ETCETERA (BLUE NOTE)

 WAYNE SHORTER (1965/6/14)

ETCETERA


【パーソネル】

WAYNE SHORTER (ts) HERBIE HANCOCK (p) CECIL McBEE (b) JOE CHAMBERS (ds)
【収録曲】

ETCETERA / PENELOPE / TOY TUNE / BARRACUDAS (GENERAL ASSEMBLY) / INDIAN SONG
【解説】

 今日は“全国スキー場ガイドガイド”というテーマでお届けしようと思います。八百屋の店先にダイコンや、ニンジンや、タマネギや、キャベツや、ハクサイや、レンコンや、ジャガイモや、サトイモや、菜っ葉や、ほうれん草や、カリフラワーや、ブロッコリーや、モロヘイヤや、ゴーヤが並んでいるように、魚屋の店先にアジや、サバや、イワシや、サンマや、メバルや、ブリや、サワラや、イカや、タコや、シジミや、アサリや、ハマグリや、もずぐや、カマボコや、チクワやハンペンや筋子が並んでいるように、今の時期の本屋の店先には色々な種類の“スキー場ガイド”の類が平積みになったり、山積みになったりしてますよね。いや、ダイコンや、ニンジンや、タマネギや、キャベツや、ハクサイや、レンコンや、ジャガイモや、サトイモや、菜っ葉や、ほうれん草や、カリフラワーや、ブロッコリーや、モロヘイヤや、ゴーヤや、アジや、サバや、イワシや、サンマや、メバルや、ブリや、サワラや、イカや、タコや、シジミや、アサリや、ハマグリや、もずぐや、カマボコや、チクワやハンペンの話は本筋とは何の関係もないので、行数稼ぎもいいところではないか?…と言われると、確かにそのとおりなんですが、ま、“筋子”も並んでいたから、本筋と少しは関係があるんじゃないか?…という気がしないでもありません。で、“スキー場ガイド”の類がこれほどまでたくさん並んでいると、どれがいいガイドなのか判然としないぢゃないか!…と文句のひとつもつけたくなってしまいますが、そこでまあ、“スキー場ガイド”を選ぶ際のポイントというか、基礎というか、キスというか、いや、魚屋の店先に並んでいるものの中に“キス”が抜けてたよなぁ。…という反省のもとに、ここに名前を出しておいたわけでありますが、とにかくまあ、スキーにまったく何の興味のない人にとってはどうでもいいネタでありましょうが、スキー好きの人が読んでも全然つまらない。…とまあ、そのような読み物を目指してみようと思う次第でありまして。…って、んなもの、目指すなって!

 えーと、まずはコレです。“スキーマップル2003年版@関西・中部・北陸・中国編”(A4判よりやや大きい・202ページ昭文社刊・924円+税)。ほら、今年は2003年度だから、最新版だよっ♪…と本屋のオヤジに言われてコレをつかまされキミ。騙されてます。本来なら“2004年版”というのを買わねばならんのですが、いや、さすがに1年前のを置いてるような本屋はないと思いますけどね。僕の親戚がやってる八百屋だって、せいぜい10数年前の“イカ味の付け缶”を売ってるくらいだしぃ。…って、余計にアカンやん!…という気もするんですが、通販サイトなんかで買う場合にはうっかり間違えることもあるので注意が必要です。で、この本は別に僕がうっかりしていて古いのをつかまされ、ちくしょう、金返せぇ!…というので、とりあえずネタにしてモトを取ろうなどという、さもしい考えによるものではなくて、昨シーズンに買ったものなんですが、最新版はまだ手に入れておりません。ま、そうそう毎年、内容が劇的に変わるものでもないしぃ。…と思って安心していると、いつの間にやら相撲取りの板井が引退してたりして痛い目にあったりするんですが、それはともかく、いや、まともな日本語になってませんね。で、旧年度版であるにも関わらず、僕がこのガイドを冒頭に取り上げた理由は、出版社自ら“信頼度No.1ゲレンデガイド!”と言い切っているように、もうちょっとこう、謙虚の心というのはないんかい!?…という気がするからなんですが、ま、確かに優れた内容であるのは僕も認めるんですけどね。まず、別冊付録の“スノードライブマップ”を除くと、本体は200ページそこそこ…という薄さがいいですよね。重い本というのは、ただ重いというだけで、重いぢゃないか!…と文句を言いたくなっちゃうし、寝転んで読もうとすると、肩が凝るぢゃないか!…と、またしても文句を言いたくなっちゃいます。その点、軽い本というのはカップラーメンを作る際、身近に何か重しになるもにはないか?…と思ってとりあえず軽い本を乗せてみて、軽すぎて何だか心許ないぢゃないか!…と文句を言いたくなってしまうという欠点があるにせよ、総合的には長所のほうが多くて、結果としてはいいと思うんですけどね。で、この“スキーマップル”の軽さと薄さの秘訣は地域別に数冊に分離するという方針に秘密があるんですが、例えば僕の場合、北海道やら東北やらのスキー場にはまったく縁がないわけなので、“関西・中部編”で必要充分なわけでありまして。

