THE HAWK FLIES HIGH (RIVERSIDE)

COLEMAN HAWKINS (1957/3/12,15)

THE HAWK FLIES HIGH


【パーソネル】

COLEMAN HAWKINS (ts) J.J.JOHNSON (tb) IDREES SULIEMAN (tp) BARRY GALBRAITH (g)
OSCAR PETTIFORD (b) JO JONES (ds)

【収録曲】

  CHANT / JUICY FRUIT / THINK DEEP / LAURA / BLUE LIGHTS / SANCTICITY
【解説】

 今日は“レーザー”について研究してみたいと思います。無論、この分野はかれい技士が専門としているわけでありまして、僕など、とても太刀打ちできないほどのムチ打ちの技術を持っているそうなんですが、シロウトにはシロウトなりの岸部シロー感というのがあると思うんですよね。借金をかかえて、「ルックルック」をクビになっちゃったね。…とか。で、僕が“レーザー”に関してどれくらいシロウトであるかと言うと、実は“レーザー”と“レーダー”の区別がつかなかったりします。いや、区別がつかないことはないんですが、時々、この2つがゴッチャになったりします。そこに“”の“レザー”と、“剃刀”の“レザー”が加わったりすると、事態はより一層深刻になってまいります。ムチにしてしばくのが“レザー(皮)”で、脱毛するのが“レーザー”で、剃毛するのが“レザー(剃刀)”というのは分かるんですが、これを英語で書けと言われたら、僕は泣きますね。そこでまあ、今日はとりあえず“剃刀”の“レザー”について考えてみたいと思うんですが、いや、まだ“レーザー”よりはとっつきやすいかなと思いまして。で、“カミソリ”です。しかしなんですな。“剃刀”と書いて"カミソリ”…って、知っているから読めるようなものの、知らなければ絶対に読めませんよね。“”を“そり”と読むのはまだ分かるんですが、“”のほうはどうあがいても“かみ”とは読めませんよね。万一、“”を“かみ”と読めるんだとしても、“刀剃”じゃなくて“剃刀”なわけだから、これを“かみそり”と読ませるためには、途中に“レ点”を入れなければなりません。そこまで苦労して“剃刀”を“かみそり”とは読みたくねーや。…と思ってしまいますよね。恐らくこれは、日本古来からある“かみそり”という倭言葉に、中国伝来の“剃刀”という漢字を当て嵌めたものなんだと思いますが、“かみそり”という言葉の由来は簡単明瞭です。髪の毛を剃るから“かみそり”。とっても分かりやすいですね。古来、日本で“かみそり”というのは、出家する際の“剃髪用”として用いられていたわけでありますが、それがいつの時代に、どのような経緯によって下の毛を剃るための“剃毛用”に成り下がってしまったのか、今後の研究がまたれるところでございます。で、中国の“剃刀”という漢字も分かりやすいですよね。剃るための刀だから、“剃刀”。ま、たかが“カミソリ”ごときに“”という漢字を持ち出すのは、ちょっと大袈裟なんぢゃないか?“剃刃”くらいでイイんぢゃないか?…という気がしないでもないんですが、ま、中国人には中国人なりの考え方があるわけなので、他民族がとやかく言う筋合いはありませんよね。

