EASTWARD HO! (JAZZLAND )

HAROLD LAND (1960/7/5,8)

EASTWARD HO!


【パーソネル】

KENNY DORHAM (tp) HAROLD LAND (ts) AMOS TRICE (p)
CLARENCE JONES (b) JOE PETERS (ds)

【収録曲】

SO IN LOVE / TRIPLE TROUBLE / SLOWLY
ON A LITTLE STREET IN SINGAPORE / OKAY BLUES

【解説】

 不毛な企画は2回目でヤメました。いや、お盆を過ぎた8月22日現在、掲示板のカキコがめっきり途絶えてしまい、これはきっと“jazz giant”の前半部分がクソ面白くないからに違いないと自己批判して、管工事の試験もすっかり諦めモードに入ったので、今日から通常メニューに戻したいと思います。かと言って、これと言ったネタがあるわけでもないのでとりあえず“食品保存について”というテーマで攻めてみようと思う次第でありますが、いや、“かと言って…”と書いた瞬間、“加ト吉”という言葉が脳裏に浮かび、“冷凍食品”→“食品保存”と連想が進んでいったわけでありますが、これだけのネタで1回分の原稿をまかなうだけの自信はまったくないので、とりあえず“加ト吉”という会社の名前の由来について調べてみたいと思います。ま、おそらく、「創業者の名前が加藤吉衛門だった。」という類の、調べてみるだけ無駄だったなぁ。…という結果に終わるであろうことは目に見えているわけですが、えーと、調べてみた結果、よくわかりませんでした。創業者が加藤義和という人なので、“カト=加藤”であることは、ほぼ間違いないんですが、“キチ”のほうがよくわかりません。“義和”の“ヨシ”をとって、縁起のよい“”という字を当てて“キチ”と読ませたのかも知れないし、あるいは“キチ○イ”の略称かも知れないし、あ、“キ○ガイ”という言葉は放送禁止なので、ネットの世界ではもっぱら“基地外”といった当て字が使われているようなんですが、“ロリータ”はもっぱら“炉利”という漢字が使われてますよね。で、“サーバ”の定番は“”であるわけですが、サバというのはたいへん腐りやすいサカナとして知られております。僕もそうです。ちょっと掲示板のカキコが途絶えたりするとすぐに腐って、「グレてやるぅ!」とか思ってしまいます。いけません。で、とりあえず今日は“腐る”ということから検証を始めてみたいと思うんですが、そもそも、モノが腐るというのはどういう現象なのでありましょうか?

 腐敗のメカニズムを世界で初めて解明したのはパスツールであると言われております。パスチンキではありません。あ、パスチンキというのは富山の薬売りが置いていく外用消炎鎮痛剤の商標名でありまして、ま、トクホンチールとか、アンメルツヨコヨコなどのパチモンにあたるわけなんですが、いや、パチモン呼ばわりするのが申し訳ないほど劇的な薬効があるんですけどね。何に効くのかと言うと、肛門の痒みによく効きます。コドモの頃、ぎょう虫が湧いたのか、肛門部の激しい痒みに襲われたことがありまして、スーっとしていいかな?…と思って肛門に塗ってみたことがあるんですよね、パスチンキ。いやあ、効きました。痒みなど瞬時に吹き飛んでしまうほど劇的な効果がありましたが、それを遥かに上回る苦痛に襲われて、思いっきり後悔しました。パスチンキを塗ってみようか?…などと思い立った我が身の不徳を激しく責めたりもしましたが、後で使用上の注意をよく読んでみると、“粘膜に使用しないこと”と書いてありました。それを早く言えって!…と思わずにはいられませんでしたが、“使用上の注意をよく読んでお使いください”って書いてあるやん!…と言われたら、それまでなんですけどね。しかしこの話、どこかに書いたことがあるような気がするなぁ?…と思って調べてみたら、やっぱり書いてありました。“肛門にサロンパス”というキーワードで検索したら、ちゃんとヒットしました。コドモの頃、肛門がとても痒くなったことがございまして(←蟯虫でも涌いたか?)、あまりの痒みに耐えかねて肛門にサロンパスを塗布したことがございますが、アレは効きました。もう痒みなど忘れ去ってしまうほどの激しい痛みに襲われた次第でありますが…と、ありました。塗布したものがサロンパスだったりパスチンキだったりするところが僕のいい加減なところでありますが、肛門がとても痒かったことと、チンキ系の薬剤が強力にしみたことだけは間違いないわけでありまして、ま、コドモというのは得てして、この手の珍奇な体験をするものなんですけどね。

