STOCKHOLM SOJOURN (PRESTIGE)

BENNY GOLSON  (1964/7,8)

STOCKHOLM SOJOURN


【パーソネル】

The International Jazz Orchestra , arranged and conducted by BENNY GOLSON
with solos by :
BENNY BAILEY (tp) BENGT-ARNE WALLIN (tp) BO BROBERG (tp)
CECIL PAYNE (bs) RUNE FALK (bs) GRACHAN MONCUR 3 (tb) EJE THELIN (tb)
ROMAN DYLAG (b)

【収録曲】

STOCKHOLM SOJOURN / TRYST / ARE YOU REAL / GOODBYE / WALTZ FOR DEBBY
MY FOOLISH HEART / A SWEDISH VILLA / I REMEMBER CLIFFORD
THE CALL
【解説】

 今日は“蚊取り線香”について考えてみたいと思います。前回、このコーナーで“ゴキブリホイホイ”について考えてみましたので、順番としてはそうなります。 “蝿取り紙”という手もありますが、あれは華がないですからね。昔、うちの近くに“大森屋”という八百屋がありまして、いや、ここは今でも立派に営業を続けているんですが、経営者のヒロシくんは何気に顔が森喜朗に似ていたりします。で、このヒロシくんというのは僕の叔父でもあったりするので、子供の頃はよくお遣いに行かされたものでありますが、この店にも“蝿取り紙”はぶら下がっておりました。どの辺にぶら下がっていたのかというと、“ケンミンの焼きビーフン”とか“タマノイのパーポー”が置かれていた棚を西側の入口から見て、その左斜め上のあたり。…といえば、大抵の人は「ああ、あそこね。」と、頭の中に店の見取り図が浮かんで来ると思いますが、ちなみに製造後10数年が経過した“イカ味付缶詰”とかは、西側の入口から見ていちばん左奥の棚に配置されておりました。“みつまめ”とか“みかん”とか“黄桃”の類はまだ目の届く範囲にあったんですが、“イカ”の類となると踏み台でも持ってこない限りは手に出来ないような高所に安置されておりました。こんなところに置いておくから、10何年間も売れ残るんや!…と、コドモ心にもツッコミを入れずにはいられませんでしたが、問題のイカ缶は封を開けた瞬間、その周囲には物凄い臭気が漂った。…と、さば家に残された古文書には記載されておりました。この事件は確か、“さば家歴代10大ニュース”の第2位にランクインしていたのではないか?…と思われますが、第1位は無論、“さば家、火事で燃える”なんですけどね。で、3位には“電気ストーブの加湿装置(←昔の電気ストーブにはそういう機能があった)の水を入れるカップにミルクを入れて温めたら、壊れた”という重大な事件が取り上げられております。いわゆる“加湿器過失事件”ですね。説明書のどこにも「ミルクを温めてはいけません。」とは書いてないぢゃないか。…というので、いわゆる“PL法論争”のきっかけになった事件でありましたが、いや、「水以外のものを入れないでください。」と書いてあったにもかかわらず、注意書きを無視してミルクを入れて温めたところ、壊れた。…という証言もあったりして、その真相は深い闇に包まれているわけでありますが、あとはえーと、“稲葉有治、ヘルメットをかぶり、寝る。”ですか。

