SOMETHIN’ ELSE! (CONTEMPORARY)

ORNETTE COLEMAN (1958/2/10,22,3/24)

SOMETHIN' ELSE!


【パーソネル】

ORNETTE COLEMAN (as) DON CHERRY (tp) WALTER NORRIS (p)
DON PAYNE (b) BILLY HIGGINS (ds)

【収録曲】

  INVISIBLE / THE BLESSING / JAYNE / CHIPPIE
THE DISGUISE / ANGEL VOICE / ALPHA / WHEN WILL THE BLUES LEAVE? / THE SPHINX

【解説】

 今日は“はんぺん”です。先日、コラムのところで“カマボコ”について考察したので、今日は“はんぺん”です。順番からすれば、次は“チクワ”を取り上げるのは筋ではないか?…という気もするんですが、“チクワ”で1回分の分量を賄えるだけの原稿を書く自信がありません。チクワ。最近、人気ですよね。某・消費者金融のコマーシャルでブレイクしましたね。…って、それはチクワやなくて、チワワやがな。…と、これだけ書いておしまいです。1回分どころか、わずか1行で終わっちゃいましたね。じゃ、何か?“はんぺん”だったら1回分の分量を賄えるだけの原稿を書けるのか?…と言われれば、たぶんそれは無理な話だと思いますが、策がまったくないわけではありません。“ハンペン”から“ルンペン”へと話を展開すればいいわけです。ハンペン。最近多いですよね。やはり不況の影響で仕事にありつけず、路上生活を余儀なくされる人が多いんですかね?…って、それはハンペンやなくて、ルンペンやがな。…というふうに話を持っていけば、1行半くらいは稼げます。ということで、“はんぺん”です。僕はわりと大きくなってから、「東京の“はんぺん”というのは、白いらしい。」…ということを聞かされて、かなりカルチャーショックを受けたものでありますが、“はんぺん”というのは地域によってぜんぜん違うものを“はんぺん”と称していたりして、かなりの混乱が生じているような気がしますね。少なくともウチのほうでは表面がこげ茶色の、いわゆる“さつま揚げ”のようなものを“はんぺん”と称しておりましたが、じゃ、白いハンペンのことは何と言っていたんだ?…というと、ウチのほうではそのような商品は売られておりませんでしたので、特に名前の付けようがなかったわけでありまして。

 そのような平和な“はんぺんライフ”を送っていたところに、いきなり殴りこみをかけてきたのが、“紀文のはんぺん”でありました。いやあ、白いハンペンというのはショックでしたなぁ。初めて見たとき、これは“ちょっと固い豆腐”の間違いじゃないのか?…と思ってしまったんですが、パッケージには紛れもなく“はんぺん”の文字が踊っておりました。僕はしばらく認めたくなかったですね。「こんなの、はんぺんじゃなーいっ!」…と、泣きながら両親に訴えもしました。が、返ってきた答えは僕にとっては非情なものでありました。「たかし、これが本当のはんぺんというものなんだよ。」…というのがその返答だったんですが、いや、「あんた、今まで“さつま揚げ”のことを“はんぺん”言うてたやん!」…と文句のひとつも言いたい気分でしたけどね。ま、それはともかく、あんた、いつから“たかし”になったんや?…という問題は置いといて、ちなみに関西では“さつま揚げ”のことを“天ぷら”と言ってるそうですな。いや、これもカルチャーショックでしたな。もし関西の定食屋で“天ぷら定食”を頼んで、出てきたものが“さつま揚げ詰め合わせセット”みたいなものだったりしたら、僕はきっと泣いちゃうと思いますね。泣きながら“さつま揚げのセット”を食べて、割り箸の袋に「こんなの天ぷら定食ぢゃないっ!」と書き残して、店を後にすることになろうかと思います。

