BAHIA (PRESTIGE)

JOHN COLTRANE (1958/7/11,12/26)

BAHIA


【パーソネル】

JOHN COLTRANE (ts) WILBUR HARDIN (tp) <#3,4> FREDDIE HUBBAR (tp) <#5>
RED GARLAND (p) PAUL CHAMBERS (b) ART TAYLOR (ds) <#1,2,5> JIMMY COBB (ds) <#3,4>

【収録曲】

BAHIA / GOLDSBORO EXPRESS / MY IDEAL
I'M A DREAMER (AREN'T WE ALL) / SOMETHING I DREAMED LAST NIGHT

【解説】

 えー、この原稿がUPされる頃には試験も終わってガックリしていることと思われますが、とりあえず“試験に出ろ・給水装置工事主任技術者試験”です。残り時間も少なくなってまいりましたので、さっそく本題のほうに入りたいと思うんですが、今回は“給水装置工事法”というお話です。

 「給水管の埋設工事」

 君は穴を掘って何かを埋めたことがあるかな? 金魚、猫、亀、ネズミ、牛、虎、兎、辰、巳、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の類いから、徳川埋蔵金、はたまた、首を絞めたらぐったりして動かなくなってしまった姑に至るまで、地中に埋めるものには事欠きませんが、水道管というのもそのひとつでございます。で、その際に問題になってくるのは、どれくらいの深さで埋めるか?…ということなんですが、無論、あまり浅くてはいけません。息を吹き返した姑がズボっと腕を伸ばしても、地中に指先が露呈しない程度の深さ…というのが理想なんですが、給水管の場合はちゃんとした基準が決められております。歩道部分0.9m」以下私道0.6m」以下敷地部分にあっては 0.3m」以下としないこと。…となっております。“…以下としないこと”というのは、それより深く埋めちゃいかん。…ということではなく、穴を掘る深さがこの数値を下回っちゃいかん。…という意味だと思うんですが、いやあ、日本語というのは難しいですね。で、これが道路部分となると、通常、 1.2m」以下としないこと。…となっておりますが、ここでいう“道路部分”というのは車道の意味なんですかね? ただし、施工上やむを得ない場合は 0.6m」以下としない…という例外規定も設けられておりまして、ま、数字的にはどれも“0.3m”の倍数になっているので、覚えやすいと言えば覚えやすいですよね。この基準値“0.3(コンマ3)”に関しては、 前回同様、“近さん”に登場願いましょう。“近さん(0.3)色紙(敷地・私道)はやむを得ないほどほど(歩道)にシャドウ(車道)ボクシングで、ワンツー(1.2)”…って、まったく意味不明ではありますが、この順番に0.3の倍数で埋設深度が深くなり、最後は“1.2m”であると。覚えにくいやん!…って、そのような物事の本質をつくようなことを言ってはいけません。文句があったら近さんに言ってくださいね。

 「給水管の明示」

 道路部分に布設する口径 「75mm」 以上の給水管には、明示テープ明示シート などにより管を明示することが義務付けられている…と。で、敷地部分に布設する給水管の位置について、維持管理上明示する必要がある場合には、 明治杭」 などによりその位置を明示する…と。でもって、国道に水道管を埋設するときは、管の 「0.3m」 上部明示シート を設置する…と。また出てきましたね、近さん。えーと、“極道(国道)の近さん(0.3m)、名人(明示)としりとり(シート)”…って、極道らしからぬ遊びではありますが、ま、所詮は近さんのやることだしぃ。で、給水管の口径云々に関しては、シンプルに“名古屋(75)撃ち名人(明示)”…と覚えましょう。あ、“名古屋撃ち”というのは今のヤングは多分知らないと思いますが、インベーダーゲームのテクのひとつです。

 「埋め戻し」

 掘ってしまったからには責任をもって埋め戻さなければなりません。掘ったら掘りっぱなし…というのはあまりにも無責任で、「私のカラダだけが目当てだったのねっ!」…と、おカマに文句を言われたとしても、仕方のないところであります。で、埋め戻し。ただ埋めて戻すだけではなく、締め固めなければなりません。掘るだけ掘ってガバガバにしておいて、あとは知らん。…というのではあまりに無責任です。原則として 0.3m」 を越えない層ごと、路床部分は 0.2m」 以下ごとに十分締め固めなければなりません。“近さん(0.3)が身を固め和尚(路床)は転任(0.2)”…って、もう近さんはエエって!…という感じですね。

