THE IN BETWEEN (BLUE NOTE)

BOOKER ERVIN (1968/1/12)

THE IN BETWEEN


【パーソネル】

RICHARD WILLIAMS (tp) BOOKER ERVIN (ts,fl)
BOBBY FEW (p) CEVERA JEFRIES (b) LENNIE McBROWNE (ds)

【収録曲】

THE IN BETWEEN / THE MUSE / MOUR
SWEET PEA / LARGO / TYRA

【解説】

 今、僕の手元に1500円分の駄菓子があります。いや、事の成り行きというか、何となくというか、魔が差したというか、 WebMoney1万円分も買ってしまったんですよね。買ってしまってから、しまった!…と思ってしまったんですが、時すでに遅し。いや、“mp3”の音楽配信サイトの決済方法がこれしかなかったので、1曲200円として、1万円あれば50曲はダウンロード出来るな。…と思って買ったんですが、そのサイトではインディーズ系のワケのわかんない歌しか扱ってなくて、いや、最近は“mp3”で歌謡曲とかを配信しているサイトって、めっきり少なくなっちゃったんですね。おそらく著作権の絡みだと思うんですが、ほとんど“レーベルゲート方式”というのになっておりました。いやあ、迂闊でしたなぁ。。。で、買ってしまった1万円分の“WebMoney”をどうしてくれるぅ?…と思って、使えるサイトをチェックしてみたところ、 携帯電話グッズの店 がありました。この中の“キティ羽毛100%ロングネックストラップ”(←同サイト商品リスト6件目)というのに強く惹かれるものを感じたんですが、写真があまりにも荒すぎてどういうブツだか判別出来ず、しかたがないから他のサイトで調べてみたところ、とってもケバそうな羽毛ストラップだったのでヤメにして、その替わりに“携帯チョークバック”(←同サイト商品リスト31件目)というのを買いました。いや、ここでは携帯電話を腰からぶら下げるのに使われているようなんですが、“チョークバック”というくらいだから、チョーク(白墨)を入れておくのにいいかな?…と思いまして。僕の本職は音楽アナリストなんですが、副業で現場監督もやっておりまして、工事写真を撮るのにチョーク黒板消しを持ち歩く機会が多いんですよね。が、ポケットに入れておくと邪魔になるし、中が白い粉まるけになるしで、何かいいものはないか?…と思っていたところ、ちょうどこの“チョークバック”を発見したわけでありまして。が、これ、先ほど調べてみたところ、チョークチョークでも、ロッククライミングの時に使う滑り止めの粉(←チョークと言うらしい)を入れるものだったんですね。なるほど、それで口のところが巾着みたいに絞れるようになっているわけですな。ま、別にチョーク(白墨)と黒板消しを入れても、さほど問題はないような気がするので別にいいんですが、ちなみにこれが1500円でありました。あとの8500円はどうやって処分しましょうかね?

 で、次に目についたのがこの、 駄菓子屋さんのサイト でありまして、いや、何だか楽しそうな商品がたくさん並んでおりますなぁ。“クッピーラムネ1箱100袋入り@850円”というのに大いにソソられるものを感じでしまいましたが、んなもん100袋も食った日にゃ、まず間違いなく舌が荒れますもんね。クッピーラムネパイナップルは“世界3大@舌が荒れる食べ物”に認定なれておりまして、もうひとつは何かというと“輪切りパイナップルの形をしたパイナップル味のアイスキャンディ”でありまして、あんなもん、パイナップルの果汁なんかほとんど入ってないに違いないのに、舌が荒れるところだけは本物そっくりでありまして、しかもコイツは冷たいから食べ過ぎると下痢になって、余計に始末が悪いんですよね。ということで、クッピーはパス。“フルーツ糸引き飴”というのも子供の頃、駄菓子屋さんで夢中になったものですが、んなもん60個も食べた日にゃ、虫歯になることは必至。だいたいこの店の商品って、自分で駄菓子屋を開店するにはいいんですが、買って食うにはちょっと量が多すぎるんですよね。でもまあ、いろんな駄菓子の詰め合わせなら大丈夫かな?…という気がしないでもないので、“駄菓子詰め合わせワイワイセット@1500円”〜タテ24×ヨコ24×高さ13センチのかわいいバスットの中に駄菓子が満載。35種類75点の駄菓子が入っています。仲間が集うとき、わいわいやる時に最適です。…というのを注文してみました。いや、友達のいない僕は、みんなでわいわいやる機会なんかまったくないんですが、一人で1500円分、全部食ってやるぅ!…と思いまして。ついでに“カタヌキ”も買っておきました。送料を500円取られるからちょっぴり割高な感もあるんですが、おまけとして10円の“酢だこさん太郎”が入っていたので、ちょっぴり得した気分♪ ちなみに届いた商品は これと、 これ でございます。