 で、このガイドの凄いところは、スタッフが実際に滑って記事を書いているということなんですよね。スキー場で実際に滑ってみて、ちょこちょこっと記事を書いて、それでいてお金を貰えるなんて、まるで夢のようなドリーミングな話でありますが、モノは相談なんですが、僕を専属ライターとして、雇って貰えませんかね?もし、どうしてもということであれば、来年あたりに予定していた鉄筋屋の職を投げ打ってでも引き受けてみるにヤブサカではないんですが、スキー場の“”と“×”をはっきり明記しているところも睾丸が持てますよね。いや、好感が持てますよね。スキー場側におもねることのない結構“辛口”なコメントは、スキー場評論界の寺島靖国…といった感じなんですが、このコメント部分は毎年微妙に変化しているので、読み比べてみるのも一興かと。で、これはメジャー級のスキー場に限定されるんですが、等高線の付いたコース平面図…というのが、かなり参考になります。等高線というとアレですよね。小林多喜二の書いたプロレタリアート文学。…って、それは『蟹工船』。関係ないですね。で、等高線というとアレですよね。地形の高低や傾斜の緩急を年輪のように線で表したもの。…という説明では今ひとつピンとこないかも知れませんが、とにかくまあ、この図面を見ればコースの斜度がどの程度のものであるかが一目瞭然でありまして、つまりまあ、急なところほど等高線の間隔が狭くなる…と。で、この平面図には各コースごとにスタッフが実際に滑ってみた上での“一言メモ”が添えられておりまして、これがかなり参考になります。コブがあるとか、幅が狭いとか、空いているとか、俺、ヨシオのこと、好いちょるばい…とか。いや、いきなりそんな個人的なことをしかも九州弁で告白されても、読んでるほうとしては困ってしまうんですけどね。しかも、ホモだしぃ。…とまあ、全体的にはよく出来たガイドだとは思うんですが、惜しむらくはメジャーなスキー場と、そうでないスキー場との情報量の落差でありましょうか。例えば“赤倉温泉”の場合だと4ページもの分量が割かれているんですが、“戸隠”クラスだと1ページの半分みたいな。ま、“戸隠”クラスで4ページも使っていたらかなり分厚くなって、重いぢゃないか!…と文句を言われることになるので、ある程度の割り切りは必要かと思われます。どちらかというと“マニア向け”の作りではありますな。