 …というのが、僕の“剃刀=かみそり”の語源に関する説なんですが、また“語源ネタ”かい。…とか、そういうことを言ってはいけません。そういうことを言ってしまうと、このサイトのWebマスターはいじけるか、もしくは、「他にネタがないんだから、仕方ないぢゃん!」と開き直るかのどちらかの態度に出るに違いなく、ま、どっちに転んでもうっとうしいだけの話なので、心の中で思っても決して口には出さない。それがオトナの態度というものだと思います。で、調べてみて、もし間違っていたら癪なので、この話はこれで終わりにしておこうと思いますが、続いてはいよいよ本題の“レーザー”のお話です。が、“レーザー”の話に入る前に、ちょっと“ギョーザ”の話をしておきましょう。ギョーザは美味しいです。ということで、本題です。僕はシロウトなのでよくわからんのですが、レーザーというのは光の一種なんですかね?ま、“レーザー光線”という言葉があるくらいだから多分そうなんだと思いますが、光線といえば昔、“こうせん”という食べ物がありましたよね?いや、今でもおそらく“こうせん”という食べ物はあるんだと思いますが、オトナになってからはまったく食べなくなっちゃいましたね。あんなもん、所詮はコドモの食べ物ですからね。で、我が家では“こうせん”という食べ物をどのようにして食べていたのかというと、そのまま食べておりました。が、“こうせん”というのはそのまま食べても美味くもなんともない食べ物でしたので、細かく砕いた黒砂糖を混ぜて、ほんのり甘みをつけた状態にして食べておりました。それにしても“こうせん”って、アレはいったいどういう食べ物だったんでしょうね?形状としてはまったくの“”なので、アレはきっと何かの穀物を粉にしたものなんだと思いますが、小麦粉でもないし、きな粉でもないし、米粉でもないし、蕎麦粉でもないしぃ。で、調べてみました。麦の粉でした。で、この“こうせん”というのは、たとえ黒砂糖で味付けをしてみたところでさほど美味しくもなく、むせっつい(←方言?)だけのものでしたので、僕たちはあまり好きではありませんでした。僕たち…というのは、塩サバ1号同2号の兄弟のことなんですが、“こうせん”というのはさほど美味しくもなかったので、食べるというよりむしろ、遊び道具として活用しておりました。どうやって遊ぶのかと言うと、“こうせん”を口に含んで、それを勢いよく吹き出し、「“こうせん銃”(←光線銃のもじり)だー!」と言って遊んでおりました。いや、今から思えばアホな子供でしたな。ま、幼少だった弟の塩サバ1号のほうは仕方がないとして、それより5歳も年上だった塩サバ2号が、口から“こうせん”の粉を吹いて「こうせん銃だー!」と叫んでいたというのは、かなり問題のある光景だったという気がしますね。

 で、“こうせん”が出たからには、“蟹工船”についても語らなければなりません。“こうせん”と“蟹工船”では、アタマに“”がついているかいないかだけの違いですからね。“こうせん”だけ取り上げて“蟹工船”を取り上げなかったりすると、さばさんはいつも“こうせん”ばかり贔屓するぅ。…と、“蟹工船”がイジケちゃうおそれがあります。それくらいのことで、いちいちイジケるな!…と思わずにはいられませんが、“蟹工船”といえば筒井康隆「蟹甲癬」という小説がありましたな。頬っぺたが蟹の甲羅になっちゃうという奇病のお話でありまして、頬っぺたの蟹味噌を食べたりするわけなんですが、個人的に“蟹味噌”というのは、あまり好きではありません。うざこらしい(←標準語?)ところが僕の美意識にはそぐいません。“蟹味噌”という名前だから、ちょっと食ってみようか?…と考える物好きも出てくるんでしょうが、アレがもし“蟹クソ”という名前だったりしたら、誰も食おうとしないに違いありません。で、“”でありますが、タラバガニが実は蟹の仲間ではなかったということを君は知っているかな?僕は知りませんでした。先ほど“蟹味噌 正体”で検索して、初めてその事実を知りました。蟹味噌の正体は“中腸腺”(←肝臓とすい臓をあわせた臓器らしい)だったのか!…という事実もショックでしたが、それ以上に“タラバガニはカニではなかった説”というのは衝撃的でした。中学生の頃、“カニシカ王はカニしか食べなかったわけではなく、エビだって食べていた!”という話を耳にした時と同じような衝撃を受けました。で、タラバガニはどうしてカニではないのかというと、脚が8本しか無いからなんだそうです。カニじゃなければいったい何なんだ?…というと、ヤドカリなんだそうです。タラバガニともあろうものがヤドカリごときと同じ仲間だったりして、そんなことでホントにいいんですかね?ちなみに僕はヤドカリにはあまりよい印象を持っておりません。子供の頃、夜店で見かけて激しく惹かれるものを感じ、お小遣いをはたいて買ったんですよね。で、僕は“ヤドちゃん”だったか“カリちゃん”だっかか忘れましたが、とにかく名前まで付けて可愛がっていたわけです。が、ある日、大きくなった“ヤドちゃん”だか“カリちゃん”だかは、背負っていた貝殻から外に抜け出しちゃいました。このままでは死んじゃう!…と、大いに焦った僕はオヤに泣いて頼んでサザエを買ってもらい、好きでも何でもない、というか、むしろ大嫌いだったサザエを壷焼きにして食べ、その殻をヤドカリに与えてみたんですが、ヤドカリサザエの殻には見向きもせず、結局そのまま死んでしまいました。なんちゅう、人の心をわからんヤツや!…と思いましたね。壷焼きにして食ったろか!?…とまで思ってしまったほどなんですが、いや、きっと不味いだろうからヤメておきましたけどね。