 そのそも、どうして“大森屋”なのか?…という点からして、親戚中の誰もがその真相をよく知らんのですが、ヒロシくんは僕と同じ“いなば”という名字だし、地名も“大森”とはぜんぜん関係ないしぃ。酒屋の“三河屋”みたく、八百屋の商号はすべからく“大森屋”とすべし。…という通達が出されたという話も聞かないし、ま、それはともかくとして、“大森屋”には“蝿取り紙”がぶら下がっていたと。そしてそれは、いついかなる時にも“大漁”でありました。もう、他のハエが飛んできても引っ付くだけのスペースが無いほど、接着面にはびっしりとハエが付着しておりまして、それはコドモ心にも「汚いやん!」と思わずにはいられないような光景でありました。あたりを元気に飛び回ってくれていたほうが、まだ清潔なんぢゃないか?…という気すらするほどでありましたが、ということで“蝿取り紙”の思い出は、以上です。ちなみにあれ、“リボン型ハイトリ紙”というのが正式な名称のようで、カモヰのハイトリ製造所というところが1930年に作ったのが始まりのようですねで、続いては“蚊取り線香”です。こいつの起源は“リボン型ハイトリ紙”よりも、かなり昔にまで遡るのではないか?…というのが僕の予想なんですが、あれの原材料は“除虫菊”ですもんね。“蝿取り紙”のネバネバ接着剤みたいなハイテク工業製品に依存しない分、例えば縄文時代あたりから“蚊取り線香”の元祖みたいなものがあったとしても別に不思議ではないわけです。例えば近所のコドモが空き地で火遊びをしていたら枯れ草に燃え移って、おかげで蚊が寄ってこなくなって、とっても助かった。…みたいな話が、どこの部落の古文書にもきっと残されていると思うんですよね。“第3話:放火魔少年の意外な発見”みたいな。ちなみに僕は子供の頃から火が嫌いで、理科の実験でアルコールランプに火を着けたりとか、家庭科の時間にガスコンロに火を着けたりとか、キャンプファイヤーの余興で花火に火を着けたりといった着火作業が大の苦手でありました。おかげで今でも人妻との危ない火遊びなんかに走ったりしない健全なオトナに成長したわけですが、えーと、そんなわけで“蚊取り線香”の起源ですね。

 えーと、今から1000年ほど前、アラビアの青年、アラビアン・ひろし(仮名)が野原に咲く白い野菊をギャルにあげたと。しばらくするとその菊は枯れちゃったので、ギャルはそれをゴミ箱に捨てたと。するとそのゴミ箱には虫がたからなくなったと。その菊こそ何を隠そう、シロバナムシヨケギク除虫菊)だったのである。…というのがどうやら“蚊取り線香”の原型らしいんですが、いや、除虫菊がアラビア起源だったとは知りませんでしたな。で、調べてみたら意外と面白くない話だったので、僕は内心焦っているところでありますが、この除虫菊の成分を原材料にして“渦巻き型の線香”に仕立て上げたのが、いわずと知れた“キンチョーの蚊取り線香”でありますな。ちなみにこの“キンチョーの蚊取り線香”を作っている会社はキンチョー株式会社ではなく、大日本除虫菊株式会社というのが正式名称です。“キンチョー”というのは商標名で、“鶏口となるも牛後となることなかれ”という中国の諺に感銘を受けた創始者が“金のニワトリ”をトレードマークにしたのがその由来なんだそうです。それが今では“蚊取り線香といえばキンチョーいちぢくといえばカンチョー”と並び賞されるほどの優良企業に成長した次第でありまして、いやあ、立派なものですな。ま、除虫菊の成分を練りこんで線香状に仕立てる…というところまでは誰でも思いつくんですが、それを渦巻状にしたというアイデアが秀逸ですよね。あれがもし1本物の棒状(←長さ100センチくらい)であったとすれば、線香立てを10センチに1個くらいの割合で設置しなければならず、それは極めて面倒な作業になるであろうことは想像に難くありません。気の短い人だと2個目を設置しているあたりで次第にイライラしてきて、3個目あたりで、「もう、いいっ!」と投げ出しちゃうに違いありません。で、4等分に折った“蚊取り線香”でお茶を濁すことになるんですが、長さが4分の1ということは当然、燃えている時間も4分の1になるわけでして、夜中の12時半頃に燃え尽きて、以後、蚊の大襲来に晒される破目になると。で、この4分の1という時間がまた微妙なんですよね。除虫菊の有効成分にやられた蚊は仮死状態になって畳の上に落下し、あと30分も煙に晒されれば完全なる蚊死状態になるわけなんですが、その“とどめの部分”で線香が燃え尽きちゃうものだから、せっかく死にかけた蚊が息を吹き返しちゃうわけであります。で、息を吹き返した蚊というのは殺されかけた恨みがあるものだから普通の蚊よりも凶暴化しておりまして、もう、やたらめったら刺しまくるわけであります。このような、半ば“川俣軍司化した蚊”というのは、もはやどうすることも出来ません。幸薄かった己の半生を顧みて、諦観の境地で蚊の攻撃を耐え忍びましょう。