 でもやっぱり“全国版”も欲しいぢゃん。“2004年版”も欲しいぢゃん。…というので買ったのがコレです。“全国ゲレンデガイド2004”(A4版の寸詰まり・418ページ山と渓谷社刊・1790円+税)。ページ数の割には意外と軽くて、寝転んで読んでもさほど苦にならないところは大いに評価できます。で、掲載されているのは日本全国604ゲレンデ…と、これはもう、チンケなものも含めてほとんどパーフェクトな収録ではなかろうかと。ちなみに先ほどの“スキーマップル・西日本編”の収録数は104エリアということでありました。ちなみに三重県唯一のスキー場である“御在所”だって、このガイドなら大丈夫。もっとも2ページの見開きで71ものスキー場が掲載されているような扱いですけど。で、比較のために“赤倉温泉”のところを見ると、こちらは3ページの扱いですな。“戸隠”レベルで1ページと、大手中堅の扱いの差は“スキーマップル”ほど露骨ではありません。幅広い槽にアピールすることを狙った65点主義…といったところでありましょうか。松本ちえこ「恋人試験」 で歌ってましたからなぁ、65点の人が好きっ♪…って。微妙なことを言いますよねぇ、松本ちえこ。で、コース・ガイドとしては航空写真を活用しております。“スキーマップル”の場合、航空写真を標準として、メジャー級はそれに等高線付き平面図が付加されるという2面構成だったんですが、その点、“全国ゲレンデガイド”のほうは並みのレベルですな。とまあそんなことで、このガイドについて言いたいことは、そんだけ。

 で、引き続いて、どのスキー場ガイドでもほぼ間違いなく掲載されている“データ&スペック”の読み方について検証してみたいと思いますが、まずは標高です。ゲレンデトップの標高ゲレンデベースの標高、それを差し引いた標高差というのが書かれておりますが、単純に“標高差が大きいスキー場立派なスキー場”と考えていいと思います。で、全体的に標高の高いところにあるスキー場のほうが、低いところにあるスキー場よりも(1)雪質がいい。(2)シーズンが長い。(3)眺めがいい。…ということが言えるかと思いますが、標高差が500mを超えるようなところだと、上はアイスバーンで、下はベチャベチャ…だとか、下はポカポカ陽気で、上はブリザード…だとか、下はドン曇りだけど、ゲレンデトップはピーカン…だとか、あ、塩サバ2号は“ピーカン”と“カンピー”を間違えたりしておりましたが、前者は雲ひとつない快晴、後者は完全な下痢のことでありまして、かなり意味合いが違っておりますので、使い方を間違えてはいけません。…って、“カンピー”などという言葉はウチの家でしか使ってないような気もするので、世間一般には通用しないのかも知れませんけど。で、続いてはゲレンデ面積コース面積。これには大抵、“ha(ヘクタール)”などという単位が使われておりますが、んなもん、家が農家でもない限り、ぜんぜんピンと来ませんよね。“ヘクタール”というのは“アール”が“ヘクト(100)”になったもの。だから、“アールの100倍”ということですよねっ♪…って、いくら“♪まーく付き”で可愛らしく言ってみたところで、その“アール”というのがよくわからんのだって。…という人のために簡単に説明しましょう。“1ha100m×100mの正方形”。はい、単純明快ですね。コース幅が100メートルで、長さが2000mのコースがあった場合、100mを基準にして考えると、その面積は“1×20=20ha”ということになって、そういうコースが5本もあればコース面積の総計は“100ha”ということになります。今までの経験的な感覚で言うと、コース面積50ha以上ならそこそこの規模、100ha以上ならかなり満足のいく立派なスキー場であると判断してもいいと思います。ただ、“ゲレンデ面積”と言った場合、雪崩まくりで立入禁止のエリアやら、木が生えまくって立入困難な箇所など、どうでもいいデッドスペースを含めたスキー場の敷地面積全体…みたいな測り方をしている場合もあるので、ただ広ければ満足。…みたいな単純なものではないんですけどね。

