場の担当者から携帯に電話がかかってきた時、たまたまマナーモードにしたまま鞄の中に入れてあったので気が付かず、黙殺した形になってしまって、「お前はいつも一方通行や!」…と、不興を買っていたんですよね。舗装の復旧は手を抜くわ、電話には出んわで、僕はもう、今後この役場には出入り禁止になっちゃうに違いありません。どうしようか?…と、僕のココロは激しく動揺しましたが、ここでバカ正直に作業の指示が適切に伝わってなかった不手際を詫びて、舗装のカッター入れからやって貰うように懇願する…というのは得策ではありません。そんなことは僕の現場監督としてのプライドが許さないし、男の沽券に関わる問題でもありますよね。というか、気の弱い僕には、今さらそんなことは言えない。…というのがより正確かとは思いますが、悪いことに僕はおじさんから、「この上に盛ればエエんやな?」…と聞かれた時に、何のことだかよくわからなかったので、とりあえず「うん。」と答えて、首を縦に振っちゃったんですよね。よくわからない質問をされた時、とりあえず「うん。」と答えておいて、後からゆっくりと質問の意味を考えるべし。…というのが僕のポリシーであるわけなんですが、いや、とりあえずその場を取り繕うことが出来れば、後は何とでもなるよね?…という、まったくもってその場凌ぎな考えに基づくものなんですが、そういうのって大抵、後で取り返しのつかないことになっちゃうんですけどね。でも、一度「うん。」と返事をしてしまったからには、今さらそれを撤回するわけにもいかず、そんなことすればガラの悪そうな兄ちゃん達に何を言われるか分かったものじゃなく、それに第一、この人達ってば人数ばかりは必要以上に多いにも関わらず、舗装を切るカッターなど端から用意してなくて、古い舗装を取り去ろうなどという考えはまったく頭にないようでありまして。で、正直に言おうか、このまま強引に押し通そうかと悩んでいるうちに時間ばかりが経過してしまい、僕はますます本当のことを言いづらい雰囲気に追い込まれてしまいました。もうこうなったら、覚悟を決めるしかありません。

 僕の葛藤をよそに、おっさんと兄ちゃんはてきぱきと作業を進めております。皆がスコップとツルハシを手にして入る頃にはまだ、一抹の希望があったんですよね。カッターの用意はしてないけど、スコップとツルハシで古い舗装を撤去してくれるのかも知れない。…という希望的観測は、やがて男前の兄ちゃんが機械を使ってオイルのようなものを散布し始めた瞬間、消え去ってしまいました。これから撤去しようとするものにオイルのようなものを散布する筈もなく、これはどうあっても古い舗装の上からアスファルトを盛る方針であるようでして。ちなみにこの男前の兄ちゃんはアブラ状の物質を派手にぶちまけてペンキを塗ったばかりの配管を汚してくれたりして、顔はとっても男前なんですが、仕事ぶりは今ひとつでありましたなぁ。で、アブラ状物質の散布も終わって、後は“アスファルトの素”が到着するのを待つだけとなりましたが、舗装作業と言うのは道路工事の現場を見るとわかると思うんですが、焼きたてのホカホカと湯気の立ちのぼるような“アスファルトの素”を持ってきて、熱いうちにグッと押し固める必要があるんですよね。よって“アスファルトの素”は前処理作業をがすべて終了してから現場をに持ってくることになるんですが、到着までの間、ちょっぴり手持ち無沙汰になっちゃいます。その無聊を慰めようとでも思ったのか、あるいは余計な仏心が出ちゃったのか、先述の男前の兄ちゃんがポンプ制御盤に飛び散ったアブラ状物質を拭き取ろうとして、何だか余計に汚してくれちゃっておりました。焦って汚い軍手で拭き取ろうとして、ますます事態を悪化させてくれちゃっておりました。ヒゲの兄ちゃんが余計な入れ知恵をして、「ガソリンで拭いたらエエんとちゃうか?」とか言い出して、お陰様で塗装の表面が溶けて、見るも無残な状態になってしまいました。ああん、やって欲しいことはちっともやらないで、余計なことばかりしてくれるぅ。…とか言ってるうちに、とうとう“アスファルトの素”が到着しちゃいました。するとその時、ふと思いついたようにおじさんがツルハシを手に取ったので、やっと古い舗装を壊してくれる気になったのか?…と一瞬期待したんですが、そのままスタスタとトラックのほうへ歩いて行って、ツルハシを荷台に放り入れてしまいました。万事休す。こりゃ、どうあっても古い舗装の上からアスファルトを盛る方針であるわけですな。もうこうなったら、さすがの僕も腹をくくるより他ありません。いやあ、僕がちょっと目を離した隙に、職人が勝手に作業を始めちゃいましてぇ。…とか、色々と言い訳を考えているうちに“アスファルトの素”がブチまけられ、太ってて声のかん高い兄ちゃんが転圧機で押し固めていくと…、おおっ、意外と目立たないぢゃん! いや、アスファルトを上に盛るというものだから、もっと不自然にモッコリしちゃうものだとばかり思っていたんですが、まったく違和感のない仕上がりなんですよね。プロの技や!…と思いましたね。いやあ、そうと分かっていれば、あんなにヤキモキしなくて済んだのにぃ。…と、急速に体中から力の抜けていく気がしましたが、アスファルトというのはなかなかよく出来たものでありますなぁ。…というのが、僕がアスファルトについてもっと勉強したいと思い立った動機であるわけですが、とまあそういうことで、今日はアスファルトについて考えてみたいと思うんですけどね。