 このむごい仕打ちは己の気の短さが報いたものだと言えばそれまでなんですが、長さ100センチにも及ぶ直線状の蚊取り線香を作ってしまったキンチョーの側にも責任の一端はありますよね。だいたい長さ100センチもの蚊取り線香なんてものは、よしんば気の長い人が無事設営に成功したとしても、狭い日本家屋の中では場所を取って仕方ありません。蹴躓くちゅうに!…と思わずにはいられません。だいたい長さ100センチの蚊取り線香というのは“蚊遣り豚”の中に入りませんよね。 “蚊遣り蛇”を作らなあかんちゅうに!…と、万古焼業者でなくても愚痴のひとつもこぼしたくなりますよね。“蚊遣り豚”と“土鍋”が主力製品ですからね、万古業界。で、これらの諸問題を一挙に解決するアイデアというのが“渦巻き型”という発想でありまして、キンチョーの創業者はラーメンの上に乗った“ナルト巻き”を見てこの意匠を閃いたと言われております。(“プロジェクトX” 〜挑戦者たち『ナルト巻きが蚊の川俣軍司化を防いだ!』より。)ちなみに“キンチョーの蚊取り線香”は“大森屋”でも売られておりました。だいたい、“ケンミンの焼きビーフン”の下あたりに置かれておりました。何故そのようなポジションを選定したのか、ヒロシの意図は諮りかねまずが、同じ乾物やん。…くらいの認識だったのかも知れませんね。所詮はヒロシのやることですからね。で、この“八百屋の蚊取り線香”は店での位置取りにやや問題があったとはいえ、さば家での評判は上々でした。“一号館(←近所のスーパー)の蚊取り線香”よりもいい。…とされておりました。どのようにいいのかと言うと、「スーパーの蚊取り線香は安売りしているだけあって、八百屋の蚊取り線香より巻き数が少ないような気がする。」…とか言って、相対的に八百屋の蚊取り線香のほうが高く評価されておりました。ま、確かに同じ亀田の“カレーせん”でも、スーパーで買ったものはコンビニで買ったものに比べて味が薄いような気もするので、“スーパー安売り用特別手抜き説”というのもあながち間違いではないような気もするんですが、2つを比べて巻き具合を数えてみたことはないので、真偽のほどはサダカではありません。

 戦後の日本社会で隆盛を極めた“蚊取り線香”でありますが、近年は少し影が薄くなりましたね。“電子蚊取り器”の登場がその主な原因なんですが、確かにあれは灰の後始末の必要もないし、コンセントに差すだけなので、僕みたいな着火が苦手な人でもお手軽に使用することが出来ます。まさに文明の利器って感じぃ?ちなみにこの“電子蚊取り器”は昭和38年、世界に先駆けてフマキラーが商品化に成功したものなんだそうです。フマキラーというと何だかアッチっぽい名前でありますが、前身は大下回春堂という名前だったそうだから、ばりばりの和製企業ですよね。しかも何やら汚夢老師御用達といった感じっぽいネーミングでありますが、それが何故“殺虫関係”に走っちゃったのか、その真意はサダカではありません。で、フマキラーという商標は“フライ(蝿)”と“モスキート(蚊)”の“キラー(殺し屋)”という意味で付けられたそうでありまして、“フモキラー”では何やら不毛の気配が漂っているので、ちょっとひねって“フマキラー”としたのでありましょう。で、“ベープ”というのは、薬剤を蒸発させるという意味の“Vaporize”から取った名前なんだそうですが、“世界初”ということもあってか知名度は群を抜いて抜群で、電気蚊取り器の代名詞と化している感がありますよね。少なくともうちのおかんは、たとえそれが“キンチョーマット”であろうとも、「“ベープ”焚いといてー。」とか言ってますからね。これはおそらく、会社で五十を過ぎたおじさんがコピー機のことを“ゼロックス”と言ってしまうのと同じ病巣ではないか?…と思われるわけですが、かと思えばワープロ文書などをプリントアウトすることを“コピー”と言って混乱を招いたりして、こういうおじさん達と付き合っていかなければならないOLさんは、日々、気苦労が絶えないでしょうなぁ。