 はんぺんさつま揚げ天ぷらたかし。現時点でもこれだけ混乱が生じているというのに、更に問題をややこしくしているのが静岡の“黒はんぺん”です。あ、もしこの原稿を『ジャまいか倶楽部』のWebマスターが読んでいたらきっと気分を害すると思うので、この先は読み飛ばして頂きたいんですが、アレは今から何年前のことでしたか。静岡県は藤枝市にある某トンネルで発電機の更新工事を受け持ったことがありました。例の“チャーハン男”の件ですね。で、これを読んだ人に「“チャーハン男”って誰や?」と質問されたりすると面倒なので補足説明しておきますが、“チャーハン男”というのはアレです。チャーハンを食べるのにレンゲを駆使する男のことです。左手にレンゲ、右手に箸を持って、右手の箸で一口分のチャーハンをすくって左手のレンゲに盛りって、それを右手で持った箸で食う。そういう男のことであります。チマチマした食い方、すな!…と、傍で見ていてイライラします。こういう男はラーメンだって同じような食べ方をしますね。左手に持ったレンゲでスープをすくい、右手で持った箸で麺を3本、メンマを1本、輪切りのネギを3個ほどつまんでレンゲの中に“Myプチラーメン”を作って、それを右手に持った箸で食べたりします。チマチマした食い方、すな!…と、傍で見ていてイライラします。で、何の話でしたっけ?“黒はんぺん”でしたか。静岡とか焼津の辺りでは、“はんぺん”といえばこの“黒はんぺん”なんですよね。“黒はんぺん”というのはどういうはんぺんなのかというと、黒いはんぺん。ま、そう思っていただければ間違いないです。外見的には“イワシのつみれ”に似た感じなんですが、地元民に言わせると似て非なるものらしいんですけどね。似て非なるものではありますが、煮て食べたりするそうです。生でも食えるそうです。フライにだってしちゃいます。静岡あたりの定食屋で“ミックスフライ定食”を頼むと、そのうちの1個は問答無用で“はんぺんフライ”だったりします。妙にアブラっぽくて、歯ごたえも何だか変で、個人的にはあまり好きではないんですが、静岡県民にはわりと支持されているようなので、ヨソ者がとやかく言う筋合いはありませんね。せいぜい、割り箸の袋の裏に「はんぺんフライは今ひとつやぞ!」と書き残すくらいのことが精一杯でありますが、ということで、黒はんぺんです。出張で藤枝に行く。…という話をしたら、某・イカ系サイトのWebマスターと一緒に飲みにいくハメになったんですが、いや、ハメになったという言い方はよくありませんね。何だか、いやいや付き合わされたみたいですもんね。某・イカ系サイトのWebマスターと一緒に飲みに行けるって、うぴっ♪なんだか、超ラッピーって感じぃ?…と言い換えておきますが、そのとき、ジャまいか氏からお土産に貰ったんですよね、黒ぱんぺん。いや正直、どうしようか?…と思ってしまいましたね。

 えー、ここで僕の“はんぺん”に対する立場というものを明確にしておきますが、僕は基本的に“はんぺん”というのは嫌いではありません。むしろ、好きな部類に入るんじゃないですかね?おでんでも、僕は“はんぺん”をいちばん最後にとっておきます。ただ、ここでいう“はんぺん”というのはウチでいうところの“はんぺん”、関西でいうところの“天ぷら”、九州でいうところの“薩摩揚げ”のことでありまして、いわゆる“白いはんぺん”となると、僕の“魚肉練り製品@心のランキング”では17位くらいまで下落しちゃいます。何だかフワフワしてて頼りないところが僕の趣向に合わないんですが、こんなクソ上品なもん、ハンペンじゃねーや!…と思ってしまいます。で、“イワシのつみれ”となると、僕の“魚肉練り製品@心のランキング”では49位くらいまで落ちちゃいますね。果たして世の中に、魚肉練り製品というのは49種類もあるのか?…という問題はさておいて、ちなみに僕の心のランキングでは、1位が“魚肉ソーセージ”、2位が“ちくわ”、3位が“薩摩揚げが棒状になっていて、中にゴボウが入っているヤツ”となっております。“同・中にゲソが入っているヤツ”というのも悪くないんですが、“同・中にゲソが入っているのはいいんだけど、イカの皮の部分がなんだかネチョネチョしていて不快感を感じてしまうヤツ”というのはよくありませんな。もし“ゲソ巻き”がそういうタイプだったとしたら、僕はむしろ“薩摩揚げがボール状になっていて、ほんのり生姜フレーバーのヤツ”のほうを推しますね。おでんの具ということでなく、網で軽く焼いて生姜醤油で食べるのなら、“薩摩揚げが小判型になっていて、中にはなんにも入ってないヤツ”のほうがいいですね。で、何故“イワシのつみれ”が49位なのか?…というところに話を戻したいと思いますが、何だがクセがあるから。…というのがその理由であります。“はんぺん”なんかに比べると、“イワシのつみれ”というのは明らかにサカナっぽいですよね。心のランキングの第1位が“魚肉ソーセージ”であることからもわかるように、僕の場合、なるだけサカナを感じさせない魚肉練り製品のほうが好きでありまして、だって僕、基本的にサカナ、嫌いだしぃ。その意味からも“黒はんぺん”というのは正直なところ、あまりソソられるものがありませんでした。で、ジャまいか氏からは、「腐りやすいから、必ず冷蔵庫に入れてね♪」と言い渡されていたんですが、いや正直、どうしようか?…と思ってしまいましたね。