 で、レーザーです。レーザーはどうやら光線らしい。…というところまで話が進んでいたと思います。というか、そこまでしか話は進んでいなかったと思います。で、シロウトの僕にわかる範囲はそこまでなんですが、レーザーLASER)という言葉は“Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation”の頭文字をとって並べたものだったんですな。日本語にすると“放射の刺激された放出による軽い拡大”(←翻訳ソフトの出力そのまま)という意味になるようですが、ま、早い話が“折り込み都々逸”みたいなものなんですな。要は“7・7・7・5”の音で作った都々逸のアタマの言葉を並べて“れ・え・ざ・あ”という言葉になれば、レーザーを完全にマスターしたと言えるのではなかろうかと。いや、論点が根本から間違っているような気がしないでもないんですが、とりあえず今日のところは都々逸でお茶を濁しておこうと思います。

<お題:“れ・え・ざ・あ” その(1)>

 ・レモン一片(ひとひら) エチュードにのせ ザルツブルグに 秋が来る

 > ザルツブルグの秋。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(2)>

 ・霊感の強い 英国人が 座敷童子(わらし)と 遊んでる

 > 霊に国境なし。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(3)>

 ・レニングラードで えんがちょすれば ザイール人だって アラブ人

 > 人種に国境なし。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(4)>

 ・レッカー移動か えらいこっちゃ 雑貨屋の車 あらへんやん

 > 雑貨屋、駐禁。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(5)>

 ・レイクサイドで エンジェル達が ザザ虫たくさん 集めてる

 > 湖畔の天使達。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(6)>

 ・ 蓮根フライやん ええ加減にせえ 残飯ぶちまけて 暴れるでぇ

 > トンカツ屋でランチを頼んで、一口カツだとばかり思っていた最後の一切れが蓮根フライだったと判明して、詠めリ。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(7)>