 「給水栓の分岐と接続」

 えーと、配水管から給水管を分岐するときは、配水管の継手端面やほかの給水栓の分岐位置から、 30cm」 以上離す必要があります。“板金(分岐)屋、参上(30)!”…って、語呂合わせにも次第にキレが感じられなくなってまいりましたが、で、穿孔して分水栓を取り付けるときは、 3山」 以上ネジ込まなければならんと。ま、“ヤマさん(3山)に線香(穿孔)を手向ける”…とでも覚えておきますかね?…って、語呂合わせも完全に投げやりになってまいりましたな。


 「管材の施工上の注意事項」

 塩化ビニル管VP)は直射日光による劣化温度変化による収縮・膨張があるため、 露出配管」 には適さない…と。“演歌(塩化)歌手との屋外露出プレイは駄目”…ということです。演歌歌手というのは大抵着物を着ておりますので、やっぱりお外でやっちゃうのはご法度かと。で、続いてはステンレス鋼管SSP)ですが、こいつは耐食性に優れている…というのが長所なんですが、電食によって腐食するというのが短所でありまして、あ、電食というのはアレです。電車というのはマイナスの電気をレールから地面に流す仕組みになっているんですが、その電気の影響で配管が錆びちゃう現象のことを言います。よって、ステンレス鋼管SSP)は 軌道下」 に施工することは避ける…と。“電車からウンコを捨てんレス”…って、そういうことをしてはいけない!…という戒めの意味を込めた標語でありますが、いや、昔の汽車ではよく便所から捨てたりしてましたけどね。

 「給水管の工作と接合」

(1) 鋼管SGP

 まずは切断。これには パイプカッタ とか、 金切りのこ なんかを使います。“政府高官(鋼管)、パイプカットして、木の葉のことプレイ”…といったところでしょう。やっぱり芸能人とのプレイにはパイプカットが絶対安心ですよね。で、曲げ加工には エルボ を使ったり、 パイプベンダ を使って曲げ加工したりします。“これは政府高官(高官)の便だ得るもの(エルボ)は大きい。”…って、そんなものを得てどうしようと言うんでしょうね?で、接合方法としては、 ねじ接合方法溶接接合フランジ接合 の3タイプがございます。“若手の政府高官(鋼管)、痴情がねじれて、夭折(溶接)して、腐乱死(フランジ)”…って、好き放題してるからそういう悲惨な最期を遂げるんだってば。いい気味ですな。

 (2) 続いては硬質塩化ビニルライニング鋼管SGP)の加工。これはアレです。錆びないように表面をビニールでコートした鋼管のことなんですが、ま、言わば給水業界のビニ本みたいなものですかね?で、切断方法でありますが、 自動金のこ盤自動丸のこ機などで 管軸に直角に切る必要があります。真っすぐに切らないと表面のライニングがどうかなっちゃうんでしょうな。ポイントは“自動のこ”です。“児童(自動)期の木の葉のこビニ本”。見たいような見たくないような。で、曲げ加工としては エルボ を使用することになりまして、 パイプベンダ」での曲げは避けるようにしなければなりません。曲げると表面のライニングがどうかなっちゃうんでしょう。“ビニ本を得るも(エルボ)、便だ(ベンダ)。避けたい”…って、僕もスカトロ系だけは避けたいところです。で、接合方法としては、一般的には ねじ接合 とすると。“ビニ本ねじ”…って、ねじってみたところでどうなるものでもないんですけど。あと、 管端防食継手樹脂コーティング管継手外面樹脂被覆継手 といった特殊な継手を使う方法や、口径が大きい場合には フランジ接合 を用いたりもします。とにかく、“ややこしい接合器具が出てきたら、ビニ本”…と覚えておけば何とかなろうかと。

