THE BEAT GOES ON! (PRESTIGE)

 SONNY CRISS (1968/1/12)

THE BEAT GOES ON!


【パーソネル】

SONNY CRISS (as) CEDAR WALTON (p) BOB CRANSHAW (b) ALAN DAWSON (ds)
【収録曲】

THE BEAT GOES ON / GEORGIA ROSE / SOMEWHERE MY LOVE
CALIDAD / YESTERDAYS / ODE TO BILLY JOE

【解説】

 

 今日は“AV”について考えてみたいと思います。“AV”といっても“アダルトビデオ”ではなく、“オーディオ&ヴィジュアル”のほうなんですが、ま、おじさんが映像関連機器を「欲しいっ♪」と思うきっかけの80%以上は“すけべ目的”である。…という、あまり信用のおけない信用調査機関の調査結果もあることですし、“アダルトビデオ”と“オーディオ&ヴィジュアル”との関係は、亀とスッポンである。…と言っていいような気もするんですけどね。で、この度、ようやくと言おうか、今更ながらと言おうか、DVDプレイヤーを買いました。そのきっかけは無論、“すけべ目的”の80%には属さない理由によるものでありまして、先日、すけべGOODSの自動販売機(←年齢確認装置付)でビデオを買おうとして、間違えてDVDを買ってしまったんですよね。買ってしまって、「しまった!」と思った時はもう既に手遅れでありまして、僕の手元には欲しくもない“すけべDVD”が残されてしまったわけです。不覚でした。アサハカだった。…と言い換えてもいいと思いますが、僕がしばらくインターネットの動画サイトにかまけてこの種の自販機から遠のいているうちに、いつの間にやら商品の40%くらいがDVDになっていたんですな。で、僕は今まで、DVDとは無縁な暮らしをしておりました。それもみんな貧乏が悪いんですが、DVDも見れるというフリチンだった、いや触れ込みだった“プレステ2”が発売された時、僕は貧乏だったので手が出ませんでした。しかし、フリチン触れ込みでは、最初の“”しか合ってないぢゃん。…という気もしますが、それはともかく、僕が少しお金持ちになってカーナビを買おうと思い立った時、金持ちにはなれましたが、それは“少し”というレベルだったのでDVDナビはもったいなくて手が出せず、CD−ROMのヤツで我慢しました。ノートパソコンを買った時も同様で、コンボドライブのタイプは買えませんでした。僕って、もうちょっとのところで踏ん切りがつかないタイプですからね。エクストレイルを買う時にも、ひとつ下のグレードで妥協しちゃったしぃ。その結果、マニュアルのエアコンと鉄チンのタイヤホイールがとっても安っぽくて、ちょっぴり後悔しております。ああ、後悔先に立たず、EDは先が立たず。…とまあそんなわけで、DVDのディスクがあっても、僕んちではそれを再生する手立てがないわけでありまして。さあ、どうする、アイフル。

 (1) なんとかする。
 (2) あきらめる。

僕に考えられる選択肢はこの2つであるわけですが、何の策もなしに、ただ諦める。…というのも何だか癪な話ですよね。せめてフリスビーみたいに飛ばして愛犬のジョンに取ってこさせるくらいの芸当はやってみたいところなんですが、生憎、ジョンはフリスビー犬ぢゃなくて、ただのバター犬だしぃ。…という場合、この“円盤投げリサイクル案”も諦めなければなりません。ウチの場合、愛犬のジョン自体がいないので、問題外です。クロ猫のクロコしかいませんからね、ウチは。となると、必然的に(1)「なんとかする。」を選ばなければならないことになるわけですが、ぢゃ、何とかしましょう。とりあえず、コンパスの針で円盤をこすってみるというのはどうでしょうね?昔のアナログレコードはこれで何とかなりましたからね。いや、無論、僕のウチはさほど貧乏というわけではなかったので、人並みに“ステレオ”というのはあったんですが、残念なことに僕が小学5年の時、火事で燃えちゃいまして。ポータブル便器は焼け残ったんですけどね。どうせ焼け残るなら便器よりもステレオ…という気がするんですが、世の中、なかなか思い通りにはならないものですなぁ。塩サバ2号もバケツで便器に水をかけたりせず、ステレオの救出にあたってくれればよかったんですけどね。いや別に、便器に水をかけてたわけじゃないとは思いますけどね。塩サバ2号も当時高校1年生。「便器に水をかけても、意味ないぢゃん!」という判断の出来るくらいの分別はあったものと思われますが、とまあそんなわけで、サバ家では家が燃えて以来、再び“ステレオ”が買われることはありませんでした。ま、「それどころぢゃないっ!」という気分だったんでしょうな。仕方なく、僕は雑誌の付録に付いてきたソノシートコンパスの針でこすって聞くことを余儀なくされた次第でありますが、いやあ、アレはなかなか技術がいりますよね。レコードの溝を忠実にトレース出来ればいいんですが、ちょっと手元が狂ってピッ!…と針がナナメに走っちゃうと、それでアウトですからね。今後、もし普通のレコードプレイヤーで再生する機会に恵まれたとしても、かならずその“ピッ!”のところで音飛びして、後々まで後悔の念に駆られるハメになっちゃいます。よい子はけっして真似をしてはいけません。