 で、パスツールです。古来、モノが腐るというのは“ばい菌が自然に湧いてくるから”だと思われていたわけですが、腐敗の原因が“ばい菌”にあることは何となく知られていたんですよね。ちなみに“腐敗”という言葉は広義では腐ること全般を意味するわけですが、狭義ではたんぱく質が腐ることを“腐敗”と呼ぶんだそうです。で、炭水化物の場合は“発酵”と呼んで区別するそうなんですが、いや、嘘かホントか知りませんけどね。僕の感覚だと、腐っても食えるのが“発酵”で、腐っても食えるけど、食うと下痢をするのが“腐敗”…といった感じがするわけなんですが、でもって、“腐敗”をもたらすのが“ばい菌”で、“発酵”をもたらすのが“いい菌”で、痒みをもたらすのが“インキン”であると。で、インキンの痒みにはチンキ系の薬剤が有効なのではないか?…という気がするわけなんですが、いや、肛門で懲りたので試してみたことはないんですけどね。手元が狂って先っちょのあたりに薬剤が付着したりすれば、想像するだに恐ろしい事態が起こるであろうことはまず間違いなく、あるいは腫れたりするんですかね?あまりの苦痛に思わずブンブンと振り回しちゃうことにもなろうかと思いますが、その辺りの事情を巧みに歌いこんだスタンダード曲に「振っても腫れても」というのがありますな。あ、すいません。見栄を張るあまり、僕はちょっと嘘をついてしまいました。“ブンブンと振り回す”というところが誇張に満ちた表現であったことをお詫びして訂正しておきますが、で、パスツールの実験というのはアレですね。“尿瓶(しびん)”のような容器にスープを入れておいて、それを日なたに放置しておいても腐ることはなかったので、“ばい菌”というものは自然に湧いて出るものではなく、空気中に浮遊しているものである…と、まあ、そのようなことが判明した実験であったわけです。あ、“尿瓶”じゃなくて“白鳥フラスコ”というんですか、あの容器。確かにアレは口の部分が細すぎて、用を足すにはちょっと厳しいかも知れませんね。僕だったらぜんぜん大丈夫なんだけどさぁ。…って、別に自慢して言うべきコトでもないんですけどね。

 では、モノが腐るのを防ぐにはどうしたらよいか?…ということになるわけですが、これは簡単です。ばい菌が増えないようにすればいいわけです。ばい菌をやっつけるには、あんぱんまんを呼んでくるのがいちばん手っ取り早いわけでありますが、バタ子さんがいつも連れている犬って、アレはやっぱりバター犬なんすかね?あ、名前は“チーズ”ですか。で、“チーズ”というのは発酵食品の代表格ですよね。概してウンコ臭かったりするので、腐ってるんぢゃないか?…と誤解する人もいるかも知れませんが、決して腐敗しているわけではありません。発酵しているだけです。で、写真を撮る時に、人は何故“ちーず♪”と言うのか?…という問題は、僕の中では長年の課題であったわけなんですが、ま、要するに“ちーず♪”と声に出すと、ニッ♪と笑ったような顔になる…ということなんでしょうな。ま、得てして撮られるほうではなく、撮影者のほうが“ちーず♪”と言ってる場合が多いような気もしますが、その問題点を改善したのが「1たす1は?」「2っ♪」という方法であるわけです。これならまず確実に“ニッの顔”になるわけでして、“ちーず♪”の時のように、タイミングがずれて“ズの顔”になっちゃう失敗も避けられます。ちなみに韓国では“キームチっ♪”と言って写真を撮るそうですが(←マジ?)、チーズにしろキムチにしろ、いずれも発酵食品であるところが面白いですよね。となると、八丈島では当然、こうでありましょう。“クーサヤっ♪”…って、いや、何だかとっても爽やかな笑顔が撮れそうですなぁ。