 (3) はい、次。水道用ポリエチレン管PP)。これはアレですね。通称“ポリ管”で、“ポリ公警官”の略ぅ?…という気がするわけですが、英語の略称のほうは何だか下痢便みたいだしぃ。しかし何ですな。ポリ公も警官も同じ意味だから“ポリ公警官では二重(20)ぢゃん。”…という気がしますよね。そこで曲げ加工。曲率半径は管の外径の 20倍 以上とする…という取り決めがありまして、これより小さい曲率半径とする場合には エルボ を使用する…と。あまり無理に曲げようとすると、ポキっと折れちゃいますからね。で、切断方法でありますが、 ナイフ または 金切りのこ で管軸に直角に切断しましょう。切り口はきれいに仕上げてネ♪ で、覚え方としては、“木の葉のこナイフを振り回し、ポリに捕まる。”いけません。で、接合方法としては、 メカニカル継手 か、 ワンタッチ式継手 を使いましょう。とにかく、“カタカナ系の接合器具が出てきたら、ポリ公”…と覚えておけば何とかなろうかと。

 (4) 硬質塩化ビニル管VP)、耐衝撃性硬質塩化ビニル管HIVP)。ポリ管塩ビ管は違います。どこがどう違うのかは知りませんが、とにかく違います。ということで、さ、塩ビ管切断しましょう。またしても木の葉のこにお出ましを願うことになりますが、今回ばかりは話がそう簡単ではありません。まず、切断箇所は正確に寸法を測らなければなりません。テキトーでは駄目です。続いて管軸に直角にケガキ線を入れます。毛ガニ線では駄目です。で、切断用の器具でありますが、一般に口径50mm以下金切りのこ口径65mm以上万能のこを使います。で、切断面はヤスリで面取りしてください。個人的には、太い塩ビ管だって“金切りのこ”で切ればいいぢゃん。…とか、“万能のこ”は万能なんだから、細い塩ビ管だって切れるハズぢゃん。…とか思ってしまうわけなんですが、世の中、そう簡単にはいかないようでありまして。 じゃ、その中間の60mmの管とかはどうするの?…と思った人もいるかも知れませんが、そのような規格の管は日本では作られていないので大丈夫です。とにかくまあ、“65mm以上は万能のこ”ということで、ま、“演歌(塩化)歌手、六甲(65)おろし、万能主義”とでも覚えておきますか。第4戦を終わった時点で2勝2敗と、いや、今年の日本シリーズは盛り上がっておりますね。で、僕の予想では第7戦までもつれて、最期はウイリアムスが城島あたりにサヨナラホームランを打たれて、おしまい?…という気がするんですが、いや、何につけ一応は絶望的観測をするのが癖ですからね、僕って。あ、そうそう。1級管工事施工管理の学科試験ですが、やっぱり落ちておりました。ま、とりあえず、来年はもうちょっと頑張ります。

 で、続いては曲げでみましょう。曲がりません。曲がりませんので、最初から曲がっている エルボ、もしくは ベンド を使用することになります。“演歌(塩化)歌手、弁当(ベンド)を得るぼ”。…ということで、あ、曲がりませんが、曲げ角 °以内だったら曲げてもらってもかまいません。ま、ほとんど曲がってないに等しいような数字ではありますが、 “演歌(塩化)はロク(6)なもんじゃねぇ。”…って、ヤングな人はみんなそう思っております。無論、僕もヤングなので、そう思っております。若者が聴くんだったら、やっぱり「ヤングマン」だよね? ということで、最後に接合してみましょう。これには接着剤を使用した TS継手ゴム輪形継手メカニカル継手 というのを用います。ああん、また覚えにくいものを持ち出して来てぇ。。。もはや、何か難しい継手とか、カタカナ系の継手とかの曖昧な表現では逃げることは出来ません。“天才(TS)演歌(塩化)歌手の肛門は(ゴム輪)、目が2個ある(メカニカル)”…って、気持ち悪いし、ワケわかんないし。で、この“TS継手”を使って接着する際にはクソ面倒臭い取り決めがあったりします。接着剤は均一に薄く塗布すること。押さえ時間は口径50mm以下30秒 以上、65mm以上は 以上、で、はみ出した接着剤は直ちにふき取ること。“演歌(塩化)歌手、六甲(65)お60秒ろしはロックぢゃん(60)。困る(50)のは惨事(30)”。もはや解釈不能。