 で、この電気蚊取り器に関しては、僕にはひとつ画期的な新製品のアイデアがありまして、それは何かというと、“自動電源遮断機能付き電気蚊取り器”というものなんですけどね。発想自体は極めてシンプルなものでありますが、これはもう、売りに出せば大ヒット間違いなしではないかと思われます。朝、電気蚊取り器を切るのを忘れて出掛けてしまい、学校から帰って、「ベープ、つけっ放しやったで!火事になったらどうするの!」と語気強くお母さんに叱られた。…という経験は誰にでもあると思います。僕の家が燃えた原因は、おそらくそれではないか?…という気もするんですが、この“自動電源遮断機能付き電気蚊取り器”があればもう大丈夫。この電気蚊取り器は電源コードに極めて熱に弱い素材が使われているのが特徴でありまして、万一、スイッチを切り忘れて火事になっちゃっても、すぐにコードが焼け切れて電源が遮断されるようになっております。これでもう、とっても安心だね♪…ということで、蚊取りのお話はおしまい。

 ということで今日はベニー・ゴルソンです。しかし何ですな。今日の前半も書いているうちにワケがわからなくなって、最後のオチは無理矢理でしたな。無論、タイマーで切れるようにすればええやん。…という真っ当な意見もあったんですが、そんな普通のことを書いたら、「つまらん!お前の話はつまらん!」と一喝されちゃいますもんね。ま、“自動電源遮断機能付き電気蚊取り器”の話も決して面白いとは思えませんが、ま、いいよね、たまには。で、ゴルソンです。ゴルソン物の過去ログをチェックしていて気が付いたんですが、ゴルソン物のジャケ絵って、何だかとってもテキトーなものが多いですね。 こんなの とか、ああん、 こんなもの までぇ。僕はジャケ絵には全力投球するタチで、過去には2回ほどしか手を抜いた覚えはないんですが、その2つともがゴルソンというのは、どういうことなんでしょうね?ヤル気をソソられないルックス…ということなのかも知れませんが、類似形のジジ・グライスなんかは、わりとしっかり描いてますからね。で、今日はまだこれからなのでどうなるのかわかりませんが、とりあえず『STOCKHOLM SOJOURN』です。何と読むのかわかりません。『すとっくほるむ・そじょぅあーん』?で、わからないときには辞書を引けばいいわけですが、英和辞典には発音記号という便利なものが載ってますからね。 で、調べてみました。“そうじゃーん”?今ひとつ間然とする ところがありませんが、意味としては“滞在する”ということのようです。で、ジャケット的にはなかなか洒落た感じに仕上がっておりますが、バックの木々は描くのが面倒そうですなぁ。枯葉剤でもばら撒いて、全部枯らしたろかい?…と思わずにはいられませんが、オーケストラ作品ということで演奏的にもあまり多くは期待出来ませんな。フルチンならまだしも、フルバンってあまり得意じゅあないですからなぁ。いや、フルチンが得意!…と言い切れるほどりっぱなモノは持ち合わせておりませんが、とりあえず1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 まずはタイトル曲の「ストックホルムに滞在する」です。いい町ですよねぇ、ストックホルム。いや、僕は滞在したことはないんですが、少なくとも“すっとこホルモン”よりはいい町なのではないかと。うちの近所にあるんですよね、「すっとこ」という名前のホルモン屋。…って、ネタに困ってありもしない店を捏造してしまいましたが、「ひょっとこ」という名前の飲み屋ならどこかにあるような気がするので、ま、いいよね、たまには。で、これはアレです。ゴルソンのオリジナルらしいんですが、知らん曲であります。書き下ろしですかね?個人的には書き下ろしよりもなめこおろしのほうが好きなんですが……って、ネタに困って好きでもない食べ物の名前を出してしまいましたが、北欧の白夜を思わせる綺麗なメロディの曲でありますな。で、オーケストラのアレンジもいかにもゴルソンらしくって、いい感じですね。…と当たり障りのないことを書いておいて、ま、“フルバンもの”というのは概してこんなもんでしょうな。テーマに続いて何やらトランペットのソロのようなものが聴かれますが、“with solo by”のところに書かれたクレジットが正しいものとすれば、恐らくベニー・ベイリーではなかろうかと。ちょっぴり枯れたトーンで歌心に富んだソロを披露しております。で、続くバリトン・サックスはセシル・ペインですかね?いずれの楽器も何人かの名前が書かれておりますので、その真偽のほどはサダカではありませんが、で、その後はアンサンブル・パートに続いてトロンボーンのソロもあったりして、テーマの合奏に戻って、おしまい。ま、“フルバンもの”というのは概してこんなもんでしょうな。…ということを感じさせる1曲でありました。