 ・ 明日張ると 思え舗道の 初氷

冬の朝、舗道の水たまりに氷が張って入るのを見ると、何だか嬉しくなっちゃいますよね。靴で踏んでぱりんと割ってみたりして、いやあ、そういう幼気なギャルって、けっこう僕は好きですね。氷を割ろうとして意外な抵抗にあってツルッと滑ってコケてパンツが丸見えになったりすると、より一層風情も増すわけでありますが、冬の夜、木枯らしに揺れる舗道の水たまりにそんな期待感を抱きながら詠んだ一句でございます。無論、発句の“明日張ると”はアスファルトに懸けてあるわけなんですが、

 ・ 明日貼ると 言いつつ今日も モロ出しね

 …みたいな“前貼り俳句”に持っていかなかったのは賢明だったと思います。で、そもそもアスファルトというのは石油に含まれているものなんだそうでありまして、なるほど、原油からガソリンとか、灯油とか、軽油とか、重油とかを精製していくと、最後に残るのがアスファルト…というのは何となく理解できますよね。コールタールというのも似たようなものではないかと思われるわけですが、ちなみに僕はコールテンのズボンというのがあまり好きではありません。いや、今どき“コールテンのズボン”…などと言ってるとギャルに馬鹿にされるおそれがありますが、ナウなファッション業界では“コーデュロイのパンツ”とか言うんですかね? とまあ、それはともかくとして、自然界にも天然の形でアスファルトというのは存在しているんだそうでありまして、 舗装の渡辺組”のサイト から勝手に引用させていただくと、その性質はそれ自体、接着剤であり、水を透しません。また、塑性の物質で骨材と混合するとき、軟らかさをコントロールできます。酸、アルカリ、塩分にも強いという性質があります。常温では半固体ですが、加熱すると容易に溶け、また、揮発性の油に溶け、水にも乳化させることができます…ということでありまして。なるほど、だから“アスファルトの素”というのはホカホカの状態で持ってきて、アブラ状物質を撒き散らしたりしながら押し固めるわけなんですな。で、“アスファルトの素”というのは見た目、普通の砂利みたいな感じのものなんですが、あれはおそらくアスファルトに骨材として砂利を混ぜ合わせて、合挽き肉みたいにしたものなのではなかろうかと。ちなみに土木業界の専門用語では“アスファルト合材”と言うらしいんですけどね。“アスコン”と言い方もあるようですが、これは何に由来する名称なのかと思ったら、“アスファルト混合物”の略称…って、何だかあまりにもひねりがなさ過ぎるような気がしないでもありません。で、何をどのように混合するのかと言うとですね、僕が思ったとおり、骨材としては砕石や砂を用いて、瀝青材料には石油系アスファルトや改質アスファルトを使用すると。でもって、フィラーと呼ばれる鉱物質粉末を混ぜたりもするようなんですが、それにしても難しい漢字でありますなぁ、“瀝青材料”って。何と読んでいいのか見当がつかないし、無論、書き取りの小テストに出題されたらアウトです。もし、工事写真を取る際にどうしてもこの漢字を黒板に書かなければならないとしたら?…と考えただけでも、冷や汗がタラーッと垂れてきちゃいます ( ;^_^A よね。アセアセ。 ま、幸いにもアスファルトというのは大抵、混合した状態で持ってくるので、そのような苦境に立たされる恐れは少ないと言えるわけですが、“アスファルトごうざい”の“ごう”って、どんな字だったっけ?…ということすら、あやふやな状態でしたからねぇ、今までの僕って。これからは“アスコン”1本で行こう!…と心に誓った次第でありますが、それにしても 舗装の渡辺組”のサイト って、ま、確かにキミは舗装に関してはプロなのかも知れないけど、文章を書くことに関しては今ひとつだね。…といった気配が濃厚に漂っておりまして、ま、そこのところに味があってイイかな?…という気がしないでもないんですけどね。で、“アスファルト舗装とコンクリート舗装”というコンテンツには、こんなことが書いてありました。

