UPTOWN (RIVERSIDE)

BILLY TAYLOR (1960/02/04)

UPTOWN


【パーソネル】

BILLY TAYLOR (p) HENRY GRIMES (b) RAY MOSCA (ds)
【収録曲】

LA PETITE MAMBO / JORDU / JUST THE THOUGHT OF YOU / SOUL SISTERS / MOANIN'
WARM BLUE STREAM / BIDDY'S BEAT / CU-BLU / 'S WONDERFULL

【解説】

 “Bフレッツ”を導入しました。これで僕もいよいよブロードバンダーですかね?いや、“ブリードバンド”って、今ひとつよくわからんのですけどね。ということで、今日は「“バンド”あれこれ」というテーマでお届けしたいと思います。

 『ジャケット・コレクション』のところにも書きましたが、せっかく導入した“Bフレッツ”が、うまくつながりません。ウチに帰ったら勝手に直ってないかな?…と、かなり真面目に期待してたんですが、やっぱり駄目でした。この世界には“自然治癒”という言葉はないんですかね?トカゲだってシッポを切れば勝手に生えてくるというのに、NTT西日本のテクノロジーもあまり大したことはありませんなぁ。もっともコトの原因はNTT西日本ではなく、ウチのパソコンのほうにあったようで、試しに会社で使っているノートパソコンで試してみたらちゃんとつながりましたけどね。つながりましたが、思ったほど速くはありませんでした。10Mbpsということは、1秒間に10Mはいけるということじゃないんですかね?だったら、例えば250Mの“すけべ動画(1/2)”(編集部注:1本のビデオが2分割になっている)は理論的には25秒でダウンロード出来てもよさそうなものなんですが、どういうわけか1時間以上もかかってしまいました。ISDNの場合は、上映時間1分の単位に分割されていた8〜9M程度のファイルをダウンロードするのに15分ほどかかっておりましたので、250Mだと約7.5時間。それに比べれば確かに速くはなっているんですが、せいぜい7倍強といったところですね。これはいったいどういうことでしょう?僕の“バンド感”がどこかで間違っているんでしょうか?

 えーと、僕が脳裏に描いている“バンド”にはいくつかの種類があるんですが、まずは“ゴムバンド”。これは重宝です。ものすごく役に立ちます。どういう場面で役に立つかというと、えーと…そうそう。例えばとっても暇な時ですね。原稿のアイデアも浮かばず、かと言って仕事をする気にもならず、この無聊をいったいどうやって慰めようか?…といった苦境に陥った場合でも、“ゴムバンド”が1本あればもう大丈夫。意味もなく伸ばしたり、指に巻いて血を止めたりして遊んでいるうちに、1分20秒くらいの時間はあっという間に過ぎてしまいます。これを45回ほど繰り返せば1時間はいけますね。ゴムが古くなって劣化してくると、伸ばしてるうちにプチッと切れて「痛いぢゃないか!」ということになり、このわりと単純な遊びにおいてはちょうどいいアクセントになります。切れでもしてくれないと、さすがにこれだけで1時間は辛いですからね。ということで、えーと、僕の“ゴムバンド感”は以上です。

 続いては「いかすバンド天国」、略して“イカ天”的な意味における“バンド”でありますが、あ、イカで思い出しましたが、“ゴムバンド”というのはイカリングフライを作る時にコロモをつけて一緒に揚げてみてもいいですよね。よく、硬くて噛み切れないイカを口にした人は「ゴムみたいで噛み切れないぢゃないか!」と怒ったりするわけですが、実際に“ゴムリングフライ”を食べてみれば、「あ、でもやっぱりゴムよりはマシかぁ。」ということに気がついて、硬いイカもおいしく食べられるというものです。ちょっとした生活の知恵ですよね。ただこの場合、前述のような古い劣化したゴムを使うと、「ゴムよりもイカのほうが噛み切りにくいぢゃないか!」ということになって逆効果ですので、切れにくい新鮮なゴムを使うのがポイントです。ということで、音楽関係の“バンド”は以上です。いや、そのことに関してはまったく何も触れられてなかったぢゃないか。…という気がしないでもないんですが、続いて服飾関係の“バンド”についても検討してみなければなりませんので、今回は割愛させていただくということで。で、服飾関係の“バンド”でありますが、「“バンド”のことを“バンド”と呼ぶか、“ベルト”と呼ぶか?」…というのがヤングかそうでないかを区分する試金石になるというのは、巷間よく言われることであります。が、僕しては断然“バンド”のほうを支持するね。“ベルト”なんて、しゃらくさくっていけないよぉ。だいたい“ゴムバンド”のことを“ゴムベルト”と言ったら別のものになっちゃうし、今ハヤリの“ブロードバンド”だって、“ブロードベルト”とは言わないだろ?…などと屁理屈ばかり言ってるから、おじさんはいつまでたっても若者の間に溶け込めないわけでありますが、“ブロードバンド”というのはここに出てきた3つのうちでは、服飾用の“バンド”にいちばん意味合いが近いと言えるかも知れません。要は“オビ”ですよね。