 で、続いては最長滑走距離。スキー場の規模を表すもっとも分かりやすい指標でありまして、単純に長ければ長いほど、凄い…みたいな。最も、スキー場の最長滑走距離というのは大抵がクソ面白くもない林間コースだったりするわけなので、これまた一概に、ただ長ければ満足。…みたいな単純なものではないと。そうなんだよ。大きさ太さぢゃないんだよ。大切なのは角度硬さなんだよ。…と、僕の好みは適度に硬い圧雪バーンが手頃な斜度(←20〜25度くらい)で3000mくらい続くところ、しかも斜度は単純に一定ではなく、時折カクンと28度くらいになったりするところ…って、つまりまあ、“八方尾根”あたりが理想的なんですけどね。誰か、ウチの近所に“八方”を作ってくれませんかねぇ。…って、頼んでみるとすれば基本中の基本でありますが、やっぱり月亭八方? ということで、昔はさほど気にしてなかったんですが、最近になって重要だと思うようになってきたのが“晴天率”という指標。“赤倉”とか“野沢”とか、いつ行っても吹雪いてばかりで、ちっともファンぢゃないっ!…と思わずにはいられませんが、“スキーマップル”がシーズンを通した通算の晴天率のデータしか掲載してないのに対して、“全国ゲレンデガイド”のほうは月別の晴天率が掲載されております。さすがはヤマケイ(←“山と渓谷社”の略)だけあって、山登り屋の間では、そういうデータの要望が多いのでありましょう。ちなみに僕がいい思いをしたことがない“赤倉温泉”の月別晴天率は、12月から順番に、30%30%20%50%50%となっております。なるほど、1月・2月は駄目…ということですな。特に2月は5日間滞在して1日晴れればラッキー…みたいな。もし行くとなれば、多少の雪質の悪さや、年度末でクソ忙しいという事情を差し引いてでも、3月に行ったほうがいいのかも知れません。ちなみに晴天率が高いことで有名な“サンメドウズ大泉・清里”は11月から4月まで、ずーっと晴天率80%となっておりました。それでも行ったら吹雪やったやんけ!…ということになれば、こうはもう、相当に日頃の行いが悪いとしかいいよういがありません。


 で、今日の3冊目は“ゲレンデ選びの本 '04”(A4版・198ページ双葉社刊・1314円+税)。本のサイズやページ数は“スキーマップル”とほとんど同じなんですが、手にした時のずっしりとくる高級感は数段上って感じぃ?…と、僕の知り合いのスーダン人(←たまに出てくる。)も言っておりましたが、スーダン人もスキーなんかやるんですかね? とまあ、それはそうと、“クレヨンしんちゃん”です。さすがは双葉社…と言った感じなんですが、これは読者層をかなり絞り込んだ作りのガイドでありますな。硬派な君はきっと手にしないよね? で、コンセプトはずばり、“これは年に1回のスキー・スノーボードを成功させるための本です。”…って、11月中に出来れば3回は行きたいと思っている僕にはあまり関係のない世界ですね。家族で楽しく滑れるゲレンデは?…とか、とにかく格安に滑る方法は?…みたいな、“当世ゲレンデ事情Q&A”という大特集に実に56ページも費やしておりまして、ゲレンデガイド自体はほとんどオマケのレベル。全国のスキー場の中から120箇所を厳選…と、かなり対象が絞り込まれておりますな。“赤倉温泉”でも1ページと、かなり割り切った作りとなっておりますが、今シーズンからキッズエリアが充実したらしい“斑尾高原”は2ページ扱い。バックマージンでも貰いましたかね?…とまあ、今ひとつ根拠がよくわからず2ページだったり、1ページだったり、2つで1ページだったりするんですが、この本、スキー場ガイドにしてはめずらしく、割と文章が面白いんですよね。ま、多少、滑っているところもありますが、それはまあスキーの本だから仕方がないとして、滑らずして、何がスキーや?…という感じですもんね。ま、滑っていると言っても“塩通”ほどではないし、“原田知世の白いワンピースはよかったよなぁ。”…みたいな“私をスキーに連れてってネタ”が頻繁に出てくるし、ちなみに“とにかくでっかいスキー場はどこ?”…という記事があるんですが、418haの“志賀高原”が第1位、“田代・かぐら・みつまた”と合体した“苗場”が413haで第2位でありました。イカ、いや、以下、ガクンと数字が小さくなって、“野沢温泉”が297haで3位、“安比高原”“上越国際”と続いて、“八方尾根”がジャスト200haで第6位となっております。しかし何ですな。“苗場”はともかくとして、“田代・かぐら・みつまた”というスキー場は、スケールが大きい割には名前が地味ですな。“みつまた”では何だか“みつまめ”と“川俣軍司”のコラボレーションみたいだし、“かぐら”というのはウチの会社の近くにある居酒屋だし、いやこれは最近、“甲羅”という名前のカニ屋になっちゃったんですが、ナガナワ所長代理が会社の経費で一番安い“カニ天重(並)”を食わせてくれたところですな。で、“田代”では何だか“覗き魔”が出そうだしぃ。

