CYMBALISM (NEW JAZZ)

ROY HAYNES (1963/9/10)

CYMBALISM


【パーソネル】

FRANK STROZIER (as,fl) RONNIE MATHEWS (p) LARRY RIDLEY (b) ROY HAYNES (ds)
【収録曲】

MODETTE / I'M GETTING SENTIMENTAL OVER YOU / GO 'N' GIT IT!
LA PALOMEINDING / MEDLEY : HAG 〜 CYMBALISM 〜 OLEO

【解説】

 しょうちゅう、俺の肩を〜、抱きしめてくれ〜♪…って、そりゃ、 「うぉんちゅう」 やがな。…ということで、今日は『焼酎と象徴性天皇』というテーマでお届けしたいと思います。いや、この先“象徴性天皇”に関する話が出てくる予定はまったくないので、タイトルは『焼酎と膨張宇宙』でも『焼酎と条虫』でも、別に何だっていいんですが、長崎県民が01年度に飲んだお酒の量は、建造中の世界最大級の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」1杯分なんだそうですね。どうして長崎県民なのかというと、別にごんあぢ嬢の顔が頭に浮かんだからでも、ケンドー長崎のファンだからでも、ケンミンの焼きビーフンが好きだからでもなく、たまたまサイト検索して出てきたページに載っていたデータがこれだったからなんですが、さすがにこれを書いた人も「ダイヤモンド・プリンセス」がやがて火事で燃えちゃうとは、思ってもみなかったでしょうね。火事というのは何の前触れもなく、いきなり燃えちゃうものですからね(←経験者談)。ただ、「ダイ・プリ」の火事の場合、以前からボヤ騒ぎが何度も起こったりして、前兆はあったみたいですけどね。クソ安いカネでコキ使われている作業員が腹いせに火をつけた。…というのが出火原因としては有力視されているようですが、名古屋のセントラル・タワーズの工事でもボヤ騒ぎはしょっちゅうあったみたいですからね。

 ということで、今日は『焼酎としょっちゅう』というテーマでお届けしたいと思いますが、しかし何ですな。ダイヤモンド・プリンセス1杯分と言われても、多いんだか少ないんだか、まったく見当がつきませんな。そのことはこの記事を書いた里花ちゃんも薄々とは感じ取っていたようでありまして、もうひとつ違う数字も挙げられております。25メートルプールだと約278杯分。…というのがそれなんですが、成人1人当たりに換算すると92リットルになるそうです。世の中に下戸の人が28.7%くらいはいると考えて(←根拠なし)、酒を飲める長崎県民が飲んだ酒の量を一日あたりに換算すると、えーと、どうやって計算すればいいんですかね?面倒なので長崎県民には下戸はいないと仮定すると、92リットルを365日で割って約0.25リットル。いや、全然大したことないですね。で、この消費量自体はここ数年ほとんど変わってないものの、その内訳が大きく変化してきているんだそうです。すなわち、ビールが減って発泡酒が増え、日本酒が減って、焼酎が増えたと。で、問題はここから話をどのように展開して残りの行数を埋めていくかということなんですが、これはもう紅隼人酎右衛門に頼るしかありませんね。いや、ネタに困っていろいろ焼酎関係のサイトを調べていたら『焼酎初心者学校』というのがあって、そこの講師が紅隼人酎右衛門(べにはやとちゅうえもん)だったんですけどね。推定年齢550歳。焼酎界の妖怪…だそうです。このキャラ設定の段階で、この小中学校…ぢゃなくて焼酎学校の企画は失敗だったな。…といった気配が濃厚なんですが、なかなかどうして内容のほうは充実しておりましたので、ちょっと紹介してみたいと思います。

 ここで私が言いたかったのは、『蒸留酒』だってことです。…と、酎右衛門の口調は推定年齢550歳の妖怪とは思えないほど穏やかでありますが、ま、性格は温厚…と書いてありますからね。で、生徒のほうは“何猫なんにゃ)”という名前のネコなんですが、このネコもわりと言葉遣いは丁寧ですな。「猫が寝込んだニャー。」などといったつまらないギャグで講師のヤル気を殺いだりすることもなく、とても熱心な受講態度には好感が持てます。で、焼酎で最初に問題になってくるのは「甲種」と「乙種」という分類でありますな。甲種というのはアレだニャー。甲州で作ったワインが甲種だぎゃー。…って、何故か後半は名古屋弁になっておりますが、なんにゃは決してこのようなつまらないボケで行数を稼ぐような姑息な真似はしません。ただ、「聞いたことあります。甲類は『きれいな焼酎』なんでしょう?」…と、今ひとつ了見のよくわからない発言をして、「きれいって・・・・(苦笑)。」…と酎右衛門先生に苦笑されておりますが、ま、所詮はネコの言うことですからね。ちなみに酎右衛門先生の解説によれば、甲類焼酎は非常に純度の高いアルコールで、果実酒やカクテルの材料ですね。いいかえれば何かを混ぜないと飲めないってことです。…とのことでありました。要はアルコールランプの中身みたいなものなんですかね?で、特徴としては、安いけどマズい。マズいけど安い。マズいけど安いから、アル中患者がシロップなんかを混ぜて飲むのに適しているんだそうです。何だかこう、とっても荒んでますね。いかにも焼酎!…というムードがあって、個人的にはいい味を出していると思うんですけどね。

