DIZZY ATMOSPHERE (SPECIALITY)

LEE MORGAN & WYNTON KELLY SEPTET (1957)

DIZZY ATMOSPHERE


【パーソネル】

LEE MORGAN (tp) AL GREY (tb) BILLY BITCHELL (ts) BILLY ROOT (bs)
WYNTON KELLY (p) PAUL WEST (b) CHARLIE PERSIP (ds)

【収録曲】

DISHWATER / SOMEONE I KNOW / D.D.T. / WHISPER NOT
ABOUT TIME / DAY BY DAY / RITE OF SWING / OVER THE RAINBOW

【解説】

 僕の短い“試験の秋”が終わりました。いや、ホントに短かったですな。直前の3日間ほど、ちょこちょこっと勉強しただけですもんね。で、試験の前日には家で焼肉を食べました。かなり脂身の多い部位だったんですが、トロっとしていて柔らかく、とっても美味でありました。…って、そんなことが電気施工管理技士の実地試験に何か関係があるのかというと、これが大アリでありまして、同じように翌日に情報処理の試験を控え、同じようにトロっとした脂身の多い肉を食べた塩サバ2号は、翌日、下痢だったそうです。下痢勝負事。これはどう考えても相性がよくないですよね。押し寄せる便意との闘いが思考回路に多大なる悪影響を与えるであろうことは想像に難くないわけでありまして、よく、高校球児が試合の前に縁起を担いで“テキに勝つ”とか言ってビフテキトンカツを食べたりしますが、あれは体調管理という観点からすると、あまり誉められたことではないような気がするんですけどね。短期的には下痢、長期的には痛風の元だと思うしー。が、幸いにも僕は“下痢出る苦”にも関節の痛みにも襲われることなく、無事に試験の当日を迎えることが出来たのでありました。

 が、禍福はあざなえる縄の如し。僕の身に不幸が訪れました。名古屋まつり。それが諸悪の元凶でありまして、これはどういうものなのかと言うと、信長・秀吉・家康の、いわゆる“郷土三英傑”が行列するという、そういった催し物なんですけどね。信長・秀吉・家康の役は、毎年市民の間から公募で選ばれることになっております。選考基準がどのようなものであるのかよくは知りませんが、“英傑”だけに“ええケツ”をしていることが必須条件ではなかろうかと。いや、個人的にはオッサンのケツなど、別にソソられるものないし、別にどうでもいいんですけどね。で、この催し物が僕にどのような不幸をもたらしたのかというと、催し物のおかげで便意を催したとかそういったことではなく、試験会場への集合時間が12時45分という中途半端な時間であったにもかかわらず、朝早く家を出ることを余儀なくされるハメになってしまいまして。いや、丸の内にある塩サバ物産(仮名)の本社までクルマで行って、そこから地下鉄で伝馬町まで行こうかな?…と思ったんですが、10時半から15時半まで“名古屋まつり”のおかげで大津通りが通行止めになってしまい、会社の駐車場までたどり着けなくなっちゃうんですよね。仕方がないから朝の8時過ぎに会社に行きました。暇だったので勉強しました。結果的にはこの直前学習がわりと効果的だったんですが、果たして“試験に出ろ 電気工事施工管理技士”の出題予想は、どうだったのでしょうか?