 (前略) 実際のところはそうした自然の傷みは関係なくて、ガス、水道などを引くために、しょっちゅう掘り返しが行われます。掘り返しでずたずたになったコンクリート舗装くらい始末の悪いものはありません。だいたい、掘り返すのも大変で、あとは必ず、欠陥になってすぐ壊れます。コンクリート舗装の設計の前提がくずれてしまうのですから仕方がありません。アスファルト舗装の方は、液体だか、固体だか、わけの分からない材料を使っているだけあって、融通むげのところがあって、何となく、周りとなじんで、そうひどいことにはなりません。

 うーん、心の底から納得!

 ということで、本日はデイブ・ベイリーです。あ、ちなみに今日の前半のネタはあくまでもフィクションでありまして、文中に登場する人物は実在するものではありませんので、念のため。もしかしてこれを読んじゃったかも知れない役場の担当者は、「あいつ、手抜きしやがったのか!」とか思って、完成検査を不合格にしたりしないでくださいね。とまあ、それはそうと、不調ですなぁ、年のはじめのぷち・ぷれぜんと♪ いやあ、さほど多くは期待していなかったんですが、さみを嬢と、女子高生ひろぽんが応募してくれたら嬉しいナ♪…と思っていたんですけどねぇ。ま、現在のところ、義理で応募して貰った某・ロリ声人妻を含めて総計4通ほどのメールが届いているんですが、おおっ!…と思って読み進めていって、最後の性別のところに“おっさん”とあるのを見て、心底ガックリしてしまいましたが、義理以外では3人が3人とも“おっさん”でしたからねぇ。おっさんがキティちゃんグッズを貰って、どうするんや?…と、声を大にして言いたいところでありますが、平成16年1月20日以前にこれを読んでいるギャルがおられましたら、まだ間に合います。何ならオマケに“雷鳥の里”を付けてもいいです。先週買ってきたのは全部食べちゃったんですが、また買ってきます。そんなことで是非とも応募の程よろしくお願いします。でないと僕はグレて、“塩通”の更新だってサボっちゃいます。いや、掲示板の書き込みは完全に途絶えたし、アクセス解析の結果も芳しくないし、仕事はクソ忙しいし、スキーには行かなければならないしで、このところHP運営に対する情熱が急速に冷めているのが実情でありまして。ま、4月になればもう少し更新頻度もお盛んになるものと思われますので、それまでどうか見捨てずにいてくださいね。…とまあそういうことで今日はデイブ・ベイリーなんですが、お正月に“安曇野ジャズライブ”を鑑賞した際、きんや氏の店で開催された打ち上げに参加させて頂いたんですよね。僕好みの人妻が2人ほどいて、それはそれは有意義な集いだったんですが、ライブに出演した後藤芳子、中牟礼貞則、櫻井郁雄(敬称略)の3人も来ておりました。いやあ、よかったですなぁ、ベースの櫻井郁雄(敬称略)。どこからどうみても土建屋のアンチャン。…といった感じでありまして、なかなかドスの利いたプレイとトークを展開してくださいました。いや、周囲はまったく知らない人ばかりだったので、ただでさえシャイで無口な僕はすっかり萎縮してしまって、さほど雰囲気に溶け込めなかったのが実情なんですが、隣に座った人妻が気を遣ってサラダやら生ハムやらを小皿に取り分けてくれたのがよかったなぁ。…と、しみじみ思い出に浸っているところでありまして。で、それがデイブ・ベイリーとどのように関係するのかというと、昔、デイブ・ベイリーと共演したんだけど、しょぼかったなぁ。…などという話題が出ていたことをふと思い出したからなんですが、いや、僕は結構ベイリーが好きだから、その話を聞いてちょっぴり寂しくなっちゃったんですけどね。でもまあ、隣に座った人妻が気を遣ってサラダやら生ハムやらを小皿に取り分けてくれたから、よかったよね。…ということで、では本題に参りましょう。