 ・ レイコ17歳 援交希望♪ 残念無念だ 青森やん。。。

 > 遠すぎます。


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(8)>

 ・ レーザー技士は エロ過ぎますな 座薬入れるか あんなとこ

 > ああん、そんなとこぉ♪


<お題:“れ・え・ざ・あ” その(9)>

 ・ レースのぱんつが 会陰(えいん)に食い込み ざばっと脱がせば あわびかな

 > ああん、そんなとこぉ♪


 アホらしいので、おしまい。

 ということで、今日からテナー編です。コールマン・ホーキンスです。オーネット・コールマンからコールマン・ホーキンスへ。スタイル的には時代を著しく逆行しますが、人名しりとり的には理にかなってますよね。今後の展開としては、ホーキンスホーキング博士ホーミングパッドという展開が考えられるわけでありますが、便利ですよね、ホーミングパッド陰イオン系界面活性剤(液体)をスチールウールに染み込ませるという発想が斬新でありまして、キャンプの際には必需品ですよね。よく焦げますからね、飯盒とか、カレーの鍋とか。ま、個人的には陰イオン系界面活性剤よりも“陰毛系海綿体活性状態” というのを好ましく思っている僕ではありますが、コールマン・ホーキンスというのは悪くないですな。ジャズ界におけるテナー・サックスの系図を遡ると、コールマン・ホーキンスレスター・ヤングという、2つの源流にブチ当たるわけなんですが、レスターの革新的な奏法に比べると、ホーキンスのほうはやや保守的に思われがちですよね。が、このおっさんは意外と柔軟でありました。その昔、僕は「じゅうなん体操」というタイトルのすべビデオを持っておりましたが、それに負けず劣らず柔軟でありました。一瞬、ブルマ姿で柔軟体操に興じているホーキングの姿が脳裏に浮かんで不快な気分になってしまいましたが、このおっさん、過去の栄光に甘んじることなく、ビ・バップやハード・バップのムーブメントにも積極的に身を投じるだけのフレキシブルな姿勢を持ち合わせておりました。えーと、“甘んじる”と“持ち合わせる”ですか。特に何も思い浮かびませんな。一瞬、“甘んじる”から、アタマの“あ”の文字を取った言葉が頭に浮かんだんですが自主規制して、『ザ・ホーク・フライ・ハイ』です。「鷹は高く飛ぶ」。いいですね。ダイエーファンには堪えられないタイトルでありますが、僕はパリーグでは近鉄が好きなので、別にどうだっていいです。今年の近鉄は調子がいいんだか、よくないんだか、今ひとつよくわからんのですが、オリックスが調子悪いということだけは間違いありませんね。レオン監督はカメレオンからカメを取ったような名前なので個人的には贔屓にしてるんですが、不憫ですね。ベイスターズの山下大輔カントクも不憫ですけどね。“ベイスターズを応援するスレ”では、「ハゲ!やめろ!」の大合唱ですからね。そもそも“大ちゃんス打線”などというワケのわからない名前を付けた時点で大ちゃんは終わったな。…という感じだったんですが、で、“ホーク”というのはアレです。ホーキンスのあだ名です。いいですね、格好よくて。同じあだ名でも、これがもし“カルメン”とかだったら、恥ずかしくて街を歩けませんもんね。ということでまあ、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 えーと、まずは「チャント」ですか。ピアニストとして演奏にも参加しているハンク・ジョーンズのオリジナルらしいんですが、いくらでも俳句が出来そうな曲目でありますな。「ねえちゃんと 風呂に入った ぼくスケベ?」とか、「かあちゃんと 風呂に入った ぼくマザコン?」とか、「とうちゃんと 風呂に入った ぼくマニア?」とか、アホらしいのでこれくらいでヤメにしておきますが、しかしリバーサイドにホーキンスのリーダー作があるというのはちょっと意外でしたな。サイドマンにもなかなか渋いところを集めてますよね。ピアノのハンク、ベースのおすぺ師匠、ドラムスのハゲ(注:ジョー・ジョーンズのこと)はまだ分かるとして、トランペットにアイドリース・シュリーマンを持ってくるところが渋いですね。あと、トロンボーンのJ.J.ジョンソンとギターのバリー・ガルブレイスが入って、なかなか賑やかな編成なんですが、ということで、「チャント」です。リーダーがホークということで、古臭い演奏なんとちゃうか?…と危惧していたんですが、そんな心配は無用でした。ちょっぴりモダンな中間派。…という程度にはモダンでした。“モダン・スイング”といった感じですかね?略して“モダング”。ちょっぴり“ザザンボ”(←渡辺文樹監督の映画。「失神します」が謳い文句。)に似てますね。が、3文字めの“”が同じだけやん。…という気がしないでもないので、ぜんぜん似てないと言ってもいいかもしれません。“ザザンボ”と“笹うんこ”も似てませんね。“ザザンボ”と“モカンボ”も似てません。“ザザンボ”と“酢昆布”も似てません。…って、似てないものをたくさん並べても意味が無いような気がするので、このへんでヤメておきますが、曲としてはシンプルなリフ・ブルースといった感じです。3管ハーモニーがそれなりにジャンピーです。えーと、ジャンピー、ジャンピー。・・・。特に思いつくことはありませんな。カンピョーとか、ヤンキーとか、似てないものは思いつくんですけどね。で、ソロ先発はコールマンです。やや中間派風ではありますが、ワイルドです。ま、いいんじゃないですかね。続くソロはシュリーマンです。よく歌うソロです。ま、いいんじゃないですかね。続くソロはJ.J.ですな。よく、この人のソロは完璧過ぎて、つまらん。…といった言い方をされるわけですが、こうして聴いてみると、まったくそんなことはありませんね。よく頑張っております。で、書くことがないままハンクのピアノ・ソロまで進んでまいりましたが、この人の癖のないスタイルはこの手のモダン・スイングな演奏にはぴったりでありまして、まさに“水を得た魚”と言うか、“水尾を得た大洋”というか、いや、ベイスターズがまだ大洋ホエールズという名前だった頃、水尾という期待のピッチャーがドラフト1位で入団したんですよね。思い切り期待外れのまま消えちゃいましたが、…とか言ってるうちに演奏のほうはテーマに戻って、おしまい。