 ということで今日は、駄菓子を実際に食べてみた上での感想などを書き綴ってみたいと思っておりますが、題して“日本駄菓子大全”。とりあえずはオマケで付いてきた“酢だこさん太郎”について検証してみたいと思います。あ、その前に“カタヌキ”を片付けておきますか。縁日でもおなじみの“よいこのかたぬき”は、不良になるという理由で学校で禁止されていたわけですが、自分の金で買った“カタヌキ”を自分で抜くわけなので、もう誰からも文句を言われる筋合いはありません。ちなみにこれ、100枚入りで1000円でした。縁日で出ている“カタヌキ”がこれと同じものなのか、不良になるといけないからやってみたことがない僕にはサダカではないんですが、傍から見ている限りではもうちょっと立派なものだったような気もします。が、所詮は祭りの屋台に出ているようなものなので、こんなものだったのかも知れませんね。いずれにせよ、“カタヌキ”というのがどういうものであるかというと、グリコの“スポロガム”を思い出してください。要はアレです。が、ハシモト製の“カタヌキ”はガムではなくて、何というか、要するにヘンな菓子なんですけどね。澱粉・寒梅粉・ゼラチン・砂糖という原材料から分かるように粉を固めて板状にしたもので、板に彫ったミゾ通りにうまく型抜きが出来たら賞品が貰えると。そういう投機的な要素が“不良になる”とされた要因なんでしょうが、自分で板を買って遊んでいる分には至って健全なものでありまして。ま、欲が絡まないとそれほど面白いものでもないことは確かなんですけどね。バラバラになっても別にいいやぁ。…みたいな感じで、まるっきり真剣な気分にはなれません。正式なルールでは画鋲を使ってやることになっているみたいなんですが、ウチにそんなものはありませんでしたので、千枚通しでチャレンジしてみました。関西地方の人なら、各家庭に必ず1本はある“たこ焼きをひっくり返すヤツ”でやってみてもいいでしょう。で、実際にやってみてわかったんですが、いやあ、難しいですなぁ。“カタヌキ”の板というのは非常に脆くてすぐにバラバラになるし、どの型にも必ず1箇所は、いやがらせかいっ!…といいたくなるような幅2ミリくらいの部分があるんですよね。無理やちゅうに!絶対割れるちゅうに!…と思わずにはいられませんが、分別のいかないコドモだったら、ついついムキになって1000円くらい投資しちゃう気持ちもワカランでもないですね。ちなみに僕の今までの成績は8戦全敗なんですが、原価が1枚10円と安いので、80円の損失にとどまっております。割れちゃっても一応は“菓子”と銘打っているくらいだから、食べることも出来ますしね。屋台だと作業台がいかにも小汚さそうなベニヤ板だし、ウンコをした後に手も洗わないようなガキが使った画鋲で板を突付かなければならないしで、衛生上の観点からとても食うににはなれんのですが、御家庭なら大丈夫。もっとも、食ってみたところでさほど美味いものでもないんですけどね。かすかな甘みと、幾ばくかのスースーするような気配。どこかで食べたことがあるような懐かしい味ではあるんですけどね。何でしたっけ?…と考えてみて、ふと思い当たりました。ココアシガレット。そう、あの味です。これのいったいどこがココアなんや?…といった感じで、コドモ心にも、大して美味くもねーな。…と思いながら食っておりましたが、ちょうどアレを薄い板状にしたような味でありました。いずれにせよ、敢えて食うほどのものでもねーな。…といった感じではあるんですけどね。