 で、何の話でしたか?モノが腐るのを防ぐには、ばい菌が増えないようにすればいい。…というところから話が逸れていったんでしたね。で、ばい菌が増えないようにするにはどうすればいいのかというと、えーと、まずは塩漬け。塩というのは何となく殺菌作用もありそうだし、歯茎を引き締めるのにもよさそうなんですが、周囲から水を奪い取る作用があるところがポイントなんですかね?塩蔵はエエんぞぉ。…と、橘家円蔵も言っておりましたが、個人的には月の家円鏡という名前のほうが好きでしたけどね。で、以外なことに、砂糖漬けというのにも保存効果があるんだそうです。コドモの頃、ナメクジに塩をかけると溶けるけど、砂糖をかけると膨らむ…というガセネタがありまして、ワラにもすがる気持ちで自らの“ナメクジ状のブツ”に砂糖をかけてみたことがあるんですが、いや、かけてみたことがあるという人の話を聞いたことがあるんですが、まったくといっていいほど効果はありませんでした。いや、効果はなかったという話でありました。ま、それも当然の話でありまして、ナメクジに塩をかけると溶けるのは「辛いから。」という理由ではなく、ナメクジの水分を奪い取っちゃうからなんですが、専門的な用語を駆使すると、塩には潮解性がある…ということになりますね。で、砂糖にもこの作用がありますので、ブッ掛けてみたところで萎縮こそすれ、けっして大きくなるようなことはありません。無駄な足掻きでしたなぁ。。。で、砂糖漬けの保存効果を応用したものにジャム・マーマレードの類があるわけですが、九州方面に修学旅行に行った児童・生徒がよく買ってきて顰蹙を買う“ザボンの砂糖漬け”なんてのもそうですよね。どのように顰蹙を買うのかというと、「またこんな虫歯になるようなもん、買うてきてぇ。。。」と、お母さんの顰蹙を買うことになるわけなんですが、もう20年ぐらい前になりますが、中学の修学旅行で北九州に行ったとき、『ザボンの砂糖漬け』なるお菓子が行く先々で売られていて、あまりのしつこさに、とうとう一袋購入したという思い出があります。…と、滋賀出身大阪在住の女性が告白しているように(←勝手に引用、ゴメンね。) そうそう、あまりのしつこさに思わず一袋買ってしまうんですよね。ザボンの皮の部分を砂糖漬けにしたもので、素材の持つ苦味と砂糖の甘みとのバランスが絶妙で、思ったほどクソ不味いものでもないんですが、確かに虫歯には原初的に悪いような気がしないでもありません。