 となると問題は“ブロード”のほうなんですが、あいにく僕は英語関係にはシロートなので、“ブロード”の意味はよくわかりません。適当に“ブロード”の綴りを“broad”であると仮定して調べてみたところ、えーと、“広い”ですか。おそらくこれで正解でしょう。“ブロードバンド”というのはすなわち“広い帯”のことなんですね。発祥の地はおそらく北海道は帯広あたりではないかと思われますが、広いから速いと。多分、そういう仕組みなんでしょう。ということは、ぜんぜんスピードの上がらないウチの“Bフレッツ”も、とりあえずガバッと広げてやればもっと速くなりますかね?今日、会社の帰りにとりあえず“クスコ”でも買ってみようと、そう心に決めた次第であります。

 ということで、今日はビリー・テイラーです。日本では今ひとつ不人気です。こと日本においては「雰囲気が陰気なほど人気が出る」という傾向にあるんですが、彼の場合、今ひとつ陰気さに欠けるところが不人気の所以でしょうかね?いや、彼は決して“ご陽気”なほうではなくて、飲み屋では必ず「こちら、お静かね。」と言われるのではないかと思われるんですが、ジャズに欠かせない“危うい暗さ”というのはあまり感じられませんよね。俗に“学究肌”と呼ばれるタイプでありまして、こういう人は学級委員にするにはいいんですが、日本のジャズ・ファンからはあまり歓迎されません。その辺の事情はジジ・グライスにも通じるものがありますよね。見た目も何となく似てますし。で、不人気ではありますが、“塩通”では過去に3回ほど取り上げられております。残すところ、手持ちのCDはあと1枚です。『アップタウン』というのがそれなんですが、聴いてみたところ内容は悪くないし、ジャケットだって「いかにも書きやすそう。」といった感じなのに、どうして後回しになっちゃったんでしょうね?僕のやることはいつもその場限りの思いつきなので、自分でも今ひとつよくわからんのですよね。とにかくまあ、この作品はニューヨークは“プレリュード”におけるライブ録音でありまして、演奏の雰囲気としてはガーランドの『アット・ザ・プレリュード』にちょっと似たようなところがあります。よくも悪くも“カクテルピアノ的”ということなんですが、ま、みんなが楽しくお酒を飲んでいる横でバルド・ウイリアムスみたいな演奏をやられたら、聴いてるほうはたまんないですもんね。学究肌の彼としては、そういったところは充分にわきまえているわけでありまして。とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 まずステージの最初を飾るのは、いや、実際の演奏がこの順に行われたのかどうかはサダカではありませんが、とりあえずアルバムの最初に入っているのは「ラ・プチ・マンボ」という曲です。略して「プチ・マン」。いいですね。ビリー・テイラーという人は性格が地味なのに、マンボとかをやりたがる人。…というイメージが僕にはあるんですが、いや、キャンディドとの共演盤があったからそう思ってるだけの話なんですけどね。で、この「プチ・マン」もテイラーのオリジナルか?…と思ったんですが、エロ系ピアニストであるエロール・ガーナの曲なんですな。この人は名前はエロ系でもアッチのほうはさっぱりだったらしいんですが、いや“アッチのほう”というのは譜面の読み書きとか、そういう方面のことなんですが、にもかかわらず結構いい曲を書くんですよね。「ミスティ」なんて、顔に似合わぬプリティな名曲ですもんね。「作曲は譜面じゃない。」ということを世間に知らしめただけでも彼の功績は大であると言えますが、この「プチ・マン」もなかなかキュートな曲であります。マンボと言ってもそれほどあからさまではなく、プチに抑えたところが勝因でありましょう。これがもし、「ラ・めっちゃ・マンボ」だったりしたら、名前だけで失敗作ですもんね。で、テイラーもプチブル的なタッチですこぶる軽快に弾いておりまして、実によかったのではないかと思います。えーと、僕の記憶に残っているのは、そんだけです。