 ということで、続いては“酢だこさん太郎”です。“おまけです!”と手書きされたシールが貼ってありましたので、おそらくおまけだと思うんですが、何かこう、倉庫に余っていて処分に困った不良在庫を押し付けられたような気がしないでもありませんね。…って、そんな失礼なことを言ってはいけません。わざわざ“おまけです!”と書いたシールを貼って下さったお姉さんの善意を肝に銘じて、ありがたく頂戴しようではありませんか。ちなみにこのお菓子を作っているのは茨城県にある“渇ル道(かどう)”という、その道では有名なメーカーでありまして、以前、“蒲焼さん太郎”というのは食べたことがあるんですが、“酢だこさん太郎”というのは初めてですね。“○○さん太郎シリーズ”というのがあるんでしょうか?個人的には“酢だこさん”、もしくは“酢だこ太郎”でいいんじゃないか?…という気もするんですが、あくまでも“酢だこさん太郎”。何だか新井薫子みたいに名前に余計なものが付いてて、邪魔くさいような気もするんですが、要は美味しければ名前なんか別にどうでもいいんですけどね。ただし、思いっきり期待薄です。“蒲焼さん太郎”というのは魚肉練り製品をシート状にしたものに蒲焼風のタレがまぶしてあるというシロモノでありまして、こんなことを言っては何ですが、決して褒められたものではありませんでした。対する“酢だこさん太郎”のほうは、魚板に酢、調味料を使用し、酢だこ風に味付けしました。…といった商品のようです。原材料を見ると魚肉すり身小麦粉が主成分のようで、“酢だこさん太郎”でありながらタコは入っておりません。その替わり、イカが入っております。では食べてみましょう。 ・・・・・。

 ということで次に参ります。あ、先ほどの食いものでありますが、開封した途端に“都こんぶ”を思わせる酢の匂いが漂って、袋から取り出すと指はタレでニチャニチャ。口の中に入れると“のしイカ”に酢をまぶして食ったような感じでありまして、いや、意外と悪くなかったです。“蒲焼さん太郎”よりはマシかも知れませんね。が、指先がどうしようもないほどニチャニチャするのが難点でありまして、本を読みながら食べたりするのはヤメたほうがいいような気がします。だいたい、駄菓子というより酒のつまみの類じゃないっすかね?これは。ま、いいトシこいた大人が“酢だこさん太郎”をつまんで指先をニチャニチャにしながら焼酎を呷っている光景は、見るものをして思わず目を逸らしたくなるようなものであるに違いないので、体面を気にする人はヤメといたほうがいいような気もするんですけどね。ということで、口直しに次のお菓子にいってみましょう。いよいよ本体に手を付けます。小ぶりのバスケットには入らず、駄菓子が溢れて外側のビニール袋まではみ出しているとろこがなんともいいですよね。とってもリッチって感じぃ? で、くじ引きをするような感じで袋の中に手を入れて取り出してみると、“ましゅろ〜”というお菓子でありました。一応、写真を撮っときますか。 これ です。作っているのは“鰍竄ィきん”って、おお!これは“うまい棒”を作っているメーカーではありませんかぁ。これはちょっと期待が持てるかも知れませんね。どういうものかというと、“ましゅろ〜”という名前が示すとおり、マシュマロのようです。駄菓子らしからぬモダンな素材を持ってきましたなぁ。マシュマロというのは僕の心の中では“森永のエンゼルパイに挟んであるもの”といった位置付けにありまして、単体で食べるなどということはあまりにも恐れ多くて、とても子供には手の出せるものではないな。…といった感じがしておりました。今から思えばそれほど大した食いもんでもないんですが、そういえば高校1年生くらいまではマッシュルームとゴッチャになっておりましたな。エンゼルパイに挟んであったマシュマロって、キノコだったのか!?…と勘違いして、ショックを受けたものでありますが、この“ましゅろ〜”は“にっこりプリン味”というところが気になりますな。にっこりしていると、普通のプリン味とはどう違うんだ?…というのは別にいいんですが、んなもん、普通のプリン味と何ら変わりがないに決まっているしぃ。僕が問題にしているのは、僕はあまりプリンが好きではないということなんですよね。ゼリーのほうがよっぽど好きです。それは本当に美味しい高級なプリンを食べたことがないからじゃないか?…と思われるかも知れませんが、ケーキ屋さんで買ってくるプリンよりも、ウチで作った“ハウスのゼリー”のほうが好きなので、これは根源的な問題ではないかと思われます。ま、何はともあれ、ひとつ食べてみましょうかね。 ・・・・・。