 とまあこんなわけで、サバ家の音楽事情は決して恵まれたものではなかったんですが、浪人生になった頃でしたか、我が家にもレコードプレイヤーがやってまいりました。ま、レコードプレイヤーと言っても極限まで安っぽいオモチャみたいなヤツでありましたが、ほら昔、“てんとう虫プレイヤー”ってありましたよね?てんとう虫の形をしていて、その背中の部分をパカッ!…と開けると、中がターンテーブルになっているヤツ。で、モノラルではありますがちゃんとスピーカーも内蔵されておりまして、もう、コレさえあればどこでもレコードが聴けちゃうね♪…というスグレ物でありました。ま、音としては、コンパスの針で聴くよりはマシ?…という程度でありましたが、ウチで買ったのは、その“てんとう虫プレイヤー”に毛が生えた程度のものでありました。いや、実際に毛が生えていたワケではありませんけどね。レコードプレイヤーに毛を生やしたところで、気持ち悪いだけで何のメリットもありませんからね。ま、毛が生えていると「ちょっぴり、オトナ?」という気分にはなれるわけなんですが、確かに子供っぽい“てんとう虫”に比べると、大人のムードを醸し出しているプレイヤーではありました。極限まで安っぽく、音も劣悪極まりない代物ではありましたが、当時からジャズを聴くようになっていた僕は日本盤の『クール・ストラッティン』『サキソフォン・コロッサス』のレコードを買ってきて、「ロリンズは俺のソウル・ブラザーなんだよぉ。」とか思いながら、「セント・トーマス」のフレーズに耳を傾けたものでございます。僕のアナログ・レコードにおけるジャズ体験はこの2枚がすべてでありまして、いやあ、アナログ・レコードには縁遠い青春時代を送っておりましたなぁ。あ、小学校の頃は“NKH”に所属しておりましたので、わりとレコードに接する機会は多かったんですけどね。いや、“日進こども放送”という小学校の校内放送をやってたんですが、レコードをかけるのは苦手だったので、もっぱら後輩の女の子にお願いしておりました。そう言えば、今ふと思い出したんですが、校内放送で“火事見舞いに対するお礼の言葉”というのを言わされましたなぁ。いや、「僕の家は火事で燃えましたが、みんなが色々と支援してくださったおかげで、僕はこうして元気に頑張っております。」…みたいな。いや、“色々な支援”といったところで、「いなば君にいらなくなった文房具をあげよう!」というので、もうこれ以上は削りようがないくらいにチビてしまった“平和の鐘”の鉛筆だとか、キャップをなくしてカピカピになって書けなくなってしまったマジックだとか、消すとかえって黒くなってワヤになっちゃう消しゴムだとか、「それ、ホントにいらなくなった物やん!」と思わずにはいられないようなゴミをたくさん貰っただけなんですけどね。

