GETTIN’ AROUND (BLUE NOTE)

DEXTER GORDON (1965/5/28,29)

GETTIN' AROUND


【パーソネル】

DEXTER GORDON (ts) BOBBY HUTCHERSON (vib) BARRY HARRIS (p)
BOB CRANSHAW (b) BILLY HIGGINS (ds)

【収録曲】

MANHA DE CARNAVAL / WHO CAN I TURN TO / HEARTACHES
SHINY STOCKINGS / EVERYBODY'S SOMEBODY'S FOOL / LE COIFFEUR
VERY SAXILY YOURS / FLICK OF A TRICK
【解説】

 噂には聞いておりましたが、ついに僕のところにも来ました。何が来たのかというと、『最後通牒』と題されたメールなんですが、いやあ、ドキっとしましたなぁ。そもそも“最後通カレイ”という意味がよくわからず、“城下カレイ”に対抗して、どこかの漁協が新しい“ブランド鰈”でも売りに出したのか?…と思ったんですが、いや、何だかまったく食欲をソソられるものがないネーミングではあるんですけどね。やはり“城下カレイ”と張り合うなら、“印度カレイ”くらいのインパクトのある名前でないと駄目なような気がするんですが、よく見ると“”という漢字とは微妙に違っているような気もします。というか、カレイとは間違えへんやろ!…と言いたくなるほど、明確に違っているような気もするんですが、これはいわゆる“最後通牒(つうちょう)”というヤツでありますな。“つうちょう”と平仮名にしちゃうと、何だか迫力が半減…というか、70%オフくらいになってしまいますが、いきなり漢字で“最後通牒”と書かれたメールが送られてくると、ちょっとビビりますよね。僕もビビって、ちょっとちびってしまいました。これがもし“最高浣腸♪”とかだったらスカトロ系サイトからのスパムメールだろうと判断してゴミ箱に投げ捨てることも出来るんですが、何せ相手は“最後通牒”ですからね。これはただ事ではありません。

 メールを送りつけて来た相手も、何やらただならぬ気配を漂わせておりました。ここにその名前を出すと報復攻撃を受ける恐れがあって、ちょっぴりデンジャラスではありますが、僕もジャーナリストの端くれです。盆暮れの付け届けは大切なことだと思うし、ククレカレーだって大好きです。端くれではあってもジャーナリストである限り、多少の危険は承知の上で真実を公表すべきではないか?…という気がしないでもないので、勇気を出してその組織の名前を公表します。“青龍会城東支部”…って、わははははははははは。いや、笑ってはいけませんね。“青龍”という言葉の響きからして、何をしでかすかわからないアウトローな香りが漂っております。さがりを振り回して行司の判定にいちゃもんをつけるかもしれず、を引っ張られるくらいのことは覚悟の上で、もし隣にクルマを駐車しようものなら、バックミラーに肘打ちをくらわされるのは必至。いやあ、恐ろしい組織に目を付けられてしまいましたなぁ。で、“城東支部”というのがどこにあるのかよく知りませんが、意外とご近所だったりするかも知れません。というのも桑名には城東小学校というのがあって、その学区が“城東地区”と呼ばれているからなんですが、そういえばコドモの頃、塩サバ2号がよく、「上等、上等、城東小学校!」と言っておりましたな。コドモ心にも、なんてつまらん!…と思ってしまった次第でありますが、あの辺りに何やら“ソッチ系の組織”でも開業したんですかね?で、そのメールの本文というのはこんな内容でありました。

 < ご入金のお願い >

 ※これが最後のお願いです。

 あなたがご利用の、インターネット・コンテンツ利用料が未だに確認できません。現在までに何度かお願いの連絡をしましたが、入金の確認が取れません。これ以上入金をお待ちする訳にはいきませんので、来る平成15年7月30日(水)午後2時までにお支払い下さい。

