JACKNIFE (BLUE NOTE)

JACKIE McLEAN (1965/9/24)

JACKNIFE


【パーソネル】

CHARLES TOLLIVER (tp) LEE MORGAN (tp) JACKIE McLEAN (as)
LARRY WILLIS (p) LARRY RIDLEY (b) JACK DeJOHNETTE (ds)

【収録曲】

ON THE NILE / CLIMAX / SOFT BLUE / JACKNIFE / BLUE FABLE
【解説】

 11月最初の土曜日、事務所にいた僕は家に帰るべく車に乗り込み、そこで強烈な悪寒に襲われました。強烈な痴漢、あるいは激烈なやかん。いずれも襲われてあまり嬉しいものではありませんが、悪寒というのもあまりよくないものよね。…と、うちのおかんも言っておりました。で、こりゃ、風邪ひいたな。…と察した僕は帰宅後直ちに熱めの風呂に入り、カレー食って、頭から布団を被って寝ちゃったわけでありますが、翌朝に目を覚ますとやっぱり体調不良でありました。ま、2日も寝てれば治るやろ。…と軽く考えていたんですが、月曜日の夜、何気なく体温を測ってみて、ビビりました。いや、ここ数年来、まともに体温なんか測ったことがないんですよね。体温計といえば、やっぱり水銀?…というくらい、僕の歴史の中で体温測定というのは20年ほど前から停滞しちゃっているわけでありますが、いや、さすがにもう水銀の体温計というのはウチにはありませんけどね。どうしちゃったのかというと高校生の頃“10円玉と水銀で合金を作って10円玉を銀色にする遊び”の際に割って中身を使ってしまいました。今から思えば「毒なんぢゃないか?」という気がしてならんのですが、ま、当事“化学のオニ”と称されるくらいその分野に秀でていた僕にとって、そんなことはよくわからなかったのでありまして。

 で、最近では体温計の世界も進化して、今では“電子体温計”というのが主流になっているみたいですね。体温計がデジタルになって以来、「あげな数字は信用出来ん。」と、僕は頑ななまでに体温を計測することを拒否しつづけてきた次第でありますが、「ピピッと鳴ったらオッケーやで。」とおかんに言われ、何気なく“電子体温計”を脇の下に挟んでみることにしました。最近では耳の穴に赤外線を放射して3秒くらいの早業で体温を測定するやつもあるそうですが、うちにあるのは“電子体温計”といってもそれほど大した電子技術が応用されているわけではないタイプだったようで、3分くらいたっても“ピピッ”という音が鳴りませんでした。しびれを切らした僕は押入れの奥から“しびれフグ”を取り出し…って、熱っぽいのにそんなことをやってる場合ではなく、しびれを切らした僕はまだ挿入したばかりだというのに我慢しきれず、とうとう外に出してしまいました。今から思えば不甲斐のない話でありますが、外に出された体温計は3秒ほどして“ピピッ”というか細い鳴き声を上げました。ああ、もうちょっとの辛抱だったのにぃ。…と、早まってしまった自分を激しく悔やみましたが、ちなみにその時の表示は38度5分くらいでありました。日頃、ほとんど38度を越える発熱など経験したことのなかった僕は、…というか、ここ数年来まともに体温など測ったことがなかった僕はその数字にちょっとビビって、もう一度真剣な態度で体温測定に取り組むことを決意した次第でありますが、“ピピッ”と鳴るまで脇の下に挟んでおいた体温計が示した数値は39度4分。これはきっと何かの間違いに違いない。即座にそう判断した僕はふたたび真摯な態度で体温計を脇の下に挟んでみたんですが、その結果出された数字は更に3分ほど上乗せされて、39度7分になっておりました。

 これはもう、体温計に何かの不備があるに違いない。そう判断した僕は、そういえば3年ほど前、まったく体温を計ろうなどという意思が無かったにもかかわらず、ただ何となく買ってしまった“けろけろけろっぴ体温計”があったことを思い出し、机の引き出しの奥から探し出して脇の下に挟んでみました。39度5分。これはもう、体温計の数字を信用するより他ありません。特に“けろっぴ体温計”は医学的に見ても極めて信憑性の高い干瓢…といった感じがするわけでありますが、それにしてもまさか39度を超える熱があるとは思わず、わりと普通に3度のメシを食べたりしておりました。不覚でした。が、39度を超える熱があることを自覚してしまってはもういけません。途端に下痢になりました。この時の下痢ではひとつ不思議なことがありまして、それは何かというと“下痢便が臭くなかった”ということなんですけどね。臭いどころか何やら漢方薬っぽい芳香が漂っておりまして、何だかカラダによさそう?…といった感じすらありました。高熱のために消化酵素がうまく機能せず、適正な養分の搾取が行われなかった下痢便にはカラダに必要な養分がたくさん含まれていて、それ故、カラダによい漢方薬のような芳香を放っていた。…ということなんでしょうかね?いや、あるいはただ、あまりの高熱に臭覚が麻痺していただけかも知れませんけどね。いずれにせよ“体温が39度を超えるとウンコが臭くなくなる”というのは新たな発見でありました。いや、僕の身だけに起こった極めて特殊な症例だったのかも知れませんけどね。