 『TWO FOOT IN THE GUTTER』 (EPIC)

 「関サバと昆布とヨコハマと」。このアルバムの冒頭「カミン・ホーム・ベイビイ」を聴くと、甘酸っぱい思いと共に、楽しかった「横浜ギロチンナイト」の記憶が蘇ります。中華料理屋で豆腐料理を食べて、次の店でギロチンビールを飲んで、その次に入ったジャズと演歌の店「パパジョン」で、頭のハゲたマスターがかけてくれたのがこのアルバムでした。リクエストはいっさい受け付けず、客の顔を見てアルバムを決めるという方針の店なんですが、デイブ・ベイリー『トゥー・フィート・イン・ガター』とは、やってくれますなぁ。いや、世間にもジャズにも無知無知ボーイな私は、このアルバムのことは全然知らんかったんですけどね。なんとも通俗的なメロディの「カミン・ホーム・ベイビィ」は、ビル・ハードマン、フランク・ヘインズといったメンツにはぴったりですなぁ。オシャレなワンショットバーではなく「ジャズと演歌の店」の味です。ピアノのビリー・ガードナーがこれまたB級で泣けますなぁ。リーダーの“きびきび”ドラムと、作曲者ベン・タッカーの好サポートも光ります。で、もう1曲となると「レディ・B・アイリス」でしょうか。ベイリーと親交が深かったルディ・スティブンソンというギタリストの書いた、これまたベタなナンバーです。フランク・ヘインズがイイのぉ♪

 …というのは僕が以前、“マイ・ピン子”のコーナーに書いた原稿であります。「彼と2人でイヴ、ベイエリアのホテルで、あ〜ん♪」というところです。我ながら、改めて口に出すにはあまりにもこっ恥ずかしいタイトルを付けてしまったものであるなぁ。…と感慨もひとしおでありますが、高砂親方は元・朝潮。そういえば高校時代、同じクラスに千代の富士が好きな兄ちゃんがおりまして、ちょっぴりヤンキーっぽいキャラであるにも関わらず、相撲が好きっ♪…というのは、何だか意外な感じがしたものです。で、当時の千代の富士は破局の連勝街道を突っ走っている最中でありまして、ある日、その兄ちゃんから今日の取り組み相手を聞かれた僕は、「えーと、確か朝潮ちゃう?」と答えたわけなんですが、それを聞いた彼は満面に笑みを浮かべておりました。相撲を取る前から、勝負は貰ったも同然。…ということらしいんですが、失礼なことを言うな!…と僕は思ってしまいました。いくら相手が朝潮でも、世の中には“番狂わせ”ということもあるやん。…という反論が喉元あたりまで出掛かったんですが、相手がちょっぴりヤンキーっぽいキャラだったのでヤメておきました。怒らせて苛められても嫌だしぃ。で、結局、その日の朝潮はいとも簡単に負けちゃったので、口に出さなくて正解。…という結果に終わったんですが、とまあそんなことで1曲目の 「カミン・ホーム・ベイビイ」 。いいですよねぇ、これ。ベーシストのベン・タッカーの書いた曲なんですが、シンプルにして、ファンキーにして、ベタ。 もうB級ハード・バップの気配が濃厚に感じられる作品でありまして、デイブ・ベイリーの御一行にはまさに打って付けといった感じがしますよね。とと・どんどどん、とと・どんどどん♪…といった感じのベイリーの軽めのドラムに続いて、トランペットとテナーとユニゾンでベタなテーマが演奏されます。AA形式の曲なんですが、1回目はピアノ抜きでシンプルに、2回目はピアノのコンピングを加えて賑やかに。でもって、ソロ先発はビル・ハードマンでありますな。リー・モーガンを地味にしたようなフレーズをケニー・ドーハムみたいなトーンで。…というのがこの人のスタイルではないかと思うんですが、時折、ハッとして!Good…みたいな展開を聴かせてくれたりして、なかなか侮れません。ここでもクリフォード・ブラウンを彷彿させるソロを聴かせてくれたりして、大いに気を吐いております。ついでにゲロを吐かれたりすると物すごく迷惑なんですが、そんなことはありません。ということで、えーと…、次です。フランク・へインズ。いやあ、この人はいいですねぇ。デイブ・ベイリーのアルバム以外ではほとんど聴いた例(ためし)がないような気がするんですが、日本語ライナーで岡崎正通クンが指摘しているとおり、ロリンズやモブレーからの影響を感じさせるソウルフルなテナーマンでありますな。モブレーほどダサくはなく、都会人として十分に生活できるだけのスマートさも持ち合わせておりまして、ちょっぴりティナ・ブルックスだったり、テディ・エドワーズだったりもして、ま、これだけたくさん名前を出しておけば、当たらずと言えども遠からず。…といった感じにはなるんじゃないですかね?で、ソロ3番手はピアノのビリー・ガードナーですかぁ。アドリブが始まってすぐ、トランペットとテナーが渋く絡んでくる辺りが何とも小洒落た感じでありまして、で、最後はブロック・コードを多用したかなり濃い目のプレイを展開しております。でもって、テーマに戻って、おしまい。いや、これ1曲だけでも十分に買うだけの価値はあると思いますね。買う金がなくても、万引きするだけの価値はあると思います。