 読み始めてすぐ、僕は大いに動揺してしまいました。インターネット・コンテンツ利用料と言えば、これはもう“有料すけべサイト”のことであるに違いなく、まったく身に覚えがない。…と言い切るには、あまりにも身に覚えがあり過ぎますからねぇ。ある程度は優良な有料サイトを選別したつもりだったんですが、何かの拍子で不良な有料サイトにアクセスしてしまったに違いなく、いや、これは大変なことになってしまいましたなぁ。が、いくつか腑に落ちない点もありまして、何度かお願いの連絡をした…と言われても、一度もそんなお願いをされた覚えはないし、それをいきなり“最後のお願い♪”と言われても、僕としては困ってしまうわけでありまして。それに第一、利用したとされるコンテンツのサイト名URLが何も書かれていないというのも何だか怪しいですな。これがもし、『女子高生ウフフ通信♪』(←通称『ウフ通♪』)の利用料金…とか書いてあれば、そういえばそんなサイトにアクセスしたことがあったような気もするなぁ。…という心当たりがまったく無いわけでもないし、URLが書かれていればそこにアクセスしてみて、内容によっては料金を支払うにヤブサカではないな。…という気分になったりするかも知れませんが、なにぶんにも情報に具体性がなさ過ぎます。それに有料サイトというのはカード決済や銀行振込みで入金されたことを確認した上でユーザー名パスワードが発行されるものでありまして、入金が確認されなければアクセス権を剥奪すればいいだけの話でありまして。これは放置しておいても別に問題はないな。…と僕は判断したんですが、メールの続きには恐ろしいことが書いてありました。

 尚、上記期限までに入金が確認できない場合、断固たる処分で臨む所存です。当社では貴殿の接続ログをデータベースに保存しています。ログから貴殿が接続に利用したプロバイダ・ISP業者を特定できます。プロバイダを突き止めれば、当社提携の調査会社を通じて貴殿の住所、氏名、勤務先を入手。その上で、改めてご自宅・お勤め先へ料金回収に直接担当者が行くことになりますので、宜しくお願い致します。

 何やら口調が妙にバカ丁寧なところが、より一層恐怖心をそそられますなぁ。“貴殿”ですからね。おでん饂飩なら食べたことがあるんですが、貴殿と呼ばれるのは初めてなので、何だかドキドキしちゃいますね。ま、幸いにも氏名や住所、勤務先までは知られてないようなので少しは時間を稼げると思いますが、しかし何ですな。有料サイトであるにもかかわらずユーザーの名前すら把握してないというのはどうかと思いますね。で、フリーメールならまだしも、プロバイダのアドレスにメールを送っておいて、接続プロバイダーをまだ把握していないというのも青龍クンの情報収集力の無さを露呈しております。ちょっと考えれば分かりそうなものなんですが、それにしてもわざわざ自宅や勤務先までお金を取りに来てくれるとは、なかなかサービスがいいですなぁ。…と思っていたら、その裏にはとんでもない画策が隠されておりました。

 その際には利用代金・延滞利息・督促費用、更に交通費・宿泊費を追加請求させていただきます。(一人1泊1万5千円。交通費はグリーン車・ビジネスクラス使用)

 グリーン車に乗るなって!…と思わずにはいられませんね。1泊1万5千円のところに泊まるなって!…という気もします。エチゴヤ旅館でええやん!…と、いい旅館を紹介してあげたい気分でいっぱいでありますが、ま、桑名に“エチゴヤ旅館”は無いので、紹介されても迷惑なだけだと思いますけどね。なら“六二旅館”や“記念碑屋旅館”という手もあるし、第一、城東地区に支部があるなら、日帰りケッタでええやん!…という気がしないでもありません。ま、“城東”というのはどこか別の“城東”かも知れませんので、この件に関してはとりあえず保留しておりますが、それでもなお支払いを拒否するとどうなるかと言うとですね、

 また、裁判訴訟・強制執行による差押さえ(給与差押え等)を含めた、あらゆる回収手段を講じます。それでも回収できない場合には、所謂、「回収専門業者」に債権を譲渡します。このような事態にならぬよう、くれぐれも期限までに入金してください。尚、これは最終的な通知であり、また、個々のお客様に対応する事は物理的に不可能であるため、メール・お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。下記要領にてお支払い頂ければ、迅速に延滞リストから削除しますので、重ねてご入金お願い致します。

 これはいよいよ、ただならぬ事態になってまいりましたな。所謂、「回収専門業者」に債権を譲渡された日にゃ、指の1本や2本の損失は覚悟しなければならず、場合によっては肛門裂傷といった事態にまで発展するかも知れません。しかし、これだけ具体性に欠けるメールを一方的に送りつけておいて、メールや電話での問い合わせには応じられないというのは、ちょっとワガママなんじゃないっすかね?ま、問い合わせをしようにも電話番号が書いてないので、何ともならんのですけど。