 で、体温が39度を超えると、もはやアタマの中でのマトモな思考というのは無理みたいです。今となってはもう再現不可能でありますが、何だかわけのわからん言葉や記号のようなものが脳ミソの中を激しくうごめいていたなぁ。…といった思い出がアタマの中に残っております。言葉のほうは無論、日本語が主体だったんですが、どういうわけだかロシア語とドイツ語もうごめいておりました。僕はロシア語にもドイツ語にもまったくもって堪能ではないんですが、「熱を出した時はやっぱりロシア語とドイツ語だよねっ♪」…と、アタマの中で納得していたのが自分でもよくわかりません。高熱というのはそういうものなんですかね?あと、アタマの中のパーツが自分の居場所を探して右往左往していた…というのも印象としてアタマの中に残っております。僕はこのまま、バカになっちゃうかも知れないな。…という漠然とした不安感も浮かんでまいりましたが、そもそも人間、どうして病気になると熱が出るんですかね?…ということで、ちょっと調べてみました。

 えーと、まずは“前兆期”ですな。体温36.5〜37.0度で、悪寒・震えを感じるのがこの時期だそうです。体内にウイルスが侵入〜体内の免疫細胞が発見・攻撃〜視床下部が体温上昇を命令〜更に免疫細胞が活性化し、ウイルスに対抗(発熱はこれら免疫細胞を活発にするためのものだった)…って、なるほど、発熱はこれら免疫細胞を活発にするためのものだったんですな。誰が書いたサイトだか知りませんが、なかなか“正義”っぽくていいのではないかと思います。で、続いては“上昇期”。体温37.0〜38.0度で、頭痛・身体のだるさを感じる…って、あ、確かにだるかったです。もう、全身倦怠期って感じぃ?で、今回の場合、悪寒に襲われたのと倦怠感に襲われたのがほぼ同時であったところを見ると“前兆期”と“上昇期”が一緒くたにやってきた模様でありますが、そのあとがいよいよ“ピーク期”です。体温38.0〜39.0度以上、発熱はほぼピーク。免疫細胞は睡眠により、また体温が高いほど戦闘力がアップしウイルスを撃退。この時期も解熱剤を服用すると免疫力低下〜ウイルス撃退に時間がかかる〜病気が長引くことに。(しかし39度を超えて体力消耗が激しい場合や温熱中枢が未発達の小児の場合は解熱を検討、また仕事で休めない場合は長期戦を覚悟、体力の消耗を抑えて早めに解熱剤を服用、ゆっくり休める場合は短期決戦、しっかり発熱させ解熱剤は服用しないなど治療方針を明確にする)…とありますが、なるほど。ただ闇雲に熱を下げればエエちゅうもんでもないんですね。さ、そこで火曜日です。僕は会社を休んで近所の開業医へと足を運んだんですが、診察の結果、そのセンセイはぽつりと一言、こんなことを口にしたのでありました。「座薬、入れてみるぅ?」