 さ、次です。今はちょうど晩ご飯前の時間ですので、今日のところはあと一つだけにしておこうと思います。ご飯前にたくさんお菓子を食べると、おかーひゃんに叱られますからね。晩ご飯のおかずが“おからの煮たの”と“とうがん汁”だったりすると、“”ましゅろ〜もう1個食ったれ!…という気分になるんですが、今日は肉じゃがですからね。で、先ほどの“ましゅろ〜”でありますが、案の定、マシュマロでした。一口サイズのマシュマロの中に、プリン味の…あ、違いました。にっこりプリン味のクリームを入れたものでありまして、いやあ、相当に甘ったるかったですなぁ。外側のマシュマロがいい加減甘いのに、中のクリームまでプリン味…あ、違いました。にっこりプリン味ですからね。にっこりしているだけ甘みの度合いも強くて、個人的には2個以上は食いたくないな。…といった感じの食べ物でありました。で、マシュマロの食感というのも何とも表現しがたく、妙ですよね。べつに饅頭の皮みたいな食感でいいんじゃないか?…という気がするんですが、フランス人にはフランス人なりの考えがあるんでしょう。個人的にはエンゼルパイに挟まってるくらいでちょうどいい。…という感じなんですが、中身がクリームというのもちょっと工夫がないですね。ここはひとつ、“七味あられ”とかを入れておけば、外側の甘さと中の辛さ、外側の柔らかな食感と中のバリバリ感。…といった感じにメリハリがついていいかも知れません。鰍竄ィきんには今一歩の企業努力を求めていきたい次第でありますが、ということで、本日の最後は“小石チョコ”です。口の中がにっこりプリン甘ったるいので辛い系のお菓子のほうがよかったんですが、ビニール袋の中からつかみ出したら“小石チョコ”でした。あ、これはアレですね。うちの事務所の所長がバレンタインの時に飲み屋のネーチャンから貰ってたヤツですね。さすがに飲み屋のネーチャン版はもうちょっと高級そうな入れ物に入っておりましたが、根は同じようなものだと思います。ちなみに今回のものは潟^クマ食品の製品です。正式には“月の小石チョコレート”というらしいんですが、これが駄菓子とは思えないほどよく出来ているんですよね。いや、どうみても月の小石には見えないんですが、そこらへんに転がっている小石には見えます。写真は ここ です。あ、写真を撮らねばならんな。…と思いつつ、ついつい4粒ほど食べてしまいましたので数は少し減ってます。ちなみにこれ、ウチの所長がタケムラくんの机の上に2粒ほど置いといたんですが、「何でこんなとこに石があるんや?」と、ゴミ箱に捨てられておりました。それくらいよく出来ております。見た目が楽しいだけでなく、表面がキャンディーコートされているので、口の中に入れるとちょうどマーブルチョコレートみたいな感じになります。生温かい押入れの中に放置してあったので中身がやや融けかけておりましたが、冷蔵庫で冷やして食べるとより一層美味しいのではなかろうかと。で、姉妹品に“火星の小石チョコ”というのもあります。火星は赤いからストロベリー味…なんだそうで。