 【振込先】 三井住友銀行 渋谷駅前支店 普通206****
        ※(渋谷支店ではなく『渋谷駅前』支店です!)
 【入金額】 ¥30,500円
 【入金期限】 平成15年7月30日(水) 午後2時までに電信扱いでお願いします。

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通知人:青龍会(有)料金収納課
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 おお、有限会社だったんですな、青龍会。で、僕の身に危険が及んでも何なので、とりあえず口座番号の一部だけは伏字にしておきましたが、入金額“¥30,500円”の内訳が何にも書いてないのも不親切ですよね。“すけべ写真:20円×280枚、すけべ動画:300円×53本、すけべde生チャット♪:90円×100分”とか具体的な数字が書いてあれば、まったく身に覚えのない話でもないので、しょうがないかぁ。…という気にもなるんですが、“¥30,500円”って、“”と“”の両方を付ける必要は無いんじゃないか?…という気もしますよね。ちなみにこのメールが僕の手元に届いたのは7月27日(日)なので、入金期限まで3日間の猶予しかないということになります。ああ、ぼくはいったい、どうすればいいんでしょうか。。。

 とまあそういうことで、類似の被害が発生してないか?…と思って調べてみたところ、ありました。“あなたがご利用の、インターネット・コンテンツ利用料が未だに確認できません。”をキーワードにサイト検索してみたところ、山のように引っかかりました。かなり広く世間に出回っているメールのようでありますなぁ。文面の一部が微妙に違っているものも多いんですが、大意としてはだいたい、どれも似たようなものでありました。で、この手のメールを送りつけられた人がツッコミを入れているページも数多く見受けられましたが、その論調もどれも似たようなものでしたね。すなわち、利用したサイトに関する具体的な記載がないとか、初めてなのに“最後通牒”もクソもねーだろ。…とか、プロバイダから住所や氏名を割り出すのは困難。…といった点からこのメールの信憑性のなさを論じているわけですが、ただ“青龍会”という組織が登場するのは僕のケースが初めてのようですね。ちょっと気になって“青龍会”で検索してみたところ、かなりの数がヒットしたので「もしかして実在の組織か?」とビビってしまいましたが、大半は関係なさそうなページでした。清水寺の“青龍会(え)”というのもありましたが、まさか天下の清水寺が“すけべサイト”の運営に関わっているとも思えず、恐らくは別組織でありましょう。で、“青龍会城東支部”というのは該当が1件もありませんでしたので、とりあえずは放置しておいても大丈夫なのではなかろうかと。で、“一人1泊1万5千円。交通費はグリーン車・ビジネスクラス使用”というフレーズも、僕の調べた限りでは今回が初登場でありました。“青龍会城東支部”なりの新機軸なんすかね?有限会社の分際で生意気や。…と思わざるを得ませんが、ま、ネタ的にはけっこうオイシイものがありましたので、その意味では感謝しなければなりませんなぁ。

 ところで、現在貴殿が利用しております『塩サバ通信』のコンテンツでありますが、平成15年4月1日より有料(←1ヶ月¥3,000円)となっております。未だにご入金が確認されない方のところにはメールにて“最後通牒”が届くと思いますので、所謂、「回収専門業者」に債権が譲渡される事態にならぬよう、くれぐれも期限までに入金してくださいね。

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通知人:塩サバ物産(有)ぼったくり課
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 ということで、デクスター・ゴードンです。ちなみにこの原稿がUPされる頃には入金期限を過ぎているわけでありますが、おそらく自宅や勤務先にまで取立人が押しかけて来ているんでしょうな。気が重いですね。もっとも、全国に50人くらいはいると思われる塩通読者から4か月分の利用料金が入れば総額で60万円くらいにはなるので、3万500円六二旅館の宿泊代くらいは、ポンと払っちゃうんですけどね。六二旅館だから、どうせ6200円くらいのものでしょう。で、今日は『ゲッティン・アラウンド』です。…と言われても、あまりピンとこないかもしれませんが、ボビ・ハチ入り「黒いオルフェ」を演ってるやつ。…と言えば、わかる人はわかるでしょう。ジャケットでデックスが“けった”を漕いでるやつですよね。自転車に乗ってどこに行くのかと言うと、おそらく未入金分の徴収ではないかと思われますが、それにしても前回のジャケ絵は手抜きの極みでありましたな。あそこまでヤル気が起こらなかったのはベニー・ゴルソンの2枚以来ぢゃないか?…という気がするんですが、今日の僕もヤル気がありません。ということで、適当に軽く流しておきましょう。