 で、2曲目です。「TRYST」という曲です。「とりすと」、あるいは「とらいすと」ですかね?いずれにせよ“逢い引きの約束”とか“逢い引きの場所”といった、なかなかロマンチックな意味があるようです。ちなみに僕が理想とする逢い引きの場所山田精肉店の前…とかでありまして、で、何をするのかというと2人で仲良く合挽き肉を買うわけですね。「今夜はハンバーグにするのぉ♪」とか言って、で、夜には2人で仲良くマルシンハンバーグを食べるわけです。マルシンやったら合挽き肉、買わんでええやん!…という気がしないでもないんですが、手作りハンバーグのほうは彼女が焦がして駄目にしたったんですよね。「ああん、はんばーぐ、焦げちゃったのぉ。。。」と半泣き状態の幼な妻・貞子(72歳)を「いいよ、いいよ。」慰めて、スーパーにマルシンハンバーグを買いに行く夫のタカシ(96歳)。いいですなぁ。理想の老後ですなぁ。で、何でしたっけ?「トリスト」でしたか。これはアレですね。どこかで聴いたことのある曲ですよね。ワルツ・タイムの綺麗なナンバーです。低音楽器主体のアンサンブルで始まり、そこに“高音の部”が絡んでくるアレンジが、実に洒脱で解脱で滑脱でハーゲンダッツ。…といったナンバーに仕上がっております。美味しいですよね、クリスピーサンドの栗味。そんな味、あったかどうか知りませんが、なければ自分で作ればいいわけです。天津甘栗を挟むなどして。栗とクリームのハーモニーがなんともこう。。。ついでにサカナのハモを挟んで、そのハーモニーを楽しんでみてもいいかも知れませんね。ということで以上、管楽器のハモり具合が絶妙な1曲でありました。で、続く3曲目の「アー・ユー・リアル」はお馴染みのナンバーですね。言わずと知れた超有名盤、『モーニン』に入っていたゴルソンの代表曲のひとつです。典型的なゴルソン節を堪能出来るわけでありますが、これほどまでベタな曲を聴かされると、ペタジーニ、スペインへ帰れ!…と思ってしまいますよね。…って、関係ないし、ペタジーニはスペイン人でもないしぃ。で、ペタジーニ、ペタジーニ・・・、特に何も思いつかないので先に進みますが、テーマの後、誰だかよくわかんないトランペット・ソロがあって、誰だかよくわかんないバリサク・ソロがあって、…って、オーケストラ作品はソロイストが誰だかわかんなくて、書くことがないから嫌なんですよね。原文ライナーに何か書いてないっすかね?…と思って調べてみたところ、ありました。ワーリン(←誰?)とフォーク(←誰?)のようです。1曲目、2曲目のソロイストに関しても記載されておりましたが、面倒なのでここでは触れません。自分で調べてください。ということで、この曲はおしまい。