 その日の夜はホテルに泊まっていたから、まだいいんですよね。僕が泊まっていた藤沢市内の某ホテルは、朝食は毎日毎日“”ばっかりでいい加減に飽きてしまいましたが、いや、基本的に僕って、“”はあまり好きじゃないんですよね。“”も嫌いだけど、“”も嫌い。僕は基本的にそういう人生を送ってきたわけでありますが、あ、この部分を鮭師匠が読んだりすると、不快感を覚えるかも知れませんので、この部分は読み飛ばして頂きたいと思いますが、このホテルの部屋には冷蔵庫が完備されておりました。もしかしたら部屋の窓から富士山が見えるかな?…と期待してたんですが、そっちのほうはサッパリだったので、“富士山(ふじやま)完備”というワケではありませんでしたが、“冷蔵庫完備”ではありました。だから“黒ぱんぺん冷蔵問題”に関しては何ら支障はなかったんですが、こともあろうに僕はせっかく貰った“黒はんぺん”を床の上に放り出すと、そのまま爆睡しちゃったんですよね。いやあ、かなり酔ってましたからなぁ。…ということにして、確信犯的に“黒はんぺん”を冷蔵するのを忘れてしまいました。いやあ、ジャまいか氏には悪いことをしちゃいましたなぁ。が、ホテルの部屋は直射日光も当たらないし、まだ完全に腐りきっているというわけではないと思うんですよね。そこで僕は、せっかくのお土産だからと思ってウチに持って帰ることにしたわけですが、そこでまた新たな問題が持ち上がってまいりました。その日は夕方まで現場で仕事をして、夕方に帰ることになっていたんですが、現場には冷蔵庫などという便利なものは完備されておりませんでした。とりあえず直射日光の当たらない、風通しのよい日陰にでも保存しておこうと思っていたんですが、悪いことに頭の中はシゴトのことで精一杯で、すっかり“黒はんぺん”の存在を忘れてしまったんですよね。いやあ、僕があまりにも仕事熱心だったことが災いしちゃいましたなぁ。…ということにして、確信犯的に“黒はんぺん”を締め切ったクルマの中に放置してしまいました。よく日が当たるようにダッシュボードの上に置いておきました。夕方になったらクルマが建物の影の中に入ってしまいましたので、移動させました。いやあ、迂闊でしたなぁ。僕の不注意のおかげでせっかくの“黒はんぺん”は完全に腐っちゃったに違いなく、泣く泣く僕は“黒ぱんぺん”の包みを新聞紙で包んで隠蔽工作をはかった上で、帰りの東名高速でサービスエリアのゴミ箱に捨てちゃったのでありました。いやあ、不注意とは言え、せっかくのお土産を無駄にしてしまって、ジャまいか氏には悪いことをしちゃいました。ここに懺悔してお詫び申し上げる次第でありますが、今から思えば、せっかく腐ったのなら、チャーハン男にお土産として渡せばよかったですなぁ。「いろいろとご迷惑をおかけしましたので、ま、これ、つまらないものですけど。」とか言って、殊勝にアタマを下げたりして。確かにつまらないものですよね。腹がくだりはしますけど。ということで、おしまい。