 ということで、今日はおしまい。この続きはまた次回にでも書こうと思いますが、全部で35種類あるらしいから、2ヶ月くらいはこのネタで食いつなげますかね?で、何でもいいけどゴミ箱の中がものすごく“酢だこさん太郎”臭いんだってば。。。

 ということで今日はブッカー・アービンです。ということで今日はブッカー・アービンです。ということで今日はブッカー・アービンです。…って、同じことを3回書かなくても分かりますよね。が、この週末は会社の慰安旅行で有馬温泉に行かねばならず、家で原稿を書く暇がありません。すなわち、会社で記憶だけを頼りにアービンを論じなければならないわけでありまして、間が持たないであろうことは火を見るよりも明らか、痔を見るよりも清らか、いや、見た目が汚いですからねぇ、って。そこでまあ、どうでもいい話を書いて何とか行数を稼がなければならないわけでありますが、君は“名探偵・荒馬宗介(あらまそうかい)”を知っているかな?いや、有馬温泉でふと思い出したんですが、昔、そういう漫画がありましたよね。昔と言ってどれくらい前のことなのかと言うと、僕が小学校の高学年の頃だったと思うんですが、学研の「4年の学習」とか、「5年の学習」とか、「6年の学習」とか、「7年の学習」とか、「8年の学習」とか、「9年の学習」とか、 「10年の学習」とか、「11年の学習」とか…って、いくら書くことがないからって“11年”までいっちゃうのはちょっとボケが過ぎると思いますが、とにかくその手の雑誌で連載されていたような気がします。詳しくて細かくて詳細な内容に関しては ここ にありましたので、ここではあまり詳しく細かく詳細には触れませんが、話のタイトルを眺めているだけで何だか楽しくなっちゃいますね。例えば1977年「4年の学習」で2回に渡って掲載された“矢名完次ってヤな感じ”なんて、そうそう!そういうのあったよね!…といった感じでありまして、確かにそのような漫画が掲載されていたということを僕は明白に覚えております。1977年と言えば僕は9ちゃいでありまして、学年で言うと小学4年生。計算上もぴったり合っておりますな。いやあ、めでたいです。

 ということで、本題です。ということで今日はブッカー・アービンなんですが、ブルーノート盤の 『ジ・イン・ビトウィーン』 というアルバムを紹介したいと思います。漢字で書くと 『痔院・尾藤医院』 …って、いや漢字で書いてみたところで別にどうなるものでもないんですが、ま、“痔院”というのは痔の専門病院のようなものだと思っていただければ幸いです。ま、肛門科の亜種のようなものだと思うんですが、しか診てくれないんですよね、尾藤先生ってば。 ま、それはともかく、このアルバムはアービン的には“初級レベル”に属しておりまして、どのへんが初級なのかと言うと、トランペットが入ってカルテット編成になっているところがなんですが、偏執的なマニアになるとアービンがワンホーンでひたすら吹きまくっているようなのを好む傾向にありますからね。その点、リチャード・ウィリアムスが入っている本作は聴いているほうが我慢の限界に達する直前くらいでトランペットのソロが出てくるので、耐え忍ぶ時間帯を最小限に抑えることが出来ます。初心者にとっても割と安心な所以でありますが、ま、何もそこまで無理をしてアービンを聴く必要もないんですけどね。で、現在、ブルーノートのレーベル・ロゴが付けられたアービンのリーダー作は何枚かあったような気がするんですが、大半は他レーベルの原盤を買い取ったもので、正式にブルーノートが製作に関わったものは本作が唯一ではなかろうかと思われます。が、細かいことは知りません。もしかしたら僕の書いてることはまったく間違っているかも知れませんが、個人サイトなんて、ま、そんなものですね。(←無責任。)で、1曲目です。タイトル曲の「ジ・イン・ビトウィーン」です。この日に備えて昨夜、演奏を聴きながらざっとその雑感をメモに書いてきたんですが、えーと、どれどれ。“何と空とぶやなかんじ”。これはですね、“矢名完次ってヤな感じ”で「名探偵・荒馬宗介」に初登場した“矢名完次”が、後に準レギュラーというか、荒馬宗介のライバルと言うか、敵役というか、堅気というか、カタヌキというか…って、だんだん関係がなくなってきましたが、とにかくまあ頻繁に登場するようになって、遂には“ 何と空飛ぶ矢名完次”という名作が登場した。…ということをふと思い出して、メモに書いたものだと思われます。ぜんぜん関係ない話ですね。で、次に、“アブストラクトなピアノのイントロ、テナーとトランペットのユニゾンによるテーマ、ハード・バピッシュというかモーダルというか”…とありますが、要するにそういう曲なんだと思います。いや、何だか賑やかな曲でしたな。