 対する“乙種焼酎”。甲乙丙のランキング概念からすると“甲種焼酎”より1ランクほど下劣なイメージを持たれてしまうんですが、実体は違うようです。とっても本格的な焼酎なので、“本格焼酎”という言い方もあるようです。和式便器にたかる寄生虫?…って、それは“金隠し条虫”だニャー。…って、なんにゃ君もこれくらいボケてくれると僕としても原稿を書くのがラクなんですが、それはそうとよかったですね、『千と千尋の金隠し』。ベルリン国際映画祭で“金タマ賞”受賞ですかい?あ、 “タマ” じゃなくて “クマ” ですかい?…って、話がどんどん横に逸れて、今日のノルマ達成まで、もう少し?…といったところでありますが、『焼酎初心者学校』の2時間目は「本格焼酎の正しい味わい方」であります。焼酎のお湯割りの作り方は、ポットの熱いお湯を4分目くらいコップに入れて、上から焼酎を注ぎ込むニャー。…というなんにゃ君の意見に対し、「ふ〜む・・・。まちがった予習をされましたな。」と酎右衛門先生の口調はあくまでも慇懃なれど、発言内容はなかなかに手厳しいです。じゃ、どうすりゃエエちゅうねん?…と、なんにゃ君ならずとも逆ギレしたくなるところでありますが、結論から申し上げましょう。湧き水を汲んできてそれで水割りを作り1日おいたものを、ゆっくり暖めためる。それが正しい焼酎のお湯割りなんだそうです。それは“お湯割り”じゃなくて、“焼酎の水割りを温めたもの”ぢゃん?…と、なんにゃ君ならずとも屁理屈のひとつも言いたくなっちゃうところでありますが、推定年齢550歳の妖怪に逆らってはいけません。「なるほどぉ。それは実に正しい“焼酎のお湯割り”ですよねー。」と表面上は恭順しておいて、ウラに回って「るっせーんだよ、クソ爺ぃ!」と陰口を叩く。それが「うんちく爺ぃの正しいあしらい方」というものでありまして。

 …って、とりあえずこれで分量的には今日のノルマを達成しましたかね?ちょっと短いですかね?ま、たまにはいいですよね?ちなみに、読んでみたらけっこう小難しかった『焼酎初心者学校』 ここ にありますので、よっぽど暇を持て余している人は一度覗いて見るといいかも知れません。いや、僕はあまりお薦めしませんけど。あ、そうそう。元ボクシング世界チャンピオンの具志堅用高は大の焼酎好きらしいですね。ある雑誌のインタビューで「好きなお酒の種類は?」と聞かれ、彼はこのように答えておりました。「しょっちゅねー。」…って、僕が言いたかったのは、そんだけ。

 ということで今日はロイ・ヘインズです。ロイ・ヘンのリーダー作と言えば何をおいても 『ウイ・スリー』 が有名かつ人気盤でありまして、二匹目の宍戸錠的作品として 『ジャスト・アス』 なんてのもありますが、人気という点ではローランド・カークの参加した 『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』 のほうが上ですかね?いや、アレは内容的には素晴らしいんですがジャケ絵を書くのがあまりにも面倒で、未だにこのコーナーで取り上げていないことが心の中で重荷となっておりまして、僕の中では「なかったもの。」として処理されているんですけどね。あと、 『クラックリン』 なんてアルバムもあるんですな。自分で書いてすっかり忘れておりました。このアルバムのレビューをちょっと読み返してみたんですが、“♪まーく”と“ネカマ口調”の濫発がちょっと鼻につくものの、チョコ・コロネの衰退に関する考察はなかなかよく出来ていると思います。で、今回紹介する 『シンバリズム』『クラックリン』 の続編でありまして、フロントがブッカー・アービンからフランク・ストロージャに変わった以外、リズム・セクションは3人とも残留しております。で、問題はフランク・ストロージャですな。ヤックンはストロージャーのことを“白面の貴公子”とか呼んで珍重しているようですが、一般的な印象で言うと「あまりソソられるものがないなぁ。。。」といったところが正直なところでありまして、大丈夫なんすかね?このアルバム。とりあえずまあ、1曲目から聴いてみることにしますかー。