 で、このガイドブック、下のほうにオマケのように書かれているコラムが結構面白かったりします。例えば 「ゲレンデ用語のムダ知識」 というコラムの “私をスキーに連れてって” の解説。20世紀多くの若者をスキー場に誘った映画です。また同時に、実際には原田知世にも三上博史にもまず出会えない、ゲレンデで出会った異性が同じ会社で働いていたなどという偶然は物凄い確率でしかありえないということを若者達に教えました。…って、実に正鵠を得た解説ではありませんかぁ。淡々とした語り口にも好感が持てます。で、これは恐らく同じ人の手によるものではないかと思われますが、 「スキー文化アーカイブス」 の “ウサギよ永遠なれ” 。その昔、ゲレンデにはウサギの耳や、クマさんのリュック虎を模した帽子などを身に付けたスキーヤー大勢いたのです。…というお話なんですが、バブルという時代に、我々日本人は今思えばありえない行動をやりまくっていました。…って、そうそう。確かにそういう時代だったんですよね。が、この作者はそういう時代の風潮を決して一概に貶しているわけではなく、あの当時、そんなことまでして、かわいいと思われたかった女性陣のやる気を、今、リスペクトする価値はある気がします。…と、これまた淡々とした口調で温かい眼差しをおくっている姿勢には好感が持てます。これを読んで思い出したんですが、あれはバブルという時代が終焉を迎える、その直前のことでありましたか。僕は同じ会社の中山アツシ君と一緒に“おんたけ”へスキーに行ったんですが、彼はレッサーパンダの帽子を被って滑っておりました。ありえない行動だ。…という気がして、以来、僕はアツシ君と一緒にスキーに行くのはやめたんですが、そうこうしているうちに、バブルが弾けました。いやあ、そういう時代だったんですなぁ。。。

 ということで、今日はウエイン・ショーターです。何でもいいけど最近のスキー場のBGM、ありゃ、何とかなりませんかね? 何だかやたらとラップ系だとかヒップホップ系が目立つような気がするんですが、うるさいだけなので、ヤメてください。あと、DJとかを完備しているところも増えましたが、アレも要りません。何もユーミン「サーフ天国・スキー天国」「ブリザード」 を流せとはいいませんが、さすがに焼額山でも今時そんなものは流してませんからね。で、今日はウエイン・ショーターなんですが、ショーターの演奏というのはスキー場のBGMとしてはどうなんですかね? 「ミヤコ」 みたいなしっとり系のバラードは意外とマッチするような気がするんですが、やはりジャズよりも中島みゆきなんかのほうがいいかも知れません。コブコブの急斜面をリズミカルに攻め立てながら、うらみ・ます、うらみ・ます〜、私、優しくなんかないもの〜♪…って、う〜ん、泣けますなぁ。で、『エトセトラ』。脈絡は無いんですが、『エトセトラ』。今日はこれで行こう!…と思っているわけなんですが、このアルバムはラズウェル細木の漫画に登場しますよね。確か、ラズウェルがジャズ評論家を目指す…みたいなストーリーで、彼がジャズに関する薀蓄を傾ける際にこのアルバムが登場するわけなんですが、今、手元にその本がないので詳しいことはわかりません。ずっと前、某・ギャル系読者にあげちゃったんですよね。で、もう1冊新しいのを買ったんですが、そちらのほうは某・ロリ声漫画家にあげちゃいました。何でも某・ス○ングジャーナル社から“猫ジャズ漫画”(←何じゃそりゃ?)の連載依頼があったとかで、参考用にと思ってラズウェル本を進呈したんですが、どうやら没になったようでありまして。ああん、連載が決まったら、「僕、SJに連載している漫画家のセンセイと、メル友なんだぜっ!」…と自慢しようと思っていたのにぃ。。。