 ということで、2曲目です。「ジューシー・フルーツ」はアイドリース・シュリーマンのオリジナルです。“ジューシー・フルーツ”というと、アレです。「ジェニーは御機嫌斜め」ですね。いや昔、そういう歌を歌ったグループがいたんですよね。ロリ声のギャル系ボーカルが可愛くて、いや、顔はどうだか知りませんが声が可愛くて僕はけっこう好きだったんですが、1曲だけで消えちゃいましたね。で、このシュリーマン版「ジューシー・フルーツ」はアレです。ジューシーでフルーティな曲です。若干、古めかしい気配が無きにしもあらずなんですが、絶妙なストップ・タイムがなんともレトロなムードを醸し出しております。サド・ジョーンズあたりが書きそうな感じの曲ですよね。で、ここでの聴きものは何と言っても、ソロ先発のシュリーマンが冒頭のところで聴かせる超ロング・トーンでありましょう。一瞬、CDに傷が入って音が止っちゃったのか?…と思ってしまったんですが、バックのコンピングはそれなりに変化してるし、バグってるわけでもなさそうですね。しかし、地味なシュリーマンが、これまた大きな勝負に出ましたな。今度から僕のこと、“ロングトーンのシュリマン”って呼んで。…という展開を期待してたのかも知れませんが、誰も彼のことをそう呼んでいないところを見ると、企画は失敗に終わったようですね。ま、いろいろあるから人生は楽しいわけだし、いや、彼にしてみれば「脳の血管切れるかと思うまで頑張ったのに、意味ないやん!」といった感じで、楽しくも何ともないに違いありませんが、それに続くソロはノーマルに歌心に溢れていて、悪くありませんな。最初から普通に吹いてればよかったのにぃ。…と思わずにはいられませんが、だって、目立ちたかったしぃ。で、続くホーキンスは余裕綽々、釈由美子。…といった感じでありまして、小細工することの小賢しさを言外に示しております。さすがは御大、だてに台風が温帯低気圧に変わったわけじゃねーな。…といった感じなんですが、続くJ.J.も、若いながらに若年寄的な落ち着きを感じさせ、ソロの途中で“カレーのフレーズ”だって聴かせてくれちゃいます。“カレーのフレーズ”というのは、昔、カレーのコマーシャルでこんな感じの曲が流れていなかったっけ?…と、過去に記憶を馳せずにはいられないフレーズのことなんですが、恐らく読んでいる人全員に僕の真意は伝わってないでしょうな。いいんだ、自分さえわかれば。で、続いてのソロはハンクですね。この人の演奏というのはよくも悪くも“紳士的”で、紳士肌着680円が似合うお年頃?…といった感じなんですが、弟のエルビンはもうちょっと安い、2枚で980円くらいの丸首ランニングシャツを着ていそうですけどね。汗かくから、安いのでエエんや。使い捨てやし。…みたいな。ある意味、贅沢な話ですよね。そんなことをあのケイコ婦人が許してくれるんでしょうか?で、エルビンといえばエルビン菅原クンと、ごんあじ嬢は元気なんすかね?最近、とんと連絡がございませんが、続いてベースのピチカート・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。