 (5) ステンレス鋼管SSP)。いや、演歌歌手の濫発で疲れましたね。で、続いてはステンレス。面倒なので切断方法に関しては省略します。適当に不具合が生じないように切っていただければ、それでいいです。で、曲げ加工ベンダ によって加工してください。加熱」 してはいかん。…ということも言われております。“支店長(ステン)を加熱してはいけない”…って、そんなことしたら火傷しちゃいますもんね。ま、その支店長がとっても嫌なヤツだったりすれば、手の甲に煙草の火を押し当てるくらいのことはやってもいいと思いますが、曲げる際、曲率半径は管軸線上において、口径の 「4倍」 以上としなければなりません。また、曲がりの始点または終点から、10cm」 以上の直管部分を確保し、だ円化率は 「」%以下とする。…って、何だかとっても面倒なので、試験には出て欲しくないところでありますなぁ。…と思っているところに限って出題されるのが世の中の常でありまして、仕方がないから覚えましょう。“支店長(ステン)、夜這い(4倍)するも直管部分10センチで、ああん、小さいのぉ。”…って、10cmというところが何だか微妙にリアルで、気分が落ち込みますね。で、だ円化率のほうは、“飲むのはやだ、演歌(だ円化)好きの支店長(ステン)のは濃いから(5以下)。”…って、いや、何が濃くて飲むのが嫌なのかはサダカではありませんけど。で、結合方式伸縮可とう式継手プレス式継手圧縮式継手 なんかを使って下さい。“支店長(ステン)、加藤(可とう)君のあそこに触れ、すけべ行為(プレス)、あっ、そこ(圧縮)よぉ♪”…って、ホモっ気もあったんですな、支店長。

 (6) 銅管CP)。曲げます。曲率半径は管径の 「15」 倍以上です。“ぱんつはイチゴ(15)柄がいいという意見に同感(銅管)。” 僕も基本的にはその意見に同感です。ただし、白地に小さなイチゴ柄がたくさん…というのでなければなりません。紫色の地に15センチくらいの馬鹿デカいイチゴが1個…などというのでは駄目です。いや、そんな趣味の悪いパンツを穿いてるギャルがいるのかどうかは知りませんけど。で、結合します。はんだ接合 と、プレス式接合 があります。“モロ出しよりも半出し(ハンダ)のほうにプレッシャー(プレス)を感じるという意見に同感(銅管)”…って、いや、言ってる意味が今ひとつよくワカランので、ただちに同感だと言い切るわけにはいかないんですが、“半出し”というのは妙にソソられるものがあるよね。…という意見には全面的に同感です。

 (7) ダクタイル鋳鉄管DIP)。接合します。メカニカル継手プッシュオン継手 などを使いましょう。“イスラム教徒、豚を抱く、耐える、チュウってか?(ダクタイル鋳鉄管)メッカに帰る(メカニカル)とプッシュホン(プッシュオン)で電話”。えー、日本にやってきたイスラム教徒が秘宝館の獣姦ショーに出ることになって、よりによって豚を抱いてチュウをすることを強要され、それに耐えかねて泣きながらメッカの実家に電話をしているという、そんな光景が目に浮かんできて、何だか切ない気持ちになってしまいます。とまあそんなことで、オチもへったくれもありませんが、とりあえず今日はおしまい。皆さま、来年の試験、頑張ってください。

 ということで、今日はジョン・コルトレーンでありますが、あ、試験のほうは無事に終わりました。いや、遠かったですなぁ。試験会場は愛知大学名古屋校舎というところだったんですが、名古屋と言いつつ実は隣の三好町というところにありまして、最寄駅は名鉄豊田線の黒笹駅…って、どこやねん、それ?…って感じですよね。ま、豊田線というのは地下鉄・鶴舞線に乗り入れているからまだいいようなものの、丸の内の本社までクルマで行って、久屋大通から名城線に乗って、上前津で鶴舞線に乗り換えて、黒笹駅まで約1時間半。で、そこからキャンパスまでが遠かったですな。案内には“徒歩13分”と書いてありまして、ま、確かに校門までならそれくらいだったんですが、そこから試験会場のある建物に辿り着くまでが一苦労。例えていうなら、肛門から入ってすぐ、直腸くらいのところ?…と思っていたら、S字結腸も通過して、大腸に差しかかったあたりにようやく目的地があった。…といった感じでありまして、いやあ、思いのほか、校門から遠かったです。ま、道中にアルバイトに雇われたものと思われる女子大生が会場案内のプラカードを持って立っていて、「おはよーございまーす♪」と、明るく挨拶してくれたからいいようなものの、でなきゃ、「もういいっ!帰るっ!」…とか言って、試験を放棄したくなるような長い道程でありました。で、ギャルと言えば受験生の中にも5%程度の割合ですがギャルが混入しておりまして、いや、給水業界というのも、なかなか捨てたものではありませんな。今の会社をクビになったら、鉄筋屋はヤメて、給水屋になろうと思った次第でありますが、ギャルの他に、ネコもおりました。野良の思しき奴が1匹、キャンパス内を徘徊しておりました。で、ネコ好きの僕はさっそく手に持っていた胡麻パンを与えてみたんですが、見向きもせずに他のオトコのほうにすり寄っていってしまい、何だか物すごく不満でしたけどね。で、そのオトコも「猫はシャケが好きだよな。」とか言いつつオニギリの具を与えておりましたが、やはり見向きもされず、わはははははは。いい気味ですな。どうやら野良ではあるものの、食い物にはまったく不自由してないようでありまして、辺りをうろついてはそこら中のオトコに撫でられたり、首根っこを掴まれて抱きかかえられたりしておりました。いやあ、ネコちゃんは可愛いにゃ〜♪