 結論から申しましょう。ぼちぼちでした。試験問題は ここ に掲載されておりますので参照してもらうとして、まずは“施工経験記述”でありますな。“工事名”“工事場所”“請負金額”は丸暗記した通りでいいとして、問題は“概要”であります。なるべく詳しく書け。…と講習会で講師のオッサンが言っていたので機器の出力キロワットや電線管・電線の種類まで、実に事細かく熱心に覚えていったにもかかわらず、解答用紙の記入欄はわずか1行でありました。はめられた。そんな思いが僕の脳裏をよぎりました。連れて逃げてよ〜、着いておいでよ〜♪…って、それは“よぎり”ぢゃなくて「矢切の渡し」ぢゃん。…って、そんなボケまで頭に浮かびました。けっこう余裕ぢゃん、僕って。ま、5行くらいの記述を覚悟してたのに1行でいいというのだから、気分的には楽ですよね。が、余裕があったのはここまででありまして、僕は問題文に「上記電気工事の現場において、工程管理上あなたが特に留意した事項を2項目あげ…」とあるのを見て、目を疑いましたね。最近数年間の出題データによると“工程管理”“安全管理”“工程管理”“安全管理”“工程管理”“安全管理”“工程管理”と、“工程管理”と“安全管理”が毎年交互に出題されておりまして、今年は100% “安全管理”や!…と信じて疑ってませんでしたからね。純真な中年の心を踏みにじる、とんでもないフェイント攻撃でありますが、いや、講師のオッサンは「今年は“騙し”があるかも?」と踏んだのか、安全管理だけでなく工程管理品質管理についても模範解答の解説をしてましたけどね。ンなもん、今年は“安全”に決まってるぢゃん。…と思って、まともに聞いてなかった自分を責めるしかありません。

 で、2問目は“安全管理”に関する問題でありました。ここは今年は“品質管理”かな?…と踏んでいたんですが、“品質”に関する知識はまったく頭に入ってこず、半ば“あきらめムード”だったんですが、1問目の替わりにここが“安全”になったのはラッキーでした。「強度率」「元方安全衛生管理者」「飛来・落下防止対策」「中高年齢者に対する配慮」の中から2つを選び、内容を記載せよ。…という問題だったんですが、ここは「飛来・落下」と「中高年齢者」に賭けるとしましょう。これはわりと簡単ですよね。墜落の防止には安全帯、貞淑な奥様には貞操帯。これが基本であります。あとは適当に「足場は正しく使いましょう。」とか、「飛来防止ネットで飛来物は防止できるねっ…と。」とか、「落ちる前に、飲む。」(←田中邦衛風に)…って、いくら大正漢方胃腸薬を飲んだところで落ちる時は落ちるような気もしますが、とにかくまあ、適当に書いておきました。で、続いての「中高年齢者に対する配慮」でありますが、これは簡単です。とにかく、話を聞く。この一点に尽きます。中高年齢者というのは得てして話がくどく、何度も同じことを言ったりして、マトモに相手してらんないんだよねぇ。…という態度がいちばんよくありません。「はぁ。」とか「そうですねぇ。」とか、適当に相槌をうちながら聞き流しておけば、とりあえず中高年齢者というのは機嫌がいいものなのであります。そういった細やかな心配りの出来る、そんな現場監督に、私はなりたい。…って、はい、これで2問目までクリアー。

 で、問題は3問目の“電気設備等の演習問題”であります。ここが最大の難関でありまして、範囲があまりにも広すぎて、はっきり言って覚えきれるものではありません。そこで僕は講師のオッサンを全面的に信用し、講習会で「ここが出ろ。」と言われた単語に重点を絞って丸暗記しておきました。あ、その前に“第2問・その2”として“ネットワーク工程表”に関する問題がありましたな。これは学科試験の講習の時、話を聞いてもさっぱりワケがわからなかったので、「今年は出ない。」と踏んで無視することにしたんですが、すると案の定、出ませんでした。あ、でも、実地には出るかな?…と思って試験の当日、会社でちょっと勉強してみたんですが、すると案の定、出ました。僕の勘は“冴え冴え”であったと言えましょう。