 で、続いては“冷蔵・冷凍”という食物の保存方法です。これは、“ばい菌は寒さに弱い”という性質を応用したものなんですが、ただ“ばい菌”というのは熱さのほうに比べると“寒さ”にはわりと大丈夫なようでありまして、冷温下ではお盛んに増えるということは無いものの、決して死滅しているわけではなく、よって冷蔵庫に入れておいた生牡蛎なんぞを取り出して、炎天下に5時間も放置したりすれば、ばい菌はたちまち元気を取り戻して大繁殖しちゃいます。いけません。そこで新たに考え出されたのが“缶詰”という手法でありまして、これは確か、ナポレオン・ボナパルトの発案ではなかったかと。戦時中の保存食として国民からアイデアを募集して採用が決まったそうなんですが、その時の賞品はやはり“桃缶1年分”とかだったんですかね?ところで、僕は常々から疑問に思っていたんですが、どうして缶詰になる桃というのはすべからく“黄桃”なんですかね?黄桃などという果物は生の状態で八百屋の店先に並んでいるのを見たことがないし、“白桃の缶詰”というのもポピュラーではないような気もするんですが、コドモの頃は「白い桃にシロップの色が染み込んで、黄色くなっちゃうのか?」とか思っておりました。で、今、ふと思ったんですが、果物系の缶詰というのはすべからくシロップ漬けになっておりますが、これはやはり先程の“砂糖漬け”の原理と“缶詰”の併用で、保存性をより一層高める効果があるんですかね?“缶詰”というのは恐らく、食べ物と空気を遮断することによりばい菌の繁殖を防いでいるんでしょうが、今ひとつ信用のおけないところがないわけでもなく、事実、大森屋の棚に長期間に渡って放置されていた“イカ缶”は完膚なまでに腐ってましたからね。で、その“缶詰”の脆弱性を克服するために開発されたのが“レトルト”という手法でありまして、これは恐らく高温殺菌した食べ物を真空パックにしちゃうんじゃないかと。ここまでくると、かなり先端的なテクノロジーを駆使しているなぁ。…といった感じなんですが、もっと原始的にして効果的な保存方法というのもございます。“干す”、もしくは“乾す”というのがその手法なんですが、ばい菌というのは水分がないと生きてはいけないので、乾してカンピンタンにしちゃえば、これでもう安心。ま、確かに排水機場の除塵機で打ち上げられたヌートリアの死体も、まだ生乾きのうちは激しい勢いで腐敗が進行しておりましたが、何日か天日に干されてカピカピになってからは、意外と長持ちしてましたもんね。“アジの干物”なんてものは、まさしくこの“ヌートリア理論”を応用したものでありまして、その他、カンピョウ干しシイタケなど、乾燥モノというのは枚挙に暇(いとま)がありません。枚挙に暇がないわりには、思いついた食品がカンピョウ干しシイタケの2つしかないんですが、あ、切干大根なんてのもそうですか。高野豆腐なんてのもありますよね。高野豆腐の場合、ただ乾燥させてカピカピにするわけではなく、“凍り豆腐”という別名が示すとおり、凍らせて内部の水分を取るという、かなり高度な技術が用いられております。今でいう“フリーズドライ製法”というヤツでありますな。ま、いずれにせよ、乾されると食品は長持ちするし、栄養価も増えるし、うまみも増えるしで、いい事ずくめなんですが、いやあ、昔の人はうまいことを考えたものでありますなぁ。

 ところで最近、“塩サバ通信”がホサれているような気がして、僕はちょっと腐っているんですけどね。もともと腐りやすいサバの身であるとは言え、塩漬けにされた上にホサれてもいるんだから、腐っている場合ぢゃないかな?…という気もするんですが、一層のこと、会社を1ヶ月ほどサボって、ホテルに“カンヅメ”にでもなって執筆に専念出来れば、腐らずにすむんですけどねぇ。。。とまあそんなわけで、おしまい。

 ということで今日はハロルド・ランドです。しかし、今日も暑いですなぁ。こうも気温が高くなると、ますます腐っちゃうわけでありますが、相変わらず掲示板はカンコってるし、僕が“阪神タイガース・スーパーキャッチャー”を買って以来、タイガースは絶不調だしぃ。何でもいいけど井川は早く床屋に行けって!…と思わずにはいられませんが、一層のこと、トラ刈りにでもしますかね?…と、つまらないギャグで空気が寒くなったところで本題に参りましょう。ハロルド・ランドです。ジャズランド盤です。前にも書いた覚えがあるんですが、“ジャズランドのハロルド・ランド”というのは韻を踏んでいて、いいですよね。何だか楽しそうだし。“ドリームランド”とか“養老ランド”といった施設を思い出してしまいますが、あ、“養老ランド”というのは岐阜県の養老町にある遊園地のことで、決して年寄り向けの施設というわけではありませんので、念のため。じゃ、ヤングなら喜ぶのか?…と言われるとあまり自信はなくて、おそらく幼稚園児でも「“長島すぱーらんど”のほうがいいっ!」とダダをこねるのは明白なんですが、ま、 東洋健康ランド よりはマシなのではないかと。岐阜店の8月のイベントなんか、“南條隆・スーパー兄弟 芝居公演”と、“お楽しみビンゴゲーム”ですもんね。“スーパー兄弟”の一員の“キティ花子”というのは、ちょっとイイかな?…という気もするんですが、あるいは「キティちゃんのお芝居だよー。」と言っておけば、幼児は騙されてついて来るかも知れませんね。ま、あとで、「おかーさんの嘘つきぃ!」と、さんざん非難されるであろうことは目に見えてますけど。で、ハロルド・ランドです。黒人ながら西海岸で活躍した人でありまして、よってたまにニューヨークに出てきてレコードを吹き込んだりすると、“ハロルド・ランド・イン・ニューヨーク”などという副題が付いちゃうわけなんですが、『イーストワード・フー!』というのがアルバム・タイトルなんすかね?試しに『Eastward Ho!』というのを翻訳ソフトにかけてみたところ、“ほう東の!”の出てきて、今ひとつ釈然としないものがあるんですが、どうもこれ、前にもレビューしたような気がしてならんのですけどね。トランペットにケニー・ドーハムが入っていて話題にも事欠かないし、わりと書きやすそうなジャケットなので取り上げたことがない筈がないんですが、ざっと調べてみたところ、それらしき形跡は見られませんでしたので、重複覚悟で解説を加えていきたいと思います。