 ということで 『エトセトラ』 でありますが、あ、そうそう。“猫ジャズ漫画”(←何じゃそりゃ?)という話を聞いて、僕なりに考えて書いてみた漫画があるんですけどね。それを某・ロリ声漫画家センセイに見て貰って、あわよくばアイデアを採用して頂いて、漫画の隅っこにでも“原作者・さば”という字を入れて貰おう…などと画策していたんですが、世の中、そう思い通りにはいかないものでありますなぁ。で、今日はお日柄もよろしいようなので、その作品をちょっと紹介してみようと思うんですけどね。 これ です。あくまでもアイデアの段階なので絵のほうは適当なんですが、もし僕が本腰を入れて“猫ジャズ漫画”に取り組めば、きっと素晴らしい作品が出来ると思うんですけどねぇ。で、モノは相談なんですが、僕の作品をSJ誌で連載して貰えませんかね?もし、どうしてもということであれば、来年あたりに予定していたスキー系ライターの職を投げ打ってでも引き受けてみるにヤブサカではないんですが、とまあそういうことで、 『エトセトラ』 。ジャズ系ライターのバイブルと言える 『完全ブルーノートブック』 によりますと、えーと、“BN LT-1056”…と。あ、ありました。本作はキング盤 『The Collector』 と1曲入れ替わっている。すなわち本盤収録の 「Toy Tune」 がキング盤では 「The Collector」 に代わり…って、そうそう。ラズウェルが傾けていたのはこの薀蓄でありますな。で、ラズウェル漫画と言えば、いよいよデューク・ピアソンの 『メリー・オウル・ソウル』 がCD化されますが、それはさておき、 『エトセトラ』 。話がちっとも前に進みませんが、行数稼ぎも何とか所定の分量に達したようですので、早速本題に入りましょう。このアルバムは恐らく“オクラ入りもの”なんでしょうが、それが俄かには信じられないような充実した内容である。…というのはブルーノートのオクラ入りアルバムを紹介する際の決まり文句なんですが、確かにこりゃ、いい作品です。まずもってメンバーがいいですよね。ショーターのワン・ホーンという編成はスッキリしててイイですし、しかもピアノはハービー、ベースはセシル・マクビー。女子高生に絶大なる人気を誇ってますからねぇ、マスカラは。…って、いや、マスカラはどうでもよくて、セシル・マクビーは。…って、いや、今時、セシル・マクビーはもう古いんですかね? ま、とにかく、女子高生が何に興味を持とうが、僕はショーターが好きだからそれでいいんですが、ということで1曲目から聴いて参りましょう。