 で、“電気設備等の演習問題”でありますが、こんな単語が出題されておりました。「ガス絶縁開閉装置(GIS)」「B種接地工事」「送電線のねん架」「光ファイバ複合架空地線(OPGW)」「10BASE−T」「電磁誘導障害対策」「スコット結線変圧器」「ATき電方式」「交通信号の半感応制御」「電力デマンド監視制御」「高圧ナトリウムランプ」「電食対策」。この中から4つの用語を選んで内容を簡潔に記述するわけでありますが、講習会で取り上げられ、『試験に出ろ 電気工事施工管理技士』にも書いておいたのが「スコット結線変圧器」でありますな。“発射あり、スコッと抜いて、危機一髪”、出てるやん!…と、思わず嬉しくなってしまいました。“かれい技士さまさま”でありますなぁ。で、対照的に哀しかったのが「送電線のねん架」でありまして、これは講師のオッサンが「出る」と言っていたのもかかわらず、原稿を書く際、この用語の直前で面倒になってメゲてしまったんですよねぇ。やはり中高年齢者のいうことは素直に聞いておくべきでしたなぁ。。。ま、一度は耳にしていた言葉なので、うろ覚えながらなんとか書いておきましたけどね。要は、送電線というのはそれぞれ地面からの高さが違うので、何だか知らないけど電気的に不均衡になって、よくないと。そこで、送電線を“ねん架”(←“ねじねじ”することらしい。)すると、よくなる…と。どうやらそういうことらしいんですが、“ふきんこう”という漢字がどうしても書けなくて、焦りました。多少カッコは悪いんですが、“不均こう”と平仮名で書いても、1点くらいの減点で済むかな?…という気もしたんですが、ここで諦めないところが僕の機転の利くところでありまして。30秒ほど悩んだあげく、僕はとっても素晴らしい言葉を思いつきました。“不均こうになって…”ではなくて、“アンバランスになって…”。非の打ちどころがありませんな。これではさしもの根性の屈折した採点者でも、1点の減点もすることは出来ないでしょう。後から調べてみたら“不均衡”ではなくて“不平衡”が正解みたいでしたが、“アンバランス”なら、どちらの言葉にも通用するのではないかと。で、もうひとつ、講習では「低圧ナトリウムランプ」というのが槍玉に上がっておりまして、わりと覚えやすいのでこれが出たらラッキー。…と思っていたんですが、実際に出題されたのは「高圧ナトリウムランプ」でありました。同じようなもんか?…という気もしたんですが、ぜんぜん違っていたりすると嫌なので、こいつはパスするとして、講習会の的中率は50%といったところでありますな。ま、“まあまあ”かな?…といった気はするんですけどね。

 で、講師のオッサンの言うことは今ひとつ信用が出来なかったので、試験の当日、過去に出題された用語も一応押さえておきました。その中で「電力デマンド監視制御」と「電食防止」なら、何とか書けるかな?…と思っていたら、ずばり出ておりました。さば君、ここでも、冴え冴え♪…でありますが、最後の“法規”の問題もまず予想通りのところから出題されておりました。ま、あまりちゃんとは書けませんでしたけどね。以上、総合的には「60点の合否ライン、ぎりぎりかな?」…といったところなんですが、でも大丈夫。近頃の僕には運があります。健康診断の前日、「飯を食っていけないのは夜中の12時以降だっけ?」と勝手に判断して、夜中の11時頃に飯を食ったんですが、家に帰って調べてみると「9時以降は絶食」とありました。ま、人間、消化の早い人もいれば、遅い人もいるわけだしぃ。…と思って、「僕はとっても消化の遅い人で、昨日の8時50分ぐらいに晩御飯を食べたんだけど、まだ消化されなかったのかな?」ということにして、そ知らぬ顔で受診したんですが、特にお咎めはありませんでした。また当日の朝、「今出しちゃうと、ホンバンの時に困るかな?」という気がしたんですが、我慢しきれず、検便のサンプル採取をする時に思わず漏らしてしまいました。すると案の定、尿意をまったく催さずにかなりピンチでありましたが、看護婦さんが検尿をいちばん最後にまわしてくれたおかげで、なんとか50ccほど搾り出すことが出来ました。瀬戸際の勝利。その言葉を信じて、まだ先の長い、来年2月の合格発表を待つことに致しましょう。おしまい。