 いや、衝撃的な一言でしたな。ま、幸いにもその場で有無を言わさずに挿入…とかそういうことではなくて、あとで家でゆっくり。…ということだったんですが、自慢じゃないけど僕は今まで“座薬”のお世話になったことはありません。遂にこの時が来てしまったかぁ。…と、僕の目の前は真っ暗になってしまいました。安易に開業医の門をくぐってしまった己の不徳を悔やんでみても、時、既に遅し。。。ま、その日の朝に体温を測ったら“けろっぴ温度”で38度9分。病院から帰ってきたら37度5分まで下がっておりましたので、あえて肛門に薬を突っ込んでまで熱を下げる必要もないかな?…という気もしたんですが、15分ほど寝ているうちに、どうにもこうにも我慢出来なくなってしまいました。入れてみたい!…と心の底から沸き起こる欲望を僕はどうしても抑えることが出来ませんでした。僕は銀紙に密封された“座薬”をおもむろに取り出し、いそいそと便所に向かった次第でありますが、“座薬”というのは思ったよりもデカいものでありますな。飲み薬のカプセルくらいの大きさのものを想像していたんですが、人差し指の第一関節から先くらいのボリュームがありました。で、その形状は噂に聞いていたとおり“弾丸”に酷似しておりまして、手で持った感触は蝋燭の蝋のような感じでありました。果たしてこんなモノが僕の肛門に入るのか?不安は嫌が上にも高まってまいります。が、結論から申しましょう。入りました。最初、肛門の“門の入口”あたりでちょっとした抵抗があるんですが、ひるまずに「えーい!」と挿入すると、スッといった感じで入っていきます。ただ、そこで妥協してしまうとせっかく挿入した“座薬”は肛門括約筋の活躍によって外部に排出されちゃう恐れが多分にありますので、更なる努力が必要となります。スポッと入った時点から、更に指先に力を込めてもうひと押し。超えてはいけない一線を越えてしまった。…という刹那から、思わず「あっ!」という声が出てしまいますが、“座薬”の挿入はこの最後のひと押しが重要なようです。いずれにせよ、「思ったよりも痛くなかったのぉ♪」というのが僕の“座薬”初体験の率直な感想でございます。

 そして“座薬”の効果は劇的でした。“肛門直”だから効果あるかな?…と期待していた下痢関係のほうはさっぱりでしたが、熱のほうは確かに下がりました。挿入後1時間足らずで体温は35度7分まで下がりました。ま、翌日には37度7分まで再上昇してもう1日の業務休暇を余儀なくされたところを見ると、まったくもって刹那的な効果しか期待出来ないようなんですが、“その場しのぎ”にはなるようです。挿入の瞬間“刹那的な快感”だって味わうことが出来るし、まだ未体験の人は一度チャレンジしてみるといいんじゃないですかね?ちなみに“座薬”という名前は付いておりますが、座った状態で挿入するのはかなり困難です。中腰じゃないと無理です。“よつんばい”というのもいいかも知れません。手のひらでしばらく温めていると柔らかくなって、ある程度自由に形を変えられるようになりますので、好みに応じて“いぼいぼ”を付けたりするのもいいかも知れません。「ああん、どうしても入らないのぉ。。。」という場合はサラダ油を塗るといい。…という話もあります。なるほど、すべすべオイルとの併用は効果的かも知れませんね。今度、試してみましょう。…とまあ、まだ2つ残っている“座薬”を前に、僕のチャレンジ精神は激しく揺さぶられ続けるのでありました。ということで、この話は次回に続く。

 ということで、今日はジャッキー・マクリーンです。しばらく掲示板で話題に上っておりました『ジャックナイフ』でありますが、“最近、名古屋で仕入れてきたCD”にこの1枚がありましたので、実にタイミングがよかったですな。僕はただ単純に「マクリーンの見たことないアルバムがあるぢゃん。」と思って買ってきたんですが、家に帰って聴いてみたらホントにまだ聴いたことのないやつだったので安心しました。最近、二重買いとかザラですからね。ただ、家に帰って聴いてみたらホントにまだ聴いたことのないやつだったので安心しました。…と思っていたら、実は以前に買って持っていて1度だけ聴いて、すっかり忘れているヤツだった。…といった事例も少なくはないのでまだ安心はなりません。が、全角の*師匠のカキコを見る限り、この『ジャックナイフ』は初CD化であるようなので多分だいじゃぶでありましょう。アナログ盤なんて部屋のインテリア代わりに買った国内盤の『クール・ストラッティン』『サキソフォン・コロッサス』があるきりですもんね。昔、ジャズ以外のLPも何枚かはあったんでしょうが、火事で焼けちゃったしー。で、このアルバム、かつて『Jacknife』『High Frequency』として発売される予定でお蔵入りになった二つのセッションがありました。この二つのセッションは、後年に抱き合わせで、二枚組LP『Jacknife』という名称で発掘盤として発売されていました。…ということでありまして、で、今回は当初『Jacknife』というタイトルで発売される予定だったほう1枚のみのCD化ということになっております。もともとバラで出す予定のアルバムだから、単発でCD化して何が悪い!…と開き直ることも出来ますが、ほとんど関係のないアルバムでさえ、強引に“2in1”にしてCD化するのが好きなアメリカのレコード会社にしては、ちょっと解せない方針ではありますな。ま、勝手なジャケットを捏造して“2in1”を作られるとジャケ絵を書く身としてはちょっと困るので、その意味では助かるんですけどね。で、今回のCD化に際しては従来の“BNLAシリーズ”のジャケでなく、何となく“リード・マイルス風”のものに改められたようなんですが、レタリング部の字のズレ具合が何とも言えず書くのが面倒で、「余計なことをしてくれたなぁ。。。」と思わずにはいられませんでした。ということで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 1曲目、「オン・ザ・ナイル」。このアルバムにはチャールス・鶏婆リー・モーガン、2人のトランペッターの名前がクレジットされておりますが、マクリーン、トリヴァー、モーガンの3人が顔を揃えているのは1曲だけで、他の4曲はトリヴァーとモーガンのうち、どちらか一人がマクリーンと共演するというパターンになっております。で、この1曲目はトリヴァーの番ですね。曲を作ったのもトリヴァー自身でありまして、まるでナイル川をゆったりと筏で下るかのようなモーダルな曲調がとっても印象的です。あ、そういえば『ジャックナイフ』ではなく、『オン・ザ・ナイル』というタイトルで発売される予定だった。…という話を読んだことがあるような気もしますが、エジプトはナイル、座薬はオイルで入る…って、関係ないですね。で、のっけから特に書くことがないので原文ライナーでも翻訳してみようと思うんですが、えーと、クレオパトラの豊富な艀のうちの 1 つが行ったように、「 On The Nile 」の荘厳な中東のテーマは、動く…数世紀…前に…その歴史的川で。なるほど、“艀”というのが今ひとつよくわからんのですが、言いたいことは何となくわかりますね。僕はこの中東的なテーマ・メロディを耳にして、ナイル川を筏で下る様子が頭に浮かんだわけでありますが、アイラ・ギトラーが考えたのも似たようなものであるようです。僕と発想が同じではあまり大したことないですなぁ、ギトラーも。