 えーと、まずは「黒いオルフェ」ですね。確か、ブラジルのブラック黒人の美しさを称えた映画の主題歌ではなかったかという気がするんですが、もしかしたら映画の内容はぜんぜん違っていたかも知れません。あるいは“黒井おる平”という落語家を主人公にしたお笑い映画かも知れず、ま、“おる平”などという名前では“林家こぶ平”と同レベルの才能しかないに違いなく、さほど面白い映画になるとも思えないんですけどね。が、主題歌のほうはボサノバを代表する名曲として知られておりまして、ジャズの世界でも数多くのミュージシャンが取り上げております。ざっと思い付くだけでもポール・デスモンド『テイク・テン』や、ウエイン・ショーターの『ウェイニング・モーメンツ』、あとはえーと…、とりあえずそれくらいしか思い付きませんでしたが、このデクスターの演奏も世間では名演として知られていますよね。どのように名演として知られているかというと、まず最初に聴かれるバリー・ハリスのピアノがブルージーで素晴らしい…と。で、実際に聴いてみるとバリー・ハリスの弾くイントロは、確かにブルージーで素晴らしいですね。世評に間違いなしと言えるでありましょう。で、続くテーマ部でありますが、ゆったりしたテンポの設定がいかにもデックスらしい。…てなことが言われております。確かに通例の“黒フェ”に比べると、若干ではありますが“ゆるめ”ですかね?で、この人の持ち味はレイドバックした“後ノリ”にあるわけなんですが、その持ち味が十二分に発揮されたナンバーであると言えるでしょう。ボビ・ハチのヴァイブとのユニゾンというのも爽やかでいいですよね。…と、ここまで書いた時点で8月2日になったんですが、まだ現れませんなぁ、取り立ての人。で、“青龍会城東支部”の話題もぼちぼちネット上で見られるようになりましたが、どうやらホームページ開設者に集中的に送り付けられているようですね。“すけべサイトを利用してそうなWebマスター一覧”みたいなデータが流出しているんですかね?だとすれば、コウジくん推奨サイトの下のほうにあった“コギャル風呂盗撮”のサンプルを見て、思わず入会しちゃおうか?…と思ってしまった僕は充分にその資格があるわけですが、いや一瞬、コギャル風(ふう)の“呂盗撮”って何や?…と思ってしまいましたけどね。とまあそういうことで「黒いオルフェ」でありますが、ちなみに原題は「ブラック・オルフェウス」ではなくて、「マンハ・デ・カルナヴァル」となっております。ちなみに今日は“石取カルナヴァル”であるわけですが、何だかえらく静かでありますな。鐘やタイコの音がちっとも聞こえてまいりません。昨夜は夜中の0時から朝の4時頃まで、えらく盛大に騒ぎまくっておりましたが、さすがに疲れが出ましたかね?ちなみに僕の住んでいる町は“ノン・石取エリア”なので祭りといっても特に出番はないんですが、一緒に見に行ってくれる浴衣ぎゃるも予想どおり応募者皆無でありましたので、こうしてフテ原稿書きをしている次第でございます。で、演奏のほうはバリー・ハリスのブルージーなピアノのイントロで始まり、テナーとヴァイブのユニゾンでテーマが演奏されると。で、ソロ先発はデックスであります。余裕のあるリラクシゼーションとでも申しましょうか?…と、孟子も申しておりましたが、肩肘の張らない吹きっぷりはこの人ならではの持ち味でありまして、…とか言ってるうちに石取祭が再開されたようで、うるさくて気が散って仕方ありませんな。リラクシゼーションの対極にある、ただ鐘とタイコを叩きまくるだけのデリカシーのかけらもない祭ですからなぁ。。。で、ボビ・ハチ、バリ・ハリの良好なソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで2曲目です。1曲目の解説の最後のところがあまりにも投げやりでありましたが、これもすべて石取祭のせいでありまして、ま、年に1度のことですので諦めてくださいね。ちなみにうちのおかんはこの町に嫁いできて、夏のある日、夜中にいきなり大騒ぎが始まったので、暴動でも起こったか?…と思って、大いに焦ったそうでございます。僕は子供の頃から聞いているので、祭りというのは、こーゆーものである。…という諦観が出来ているんですが、確かにジャズに耳を傾け、うんちくを垂れるには、ちと喧しい環境ではありますな。で、2曲目はバラードです。デックスのアルバムはA・B面各3曲で、それぞれ真ん中(CDで言うと2曲目と5曲目)にバラードを持ってくる。…という作りのものが多いような気がするんですが、このアルバムもその構成になってますね。で、「フー・キャン・アイ・ターン・トゥ」です。名前がとってもありふれている佐藤秀樹クンの書いた日本語ライナーによると、トニー・ベネットの歌でヒット、ほかにもカーメン・マクレエなどの歌でも知られるもので、イギリスの名コンビ、アンソニー・ニューリーとレスリー・ブリカッスによって作られた曲…とのことでありますが、アンソニー・乳輪レスリー・ぼろっかす?知りませんなぁ、そんなコンビ。だいたい僕は乳輪よりも乳頭のほうが好きだし、で、豆乳というのはあまり好きではないんですが、デックスの演奏はいいですね。まず、ハリスのトリオをバックにデクスターがワン・ホーンでテーマを1コーラス。で、続いてボビ・ハチが奏でるテーマにデックスがオブリガードをつける形で1コーラス。ここらの演出が心憎い馬鹿ですね。いや、心憎いばかりですね。アイラ・ギトラーはゴードンがまるで腕の中に美しい女性を抱くかのように、この曲を愛すべきものとして扱っていると書いているが…と秀樹クンが書いているが、このフレーズ、前にもどこかで引用したような覚えがありますなぁ。もしかしてこのアルバムをとりあげるのって、2回目?…という嫌な予感がして調べてみたところ、おお!今日は阪神、勝ってるやん。ここのところ調子が下降気味なのでちょっと心配してたんですが、さすがは井川クンですなぁ。8回表を終わって5−0なので、今日は大丈夫でしょう。が、僕の腹具合のほうは思いきり下降気味でございます。クソ暑くて冷たい水をガブ飲みしてたんですが、おかげでウンコのほうまですっかり水っぽくなってしまいました。…って、そんなことはとりあえずどうでもよくて、“アルバムのダブり疑惑”でありますが、ざっと調べた限りでは大丈夫そうなんですけどねぇ。。。ま、このギトラーの言葉は見なかったことにして先に進めますが、あ、そうそう。今まで会社に私物のパソコンを持ち込んで原稿書きやらアップロードやらに励んでいたんですが、この度、社物に一本化されることになりまして。余計なソフトを入れるな!…というご通達ですので、これから勤務時間中の更新は厳しくなっちゃうかも知れませんな。更新時間は夜の10時以降ということでご理解のほど賜りたく存じますが、しみじみとした人間性に溢れた、とってもいいバラードだったと思います。