 ということで、オーネット・コールマンです。ジャズのお話です。イタいです。保守的です。いや先日、なにげに“塩サバ通信”をキーワードにサイト検索しておりましたら、“2ちゃんねる”の「ジャズなんかきいて馬鹿にならないですか?」というスレが引っ掛かりました。そこに書いてあったんですよね、“塩サバは読み鋳物としては面白いけど、ジャズのサイトとしては、ちょっとイタい。かなり保守的だし。”と書かれておりました。“読み鋳物”の部分は次の発言で“読み物”と訂正されておりましたが、ちょっとイタいですかぁ。所詮は読み物ですからねぇ。保守的ですしねぇ。ま、どうせ誰も“@マーク以降”はまともに読んでいないと思われるので、読み物として楽しんでいただけたら、それで本望なんですけどね。で、オーネットです。保守的だから『サムシン・エルス!』なんか選んじゃいます。オオネツトという人はフリイジヤズの創始者であるが、例えばアルバアト・アイラアや、神憑りコルトレエンなんかと比べると、ずいぶん聴きやすいですよね。ま、さほど面白くはありませんけどね。で、この『サムシン・エルス!』というアルバムは彼のデビュー作でありまして、内容的には極めてオーソドックスです。ドン・チェリーが入っておりますが、ピアノも入ってます。スタイル的にも、ほとんどハード・バップの延長という感じでありまして、ハードでポップな浣腸を求めるマニアにはぜんぜん物足りないかも知れませんが、保守的な僕にはこれくらいで丁度いいです。ジャケットの左下に写っているコールマンも性感で…いや、精悍でいい感じです。あ、昨日(6月14日)の巨人VS阪神、雨で中止になりましたね。何だか“3タテ”くらいそうな予感だったので、ちょうどよかったかも?…という感じなんですが、どうして“3連敗”を食らわされることを“3タテをくらう”とか言うんですかね?“3ヨコ”じゃ駄目なんですかね?そもそも、“はんぺん”はどうして“はんぺん”という名前になったんですかね?今日はオーネットで書くことがなさそうなので、いつもの語源ネタで行数を稼ぎたいと思いますが、ます“3タテ”。これは恐らく“立て続け”ということではないでしょうか。…ということでありました。つまらん答えでしたね。ま、世の中、調べてみたら、そんなことかい。…といったことはよくありますからね。で、続いては“はんぺん”です。こちらも期待薄です。恐らく、山田半平太(57歳)という人が考案したから。…とか、その程度のことであるに違いありません。で、調べてみました。“魚のすり身に山芋を加え独特の食感を出したもの。江戸時代、駿河の料理人半平が作ったことからこの名前がついたとか。”…って、ほら言わんこっちゃない。ということで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 まずは「インヴィジブル」です。僕は高校生時代に“歌って覚える英単語”というのをカセットに吹き込んだことがあるんですが、当時、何気に聞いていた日野皓正『トレード・ウインド』というアルバムの曲に乗せて、英単語と日本語の意味を歌って覚えるという、実に画期的な企画でありました。“いんでぃびじゅある、個人・人〜、いんばるぶ、巻き込む・含む〜♪”といった感じですね。15年以上たった今でも覚えているのが我ながらエラいと思いますが、いや、覚えている単語はこの2つだけなんですけどね。よって“INVISIBLE”という単語に関してはまったく記憶にありませんので、調べてみましょう。“目に見えない”ですか。なるほど。ヴィジュアルでないということなんでしょうな。で、この曲に関しては原文ライナーに何か書いてあったような気がするので、ちょっとそちらを見てみましょうね。“目に見えない…歌の音の中心を発見することが集中なしでいくぶん難しいので、このように表題を付けられる。”…ですか。僕の英語力では甚だ心許ないので翻訳ソフトのお世話になってしまいましたが、随分と楽理的に物事を考えて曲のタイトルを付けているんですな。僕も高校時代にはずいぶんと曲作りに励んだものですが、「かぶとがに」とか「三葉虫」とか、どうでもいい名前を付けてましたからね。ま、これは歌詞がそういう内容だったから仕方がないわけでありますが、”三葉虫が出現したのは、古生代のカンブリア紀〜♪”とか。ほとんど“歌って覚えるシリーズ”の一環でありますが、カンブリア紀というのは歌にしなくても覚えやすかったですね。何か“寒ブリ”みたいなヤツ。…と覚えておけば、それでOKでした。で、オーネットの「インヴィジブル」ですが、小難しいことを言ってるわりには、わりかし分かりやすいメロディの曲ですね。AABA形式の変則バップみたいな感じの曲で、“”の部分はアルトとペットのユニゾン、で、“”の部分はアルトによるアドリブ・フレーズ風…という構成になっております。で、テーマに続いてオーネットのソロになります。フリーキーではありますが、リズムはしっかりしているし、ちっともフリーという感じはしませんね。かといって、コード進行に基づいているな。…という感じはしないし、モードでもないし、となると、やっぱりこれはフリチンですかね?あ、“チン”は余計ですか。ところで“フリチン”というのは、“チン”が衣服に拘束されずにフリーな状態にあるから、この名前なのだ。…と長年思っていたんですが、地方によっては“フルチン”という言い方もするんですね。となると、僕の“フリー説”は怪しくなって、“振りチン説”あるいは“振るチン説”というのが有力になってまいります。確かにフルチン状態でいると、何気に“ふるふる♪”したくなるものですからね。で、オーネットのソロの後、テーマに戻って、おしまい。…と思ったら、ドン・チェリーのソロが始まりました。ソロの合間にアンサンブル・パートが挟まる構造だったんですな。で、チェリーのソロも『永遠のリズム』なんかに比べると、随分とオーソドックスですね。でもって、続くウォルター・ノリスのピアノ・ソロは完全に保守的でございます。この人は確か白人ではなかったかと記憶しているんですが、白人らしいクールなピアノを弾いております。で、テーマに戻って、おしまい。以上、オーネットにしては随分と聴きやすい1曲でありました。