 …とまあ、それはともかく、試験のほうは、かなりの手ごたえあり!…と言い切ってしまっても大丈夫かとは思うんですが、管工事施工管理技士に比べると出題範囲も狭いし、わりと馴染みの深いジャンルだし、いや、それで落ちていたら洒落にならんのですけどね。ちなみに前半部分で一所懸命にお勉強したところは、ほとんどと言っていい程、出ておりませんでした。前回分もしかり。でもまあ、とりあえずそういうことでコルトレーンなんですが、“jazz giant artist index”を調べてみると、殊のほか充実してないんですよね。『オレ』『オム』『インプレションズ』。そんだけ。『オム』を除くと、わりとオーソドックスに来てるな。…という感じではありますが、今日は地味です。『バイーア』 です。…と言われてもあまりピンとこないかも知れませんが、プレスティッジ時代の最後のほうに、ほとんどヤケクソのように濫発されたアルバムのうちの1枚です。プレスティッジというレーベルはアルバム作りに関してまったくポリシーというものが感じられず、とりあえず適当にジャム・セッション風の演奏をやらせておいて、あとで適当に見繕って1枚のアルバムに仕立て上げる…みたいな。で、この『バイーア』 というのもその典型のようなもので、CDケースの裏に書かれたパーソネルにはコルトレーンの他にウィルバー・ハーデンフレディ・ハバードの名前が書いてあったので、2トランペットの3管編成か?…と思っていたら、さにあらず。コルトレーンのワンホーン物が2曲にハーデン入りクインテットが2曲、ハバード入りクインテットが1曲…と、もうどうしよもないほどの寄せ集めでありました。ま、その分、バラエティに富んだ演奏…と評価することも出来るんですけどね。とまあ、そういうわけで、今日(10月26日)は日本シリーズで阪神も負けているようだし、いや、何で伊良部なんか先発さすねん!?…といった感じなんですが、今年のシリーズはとても面白いので、第7戦まで見たいような気もしますしね。ということで、では1曲目から聴いてまいりましょう。