 で、3曲目です。「シンク・ディープ」です。スミスの曲です。いや、作曲者のところには、ただスミスとしかクレジットされておりませんので、いったいどこのスミスなのかはサダカではありませんが、アメリカ全土で1300万人くらいはいそうですもんね、スミス。で、これはアレです。ディープなスロー・ナンバーです。ホーン・アンサンブルをバックにホーキンスが貫禄のブロウを聴かせてくれるわけすが、これはアレですな。ギャング映画(死語?)の黄昏のシーンか何かのバックで流すと、ムード満点でしょうな。映画のタイトルはそうですなぁ、『黄昏のギャングスター』とか。…って、あまりにもそのまんまでありますが、じゃ、ちょっとひねって、『鷄そぼろのヤング酢豚』とか。酢豚に鷄そぼろを加えてヤング風にアレンジしたところが我ながら秀逸なアイデアではないかと思うんですが、いや、タレに埋没して、誰もその存在には気をとめないような気もするんですけどね、鷄そぼろ。「せっかく、脳の血管切れるかも知れんと思うくらい鷄そぼろを入れたのに、意味ないやん!」と、またしてもシュリーマンがイジけちゃうわけなんですが、いや、何も脳の血管が切れるまで気合を入れるほどのものでもないと思うんですけどねぇ、鷄そぼろ。で、演奏のほうはホーキンスのソロをフィーチャーした小品といった感じで、3分21秒で終わってしまうんですが、要は長さの問題じゃないんだよ。大切なのは中身なんだよ。…と、いつも3分21秒くらいで終わってしまう僕は言いたいですね。僕の場合、その肝心の内容が伴わないところがネックなんですが、いや、ここ数日の一日平均の実働労働時間のことなんすけどね。1週間で工程表1枚と施工計画書が2ページくらい進んだだけですからね。おかげで原稿のほうは多いにはかどりましたが、ホーキンスは大丈夫です。たとえ3分21秒でもきっちりと存在感を示しております。で、こういう演奏を聴くとアレですな。ホーキンスがジョニー・グリフィンに多大なる影響を与えていることがよくわかりますね。グリちゃんの黄昏のシカゴとかが似合うキャラですもんね。で、次です。「ローラ」です。僕は西城ヒデキの「傷だらけのローラ」が好きなんですが、「ギャランドゥ」もいいですよね。無論、「ヤングマン」もいいです。思わぬ不能に陥った時、「やんぐまん、さあ、起ちあがーれよ!」と歌って自らを鼓舞したことのある人も少なくないと思いますが、“バイ○グラ”よりも、ヤングマン。いや、歌ってどうにかなるくらいなら誰も苦労はしないアルよ。…と、神様ペレも言っておりましたが、そういえば昔、“カリーナED”という車がありましたね。で、「ローラ」です。ハンクの絶妙なイントロに続いて、ホーキンスが朗々とテーマを歌い上げます。ややや、あ、「や」がひとつ多すぎましたね。やや中間派風ではありますが、ワンホーンによるバラード演奏はさすがに貫禄を感じさせますな。風格があります。ホーくんはもうお兄ちゃんだから、ひとりでお買い物に行けるよね?…といった感じがします。うん、だいじゃぶだよ。ぼく、ひとりで行けるよ。…というからスーパー1号館までおつかいに行かせたんだけど、頼んでもいないカプリコ・ジャイアントなんか買っちゃって、お釣りが足りないぢゃない!…って問い詰めたら、「ああん、落としちゃったのぉ。。。」ってすぐにバレる嘘をついたりして、あの子もまだまだコドモねぇ。…って、それくらいしっかりとした風格を漂わせております。普通、ちょろまかすにしても30えんのカルミンくらいですよね。それをこともあろうにカプリコ・ジャイアントとは、彼の大物ぶりを如実に物語るエピソードでありますが、演奏のほうはテーマからそのままホーキンスのソロへと流れていって、途中、J.J.のソロを挟んだりして、終始オトナのムードで進んでまいります。で、こういう演奏を聴くとアレですな。ホーキンスがジョニー・グリフィンに多大なる影響を与えていることがよくわかりますね。…ということを前曲に引き続いて感じさせる1曲でありました。