 とまあそういうことで、コンパスの針でこすってみたところで、DVDの映像が見られるように なるわけではない。…と判断がつく程度の分別を持ち合わせている僕としては“コンパス案”も諦めざるを得ず、仕方がないからDVDプレイヤーを買う決心をしました。“すけべ目的”ではなく、あくまでも「この“援助交際Vol.1”を無駄にしてはいけない!」という、義憤にも似た思いで購入に踏み切った次第でありますが、せっかくプレイヤーを買ったのにソフトが1枚だけでは寂しいと思って、“援助交際Vol.2”というのも買いました。“純情美少女的AV・Angel きょうこ”というのも買いました。で、会社から買えると通信販売で買ったDVDプレイヤーが届いておりましたので、とるものもとりあえずテレビに接続して胸をときめかせながら“純情美少女的AV”を再生してみると…、いやあ、DVDだからってモロ…というわけではなかったんですなぁ。。。

 ということで、今日はソニー・クリスでありますが、僕の気分はとっても落ち込んでおります。DVDに対する期待があまりにも大きかっただけに、もう立ち直れないかも知れません。ま、確かにビデオと違って巻き戻しはいらないし、チャプターの頭出しも出来るし、早送り・巻戻しも可変速で自由自在だし、ズームも出来るしで、便利といえば便利なんですが、肝心の“写っているモノ”はビデオとさほど大差はなくて、こんなもののために1万9500円(税抜き)も使っちゃったかと思うと、なんだか泣きたい気持ちでございます。で、こんな気分の時に相応しいソニー・クリスのアルバムはないか?…と思って探してみたところ、ちょうどイイのがありました。プレスティッジ盤の『ザ・ビート・ゴーズ・オン』。ジャケットのクリス、何だか半泣き状態だしぃ。で、この1週間、もうちょっと暇になるかと思ったら、さっぱりでしたな。連休の前後でまったくヤル気がなかったので、そのまま放置しておいた某・マンホールポンプ場の“完成写真帳”なんですが、とうとう僕の上司のところにクレームの電話がかかってまいりました。かなりキツイことも言われたようで、ま、僕が直接電話に出たわけではないので別にどうでもいいんですが、「今週中に片付けぇ!」と厳命されてしまいました。仕方がないから“ウンコ流入後のマンホール”の蓋を開けてデジカメで写真を撮ってきたんですが、ちょうど朝の通勤時間帯だったので、けった通学の女子高生がちらほら見受けられました。ウンコの写真なんか撮るより、そっちのほうを…と、気持ちが大きく揺らいでしまいましたが、いや、そんなことをしてる場合じゃありませんね。で、“ウンコ流入後”の写真と、“ウンコ流入前”ながら電気配線が終わってなくて“ダメ出し”をくらった写真を合成して、何とか“完成写真”をでっち上げてみました。うん、我ながらまずまずの出来栄えでありますな。

流入後  + 駄目出し = 完成♪

 あ、“流入後”の写真、底に溜まった汚水にカメラを構えた僕の顔が写っておりますね。いずれにせよ、こんなしょうもない写真でページを重くするなって!…と文句のひとつも言いたくなってしまいますが、ということで『ザ・ビート・ゴーズ・オン』です。で、例の“白装束の集団”、もしくは“白ずくめ集団”でありますが、せっかく岐阜県に戻ってきたと思ったら、あっという間に福井県に行っちゃいましたね。戻るくらいなら最初から移動するなって。…という気がしないでもないんですが、いずれにせよ、あの騒ぎは一体なんだったんでしょうね?終わってしまえば、実にどうでもよかったなあ。…という出来事でありましたが、1曲目はタイトル曲の「ザ・ビート・ゴーズ・オン」です。「そのビートは進む」といった意味でしょうか?作曲したのはビートすすむ君ではなくて、ソニー・ボノという人だそうです。ソニーとシェールが歌ってヒットさせたポップ・チューンだそうですが、この時期のクリスはポップ曲をジャズ化するのが好きな年頃ですからね。有名なところでは「アップ・アップ・アンド・アウェイ」「サニー」のジャズ化がありましたが、今度はソニーとシェールですかぁ。知りませんね、そんな人。で、ポップ・チューンと言うと、「軽快ではあるが、傾聴に値するものではないんじゃないか?」…と警戒する人がいるかも知れませんが、でもだいじゃぶ。シダー・ウォルトンのブルージーなイントロで始まるこのナンバー、実にダルな雰囲気があって、とってもいいです。「そのビートは進む」というタイトルのわりにはゆったりとしたミディアム・テンポなんですが、幾分スケベっぽいムードも漂っておりますな。で、次第に熱くなっていくクリスのアルトがいいです。バックでイントロから終始一貫して同一フレーズを反復し続けるシダーもいいです。えーと、書きたいことは、そんだけ。かなりお気に入りの1曲なんですが、書くことはなかったですな。ま、世の中、得てしてそういうもんです。あ、ちなみにシダーはさすがに自分のソロの番になると反復フレーズから脱却しておりますが、これがまたブルージーで実にいい雰囲気です。アラン・ドウソンの堅実なサポートぶりも光りますね。