 まずはアルバム・タイトル曲の『バイーア』 です。青木和富クンの手による日本語ライナーによると、“アリー・バローゾが1938年に作詞・作曲したブラジルの代表的サンバ。1944年、ディズニーの漫画映画 『三人の騎士たち』 に使われアメリカでポピュラーになった。バイーアというのは、ブラジルの港町の名。”…とのことでありますが、トレーンの演奏はまったくブラジル的でもディズニー的でもありません。ま、確かにリズムとしてはラテン系だし、ガーランドの弾く“ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃちゃっ♪”という反復フレーズも面白いんですが、トレーンの吹くテーマ部からは後年のインパルス時代を彷彿させるスピリチュアルな気配が漂っているし、モーダルな音のつながりというのも感じ取ることが出来ます。僕たちが“プレスティッジ時代のコルトレーン”という言葉から受ける印象よりも、遥かに60年代的ですな、こりゃ。あ、書き忘れましたが、このアルバムが正式に発売されたのは録音から7年も経った65年のことでありまして、ジャケットにはソプラノを吹いているトレーンの姿が使われておりますが、このアルバムではテナーしか吹いておりません。いい加減ですなぁ、プレスティッジも。で、テーマからそのままコルトレーンのソロに入っていくわけですが、“すさまじく速いパッセージが圧巻”…と、青木クンが書いているとおりの演奏だと思います。モード的にも聴こえるんですが、アイラ・ギトラーがトレーンの演奏を“シーツ・オブ・サウンド”と形容したのが58年10月発売の雑誌、『ダウン・ビート』だったらしいので、あるいはコード・チェンジの極限…といった演奏なのかも知れません。いずれにせよ、難しいことは僕には分かりませんが、あ、阪神はまた1点取られて、4対1になったみたいですな。福原クンが頑張っていたみたいですが、それにしても杉内クンを打てませんなぁ。。。このまま試合が終わると、明日は井川クンを持ってくるか、ムーアにするか?…というところなんですが、ダイエーの和田クンも打てそうもないですからね。で、トレーンに続いてガーランドのソロになりますが、イントロからしつこく繰り返されてきた“ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃちゃっ♪”…を交えて、彼は彼なりに頑張っております。ま、コルトレーンのソロとはまったく噛みあってないような気もしますけどね。そろそろ、2人の方向性に食い違いが出て来ましたか? で、その後、チャンバースのアルコ・ソロがあるんですが、これは別になくてもよかったような気がします。でもまあ、弾いちゃったものをわざわざ編集してカットしちゃうのもジャズの本質からは外れるしぃ。…とでも思って、諦めるよりほかありません。いずれにせよ、トレーンのソロが壮絶だっただけに後の2人はちょっぴりミスマッチで、6分16秒という演奏時間には、少し物足りない感じも残りました。

 で、2曲目。コルトレーンのオリジナルで、「ゴールズボロ・エクスプレス」 という曲です。変なタイトルですね。“エクスプレス”のほうはいいとしても、“ゴールズボロ”というのがよくわかんなくて、言いにくくて、覚え切れないです。が、青木クンならきっとタイトルの意味にも言及してくれているでしょう。…という期待を込めて日本語ライナーを見てみると・・・、特に何の言及もありませんでした。こういう人は減給処分にしてもらってもいいと思いますが、僕の持っているCDには原文ライナーも付いておりますので、こっちには何か書いてあるかもしれませんね。・・・。英語なのでよくわかりませんでした。仕方がないので先に進みましょう。この曲はアレです。1曲目でガーランドとコルトレーンの間に、目指すべき方向性のズレが生じて来たから。…というワケでもないんでしょうが、ピアノレス・トリオで演奏されております。普段は地味なアート・テイラーがノッケから飛ばしまくっておりますが、北海道で獲れる魚はホッケ。で、演奏としては、ほとんどテーマらしいメロディが出てこない“全編アドリブもの”でありまして、テナーとドラムスの掛け合いの形で進んでまいります。ベースも入っているんですが、ほとんど目立ちません。いや、目だたなくて、ちょうどいいんですけどね。ここでまた、いきなりアルコ・ソロでも始められた日にゃ、ここまで培ってきた緊張感が台無しですもんね。いや、それにしても凄い演奏です。ま、普通の人にはちっとも面白くないとは思いますけど。