 で、4曲目にスタンダードの「グッドバイ」を持ってきましたか。この曲を演ってるガイジンって、結構いますよね。外国では人気のある曲なんすかね?ま、日本人の耳で聴いても確かに名曲だとは思いますが、オーケストラ演奏ちゅうのは4曲目くらいになってくると次第に飽きてきちゃいなドレスというのは結構ソソられるものがありますよね。佐屋町に新しく出来たフーゾク店が“浴衣スペシャル”だとかで、ウチの事務所のオカダくんが通い詰めているようですが、“チャイナドレス・マンチェスター”なんていうのもイイかも知れませんね。いや、何故“マンチェスター”なのか自分でもよくわからんのですが、とか言ってるうちに次の曲が始まりました。「ワルツ・フォー・デビー」って、意外とも言える選曲でありますが、この曲が入っているおかげで僕は思わずこのアルバムを購入してしまった次第でありまして、もうゴルソンの思うツボ。…といった感じでありますな。で、オーケストラで聴く“わる・でび”というのは、いったいどんな感じになるのか?…と興味津々だったんですが、ま、いかにもオーケストラで聴く“わる・でび”だなぁ。…といった感じの無難な仕上がり具合でありました。蚊もなく…いや、可もなく不可もなく。…といったところですね。フィーチャーされるのはワーリンセシ・ペンで、ティーチャーされるのはマチコ先生ですね。…って、思い余った挙げ句、ワケのわからんボケに走ってしまいましたが、ボインにタッチ!ああん、まいっちんぐぅ♪…とか言ってないで、アンタも先生なら、生徒をきちんと指導しろって!…と思わずにはいられないキャラでありましたな、マチコ先生。学校はフーゾク店ではありません。だいたい“ボイン”などというという言い方がおっさん臭くていけませんね。下品です。やっぱ、“乳(チチ)”やろ?…と思わずにはいられませんが、ウチの事務所のタケムラくんは“チーチク”(←チクワの中にチーズが入ったおつまみ)を食べる度に、「“チーチク”だか“ビーチク”だか知らんけど。」と、いつも同じギャグを言うので、ヤメて欲しいと思います。つまらん!お前の話はつまらん!…と思っちゃうんですよね。ま、確かに乳首というのは思わず“おつまみ”したくなっちゃうものではありますが、ということで次です。「マイ・フーリッシュ・ハート」…って、またベタな曲を持ってきましたなぁ。重厚なアンサンブルによる“私のバカ心”も、ま、悪くはないんですが、でもこれはやっぱり、ピアノで聴いたほうがいいよね?…という気がしないでもありません。

 ということで7曲目です。「ア・スウェディッシュ・ヴィラ」です。「ア・スウェディッシュ・びらびら♪」ではありません。“びらびら”というのも思わず“おつまみ”したり、拡げてみたくなったりするものでありますが、これも1曲目と同じくゴルソンの新曲なんすかね?わりとスローなテンポの曲が多いこのアルバムの中では、わりと硬派な出来でありまして、グラチャン・モンカー3世、セシル・ペイン、そしてフリューゲルホーンによるベント・アーン・ウォーリンと続くソロはどれもプロミネンスです。いや、“出色”という単語を調べたら“prominence”という英語が書かれていたので思わず使ってしまいましたが、ちなみにこの“出色”というの、“でいろ”じゃなくて“しゅっしょく”と読むんですね。つい最近まで知りませんでした。で、8曲目は「クリフォードの思い出」ですかい。いくら自作曲とはいえ、よくここまで恥ずかしい曲ばかりを選んだものでありますな。曲が曲だけにトランペットをフィーチャーした演奏となっておりますが、フィーチャーされているのはベニー・ベイリーのようです。ま、オーケストラによる“クリ思(おも)”というのは、こんなもんでありましょうな。…といった感じの素晴らしい演奏が繰り広げられます。で、最後の「ザ・コール」はCDおまけ曲です。典型的なゴルソン・サウンドを満喫することが出来ます。しかしなんですな。僕はこの“満喫”という言葉を目にすると、思わず“薬師丸…じゃなくて、よくしまる・まん…”という、コゾクラ1号のとっておきのギャグを思い出して、何やら不快な思いに襲われてしまうんですが、ということでまあ、今日はおしまい。

【総合評価】

 何だか最近、作風に爽やかさが欠如しているのではないか?…という悪評を吹き飛ばす、ゴルソン会心の“爽やかアルバム”でありますな。いや、爽やかさが欠如しているのはウチのサイトのほうではないか?…という意見もあろうかとは思いますが、しかし何ですな。あまりにもベタな選曲につられて思わず買ってしまった1枚なんですが、正直、飽きますね。アレンジ、マンネリだしぃ。で、聴いてみるとお馴染みの曲よりも、むしろ新曲の“ストックホルム&スウェーデンもの2曲”のほうが新鮮でよかったりします。えーと、以上です。


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