 で、3曲目です。あなたの股間にカミナリが落ちるほどの衝撃を与えられるコト間違いなし!!…って、いや、ちょうど今届いた出会い系サイトのスパムメールなんですが、最近、こんなのばかりですなぁ。ちょっと前までは“沖縄はもう梅雨明けしたみたいだけど、女の子の股間は梅雨明けすることはない!!”というのがよく来ておりました。僕には何のことだかさっぱり意味がわからないのでとりあえず放置しておきましたが、“ずっと湿りっぱなし”ということなんすかね?…って、よく意味がわかってるぢゃん。…という気がしないでもないんですが、「ハートエイクス」ですかぁ。直訳すると「心臓の痛み」ですかね?で、“心臓の痛み”と言えば、今日読んだザウルス文庫“ぷろぜくと・X”シリーズの『奇跡の心臓手術に挑む』というのは感動しましたな。ウインドの時間潰しに木曽川べりで読んでいたんですが、涙が止まらなくなって困りました。とりあえず川の水で顔を洗ってごまかしたんですが、で、「ハートエイクス」というのは“悲嘆”とか“心痛”とか“苦悩”と言った意味なんですね。おお、アメリカ人にもそのようなセンシティブな感情があったんですかぁ。何かこう、新鮮な発見?…という気がするんですが、アル・ホフマンが31年に作曲、47年にリバイバルとしてヒット、テッド・ウィームスのレコードが有名である…とのことであります。ゴードンがメディアム・テンポのリズムに乗って快調のソロをとり…とありますが、ミディアムちゃうか?…という気がしないでもありません。“快調のソロ”というのも日本語になってないしぃ。が、曲のほうはいかにも歌モノらしい軽快な作品でありまして、デックスの最も得意とする素材であると言えるのではないでしょうか。…という気がしないでもないので、細かいことは別にいいんですけどね。自然に溢れ出るかのような淀みのないフレーズがとっても“快調の”でありまして、続くハッチャーソンとハリスのソロもいいですね。ということで、次です。「シャイニー・ストッキング」はベイシー楽団のオハコでありまして、作曲したのはフランク・フォスターです。このフォスターという人はいい曲をたくさん 残してますよね。「故郷の人々」とか「オールド・ブラック・ジョー」とか。…って、それは違うフォスターのような気もしますが、フランクのほうのフォスターが作った「きらきらストッキング」も、実にキャッチーなメロディのキュートなナンバーでありますな。ちなみに僕はストッキングにはまったくソソられるものを感じない“ナマ脚主義者”なんですが、この曲だけは素直に称賛ミコナゾールしたいと思います。で、デクスターという人は、一生に一度でいいからカウント・ベイシー楽団で演奏してみたかった。…という願望を胸に秘めていたそうでありますが、その思いの丈をぶつけたかのような魂のこもったプレイが聴く人の胸に迫ります。…って、ま、演奏自体はいつものヨタ者風なんですけど。