 続いて2曲目は「ジョードゥー」ですな。言わずと知れたデューク・ジョーダンのオリジナルでございます。ライブだけに、当時からよく知られていたジャズ・ナンバーを揃えてみたのぉ♪…といった趣向でありましょうか。ほんの2小節ほどですが、テイラーの弾くイントロがブルージーで最高です。でもってすぐに哀調を帯びた例のテーマが始まるわけですが、知性派のプチ・ファンキーといった彼の持ち味とファンキーな曲調とが見事にマッチして、なかなかいい感じに仕上がっております。えーと、僕の記憶に残っているのは、そんだけです。で、3曲目は「ジャスト・ザ・ソウト・オブ・ユー」という曲です。どこかで聞いたことのあるようなタイトルですが、テイラーのオリジナルなんですね。でもって、曲のほうも歌モノを思わせる綺麗なバラードに仕上がっております。「君だけを想って」と言うようなタイトルではないかと思われますので、あまりヘンな曲は作れませんよね。エロい曲なんか作っちゃった暁には、「私のカラダだけが目的だったのね。。。」などと言われかねません。知性派としては本心はともかく、それを表に出すような愚かな真似はしないわけであります。結果、「いかにも。」といった感じの爽やかな曲になっているのはさすがですね。演奏自体は後半にややダレて、単調になる局面が無きにしもあらず…という気がしないでもないんですが、「じゃ、あんた弾いてみなよ。」とか言われると困るので、あまり大きなことは言えません。テイラーの演奏はとってもいいです。

 はい4曲目です。再びテイラーのオリジナルで、「ソウル・シスターズ」という曲です。…と、ここまで書いたところで家に帰って来たんですが、あ、“クスコ”はやめました。近所のスーパーには売ってなかったもんで。“有害玩具”の自販機でも見たことがないし、いったいどこで手に入るんでしょうね?…とまあそれはともかく、ブロードバンドスピードテストというサイトがありましたのでウチの“Bフレッツ”で試してみたところ、“約3.5Mbps”という結果が得られました。でもって、僕は重大な思い違いをしていたということが明らかになったんですが、それは何かと言うと、「“ビット”と“バイト”は違うんだねっ♪」…ということなんですけどね。通信速度を示す“bps”のほうは“ビット”(小文字の“b”)で、ファイルサイズを示す“kB”のほうは“バイト”(大文字の“B”)。だから“1バイト=8ビット”で換算しなければならなかったんですな。“3.5Mbps”をバイト単位に換算すると、8で割って“437.5kB/S”となるので、250MBのファイルをダウンロードするには“572秒=9.5分”…って、まだ計算が合いませんな。ま、何か人に言えないような特別な事情があるんだよね。…ということで、とりあえずこの問題は置いといて、さ、「ソウル・シスターズ」ですな。シスターズは“ソウル”よりも“さわる”ほうが楽しいんじゃないか?…という気もするんですが、ジュニア・マンスあたりが弾いたらコテコテのゴスペル調になりそうなナンバーを、ビリー・テイラーは実にさらっと弾きこなしております。この辺の“癖のなさ”が、今ひとつ日本では人気がブレイクしない一因でしょうな。ま、酒を飲みながら聴くにはいいかも知れませんけどね。

 で、5曲目には「モーニン」を持ってきましたかぁ。いくらライブとはいえ、この選曲はあまりにもベタ過ぎやしないか?…という気がしないでもないんですが、テイラーのプレイは前曲同様に“さらっとタイプ”でありますな。あ、先ほどから再び勤務地モードに入っておりますので記憶だけが頼りなんですが、何だか今ひとつ頼りない「モーニン」になってたような覚えがあります。で、残りの曲に関してはまったくもって印象が希薄なんですが、えーと、「ワーム・ブルー・ストリーム」は歌モノのバラードではなかったかと。続く「ビディズ・ビート」はテイラーのオリジナルで、幾分ファンキーがかったナンバーではなかったかと。で、テイラーのプレイは無難にまとまっていたのではないかと。次の「CU-BLU」のテイラーのオリジナルなんですが、これは何て読むんでしょうね?「中古(ちゅうぶる)?」…ということで、ラストはスタンダードの「ス・ワンダフル」です。これはアレです。「旭ジャズまつり」で、おばさんが歌っていたような気がします。いや、あまり真面目に聴いてなかったので、もしかしたら歌ってなかったかも知れませんが、今年の「あきら」はあまりネタになるようなことがありませんでしたな。西友で買った“サバのあんかけ”はとっても不人気で、2切れほどこっそりゴミ箱に捨てちゃったしー。もう二度と“さば”を買うような愚行はやめよう。そう心に誓った今年の「あきら」でありました。おしまい。

【総合評価】

 いやあ、今日の後半はとっても手抜きでしたね。ま、悪くはないアルバムだと思うんですが、いかんせんインパクトが弱すぎぃ。…みたいな。ま、適当にさらっと聞き流しておけばよろしいかと。


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