 で、2曲目はアルバム・タイトル曲の 「トゥー・フィート・イン・ザ・ガター」 ですか。ベイリーと親交が深かったギタリスト、ルディ・スティブンソンのオリジナル…とのことでありますが、この人の書いた曲はウイントン・ケリーなんかもよく取り上げてますよね。いや、もしかしたら取り上げてなかったかも知れませんが、鳥インフルエンザに罹っちゃったトリの卵は、焼却処分でありますかぁ。玉子焼きにされちゃうワケなんですな。個人的には、半分の卵は茹でてもよかったんぢゃないか?…という気もするんですが、袋詰めにされてユンボで掘った穴に埋められちゃうニワトリの姿には、何だか胸を締め付けられるような切ない気持ちになってしまいました。安らかにトリの天国でお眠りくださいね。ということで、曲のほうはと言うとですね、ゆったりとしたグルーヴィな作品でありますな。イントロ無しでトランペットとテナーによるテーマが始まるんですが、曲の構成としてはAAA'Aといったところでしょうか。でもって、ソロ先発はヘインズですね。思わず、ヘインズ、ヘイヘイ!…と声を掛けたくなるようなグルーヴィなノリでありまして、いや、ヘイヘイ!…とはちょっと違った感じなのではないか?…という気がしないでもないんですが、でももう、書いちゃった後だしぃ。で、続くハードマンはなかなかユニークなソロを展開しておりますな。茶目っ気のあるモーガンを地味にした感じ。…と言えばある程度は分かってもらえるかと思いますが、でもって、ソロ3番手はビリー・ガードナーですな。決してうまくはないが、でも僕よりはマシ?…といった感じのプレイでありまして、いや僕はまったく楽器の類は駄目ですからね。小学校時代にカスタネットをちょっとカジってみた程度で。ちょっぴり塗装臭い木の香りがしましたけどね、カスタネット。で、ガードナーはソロの後半をブロックコードで盛り上げておりまして、そこのところは岡崎クンも書いているとおり、レッド・ガーランドを彷彿させるところがありますよね。いや、プレイ自体は遥かに下品なんですけど。とまあそんなことで、テーマに戻っておりまい。で、3曲目はベイシー楽団の十八番(おはこ)として有名な 「シャイニー・ストッキングス」 でありますか。僕はありとあらゆるフェチ系の趣向には割と理解があるほうなんですが、それでもホモと、スカトロと、パンストフェチだけは、どうにも好きにはなれません。眼鏡っ子フェチ…というのもよくワカランのですが、ストッキングというのもあまり好きにはなれませんなぁ。黒いパンストをビリビリと乱暴に引き裂くのって、もうたまんなくってねぇ!…などと目をキラキラさせながら熱く語るおじさんがいたりしますが、僕はそういうおじさんとはあまり友達にはなりたくないと思います。これがもし、白いパンツをビリビリと乱暴に引き裂く…という話なら大いに意気投合するところでありますが、それはともかくとして。そんなパンスト嫌いの僕ではありますが、 「シャイニー・ストッキングス」 という曲は、けっこう好きです。ユニゾンによるテーマ部に続いて、いきなりビリー・ガードナーのピアノ・ソロになるという演出もいいですね。例の如く、前半はシングル・トーンでシンプルに、後半はブロック・コードで大いに盛り上げて…という黄金のマンネリ・パターンではありますが、ま、いいではありませんか、そういう人なんだから。これがもし、4曲目も同じパターンだったりしたらさすがに温厚な僕も、ええ加減にせえ!…とツッコミを入れるところでありますが、まだ3曲目だしぃ。で、ソロ2番手はヘインズでありますな。肩肘を張らないハンク・モブレイ的なプレイを展開しておりまして、ほのぼのとした和やかなムードが漂っております。で、その後、ハードマンのちっともハードでないソロ(←いい意味で。)があって、テーマに戻って、おしまい。それにしてもデイブ・ベイリーって自分のリーダー作でもちっともソロを取ろうとしないんですな。相当に謙虚な人柄であると言えるかも知れませんね。まるで僕みたいんですねー。