 で、ソロ先発はマクリーンです。再びあまり大したことないギトラーの言葉を引用させていただくと、Mclean は、ここで Coltrane オリエンテーションを示す。しかし、彼自身の感情的パワーは、強く存在する。…とあります。なるほど、言われてみればここでのマクリーンのソロはコルトレーン・ライクでありますな。典型的なモード奏法ではないかと思うんですが、ソロを少し吹いた後、テーマ・メロディのアンサンブル・パートが出てくるところが60年代新主流派風に洒落ていると思います。何だかとっても重厚って感じぃ?で、このパターンはトリヴァー、ラリー・ウイリス、ラリー・リドレイと続くソロ・パートでも踏襲され、これはちょっとしつこいかな?…という気がしないでもないんですが、それにしてもマクリーン。熱にうなされたかのようなファナティックな吹きっぷりが素敵です。そんだけ。で、続くチャールス・トリヴァーもよいですな。スタイル的には“地味なウディ・ショウ”といった感じでありまして、“派手なウディ・ショウ”に比べるとそれほど派手さはないんですが、その分、地味です。いや、ウディ・ショウという人もそれほど派手というわけではないんですが、なんせ彼には“地下鉄に轢かれた”という決定打がありますからね。で、トリヴァーのソロは前衛的でありながら、小難しいところはみじんもない。…といった絶妙のバランスを保持しておりまして、とくに最後のところのフレーズなんか、かなりキュートだと思います。そんだけ。で、続いてラリー・ウイリス(p)とラリー・リドレイ(b)の“らりらりコンビ♪”のソロがあって、重厚ナイルなテーマに戻って、おしまい。いかにも60年代らしい雰囲気に溢れた1曲なのでありました。

 はい、2曲目です。「クライマックス」はドラマー、ジャック・ディジョネットのオリジナルでありますな。ちゃかちゃんちゃかちゃんちゃかちゃん、つんちゃん、ちゃかちゃんちゃかちゃんちゃかちゃん、つんちゃん♪…と繰り返すラリー・ウイリスの反復フレーズが印象的でありまして、それに続くテーマ・メロディはわりとシンプルです。沖縄の炒め料理?…って、それはチャンプルーですね。…って、いや、今日の原稿はちょっとボケが少ないかな?…と思って書いてみたんですが、書くだけ無駄だったような気がしないでもありません。ま、人生に失敗は付き物だしー。で、ソロ先発はモーガンです。トリヴァーって、いいよね?もう、モーガンの時代じゃないって感じぃ?…などと1曲目を聴きながら考えていた生意気ざかりの高見盛。…といった僕でありますが、いや、ちっとも生意気じゃなくて、とってもよくデケた力士らしいですけどね、高見盛。で、もう、モーガンの時代じゃないって感じぃ?…などと1曲目を聴きながら考えていた僕でありますが、こうして聴いてみるとモーガンはモーガンでやっぱりよいですなー。トリヴァーに比べると“余裕”が感じられますね。もう、トータル・フロート13日分って感じぃ?…と、電気工事施工管理技士の試験で今ひとつよく理解できなかったネットワーク工程表の用語を使って、ちょっと教養のあるところを見せておいて、で、原文ライナーであまり大したことないギトラーも、それから、モーガン、若い長老は、大きい興奮のスタッカートの高い‐抵抗者ソロを実行する…と誉めております。なるほど、“若い長老”ですか。言いえて妙ですな。そして大きい興奮のスタッカートの高い抵抗者ソロがとっても実行されていると思います。