 …と、冒頭2曲でかなりゲンナリしてしまった人も、だいじゃぶです。3曲目はスタンダードの「マイ・アイデアル」。ここにきてようやくオーソドックスなプレイが展開されます。が、1曲目がいきなりコレだったりすると、アルバム全体がかなり“ぬるい”ものになっちゃいますので、“ゴールズボロ”の後の“マイ・アイデアル”。これで正解だと思います。イントロなしでいきなり 「マイ・アイデアル」 のメロディが出てくると、心底ほっとしますもんね。テンポはバラードと言ってもいいくらいの“緩さ”なんですが、アドリブが進むにつれてトレーンのフレージングは次第に細かくなってきて、結果的にはミディアム・スローといった感じになってまいります。で、これもワン・ホーンなのか? …と思っているところにハーデン君の登場。青木クンは“マイルス・デイビスの二流の物マネという感じで、いささかだれる部分もある”…などと書いておりますが、個人的にはけっこう好きなんですけどね、ウィルバー・ハーデン。ま、確かに派手さはありませんが、ハーデンさは充分に発揮されていると思うし、いや、その“ハーデンさ”というのが何だか地味でダレちゃうところがあるのが難点なんですけどね。この演奏は7分32秒と、ちょっぴり長めなので、より一層、ハーデンのダレ具合が気になってしまうわけでありますが、続くガーランドもいきなりブロック・コードのだるいムードで登場して、いや、何というか、ま、次に参りましょう。「アイム・ア・ドリーマー」という曲ですね。川俣軍司クン、英語で自己紹介?…って、それは「アイム・ア・通り魔」。 駄菓子を買ってもまだ余っている“WebMoney”を「ネットで百科 for ブロードバンド」 という有料サイトにつぎ込んでみたんですが、そこにあった“20世紀2001大事件” というコンテンツにもちゃんと載っておりましたな、川俣軍司クン。“江東区通り魔殺人(1981年6月17日)”というヤツです。残念ながらそこに掲載されている写真は逮捕直後のぱんつ姿のものではなく、下半身をシーツのようなもので隠蔽された後のものでありましたが、口には猿轡がわりのタオルを噛まされて、何とも異様な姿ではあります。あと、“出歯亀事件(1908年3月22日)”などというのも載っておりましたが、銭湯帰りの人妻(28歳)をガバっと襲って殺しちゃった犯人は女湯の覗き行為などでうわさがあった植木職人、池田亀太郎(35歳)だったそうでありまして、こいつが出っ歯だったことから“覗き魔出歯亀”という言葉が一般化したんだそうです。

 ま、それはそうと「アイム・ア・ドリーマー」でありますが、ミディアム・テンポのお洒落な感じのナンバーですね。テナーとトランペットのユニゾンで演奏されるテーマ部は、ちょっぴりブラウン=ローチ・クインテットを思わせるものがあり、いや、最後のところがちょっぴり「慕情」?…という感じがするだけの話なんですが、ソロ先発はハーデンです。この人は名前からして出っ歯ではなさそうなので出歯亀の心配はなさそうですが、ダレそうになる前にコルトレーンにスイッチするので、まずは無難な仕上がりではなかろうかと。で、続くトレーンのソロは、よくも悪くも典型的な“プレスティッジのコルトレーン”でありまして、1曲目あたりと比べるとオーソドックスに50年代的ですね。で、こういう演奏だとガーランドのソロも違和感なく聴くことが出来て、転がるようなタッチのシングル・トーンを堪能することが出来ます。で、後半はお約束のブロック・コードが出るか?…と思って待っていたら結局は最後まで出ませんでしたが、その代わりにお約束のポール・チェンバースのアルコ・ソロが出てきて、その後、アート・テイラー…ではなくて、3曲目と4曲目のドラマーはジミー・コブだったんですか。で、そのコブ君のドラム・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 さ、ラストです。これまたスタンダードの「サムシング・アイ・ドリームド・ラスト・ナイト」 です。バラードですな。この曲はマイルスのヴァージョンが非常に印象的なんですが、ここでのトレーンも負けておりません。ワン・ホーンで演奏されるテーマ部は、青木クンも指摘している通り、インパルス盤の 『バラード』 での演奏を彷彿させるものがあって、とってもいいです。最初のソロを取るガーランドのプレイも絶品だし、チェンバースのソロも今度ばかりはピチカートだから安心だし、で、その後にトランペットのソロが登場するんですが、これはハーデンではなくてフレディ・ハバードなんだそうでありまして。原盤にはハバードの名前など、どこにも書かれてはいないんですが、そこはジャケットにソプラノ吹いてるコルトレーンを載せちゃうプレスティッジのこと、細かいことはカメへんやん…みたいな。で、これが58年12月の録音と言うことになると、かなり初期のハバードということになりますが、言われてみれば確かにハバードっぽい?…という気がしないでもありません。ま、ほとんど先入観に近いものだと思うんですけどね。ということで、あ、阪神、負けましたね。明日もきっと負けるでしょうね。ということで、おしまい。

【総合評価】

 期待度は伊良部程度だったんですが、思ったよりも健闘してくれましたな。いや、伊良部のほうではなくて、トレーン。最初のほうにも書いたように、寄せ集めではありますが、それがかえって“バラエティに富んだ内容”と受け止めれなくもない…と。いずれにせよ、ジャケ絵を描くだけの気力はもはや残されておりませんので、更新はとりえあず月曜日の予定で。もしかしたら“手抜きばーじょん”になっちゃうかも知れません。


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