 で、続いてはアレです。「ブルー・ライツ」です。街の灯りがとても綺麗ねヨコハマ、ブルーライト・ヨコハマ〜♪…という歌ではなくて、ジジ・グライスの曲ですね。ファンキー・ムード満点な日本人好みの名曲でありまして、ここでのホーキンス一家の演奏も3管アレンジが絶妙で、実によい仕上がり具合でありますな。このアルバムでもっともハード・バップらしい演奏と言えるんじゃないですかね?で、テーマに続いて、ここまでほとんど存在感がなかったギターのバリー・ガルブレイスが、そういえばそんな人、参加してたっけ?…といった感じなんですが、ここに来て初めて存在感を示して見事なソロを披露しております。ギター、弾けるんぢゃん。…といった感じですね。で、気持ち良くフレーズを紡いで、いよいよこれから佳境…というところになって、いきなりシュリーマンが出て来て強引にソロ・スペースを奪い取ってしまいます。ロングトーンと“鷄そぼろ酢豚”の恨みを、ここで…ということなのかも知れませんが、そういう態度はオトナとしてどうかなぁと思いますね。で、出だしは多少、強引ではありましたが、それなりに充実した吹奏を披露しております。バックにアンサンブルが絡むところもムード満点ですね。ヨードは卵ですけどね。で、続いてはハンクです。この人はアレです。今日もまたジェントルです。続くJ.J.も良好です。バックにアンサンブルが絡むところもムード満点です。ヨードは卵ですけどね。で、続いてベースのピチカートとドラムスの2バースという粋な演出があって、多いに盛り上がります。いや、盛り上がりはしませんが、地味に粋です。で、御大ホーキンスが登場してワイルドなソロを聴かせ(←ここでもまたグリちゃんばりに若い)、テーマに戻って、おしまい。うん、完璧ですな。ということで、ラストです。ホーキンスのオリジナル「サンクティシティ」はベイシー楽団風のハッピーなスイング・ナンバーですね。いや、これがホントにベイシー楽団風か?…と問い詰められるとあまり自信はないんですが、にぎやかなテーマに続く J.J.のソロなんか、実にスインギーなインキン。…といった感じですよね。股間の痒みにはキンカンがよく効くそうですが、やっぱりキンカン楽器というのはよいですな。…ということを感じさせるトロンボーン・ソロでありました。で、J.J.ソロの最後のところに出て来て、登り詰めるようなブロウを炸裂させるホーキンスが凄いです。で、炸裂したままテナー・ソロへとなだれ込んでいきますが、余裕のよっちゃんイカ的な吹きっぷりがよいですね。だてに伊達巻きが好物なワケじゃねーな。…といった感じです。続くシュリーマンもここではオトナのプレイに徹し、ブラウニー直系のトランペッターとしての実力を遺憾なくよっちゃんイカです。日本語になってませんね。で、ハンクの趣味のよいピアノ・ソロがあって、バックではハゲ・ジョーのドラミングもビシっと決まっていて、テーマに戻って、大ハッピーなエンディングで、おしまい。えーと、今日は以上です。

【総合評価】

 1、2曲目あたり、やや、古(いにしえ)の薫りか?…といった気配もあったんですが、たまにはこういう演奏もよいのではないかと。少なくともオーネット・コールマンよか楽しめるしー。個人的なオススメはやはり「ブルー・ライツ」でありますな。しかし何ですな。“ライチ”という果物は美味しいのか今イチなのか、今ひとつ判然としない食い物でありますな。…ということを「ブルー・ライツ」を聴きながらふと思った次第であります。ま、どうでもいいんですけど。


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