 で、2曲目は「ザ・ブレシング」です。これまた、随分とチャーミングなメロディでありますな。ドン・チェリーがミュートということもあってか、なにやら哀感めいたムードまで漂っております。保守派の代表選手みたいな感のあるミルト・ジャクソンがオーネットの作曲のセンスを高く評価したというのもわかるような気がしますね。で、コンテンポラリーのプロデューサー、レスター・ケーニッヒは当初、オーネットがピアノで自作曲を弾くというアルバムを作りたかったそうなんですが、本人が「やだ。」と断ったので、レギュラー・メンバーによるクインテット作に切り替えたんだそうです。結果、この『サムシン・エルス!』というアルバムは何の反響もなかったそうでありますが、いや、何だか“塩通”の新コーナーのような話でありますな。で、「ザ・ブレシング」でありますが、これまたオーソドックスなAABA形式の作品ですね。サビのメロディもちゃんとあって、それがまた、なかなかキュートな仕上がりとなっております。で、ソロ先発はオーネットですな。1曲目より更にフリーキーな度合いが増した感がありますが、ま、ジェームス・スポールディング程度のワケわかんなさ。…という程度でおさまっております。続くチェリーはミュートということもあsって何だかマイルスみたいだし、続くノリスのピアノはエバンスみたいだし、ドン・ペインのベース・ソロだって聴けちゃうし、新主流派風と言ってもいいような爽やかな1曲なのでありました。はい、3曲目。「ジェイン」は一転してラテンのノリの賑やかなナンバーですね。ちなみに“ジェイン”というのはオーネットの奥さんの名前らしいです。ジェイン・コールマン。略して“ジェイ・コー”ですか。いや、略してみたところでどうなるもんでもないんですが。で、演奏のほうはアルトとペットのユニゾンによるテーマに続いて、オーネットのソロになります。フリーキーです。…って、さっきからそればかりですが、ほかに例えようがないんですよね。ソロ・パートのいちばん最後のところでは“ゴールデン・サークル”っぽいフレーズも出たりして、後年の彼を予感させる出来栄えである。…と評価してもよかろうかと。で、続いてはノリスです。いいですね。このアルバムではこの人のピアノがいい意味での“普通っぽさ”を演出しているわけでありますが、もしこの人の変わりにケンミンの焼きビーフンが入っていたら、この作品はどうなっていただろう?…と考えると、愕然としちゃいますね。いや、言ってる意味が全然わかりませけど。しかし何ですな。ケンミンの焼きビーフンも、完全に“ゴハンがゴハンがススム君”に食われちゃいましたね。何せ、相手は“焼きビー、フフン!”ですからね。とか言ってるうちにドン・チェリー…というのは長いので、ドン・チェリと略しますが、いや、略してもほとんどメリットがありませんでしたね。ま、それはともかくドン・チェリのソロになりました。前曲に続き、ここでも彼はミュートで吹いておりますが、この人のミュート・プレイがとってもマイルスっぽいのに、前曲に続いて驚かされますね。『永遠のリズム』の嫌ァな印象しか持ち合わせて僕には意外なヨロコビでありましたが、しかし何ですな。北朝鮮の“よろこび組”というのは、ありゃ、いいですな。…と、ふと思いました。