 えーと、まずはタイトル曲の 「エトセトラ」 です。などなど。…といった意味ですよね。“etc”と略したりして、ジャケットのデザインもそうなっているんですが、高速道路の“ETC”も最近になって、ようやく普及の兆しが見え始めて来ましたなぁ。僕の社有車カローラフィルダーだって、“ETC”です。でもケチって“ETC”の機械のほうは付けてくれませんでしたので、カード手渡しです。意味ねーぢゃん。ま、小銭を用意しなくてもいいのは助かるんですが、高速料金を立て替えておいて、後で戻ってくると何だか得した気分♪…だったんですが、それが無くなって、何だか損した気分。だいたい考えることがセコいんですよね、ナガナワ所長代理は。…って、この問題はもっと上層部の意向が働いているようでありますが、“ETCカード”を私用で使用したことが発覚した場合は、利用料金の3倍返し…って、“ホワイトデーのぱんつ”じゃあるまいし。で、この曲、ショーターのオリジナルなんですが、モーダルですよねぇ。メロディ自体は極めてシンプル、揚げ油を固めるのはテンプル、“AA”と来て、半音上がって“”、元に戻って“”…みたいな構成ではないかと思われ、で、演奏全体のイメージとしてはアレです。御大抜きの60年代マイルス・デイビス・クインテット。ハービーのアブストラクトなコンピングに、その気配が農耕に感じられます。…って、田んぼを耕している場合ではなくて、濃厚に感じられます。テーマに続いてショーターのソロになりますが、ただ単純にモーダルなソロ…とは言い切れないところもあるし、テーマ・メロディのモチーフを盛んに引用するあたり、やはりマイルス・クインテットの影響を強く感じさせる餅麩…というのはいわゆる生麩のことですよね。はんなりとした口当たりがいかにも京風といった感じで、習字が上手なのは小野東風。…って、ワケわかんないですね。無理にボケようとするとワケがわかんないし、かと言ってボケるのをやめるとすぐに原稿が終わっちゃうしで、その兼ね合いが難しいんですが、ソロ2番手はハービーです。このソロはアレですね。レアです。ああん、お肉が生焼けぇ。…って、レアと言ってもそういうのではなくて、アレですね。…と書いた瞬間、レアという言葉を思いついただけの話で、その先の展開を考えてなかったんですが、えーと、ネガティブに言えば意味不明、ポジティブに言えば前衛にして斬新、アクティブに言えば行動的で、エグゼクティブに言えば管理職・重役…とまあ、そういった感じですね。とにかく何だか捉えどころがなくて、そうこうしているうちにジョー・チェンのドラム・ソロになるんですが、これはまあ、何と言うか、“限りなきドラム風”とでも申しましょうか? でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、2曲目はバラードです。 「ペネロープ」 とでも読むんですかね? 意味はえーと…、よくわかりません。原文ライナーには“アイリス”と“ヴォネッタ”が結合して、ウーマンの陰毛がどうのこうの…と書いてあったりしますが、あ、“Immortalized”というのは陰毛ではなくて、“不朽の名声を与える”といった意味なんですかね? そういえばマイルス時代の作品に“アイリス”とか“ヴォネッタ”とか言うのがあったような気がするんですが、不朽の名声を与えられたそれらの“ショーター・バラード”をちょっと結合してみたんだけど、どうかな?…みたいな。なるほど、どこかで聴いたことのあるような曲やな。…と思っていたんですが、そのような仕組みでありましたか。でもってこれは、典型的なショーター・バラードですよね。典型的というのはどういうことかと言うと、“死の火炎塔”から脱出したり、“爆破小屋”から大脱出したり…って、それは典型的ではなくて、引田天功的ですね。でもまあ、ショーターのバラードというのも、ある種のイリュージョンだったりするので、ま、いいですか。(←よくねーって。) で、シリアスにしてミステリアスで、クールでいて都会的で、寂寥感に溢れた芋ヨーカン。…といった感じのテーマに続いてハービーのソロになるわけですが、いや、いいですな。クールでいて都会的で、寂寥感に溢れた近親相姦…といった危うさが漂っていて…とか言ってるうちにショーターのソロが始まりましたが、この時点でもう書くネタはなくなっちゃいました。正直、やや退屈な展開かな?…といった気がしないでもないんですが、ま、よしとしておきましょう。