 ということで、内容が無いわりに長ったらしい前半部でしたね。で、このコーナーを書くのも久しぶりなような気がしますが、『ディジー・アトモスフィア』でありますな。先日、僕のところにある会社からメールが届きまして、何かと思ったら「ジャズ・ブルース関係グッズの通販サイトを作ったから、バナーを貼ってもらえないか?もし貴殿のサイトからやってきた人が商品を購入したならば、バックマージンとして代金の何パーセントかを出すにヤブサカではない。」といった内容でありまして。一瞬、「金をくれるなら、イイかも?」と心が揺らいだんですが、そのサイトを見てみたら“ディジー・ギレスピーのTシャツ”とか書いてあったので、ヤメました。何だか、とっても売れるような気がしませんもんね、“ギレスピーのTシャツ”。で、この『ディジー・アトモスフィア』というアルバムは1957年当時、ディジー・ガレスピーの楽団に所属していた有志が“御大抜き”で吹き込んだもので、特定のリーダーのいないジャム・セッション的な演奏が繰り広げられております。日本では知名度と人気の度合いを勘案してか、“リー・モーガン=ウイントン・ケリー・セプテット”などという勝手なグループ名が付けられておりますが、ジャケットに写っているのはアル・グレイビリー・ミッチェルですかね?おそらくメンバーの中ではこの2人が年嵩で、中高年齢者に敬意を表したということなんでしょうが、アルバム冒頭の演奏を聴く限り、確かにモーガンケリーの2人が目だっておりますな。

 ということで1曲目の「ディッシュウォーター」です。このアルバムはスタンダードが半分、ロジャー・スポットという人のオリジナルが半分という構成になっているんですが、これが最初の“スポッツ物”でありますな。このロジャ・スポという人がいったい何者であるのか僕は寡聞にして知りませんが、演奏のほうはいきなり何の前触れも前貼りもなく、ケリーのピアノ・ソロで幕を開けます。岩間修一という人の書いた日本語ライナーから引用させていただくと、「ヒューッ、アイツ今回はバカに張り切ってるじゃねーか。」「まったくだぜ。」ということになるんですが、「ヒューッ」って、あんた…。自分で書いてて恥ずかしくないんですかね?僕だったら自分で読み返して思わず赤面して、ついでに海面体も膨らませちゃいますけどね。ま、とにかくゴキゲンな演奏であるには違いなく、いかにもジャム・セッションらしい寛いだ雰囲気があって、とってもよろしいかと思います。で、かなりの時間がたってから4管のユニゾンによってシンプルなテーマが演奏され、その後、リー・モーガンのソロが勢いよく飛び出してまいります。1957年といえばデビューして間もない時期でありまして、ジャケット裏にはガレスピー譲りの“45度上向きのトランペット”を吹く彼の姿が見られますが、若いんだけど、余裕。…といった感じの素晴らしいプレイを展開しております。一言で言うと、“ブリリアントな午後 By 田中康夫”といったところでしょうか。若干19歳にして、すでに天才的な才能の一端を垣間見ることが出来ます。“栴檀は双葉よりカンパチ”ってヤツですかね?…って、いや、カンパチは関係ないですか。

 で、他のメンバーだって負けてはおりません。他のメンバーというと、えーと、アル・グレイ、ビリー・ミッチェル、ビリー・ルートですか。この3人がどういう順番でソロを取っていたのかは記憶にありませんが、ビリー・ミッチェルはテナーを吹いていたのではないかと。こと日本では、ビリー・ミッチェルぅ?ブルー・ミッチェルのパチもんかぁ?…といった程度の認識しかされてないような気がするんですが、こうして演奏を聴く限り、なかなか悪くなかったのではなかろうかと。で、アル・グレイはトロンボーンを吹いております。いかにもこの楽器らしい、やや間の抜けた吹きっぷりが人生に対する余裕を感じさせ、よろしいですな。さすがは中高年齢者。…といった感じが致します。で、ビリー・ルートは本来テナー奏者らしいんですが、ここではバリトン・サックスで頑張っております。いかにもこの楽器らしい豪快な吹きっぷりが若さを感じさせ、よろしいですな。ということで、以上、いかにもジャム・セッションらしい熱気に満ち溢れた好演奏でありました。