 ということで4曲目です。「チッピー」です。ああ、小さな三角波のある海面状態のこと?…って、それは“チョッピー”ですね。…って、そんなウインドサーフィン用語、一般人は知りませんね。“チョッピーな波”というふうに使うんだそうです。あと、“ガスティな風”とか。海に落ちることは“チン(沈)”といいます。自由気ままに海に落ちることは“フリチン”…って、もうその話はいいですね。ちなみに僕はウインドをやっていて、ほとんど海に落ちたことはありません。何故かというと、ほとんど海ではウインドをやったことがなく、川専門だからなんですが、だから川にはよく落ちます。川に落ちることは多分“カワちん”といったりするんだと思いますが、“皮チン”と誤解される恐れがありますので、あまり人前では口にしないほうがいいかも知れませんね。で、「チッピー」です。ヘンな曲です。今まで何だか小マシな曲が続いて、どうしちゃったんだ?…と心配になっていたんですが、これでようやく安心しました。ヘンな曲…というより、とりとめのない曲といったほうがいいかも知れませんが、で、ソロ先発はドン・チェリです。オープンなのでさほどマイルスっぽくはないんですが、意外と分かりやすいフレーズを吹いているような気がします。リリカルと言ってもいいかも知れませんね。で、ソロ2番手はオーネットです。とってもフリスキーです。…って、それは猫のエサですな。いや、あまりに“フリーキー”ばかりを連発するのもどうか?…と思って、“”を取って、変わりに“”を入れてみたんですが、かと言って意味がないことを書くのはよくありませんね。反省しております。で、ウォルター・ノリスもそれなりにヘンなソロで頑張って、はい、次の曲です。「ザ・ディスガイズ」です。またまた歌って覚えたことがないような英単語を持ってきましたな。ちょっとアメリカ人だからって、僕の知らない単語をひけらかすかのように曲目につけるというのは、どうか?…とい気もするんですが、「ザ・変装する」とか、「ザ・(事実を)いつわる」とか、「ザ・(感情を)かくす」と言った意味のようです。で、前曲に続いてヘンな曲です。オーネットの作曲の才能も、デビュー作の3曲目で枯渇したかぁ。…という感じでありますが、いかにもオーネットらしいテクスチャーを持った曲であるとは言えますけどね。テクスチャー。いい言葉ですね。いや、意味は知りませんけどね。そういう僕には強い味方がございます。“Zaurus電子辞書@パーソナルカタカナ辞典”。これでさっそく調べてみましょう。“texture”:(1)略(2)略(3)音楽的な音の組み合わせや構造。テクスチュアとも言う。なるほど。使い方、間違ってませんでしたね。ちなみに“ネクロフィリア”もちゃんと載っておりました。死体性愛。死体をもてあそぶことによって性的満足を得ること。…だそうです。“ネクロフェリア”は載っておりおませんでした。 いや、間違った使い方をして、末代までの恥さらしでありましたなぁ。。。