 えー、トランペットはドーハムなんですが、リズム・セクションは地味です。アモス・トリスのピアノに、クラレンス・ジョーンズのベース、ジョー・ピーターズのドラムスって、アンタら、誰?…と、インドネシアのアンタラ通信で話題に取り上げて欲しいくらいでありますが、いや、インドネシア人もあまり興味はないと思いますけどね、この3人のプロフィールなんか。が、ジャズは顔ではありません。太股です。いや、太股は関係ありませんね。暑さのあまり、ジャズギャルがごっちゃになってしましましたが、ジャズは演奏が勝負であります。で、ここまで書いたところで床屋に行って来たんですが、いや、井川クンに勧告しておいて、自分が行かないというのはアンフェアかなと思いまして。これでもう、堂々と苦言を呈することが出来ますね。下柳は早くヒゲを剃れって!…とか。いや、最近テレビで見たことはないので、いつの間にかさっぱりしていたりするのかも知れませんけど。ということでまずは1曲目ですが、コール・ポーターの「ソー・イン・ラヴ」でありますか。ちなみに僕は“アルプスの少女ハイジ”に登場するペーターがわりと好きなんですが、ポーターというのはあまり好きではありません。“我が心のランキング”では、山羊のユキちゃんペーターポーターウンコ …となっておりまして、ま、ウンコよりはマシ?…といった程度の位置付けにあるわけなんですが、この「ソー・イン・ラブ」は悪くありませんでした。もう、桑員(そういん)地区で第3位くらい?…といったところなんですが、員弁(いなべ)は東員町を除いて合併して、いなべ市というのになるそうです。桑名市長島町(←ジェットコースターが事故った“長島スパーランド”があるところ)、多度町(←爆発したゴミ発電所があるところ)と合併して、新・桑名市になります。で、桑員(そういん)地区というのはそういう地区を示す名称でありまして、そこで第3位ということは、あまり大したことではないんですが、ラテン調の賑やかなイントロに続いてランドがミディアム・テンポでテーマの一節を歌い上げ、続いてケニー・ドーハムが登場します。AABA形式の曲なんですが、最初の“”がランド、次の“”がドーハム、“”の部分をランドが吹いて、最後の“”が2人のハモり…といった構成です。いや、いいですね。桑員地区で3位といったレベルではなく、全国大会に出ても、島根の江の川高校程度の成績は残すかもしれません。で、ソロ先発はドーハムなんですが、いや、いいですな。普通に吹いても哀歓の漂うキャラなんですが、コール・ポーターの曲に実によくマッチしております。特にソロの後半はテーマ・メロディの断片をうまく散りばめたところがやや“ブルー・ボッサ的”でありまして、で、続いてはランドのソロですね。この人はいいです。ドライブ感があって、破綻がなくて、堅調で、浣腸という、ま、どちらかというと通好みのキャラなんですが、続いては期待度0%のアモス・トリスのピアノ・ソロです。この人のスタイルは…と、論調を加えようとしたところで終わってしまうような短いソロでありまして、仕方がないので次にまいりましょう。クラレンス・ジョーンズのピチカート・ソロです。この人はイントロからえらく目だっていたんですが、なかなかの実力派であるというふうに認識しました。で、後テーマは“”の部分から入って、コンパクトにうまくまとめておりますな。ということで以上、実に正統的なハード・バップ。…といった感じの演奏でありました。