 はい、2曲目です。1曲目を聴いて「これってプレスティッジにありがちな、単なる“いけいけセッション”ぢゃん?」とか思った人は、この「サムワン・アイ・ノウ」を聴いて認識を改めなければなりません。実によく練られたバラードでありまして、朗々とメロディを歌いあげるモーガンが若いくせになんとも言えない円熟味を感じさせ、涙を誘います。4管のハモり具合も絶妙でありまして、誰がアレンジしたのか知りませんが“ハード・バップ的バラードの美学”がここにはあります。そんだけ。はい、3曲目。「D.D.T.」。農薬か何かに、そんなのがありましたっけね?プロレス技にもそういう名前のがあって、プレステのゲーム『闘魂列伝』ではロン毛の似合う強力なレスラー、“ストロンゲ塩鯖”が得意としておりました。いや、もしかしたら“ストロンゲ塩鯖”は“D.D.T.”などまったく得意としてなかったかも知れませんが、誰も過去ログまでチェックして文句を言ったりはしないと思うので、そういうことにしておきましょう。で、曲自体は4管のハモり具合がなかなか賑やかでよろしかったのではなかろうかと。ペット、ボントロ、テナー、バリサクという組み合わせはなかなかに強力ですね。で、ここではビリー・ミッチェルのテナー・ソロが傑出しております。…と、ここまで書いたところで1週間が経過してしまいましたが、懸念されておりました仙石杯ソフトボール大会は雨天中止になることなく、きっちりと行われてしまいました。いや、天気予報は「12時頃から雨」という実に微妙なセンだったんですが、予報どおり昼までは何とか持ちこたえてしまいまして。。。ま、1試合だけで済んだので、よかったんですけどね。お昼の弁当もなかなか豪華だったし、参加賞のせんべい、おいしかったしー。ちなみに打撃成績のほうは3打数1安打でありました。いい当たりのファーストライナー、よくない当たりのファーストゴロ、そしてキャッチャー前ヒットと、決して誉められた打撃ではありませんでしたが、ま、守備の要のキャッチャーとして仙石部長のタマをしっかりと受けとめることが出来、よかったと思います。

 ということで4曲目です。またしても「ウィスパー・ノット」ですか。またしても…というのは前回のジャズテットCDにもこの曲が入っていて、「またしてもかぁ。。。」と思ってしまったくらい色々な人が取り上げている曲である。…と言うことでありますが、このアルバムの参加メンバーで言うとモーガンがブルーノート、ケリーがリバーサイドの、それぞれのリーダー作で演奏してますな。で、“出痔環境”版の「ウィスパー・ノット」はどのような出来であるかというと、ホーン・アンサンブルをバックにモーガンがテーマを歌い上げるという、いかにも。…といった感じの仕上がりになっております。で、テーマ部をオープンで吹いていたモーガンがミュートでソロを取り、続いてケリーのソロになりますが、このケリーのソロが実に“らしく”って、いいですね。フランスの大統領はシラクですけどね。ばぶー。それはイクラちゃんですね。で、ケリーに続いて、ビリー・ミッチェル、ビリー・ルートと短いソロがあって、いかにも「ゴルソンだなぁ。」といったアンサンブル・パートがあって、テーマに戻って、おしまい。以上、典型的なハード・バップ美学を感じさせる1曲でありました。「またしてもかぁ。。。」と思いつつ、結局はハマっちゃうんですよね、この曲。

 で、5曲目はロジャ・スポの「アバウト・タイム」という曲です。各々のソロがうまく生かされたスウィギーなナンバー。…と、岩間修一クンの書いた日本語ライナーにありますが、日本語、ちょっとおかしくないですかね?岩間くん。海星高校の世界史の教師にやはり岩間という先生がおりまして、「ダリウス1世、ま、ダレイオスとも言いますけど、ま、どちらでもダリウスですね。」と、今ひとつよくわからないことを言っておりましたが、岩間という姓の人はちょっぴり日本語に弱いという宿命にあるんでしょうか?スウィンギー。ま、修一クンの場合はおそらくそう言いたかったのだと思いますが、日本語に弱いというより、片仮名に弱いということなのかも知れませんね。で、演奏のほうは確かにスウィンギーです。4管の鱧り…いや、ハモり具合も絶妙だし、ちょっとしたビッグ・バンドの小編成のやつを聴いているような迫力を感じさせます。ちょっとした小編成なら、あまりビッグではないような気もしますが チャリ・パーの切れのよいドラミングに乗って展開されるミッチェル、モーガン、ケリーのソロも短いながら充実しておりまして、ラストのアンサンブル・パートもなかなかいい感じです。あ、今日は競馬の天皇賞ですね。菊花賞では1番人気のうまが落馬…というか、うまに乗っていた武豊クンが落馬しましたが、「理由はない。」という豊クンのコメントがなかなか洒落ておりました。“ノーリーズン”という名前のうまでしたもんね。