 ということで2曲です。今日の曲解説にはボケというものがありませんが、“DVDの落胆”でそれどころではないので仕方がありません。で、2曲目は「ジョージア・ローズ」という曲です。岩浪洋三クンの解説によると、トニー・ベネットなどが歌っている古い歌で、黒い肌によって差別されてきた黒人の抵抗歌のひとつでもある。…とのことでありますが、そのようなマックス・ローチの『僕たち、反抗するんだもんね』的なウザったさは微塵もなく、クリスはあくまでも能天気にメロディを歌い上げております。黒くたってイイぢゃん。彼はそう言いたいのかも知れません。遊んでいると黒くなる…というのは俗説らしいし、でも僕はやっぱりピンクのほうが好きですね、“ノバうさぎ”の色は。外で遊び過ぎて日焼けして黒くなっちゃったノバうさぎって、ぜんぜんソソられるものがありませんもんね。で、ここでのクリスの吹きっぷりは、俗に“演歌調”と言われるクサさが横溢しておりまして、とってもいいです。クサくてこそのクサヤ。そういったところでしょうか。いや、嗅いだことはないんですけどね、クサヤって。人には“恐いもの見たさ”と同様、“臭いもの嗅ぎたさ”という微妙な心理がありますので、一度その薫りを堪能したいものだと思っておりますが、いやマンポンというのもそれなりに臭いものですんで、それなりに満足は出来るんですけどね。ということで3曲目です。今日はテンポが速いですね。このままでは後半が3段落くらいで終わってしまいそうなんですが、仕方がないので余計な話を書きましょう。“ルナのバニラヨーグルトン”です。いや、牛乳屋さんがオマケに置いていったか何かで、今ちょうど飲んでいるですよね。あ、ヨーグルトと言っても飲むタイプのものなんですが、まず第一に“日本ルナ株式会社”という社名がイイですよね。“看護婦ルナの部屋”がなくなっちゃたと思ったら、こんなところに転職してたんですね。で、“ルナのバニラヨーグルト”でも充分意味が通じるのに、敢えて最後に“”を付けて“ヨーグルトン”にしたところにルナちゃんの類稀なセンスが感じられます。いや、何だかマヌケですけどね、“ヨーグルトン”。