 はい、次。2曲目の「トリプル・トラブル」はピアニスト、アモス・トリスのオリジナルでありまして、タイトルは“三角関係のもつれ”といった意味でありましょうか?あ、“三角関係”には“Eternal Triangle”という立派な熟語がありますので、もしかしたら違うのかも知れませんが、いずれにせよ“三角関係”もうまく“3P”にまで持っていければ、円満解決…という気もするんですけどね。いや、そんな簡単にコトは済まないような気もするんですが、トリプルだけにワルツ・タイムになっているところが印象的なナンバーでございます。哀愁っぽく盛り上がりそうで、もう一歩のところで盛り上がりきれない…といった、微妙な曲調なんですが、ソロ先発のランドのプレイも何だか微妙なところですね。その点、ソロ2番手のドーハムは“哀愁路線”に徹して存在感をアピールしております。が、ここでの聴きものはなんといっても作曲者、アモス・トリスのピアノ・ソロでありましょう。ちょっぴりクールなパウエル派?…という気もするんですが、今ひとつ捉えどころのないところもあって、さほど“聴きもの”でもないかな?…という気がしないでもありません。で、今ひとつよくワカランうちに、今ひとつ盛り上がりきれないテーマに戻って、おしまい。うーん…。ということで3曲目です。「スローリー」はタイトルどおり、ゆったりとしたテンポのナンバーでありまして、バラードと言ってもいいかも知れません。アモス・トロスの弾くピアノのイントロが綺麗です。“金沢でかねた寿司”の中トロと同じくらい魅力的なイントロでありまして、いや、先日久しぶりに入ってみたんですが、中トロのお値段は360円(だっけ?)と、思ってたよりもリーズナブルでありました。500円かと思っていたんですよね。が、問題は「おっ、甘エビやん。」と思って手にしたネタでありまして、何気なく食ってみたら非常に美味だったんですが、後になってネタが乗っていた小皿をしみじみと眺めてみると、何だかえらく絵柄が豪華なんですよね。中トロの皿よりも高級な感じでありまして、慌てて“甘エビ”の値段を調べてみると220円くらいだったんですが、さらにメニューを目で追っていくと、“ぼたん海老・500円”の文字が。いやあ、そうと分かっていればもうちょっと味わって食べるべきでしたなぁ。普通の甘エビだと思って食べてましたからね。ちなみにこの店は基本的に高いネタは注文して握ってもらうシステムなんですが、ごく普通の甘エビみたいな顔をして、コンベアでゆっくりと回転してましたからね。ま、それはそうと「スローリー」なんですが、テーマ部はランドのワン・ホーンであります。この人の吹くバラードはさほど感情に溺れることはないんですが、ま、それなりにはしみじみとしてますよね。プレスティッジ時代のコルトレーン@バラード・バージョンにちょっとだけ似てるかも知れません。で、アドリブ・パートに入ると倍テンポになって、今度は元気ハツラツとした演奏が堪能出来ます。ま、これはこれでいいんじゃないですかね?で、続いてはドーハムの登場です。倍テンポ・モードがそのまま持続しておりますので、どちらかというと、ややお間抜けな演奏を聴くことが出来ます。で、短いピアノ・ソロのあとベースのピチカートがあって、このクラレンス・ジョーンズという人はアルバム全体を通して意外と目だっておりますな。で、スロー・テンポに戻ることなく後テーマに突入して、最後のところだけはさすがにスローになって、おしまい。