 1曲目の「モデット」はそのストロージャーのオリジナルでありますな。あ、そうそう。昨日、寝る前に考えたフランク・ストロージャー俳句を紹介するのを忘れておりました。2句あります。

・ 「太いのね♪」 腐ってもフランク 捨てれんじゃー

 > 捨てろって。

・ 「見ろ、俺のフランク!」 「ストローぢゃん。」って 何もそこまで・・・

 > 自信喪失。

 太いほうにヨロコビを感じるか、それともストローにワビ・サビの境地を見るか、人それぞれだと思いますが、いや、昨日思いついた時にはいい作品だと思ったんですけどねぇ。。。せめて「アメリカンドッグの棒」ぐらいのことを言ってくれればここまで傷付かなくてもすんだと思うんですが、それはともかく。ストロージャはここではフルートを吹いておりますな。で、原文ライナーによれば、ボストンの外観の間の聴衆における若い女性によって指定されたメロディー、…で…複雑さ敵で強く味をつけられる…今日は、大胆なジャズミュージシャンが注目に値されることであり、そして、等しく打つ(←意味不明)。…とのことでありますが、6/8拍子を伴った3/4拍子のフィーリングは、何となくローランド・カークの吹く「ドミノ」を髣髴させる鎌倉大仏。…といった感じでありますな。鎌ヶ谷大仏は小さかったですけどね。高さ1.8メートルって、日本家屋で鴨居に額をぶつけずに歩けちゃうぢゃん。…って、座った姿で高さ1.8メートルだから、立てばさすがにもうちょっと大きくなるんですかね?問題は鎌ヶ谷大仏をいかにして立たせるかなんですが、あるいはガラナエキスなんかが効果的かも知れません。で、ストロージャー。この人、アルトを吹くとちょっと取り留めのないところがあるんですが、フルートはわりとオーソドックスです。もう“オーソ鈴木”と呼びたいくらい。いや、なぜ“鈴木”なのかよくわかりませんけど。で、オーソドックスなのはいいんですが、今ひとつフレージングが起伏に乏しく、盛り上がりに欠けるなぁ。…という気がしないでもありません。ま、人生それぞれですけどね。で、ソロの最後のところでテーマ・メロディの一節を吹いたりして、ロニー・マシューズにバトン・タッチします。

 地味なシダー・ウォルトン。…というのが僕のロニ・マシュ評なんですが、モーダルだけど地味。そんな感じですね。で、ここでのマシューズは真正直にモード的なフレーズを展開しておりまして、やや展開が平坦ではありますが、それがモーダルちゅうものでありまして。じっくり聴けばなかなか悪くない演奏なんですが、ぼーっと聴いていると地味。そんな感じです。で、ロイ・ヘインズのバッキングが賑々しくていいですな。伊達にヘンな顔の犬を連れてるわけじゃねーな。…といった感じです。犬の顔もそうなんですが、変なレタリング文字もヤメて欲しかったところですな。ジャケ絵を書く身にもなって欲しい。…と文句のひとつも言いたくなってしまいますが、とか言ってるうちにストロージャーが復活して再びソロ・モードに入り、テーマに戻って、落ち着きのないエンディング・パートがあって、おしまい。ま、アルバム冒頭としては、まずまずかな?…といったところでしょうか。一番最後のベースの無伴奏ピチカートは渋くていいと思います。

 2曲目、「アイム・ゲッティング・センチメンタル・オーバー・ユー」。イントロなしで、いきなりストロージャーがテーマを吹き始めます。アップ・テンポで、ちっともセンチメンタルじゃないナンバーに仕上げております。ストロージャーのアルトは何だかワイルドな感じですね。“白面の貴公子”というヤックンの命名にはかねてから疑問を持っていたんですが、『ファンタスティック』という彼のリーダー作から受けた、今ひとつ取り留めのないアルト。暗いところで物が見えにくくなる?…って、それは “取り留め” じゃなくて “鳥目” でありますが、そういった印象とはちょっと違って、わりとフツーですね、この人。で、ここでのアレンジはちょっと凝っております。テーマの後、いきなりドラム・ソロになるところが渋いと思います。考えたな、ロイ・ヘン。…といった感じです。小節の合間にストロージャーが「べっ♪」と1音だけ出してるところもいいです。で、ソロ2番手はロニー・マシューズでありますが、この人は歌モノをやらせると実に小粋ですな。決して派手ではないんですが、地味は地味なりに滋味があっていいと思います。で、ソロ3番手はストロージャー。やはりフレージングが時折、取り留めがなくなったりしますが、ま、人生それぞれですしね。本人がそれでいいと思っているのなら、他人がとやかく言う筋合いではありません。で、えーと、この曲に関してはそんだけ。