 で、ソロ先発はアービンです。この人の演奏は、くどいというか、しつこいというか、ウザいというか、臭いというか、とにかくまあ、あまりいい噂は耳にしませんね。どんな曲でも同じ解釈でごり押しするとか、子供が“ひきつけ”を起こすとか、娘が着付け教室に通うとかといった話も耳にしますが、ま、勝手に通えよ!…といった感じ なんですけどね。で、“ひきつけ”の件に関しては、ンなもん、子供に聴かせるほうが間違っているような気がするんですが、ここでもソロの冒頭からキュートなアービン節、バリバリ全開っ!…といった感じですね。どんなテンポのどんなタイプの曲でも、アドリブ・パートに入ればみんな一緒や。…とばかり、とにかく思いつく限りの音符で空間を埋め尽くすというのが彼のスタイルなんですが、コルトレーンの“シーツ・オブ・サウンド”に対して、“毛布・オブ・サウンド”といったところですかね?いや、何だか暑苦しいし。で、音の流れだけを追っていると、ちょっぴりモードっぽい展開が見えてきたりもするんですが、ということで続いてはリチャード・ウイリアムスです。どちらかと言うと保守的なイメージがあったんですが、68年という時代背景もあってか、意外とアウトなスタイルへと転進しておりますな。フレーズ的にはやはりモード的な要素も垣間見られるカイマンマニ。…といった感じでありまして、続くナントカという、あまりよく知らん人のピアノ・ソロも何だかアブストラクトな感じですね。やや線の細いタッチのシングル・トーンはけっこういい感じなんですが、フレーズ的にはやや意味不明。で、その後、ブッカー・アービンが再登場します。テーマ再現部の前のちょっとした顔見せか?…と思っていたらけっこう頑張ってソロをとっておりまして、このしつこさがアービンのアービンたる所以でありましょう。立派です。で、その後、ドラム・ソロもあったような気がして、テーマに戻って、おしまい。

 はい、次です。「ザ・ミューズ」という曲ですね。このアルバムは全曲アービンのオリジナルで固められているんですが、これは“薬用せっけん”に捧げられたナンバーであると思われます。薬用ということは、 チベットで家畜を洗ったりするのに使うんでしょうな。…って、それは“ヤク用せっけん”。  ンなもん、日本では売れません。で、この曲ではアービンが珍しくフルートを吹いているのが注目点でありまして、中近東的なムードのバラードをスピリチュアルに奏でる彼の意外な一面を垣間見られるカイマンワニ…はもういいですね。バックで聴かれるベースの弓弾きが不気味なムードを醸し出しておりますが、…と思っていたら演奏は一転して急速調に転じ、ウイリアムスのソロが始まりました。いやあ、頑張ってくれましたなぁ、阪神のウイリアムス。そういえば先日、テニスのウイリアムズ姉妹の姉が射殺!…みたいなニュースがあって、ビーナスとセリーナのウイリアムズ姉妹の姉ちゃんのほうが撃たれたのか?…とびっくりしたんですが、ウイリアムズ姉妹の更に上のほうの姉ちゃんのことだったんですな。日本語、難しいです。で、リチャードのほうのウイリアムスも頑張っておりまして、かつての“ブラウニー直系のハード・バッパー、ただしちょっぴり地味”といったイメージを払拭して、かなりフリーキーなトーンも交えて実に60年代的なプレイを展開しております。いやあ、頑張ってますなぁ。この演奏に限って言えば、地味にフルートなんぞを吹いていたアービンの存在感を遥かに凌駕しておりまして…、とか言ってるうちに、なおも吹き続けようとするウイリアムスを制してテナーを持ったアービンが乱入。あっという間にいつもの調子で“自分だけの世界”を築きあげてしまいました。いやあ、アクが強いですなぁ。で、その後の展開は僕の“創作メモ”を見ると、“ピアノ・ソロ、相変わらず線の細いシングルトーンで、やや意味不明のソロ。続いてベースのボウイング。ほとんど雑音…というか嫌がらせ。”…とあります。そういう展開なのでありましょう。で、アドリブ・パートではいつものペースで騒音を撒き散らしていたアービンが最後に再びフルートに持ち替えて、神妙にテーマなんぞを再現しております。で、そのままフェードアウトして、何だか地味ィに終わってしまいました。アービンのフルートへの挑戦は失敗だった。…と断言していいと思います。