 はい、続いてマクリーン。39度の熱を出して以来どうにもこうにもヤル気が起こらず、今日もこうして時間外労働を有意義に過ごしているわけでありますが、ここでのマクリーンのソロに関しては「何か、凄かったよな?」という印象しか残っておりません。ここでのマクリーンのソロは凄いです。ということで、3曲目です。「ソフト・ブルー」はモーガンのオリジナルです。とってもソフトでブルーで、モーダルでありながらシンプルで、ゆったりしたアフロ・キューバン・リズムがとっても印象的なナンバーではなかったかと思います。原文ライナーの翻訳もそろそろ飽きてきたので、これはもう本格的に高見盛ネタで食いつなぐしかないんぢゃないか?…という気がしてきたんですが、ここにきて始めてマクリーン、モーガン、トリヴァーの三者が揃い踏みしますね。“若い長老”と“若いヤング”、新旧2人のトランペッターの共演が聴き物でありますが、ソロ・オーダーはモーガン、マクリーン、トリヴァーでしたっけ?とりえあず家に帰ってからゆっくりと確認してみようと思いますが、ということで、家に帰って再び会社です。いや、いまだ風邪が抜けきれず、家に帰っても何にもヤル気が起こりません。熱は下がったんですが、痰がからんで咳が止まりません。あまりに咳き込み過ぎて、肋骨が痛くなってきましたが、あるいは疲労骨折しているかも知れませんな。

 で、演奏を何度か聴きなおしてみた上での訂正でありますが、2曲目「クライマックス」のソロ先発はマクリーンでありました。で、ソロ先発はモーガンです。…と書ききってしまった我が身の不徳を恥じるしかありませんが、なかなか太くならない我が身の不徳も恥じなければならないし、世の中、なかなか思いどおりにはいかないものでありますなぁ。。。で、マクリーンのソロは“苦悩する狩野派の画家”といった感じだった1曲目と比べるとフレージングがわかりやすく、わりとオーソドックスでありました。が、その熱さはただものではありません。ジャック・ディジョネットの叩き出すパルス的なビートに鼓舞され、壮絶に吹きまくるマクちゃんが素敵♪イメージ的には『ライト・ナウ』(だっけ?)の冒頭を飾った「エコー」(だっけ?)に似た感じですかね?いずれにせよ、本アルバムでもベストであると言えるソロであると言ってもいいのではないでしょうか。ということで、3曲目です。「ソフト・ブルー」のソロ・オーダーはやはりモーガン、マクリーン、トリヴァーでありました。その後、ラリー・ウイリスが続くわけでありますが、各自、全体的にゆったりとしたソロが続き、とっても寛いだセッションに仕上がっていたのではなかったかと、かように思う次第であります。

 で、4曲目のタイトル曲「ジャックナイフ」はチャールス・トリヴァーのオリジナルでありますな。いかにもジャックナイフらしい切れ味鋭いナンバーでありまして、…と、適当なことを書いておいて、で、実際には今ひとつ了見のよくわからないタイプの曲でありますな。ま、“変則バップ”と言えなくもないかな?…という気がしないでもないんですが、アドリブ・パートに入ってからのマクリーンはとっても吹っ切れていて、よかったんじゃないかという気がします。トリヴァーもよかったと思います。えーと、この曲に関しては以上です。で、ラストの「ブルー・フェイブル」はマクリーンのオリジナルでありますな。「青い寓話」ですか。4曲目までとはムードが一変し、オーソドックスなハード・バップの薫り高き作品に仕上がっております。が、マクリーンのソロ自体はモーダルではなかったかと思います。で、この手の曲調だと、やっぱりトリヴァーよりもモーガンですな。生き生きとした吹きっぷりで僕たちを楽しませてくれて、とっても良好です。ということで、えーと、今日は以上です。

【総合評価】

 オクラ入りしていたのが信じられないほど充実した内容…というのが陳腐ながらも無難な総合評価ではないかと思いますが、それにしても書くことがなかったですな。特に3曲目以降は何も書いてないに等しいですもんね。ま、たまにはしょうがないよね?病み上がりだしー。


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