 3曲目の「ゴーン・ギット・イット」はロニー・マシューズのオリジナルです。カルロス・ゴーンはきっと一等。…という、日産自動車の再建に賭ける思いを託したナンバーではないかと思われますが、あ、そうそう。RVRも10年くらい乗って、あちこちにガタが出てきたので、そろそろ新しいクルマを買おうと思うんですけどね。ブルマは古い使用済みのモノのほうがいいんですが、クルマはやっぱり新しいほうがいいと思うしー。で、三菱のエアトレックとスバルのフォレスターと日産のエクストレイルに候補を絞ってネットでカタログを請求してみたところ、日産がいちばん熱心で、わざわざ家までパンフレットを持ってきてくれました。どうせならパンフと一緒に使用済みのパンツも持って来てくれたらもっとよかったんですが、その熱意にほだされて、ま、エクストレイルでいっかぁ?…と、少し心が動いているところであります。で、「ゴーン・ギット・イット」のほうはどうかというと、典型的なゴスペル調のナンバーでありますな。ストロージャーのアルトによる呼びかけに対してリズム・セクションが応答する形でテーマが演奏され、で、途中のブレイクが何とも言えずいい感じです。思わず「いゃー・げっと!」と声を掛けたくなっちゃいます。ソロ先発はストロージャーで、蓮っ葉な吹きっぷりが何とも言えずいい感じですな。続くマシューズのソロはちっとも黒くないジュニア・マンス。…みたいな感じで、この人らしくっていいんじゃないでしょうか。あ、ハロルド・メイバーンを思わせるような展開もありますな。…とか言ってるうちにテーマに戻りましたが、3分52秒の小品ながら実に印象深い作品でありました。そんだけ。

 4曲目の「ラ・パロメインディング」はストロージャーのオリジナルで、作曲者のフルートがフィーチャーされるナンバーです。哀愁を帯びたオリエンタルでエキゾチックなムードのスロー・バラードでありまして、この手の曲にはフルートの透明な音色が実によく合いますな。ソロ先発のマシューズがツボを押さえた肩凝りによさそうなプレイを展開し、しみじみとした演奏を聴かせてくださいます。あ、途中に “肩凝り” を無理矢理いれたら、日本語が少しヘンになっちゃいましたね。で、続いてラリー・リドレイのベース・ソロが聴けます。もう、例えようもなく地味です。これにくらべたら、ロニー・マシューズなんかまだマシなほうだよね?…と、バスの後ろの席に座っている女子高生に思わず同意を求めたくなっちゃいます。いや先日、東京の出張から帰って桑名駅からバスに乗ったら、後ろの席に女子高生の2人連れが座っていたんですよね。いや、正確に言うと僕が女子高生の2人連れの前の席に座ったんですが、しばらくすると後ろから英語を話す声が聞こえてきて、ちょっとびっくりしました。どうやら2人のうちの1人は外人ギャルだったようなんですが、わりと流暢に英語を話している日本人女子高生にちょっと感動を覚え、思わず「ぱんつ、見せて欲しい!」と思ってしまいました。いや、見せてくれませんでしたけどね。

 ということでラストです。メドレーで「ハグ」「シンバリズム」「オレオ」の3曲が演奏されます。最初の「ハグ」はストロージャーのオリジナルで、バピッシュでなかなか調子のいい曲です。ソロはストロージャー、マシューズの順です。アルトとドラムスのバースもあります。そんだけ。続くタイトル局の「シンバリズム」はロイ・ヘインズとリチャード・猥杏の共作でありまして、ワイアンズが参加したロイ・ヘンのリーダー作『ジャスト・アス』でも演奏されていたナンバーです。どこかで聴いたことのあるような曲なんですが、…って、そりゃ『ジャスト・アス』で聴いたんだと思いますが、何と説明すればいいのか、要するに 「ちゃんちゃん、ちゃんちゃんかちゃんちゃん♪」 という曲であります。テーマの後、地味の極みのラリー・リドレイのピチカート・ソロがあって、アウトな感じのストロージャーのソロがあって、マシューズのソロがあって、ま、全体的になかなか素直な仕上がり具合で、いいんじゃないですかね。で、最後に短くロリンズの「オレオ」が演奏されて、おしまい。…というアルバムなのでありました。おしまい。

【総合評価】

 フランク・ストロージャーが思ったよりも普通で、結果、悪くない作品に仕上がっていると思います。ストロージャーの吹くフルートはあまりインパクトはありませんが、インターネット博覧会、略して “インパク” ぐらいのインパクトはあると言えるでしょう。…って、ぜんぜん駄目ぢゃん。


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