 ということで4曲目です。その前にちょっと気になって“ぼたん海老”について調べてみたんですが、ネット懸賞で“ぼたん海老”が当たった人が、このようなコメントを寄せておりました。(前略)尿酸値がなんだぁ!プリン体なんて屁のカッパっ!通風なんて・・・・ちょっと怖い(爆)。…って、“痛風”の字が間違ってはおりますが、どうやらプリン体の多いエビのようでありますな。ま、身がプリプリしているからそれもやむを得ないかな?…という気もするんですが、で、4曲目は「オン・ア・リトル・ストリート・イン・シンガポール」という曲です。“シンガポールの小途にて”といったところですかね?シンガポールというところは『キンタの大冒険』で歌われた、“松蔭、シンガポールを恋しがる”というフレーズで有名なところですよね。で、何ともこれがエキゾチックな曲調でありまして、ま、シンガポールというよりも何だか中近東っぽいところはお慰みでありますが、なかなか魅力的なナンバーであると言えるでしょう。ソロ先発はハロ・ランで、勢いに乗ったドライビングなフレーズを連発しております。ブラウン=ローチ・カルテットで演っていた「パリの目抜き通りで」を思わせるようなところもありますよね。いや、曲名のコンセプトが何だか似たような感じなので、ふとそう思っただけの話なんですが、僕の発想なんて所詮はその程度のレベルですからね。で、続くドーハムのソロはアレですな。ナントカというアルバムに入っていた、ナントカという曲でのプレイによく似た感じですよね。ちょっぴりランドのソロとのつながり具合がよくないかな?…という気がしないでもないんですが、いや、何だかフレージングが細切れ過ぎて。で、続いてはアモ・トリのピアノ・ソロです。相変わらす捉えどころのないスタイルなんですが、その後、テナー→ドラムス→トランペット→ドラムスの4バースがあって、気分はとっても盛り上がります。で、中近東なテーマに戻って、おしまい。

 さ、ラストですね。このアルバムは全5曲入りと、普通のものに比べると1曲少ない感じがするんですが、最後を飾る「オーケイ・ブルース」が12分23秒と、やや長めの演奏になっているので、帳尻は合っております。このアルバムで唯一のランドのオリジナルなんですが、タイトルの“OKAY”というのは“O.K.”に掛けてあるんだそうです。でもって、“O.K.”というのはリバーサイド(傍系レーベルのジャズランドを含む)のプロデューサーであるオリン・キープニュースの頭文字でもあるわけです。…といった事情が原文ライナーを読んでみるとなんとなく浮かんでくるわけでありますが、ブルースだから単純なリフ物かな?…と警戒していると、いかにもファンキーなムードを称えた佳曲でありましたので、すっかり安心しました。これなら12分23秒もの間、耐えられるかも知れませんね。ランド、ドーハム、以下略…と続くソロも実にいい感じでございます。ということで、このアルバムはおしまい。あ、今日の後半はいつもよりちょっぴり短めでしたかね?仕方がないので“懺悔のコーナー”を併設しておきますが、すいません、昨日会社で貰ったカブトムシ、逃がしてしまいました。いや、帰りがけに「カブトムシ、いらん?」と声を掛けられて、一瞬、塩サバ2号ジュニア1号でもくれてやろうか?…と思って、ビニール袋に入れて持って帰ってきたんですが、帰る途中で次第に面倒になってきて、家にたどり着いた瞬間に捨てました。いや、車で走っている途中に窓から捨てちゃおうか?…とも思ったんですが、地面にベチャっと落ちてクルマに撥ねられでもしたら寝覚めが悪いので、家までは我慢しました。ビニール袋の中でバタバタと暴れまくる実に邪魔くさい野郎でありまして、逃げたいのか?…と思っていたら、そのくせ袋をさかさまにして振り回しても必死で袋にしがみついて落ちようとせず、うっとうしいので木の枝にバシっと叩きつけたところ、ようやく往生…いや、ようやくどこかに姿を消しました。ということで、いただいたカブトムシはどこかできっと元気に暮らしていることと思いますので、安心してくださいね。ということで、今日はおしまい。

【総合評価】

 いやあ、いいですなぁ、カブトムシ。いや、カブトムシは別にどうでもいいんですが、このアルバムは実にいいですね。懸念されていたリズム・セクションも、皆様のご迷惑にならない程度には健闘しておりますし、何といってもドーハムのプレイが“らしさ”全開で、嬉しい限り。ハロルド・ランドという人も、もうちょっとニューヨークで仕事をしていれば、それなりに人気もあがったんでしょうが、あ、そうそう、エバラのオオタケさん(←まだ若い)、しばらく痛風で会社を休んでいたそうです。皆さんも“ぼたん海老”の食べ過ぎには十分に注意しましょう。…って、500えんもすると分かっていれば、そうそう食えるもんでもありませんけど。


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