 で、6曲目は歌モノです。「デイ・バイ・デイ」。僕、好きなんですよね、この曲。チョコボールと同じくらい、好きです。あ、先ほど床屋さんにいって、お駄賃にチョコボールを貰ってきたんですけどね。床屋に行ってお駄賃というのも変なので、サービス品と言ったほうがいいいかも知れませんが、ここのオバサンというのがちょっとウザいです。「昨日は巨人が勝って、よかったね。」…って、世の中の人がすべて巨人ファンであることを前提としたかのような発言は厳に謹んでもらいたいところであります。アンチ巨人ではあるが、メンチカツは好き。…という僕はちょっとムッとしてしまいましたが、これでチョコボールをくれなければ、すぐにでも店を変わっちゃうんですけどねぇ。。。で、「デイ・バイ・デイ」。アル・グレイのトロンボーンをフィーチャーしたバラードでありまして、いかにもこの楽器らしい温かみの感じられる素晴らしい演奏に仕上がっております。若干、イナカくさいところがこの人の持ち味なんですが、ま、イカくさいよりはいいのではないかと。アドリブに入るとテンポが速くなりますが、ほのぼのとした吹きっぷりが、なかなかいい“いかっぷり”だと思います。 いや、個人的には“チーズっぷり”のほうが好きなんですけどね。いや、子供の頃はややウンコくさいところが苦手だったんですが、最近、チーズ系のスナック菓子が好きになりました。これがオトナになったということなんでしょうか?で、7曲目の「ライト・オブ・スイング」はロジャー・スポットの曲で、だいたいどれも似たような感じの曲&演奏となっております。ここでもソロ先発のアル・グレイがなかなかいい味を出しておりまして、アンサンブル・パートを挟んだビリー・ミッチェルのソロも達者なところを聴かせております。この2人、ただ単に中高年齢者だからジャケットに写真が載っているわけではなく、それなりに活躍もしてるんですな。とかく、モーガンとケリーばかりにスポットが当たりがちなんですが、曲を提供しているロジャー・スポット共々、もっとスポットを当ててあげてもいいような気がします。

 で、ラストの「虹の彼方に」は、ビリー・ミッチェルをフィーチャーしたバラードでありまして、アンサンブルが原曲のムードをよく表している。ミッチェルも朗々と歌い上げており、ジャズの醍醐味を存分に味わうことが出来る。…と、岩間クンも誉めております。ま、最後の“ジャズの醍醐味うんぬん”というフレーズはいかにも取って付けたような感がありますが、ま、曲解説というのは最後のほうになると何だかどうでもよくなってくるのが常でありまして。ということで、今月はおしまい。

【総合評価】

 何だかこのコーナーも『じゃまいか倶楽部』みたいに“隔月1回更新”みたいになりつつありますが、アルバムの出来自体はとっても良好です。本文にも書きましたが、ビリー・ミッチェルとアル・グレイの2人が、0%の期待度を無限に上回る活躍ぶりでありまして、とってもよかったと思います。ソロとアンサンブルとのバランスもいいし、選曲のセンスもいいし、無論、ケリーとモーガンも頑張っております。しかしこうしてみると、“ディジー環境”というのは実に素晴らしいメンバーが群れ集っていたのだなぁ。…ということを改めて再認識させられた1枚でありました。


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