 ということで6曲目です。ついに「ザ・ディスガイズ」は何の曲解説もないまま終わってしまいましたが、続いては「エンジェル・ヴォイス」です。「天使の声」ですか。オーネットにしてはずいぶんロマンチックな曲名をつけましたな。で、これはきっと、しみじみとしたバラードでありましょう。…と思わせておいて、実はきっとヘンな曲なんだよね。…と思っていたら、案の定ヘンな曲でした。勝った!…と思いましたよね。その意味では勝利感を与えてくれるナンバーと評価することは出来ますが、聴いてオモロイというものではありませんでした。オーネットもデビュー作の4曲目くらいで飽きてきちゃったなぁ。…という感じなんですが、次に期待しましょう。「アルファ」です。面白くない曲でした。はい、次です。「ホエン・ウィル・ザ・ブルース・リーブ?」です。今まで単語1文字、多くても頭に“THE”をつけるだけの2文字で曲名を統一してきたオーネットにしてはめずらしく、ずいぶん長ったらしい曲名をつけましたな。「どうしてブルースは去っていっちゃったの?」という意味ですかね?翻訳ソフトでは「いつ、憂鬱は、離れるであろうか?」と出ました。で、面白くない曲です。いや、僕の心はもう既にオーネットからは離れてしまったので、もう何をやっても駄目なわけでありまして。僕は好きなものには激しくのめり込むタイプなんですが、一度嫌いになっちゃうと、何から何まで嫌いになっちゃうほうですからね。もう、その人もしたウンコを見るのも嫌だ。…みたいな。いや、ウンコを見るのは最初から好きではないんですけどね。好きでマンポン技士をやってるわけではない。…というのは前にもどこかに書いたと思いますが、先日は“使用中マンポン35箇所@一斉調査”というのを実施しました。いや、配管の溶接部がブッ飛んで、汚水が噴出すという事故があったので、施工状況の確認をしたわけなんですが、さすがに35箇所というのは飽きましたな。ま、汚水が噴出すといってもマンホールの中の出来事なので、さほど憂慮すべき事態ではないんですが、ちゃんと処理場まで汚水を圧送できないので、マンホールが溢れることが懸念されますな。幸い、破裂した配管の修復には僕は立ち会っていないんですが、バキュームカーで流入してくるウンコ水を吸い取りながらの作業だったそうです。確かバキュームカー代が45万円ぐらいだと言っておりましたが、いや、意外とクソ高いものなんですね、汲み取りって。

 ということで、ラストです。僕の心はもうすっかり離れてしまったんですが、最後だけはビシっと決めてくれました。「ザ・スフィンクス」です。あ、これはどこかで聴いたことがありますな。何か他のアルバムにも入ってなかったですかね?で、調べてみました。わかりませんでした。調べてもわからないものはしょうがないしぃ。…ということで、諦めました。何の収穫もない探索活動でありましたが、ひとつ、新たな事実が判明しました。このアルバムのジャケットって2種類あるんですかね?僕が持っている国内盤のCDは左下にオーネットが座っているんですが、“立ってアルトを吹いているバージョン”というのもあるみたいですね。もしかして僕、偽モノをつかまされたんでしょうか?で、曲自体は調子のいい曲です。調子のいい曲ですが、途中に“ゆったりパート”が出てくるあたりがとっても斬新です。緩急の妙とでもいいましょうか。しかしこれ、絶対に聴いたことのある曲ですよね。しかもかなりメジャーなアルバムに入っていたような気がするんですけどね。気になってしょうがないので、再度調べてみました。あ、わかりました。ジャック・ウィルソン『サムシング・パーソナル』に入っておりました。意外とマニアなものでしたな。オーネット自身の演奏でも聴いたことがあったような気もするんですが、もはや精根尽き果てて、調べる気にもなりません。ということで、おしまい。

【総合評価】

 個人的には1〜3曲目、それと9曲目。以上4曲くらいですな、まともに聴いたのは。ぜんぜんフリーっぽくないので保守的な人にもある程度安心かとは思いますが、じゃ、面白いのか?…と言われると、はっきり言ってつまらんです。…って、そういうことをはっきり言ってはいけませんね。で、今からジャケ絵(←“座ってるバージョン”のほう)を書きますが、この大きさの人物というは、ぜったいうまく書けない自信がありますね。ま、僕の持っているCDのジャケットは、“ぜんぜん似てないバージョン”だった…ということで。


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