 ということで3曲目です。「サムホエア・マイ・ラブ」は映画『ドクトル・ジバコ』の主題歌だそうです。いい映画でしたよねぇ、『ドクトル・ジバコ』。第2段の『ドクトル・蕎麦粉』と第3段の『ドクトル・ヒバゴン』はハズしましたけどね。で、この「サムホエア・マイ・ラブ」という曲は「ララののテーマ」という邦題で知られているそうですが、僕はそんな歌は知りません。だいたい『ドクトル・ジバコ』という映画自体、見たことがありませんからね。見たこともないのに、いい映画だったと断言するところが僕の偉いところでありますが、せっかくだからDVDでも買ってみますかね?誰か持っている人がいたら、僕の『純情美少女的AV・Angel きょうこ』と交換しませんか?で、ここでのクリスの演奏はタンバリンのリズムなんぞも入って、実に賑やかでありますな。アドリブに入ってからのクリちゃんも絶好調。超アップ・テンポをモロともせず、躁病的なノリで吹きまくっております。続くシダーのソロは地味系のこの人らしいクールなノリでありますが、それでもまずまずの健闘ぶりであると言えましょう。で、テーマに戻って、おしまい。…って、演奏自体が4分54秒と短めなので、解説のほうもあっという間に終わってしまいました。仕方がないので余計な話を書くにしても、もはやネタがありませんし、次に参りましょう。は「キャリダッド」クリスのオリジナルです。シンプルなリフ・ナンバーですね。えーと、シンプルなリフ、シンプルなリフ。・・・。特に何も思いつきませんね。今日の僕は婦長…って、ナースのチーフをやってる場合じゃなくて、今日の僕は不調です。で、「キャリダッド」ソニー・クリスのオリジナルで、1949年に作曲し、ハンプトン・ホーズと演奏したことのあるブルースである。…とのことでありますが、さほどアーシーなブルースではなく、ソフィスティケイテッドな味わいがこの人の持ち味だよね。…てなことを洋三クンは書いておりますが、都会的センスと納豆的なクドさとの絶妙なアーバンナットウイズム。それがクリスだと僕は思います。で、クリちゃんのソロは端から快調でありますが、特に中盤以降、倍テンポになって吹くまくるあたりが壮絶ですね。もう、誰も彼を止められない。…って感じぃ?こうなったらもう、毛沢東でも駄目です。力尽きるまで放置するよりほか、手立てはありません。で、遂に力尽きてシダーにタッチするわけでありますが、この人が演奏全体のよき制御棒となっておりますな。臨界ギリギリのところで中性子を吸収して、多い日も安心ね♪…といったところでありますが、決してハメを外さないハメネイ師。…といった雰囲気が漂っております。いいことです。

 と、適当なことを書いておいて、さ、あと2曲ですね。調子が出ない時は適当に片付けちゃうに限りますが、ここでスタンダードの「イエスタデイズ」を持ってきましたか。かなり速めのテンポで下品に料理していますね。AABA形式の最初の“A”くらいまではまだわりと原曲に忠実なんですが、その後は崩したい放題ですね。法事の席で最初の5分くらいはきちんと正座をしているものの、一度脚を崩しちゃうと歯止めが効かなくなって、アグラは組むわ、せんべいは齧るわ、喪服姿の未亡人に色目は使うわで、もう滅茶苦茶や。…という状況によく似ております。しかし何ですな。“色目を使う”というのは、なかなか的を得た表現でありますな。こういう言い回しを目にすると、高見盛はいいまわしをしてるなぁ。…と思わずにはいられませんが、英語では何と言うんですかね?ユーズド・カラー・アイズ?で、なし崩し的なテーマ部からそのままクリスのソロへと突入するわけでありますが、いやあ、張り切ってますね。前貼りを、張り切りすぎて、爛れけり。…という感じでありますが、いや、何だかよくわかりませんけどね。で、クリスの躁病的なソロに続いてシダーの腺病質的なプレイが展開されるわけでありますが、これが絶妙です。絶品にして妙技です。絶壁にして妙義山…って、妙義山の漢字を調べているうちにシダーのソロが終わってドラム・ソロになっちゃいましたが、ここでのアラン・ドウソンは同村のよしみでとっても頑張っていますね。で、テーマに戻って、おしまい。さ、あと1曲です。「オード・トゥ・ビリー・ジョー」はギャル系のシンガー・ソング・ライターであるボビー・ジェントリーが1967年に作った大ヒット作だそうです。何でも2300万枚も売れたんだそうですが、それだけ売れれば1枚くらいはコンパスの針で聴いても大丈夫ですよね?…って、そういう問題ではありませんか。ま、いずれにせよ、ポップ曲のジャズ化に目覚めたクリスの面目躍如といったナンバーでありますが、イントロから同一フレーズを反復するシダーに、タンバリンのノリを加味してみましたぁ。…といった仕上がり具合で、ま、いいんじゃないっすかね?素材がポピュラー曲であれ、何であれ、稗田阿礼、クリスのプレイはクリスそのものですからね。いいぞぉ、クリちゃん♪…ということで、今日はおしまい。

【総合評価】

 わりといいと思います。そんだけ。

 
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