 3曲目、「モウア」。変則ハードバップ。アービンのソロは彼にしては落ち着いた入り方。が、途中から我慢出来なくなっていつものペース。が、思い直してややペースを落とし、海面をたゆたうような界面活性剤に思わず 活性する海綿体。…って、何をワケのわからんことを書いてるんでしょうな、昨夜の僕。とにかくまあ、けっこういい曲だったと思うんですよね。エルモ・ホープ(だっけ?)のオリジナルに「ディー・ダー」というのがあって、その曲はBN盤の 『クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム』 というのに入っておりましたが、僕はアービンの「モウア」を聴いて、ちょっぴりその曲のことを思い出しておりました。微妙に似たようなところがあるんですよね。大まかにはぜんぜん違うタイプの曲なんですけどね。で、僕のメモにもあるように、ここでのアービンはいつもの“クド癖”を、すんでのところで自制しているような感じがあります。何か自省するところがあったんでしょうか。まるで辞世の歌かと思えるような神妙さでありまして…というのはちょっと大袈裟なんですが、ま、“坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い。”と言いますしね。で、“2番手はピアノ。よく了見のわからんフレーズ。が、途中からはけっこう綺麗だったりもする。ウイリアムスのソロは哀感があって、オーソドックスややブッカー・リトル的な展開もある。テーマに戻って、おしまい。”…ということで、4曲目です。「スイート・ピー」…って、アービンにしては何だかキュートな曲名を付けたものでありますなぁ。「ブー」とかでいいぢゃん。…という気もするんですが、ま、付けちゃったものはしょうがないしぃ。で、聴いてみるとタイトルに相応しく、意外とキュートな曲だったりもするんですよね。綺麗なタッチのピアノのイントロに続いて、流れるようなテーマ・メロディ。顔に似合わんようなことをやってくれましたなぁ。“かなりオシャレな曲。モーダル・ファンク。”…と僕のメモにもあります。書くことに困ったら、適当に片仮名を並べておけば何とかなる。…というのが僕の処世訓なんですが、その最たるものでありますな。何なんでしょうね?“モーダル・ファンク”って。書いた本人がよく分かっていないので詳しく追及するのはヤメにしておきますが、“ソロ先発はアービン。お洒落な出だし、すぐに本性。それでもモード的な抑制の美学も垣間見られるカイマンワニ”…って、昨夜の時点からこのネタを考えていたんですな。今日はこれでもう3回目で、大概にしておかないといけないと思いますが、先ほど現場に行きがてら演奏のほうを再チェックしてみたところ、さほどオシャレというほどのこともねーな。…という感じが無きにしもあらず、ま、悪くはない曲調ではあるんですけどね。で、ここではリチャード・ウイリアムスのソロがかなり良好だったように見受けられました。えーと、この曲に関して僕の言いたいことは、そんだけ。