 で、4曲目は再びルディ・スティブンスの作品となっております。で、もう1曲となると 「レディ・B・アイリス」 でしょうか。…と僕が書いているのでかなり期待が持てるんですが、常に正しいことしか言いませんからねぇ、僕って。で、事実、いかにも日本人好みのファンキーなチューンに仕上がっておりまして、いや、常に期待を裏切ることのない男ですからねぇ、僕って。性格は謙虚だしー。で、これは何と言うか、ゴスペルの影響を色濃く感じさせるコール&レスポンスなナンバーですよね。ソロ先発はヘインズなんですが、そのワイルドな吹きっぷりは、僕が、フランク・ヘインズがイイのぉ♪…と書いている通りだと思います。確かにイイです。2番手のハードマンはミュート・プレイで演奏に変化をつけておりますし、そこで問題になってくるのはピアノのビリー・ガードナーなんですが、前半はシングル・トーンでシンプルに、後半はブロック・コードで大いに盛り上げ…って、やっぱりかい!…と、お約束のツッコミを入れておいて、いやあ、期待にそぐわない素直な性格のキャラであると評価することは出来ようかと思うんですけどね。ちなみに彼の名誉のために言っておくと、ここでのブロック・コードはかなり控えめで、彼は彼なりに、それなりに努力はしてるんだな。…といった姿勢を垣間見ることは出来る。…ということを付け加えておきましょう。ということで、ラスト。あ、その前に Winny における“すけべ画像”、及び“すけべ動画”のオチ具合をチェックしてみるとですね、いや、ロクでもないファイルをやりとりしているのがバレて、いつか捕まっちゃうんぢゃないか?…と危惧しているんですが、どうしてもヤメることが出来ない意思の弱い僕をどうか許してくださいね。で、オチ具合をチェックしてみるとですね、おおっ、 「少女浣腸講座」 などという、実にロクでもないものが!栗林観鳥という、世の中をナメきった名前の人が講師を勤めているんですが、だからスカトロには興味がないっちゅうに!…ということで、気分を害したところで本題に戻りましょう。5曲目は「コーヒー・ウォーク」 というタイトルのベン・タッカーのオリジナルでありますな。浣腸のあとにベンが出てくるとうのは話の流れとしてはごく自然なところでありますが、岡崎クンいわく、シンプルなブルース…ということでありまして。いや、確かにシンプルなブルースであるな。…といった感じのナンバーなんですが、ホーンのアンサンブルとベースがユニゾンでテーマを奏でてゆくという趣向が面白い…と言うことも書いてありますね。事実、その通りの演奏であると僕も思います。でもってソロ先発はビル・ガードナーなんですが、彼がどのようなプレイを展開しているかは改めて書いてみるだけ無駄という気がします。いや、資質としては決して悪くものを持っているとは思うんですが、たまにはブロック・コードを封印してみてはどうか?…という気がしないでもありません。ま、人の勝手だとは思うんですけどね。で、2番手のハードマンは前曲に続いてミュートでのプレイでありまして、これはこれでいいと思います。特にソロの前半、ベースのピチカートだけをバックに吹いているところなどは実に渋い演出でありまして、とってもいいと思います。で、ソロ3番手はヘインズです。そういえば昔、ヘインズ・パックンという犬の餌がありましたよね。(←編集部注:ありません。)で、ここでのヘインズは出だしの部分こそかなり慎重でありますが、やがて次第にちょーすいてきて(←編集部注:名古屋弁で“調子にのっている意味”…だと思う。)自由闊達なフレージングを展開しております。で、地味にベン・タッカーのウォーキング・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。ま、今日はこんなところです。

【総合評価】

 悪くないですね。少なくとも栗林観鳥よりはイイと思います。


INDEX
BACK NEXT