 で、3曲目。「トイ・チューン」。ミドルエイジの土井さんに捧げられたナンバーでありますな。…って、それは「土井・中年」。つまらないですね。で、早速本題に入ると、ミディアム・テンポの中庸的な速度設定の曲。そいうった感じですね。わりとシンプルな作品で、テーマを吹いてるなぁ。…と思っていたら、いつの間にかアドリブ・パートに入っていた。…みたいな感じなんですが、ここでのショーターのソロは百均で買ってきたハサミのように、今ひとつ切れ味が悪いような気がします。だからキング盤 『The Collector』 と1曲入れ替わっている。すなわち本盤収録の 「Toy Tune」 がキング盤では 「The Collector」 に代わり…ということになっちゃったのかぁ。…という気がしたりもするんですが、いや、「ザ・コレクター」 がどういう演奏なのか、聴いたことがないのでよく知らんのですけどね。でもまあ、ハービーのソロの出来はいいみたいだし、ま、よしとしておきましょう。で、4曲目は 「バラクーダ」 です。“バラクーダ”といえば薔薇の花を食ったことがあるんですが、さほど旨いものでもありませんな、ありゃ。これなら豚のバラ肉のほうが、よっぽどマシ?…とか思ってしまいましたが、それはさておき、本作で唯一、ショーターのオリジナルでない作品でありますな。じゃ、誰が作ったのかと言うと、ギル・エヴァンス。骨と皮だけのただのジジィですね。で、この演奏は凄いです。このアルバムの中でも白眉と言えるハクビシン。…といった感じで、“SARS”の感染源?…という疑いが持たれているわけでありますが、そういえば去年の今頃、僕は原因不明の高熱と呼吸困難に襲われていたんですが、今から思えば、あれは“SARS”だったんですな。ま、治ったからいいようなものの、そうとも知らずに出歩いたりして、悪いことをしました。で、「バラクーダ」。セシル・マクビーの強力無比なピチカートにジョー・チェンのドラムスが絡む導入部が、実にいい感じです。で、テーマ自体はわりとシンプルなんですが、典型的にモーダルですな。で、そのままショーターのソロへと流れていくわけでありますが、これはアレです。コルトレーン的スピリチュアルな精神世界。おそらく、ドリアンして、ドリアンして、ミクソリディアンになって、ドリアンに戻るぅ?…みたいな展開ではないかと思われるわけですが、いや、個人的にはこういう世界、結構好きなんですよね。ショーターの作品系列で言うと、「ジュジュ」の路線ですかね? で、続くハービーのソロがこれまた絶品です。淡々とした表情の中に恐ろしいほどの集中力が感じられ、そのテンションの高さはペンションの裏庭で立ちション…って感じぃ? それに呼応するかのようにジョー・チャンバースのドラミングが次第に熱くなっていくところも凄いですよね。でもって、テーマに戻って、最後にショーターのインプロヴィゼイション風のパートがあって、おしまい。いやあ、いい物も聴かせて頂きました。

 で、ラストです。「インディアン・ソング」。マクビーのピチカートで幕を開ける、一種ミステリアスな世界。いやあ、ショーターですなぁ。前曲同様、深い精神性と明治維新性を感じさせ、いや、明治維新性はあまり感じさせないんですが、いや、これまた素晴らしい演奏だと思います。おしまい。

【総合評価】

 いや、何だか物すごく適当な終わり方でしたね、「インディアン・ソング」の曲解説。ま、人間は引き際が大切というか、解説は簡潔なのが一番だとか、でも“半ケツ”というのも結構ソソられるよね?…という気もするんですが、すいません。最後のところで息切れしてしまいました。で、これ、“オクラ入りしていたのが信じられないくらい充実した内容”という常套句が…とか言ってるうちにセシル・マクビーのソロが始まりましたが、あ、いや、最後の曲がまだ続いているんですよね。 でもって、特に後半の2曲。このテンションの高さは並ではないと思います。おしまい。


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