 さ、残すところあと2曲でいよいよ有馬温泉ですね。いや、有馬温泉と言ってもさほどソソられるものがなくて、出来ることならサボってサボテン公園にでも行きたいところなんですが、ま、大して面白そうでもないですしね、サボテン公園。で、今回の企画としては昼メシを食った後に南京街を散策したり、六甲山牧場で牛を見たり、チーズを食ったり、翌日は異人館を散策したり、神戸港で船に乗ったり、灘で酒を飲んだり…といったところでありまして、いやあ、何だか考えただけでも気分がワクワク♪今夜のうちに腐ったイカでも食って、身動き出来ないほどの下痢になったろかい?…と思わないでもないんですが、ま、そこまでの苦痛を味わうくらいなら牧場で牛の乳揉みでもしていたほうがマシかも知れませんね。ということで、5曲目の 「ラルゴ」 です。バラードです。これはアレですね。どこかで聴いたことのあるような曲ですね。おそらくプレスティッジ時代のナントカというアルバムでも取り上げられていたのではないかと思われますが、深いですなぁ、コレは。少なくとも浅井戸よりは深いです。ま、深井戸まで深くないとは思いますが、深いですからねぇ、深井戸は。僕の知り合いの“井戸忠”という井戸掘り業者のおじさんも、「深井戸は深いど。」と言っておりましたが、ということで5曲目の 「ラルゴ」 です。ねっとりと絡みつくようなリリシズムとでも言いましょうか、両生類的な皮膚感覚とでも申しましょうか、孟母の息子は孟子と申しましょうか、いいですよねぇ、孟母三遷の教え。子供の教育には周囲の環境がとても大切であるということを顕著に示す事例として、ひろく世間に知られているわけでありますが、その甲斐あって孟母の息子の宗猛は 見事にマラソンランナーとして大成しましたよね。いいぞぉ、タケシ。ついでにシゲルのほうもよろしく。ということで、ラストです。6曲目は「タンヤ」。いいですね、こりゃ。僕のメモには、“駅のホームでおっさんがよく、カーッ、ペッ!とか言いながら吐いてるヤツぅ?…って、そりゃ、や。”…という大変つまらないことが書いてありましたが、思いついた当初は、使えるネタや!…とか思ってたんですかね?だとすれば、昨夜の僕はちょっとどうかしていたんだと思いますが、それがとんでもないアヤマチであったことに気付いた分だけ、僕はオトナだったと言えるかも知れません。で、演奏に関しては“アービンらしからぬ哀愁を帯びた落ち着いた作品。かなりお洒落。ミディアム・スローのけだるい雰囲気。アービンのソロも落ち着いた哀感が感じられ、はっとしてグッドというか、お嫁サンバというか…って、ぜんぜん関係ないやん!”…などと書いてありました。やはり昨夜の僕はどうかしていたとしか思えませんが、アービンの演奏でこれほど最後まで哀感を湛えたまま持ちこたえているのは稀有な例でありまして、「こんなの、ちっともアービンらしくないっ!」…と思ってしまいましたが、いやあ、いいですなぁ、こりゃ。下手にアービンらしいと、うっとうしいだけの話ですもんね。で、僕の雑感には“アービンもオトナになった。それでいてスピリチュアル、にもかかわらずカリカルチュアル。意味わからん。ウィリアムスの哀愁のトランペット。本作でもベストのベスト電気?ピアノソロも快調。そこはかとないファンキー。ベースのピチカート・ソロが渋井陽子。字合ってる?テーマに戻って、おしまい。”…って、ホントにワケが分かりませんね。

 ということで、さ、ウチに帰って鞄にパンツ詰めようっと。

【総合評価】

 壮年期のヤケクソのようなパワーがいい意味で枯れて来たというか、丸くなったというか、思いのほか聴きやすい作品でありましたな。アービンが没したのが1970年でしたっけ?となると、お星様になっちゃう2年ほど前の演奏と言うことになりますね。いやあ、彼のような超越的な個性の持ち主はもっと長生きして、ジャズ界の嫌われ者として頑張って欲しかったですなぁ。…と、ちょっぴりしみじみ。ということで、さ、ウチに帰って鞄にパンツ詰めようっと。


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