 で、5曲目です。順番からするとバラードなんですが、「エブリバディズ・サムバディズ・フール」という曲です。日本語にすると、「みんな誰しもアホや」みたいな?タイトルからしてアホみたいな曲を想像してたんですが、実にしみじみとしたバラードでありました。デックスのバラード演奏はアメリカの保守的なジャズ・ファンに絶大なる人気を誇っているそうでありますが、日本の保守的なジャズ・サイトのWebマスターが聴いても、やっぱりいいですね。なんちゅうかこう、安心感があります。ゆとりもあります。蚊取りもあるし、しりとりもあります。楽しいですよね、しりとり。ま、個人的には“尻撫で”や“尻お触り”のほうがもっと楽しいかも?…という気もするんですが、ちなみにこの曲ではボビ・ハチくんはテーマ部だけの参加となっております。その分、バリー・ハリスのピアノをたっぷりと楽しむことが出来る仕掛けとなっておりまして、この人もバラード・プレイには定評があるので、演奏が悪かろうはずがないよね。…と、悪い家老も褒めておりました。いやあ、悪い家老でもジャズを聴いたりするんですな。おまけに「〜ないよね。」って、家老のくせにやけに軽い口調ではありますが、ピアノ・ソロに次いで登場するデックスのテナーも、さすがに余裕綽々といった感じでありますな。ということで6曲目です。デックスのオリジナルで「ル・クワフール」という曲です。フランス語のタイトルは“ヘア・ドレッサー”の意味らしいんですが、鮭師匠がいつぞや、アホみたいな曲…と言っていたような気がしないでもありません。確かにアホみたいな曲なんですが、こういう能天気な作風もデックスの一面を捉えたものと言えるのではなかろうかと。「フライト・バナナ」とか、アホみたいな曲を作ってますからね。で、演奏はリラックスそのもの…といった感じで、アルバムの最後を飾るには、ま、無難なところではなかろうかと。で、アルバムとしてはこれでおしまいなんですが、僕の持っている日本盤CDにはオマケ曲が2曲入っております。別テイクではなくて、まったくの“サラ曲”なので、こういうのは嬉しいですよね。しかも2曲ともデックスのオリジナルでありまして、曲・演奏とも、本編に収録されたものとまったく遜色はございません。調子こいて演奏してたらLPの収録時間をオーバーしちゃって、やむなくお蔵入り…というのが真相でありましょう。特に「ヴェリー・サクシリー・ユアーズ」はお間抜けなヘア・ドレッサーよりも出来がいいくらいで、ビリー・ヒギンズ特有のドラミングも堪能することが出来ます。ハード・バップの楽しさがぎっちりと詰まった宿便のような演奏…と言えるのではなかろうかと。で、最後の「フリック・オブ・ア・トリック」もブルージーで悪くないです。ということで、おしまい。

【総合評価】

 ボビ・ハチ入りなので、新主流派風?…と思ったらぜんぜんそんなことはなく、演奏はあくまでもデックスのペースです。ボビ・ハチはあくまでも添え物でありまして、彼目当てで聴くと、ちょっぴり脱力するかも?いずれにせよ、リラックスしまくったセッションでありまして、しかしなんですな。腹具合が芳しくないというのに、相変わらずまた冷たい水をがぶ飲みしちゃいました。夜中に下痢で目が覚めるのは必至。…という状況でありますが、ま、いいやぁ。阪神勝ったしぃ。


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