WITCHES,GOBLINS,etc… (SteepleChase)

SADIK HAKIM (1977/11/8)

WITCHES,GOBLINS,etc…


【パーソネル】

SADIK HAKIM (p) ERROL WALTERS (b) AL FOSTER (ds)
【収録曲】

MOON IN AQUARIUS / WITCHES,GOBLINS,etc. / OUR BOSSA NOVA / NO MORE SUE
PORTRAIT OF COUSIN MICKEY / BOOGER'S DILEMMA / PEACE OF MIND / SAY WHAT YOU MEAN

【解説】

 “花火”の季節ですね。ということで、今日は“花火”と“鼻毛”というテーマでお届けしたいと思います。“花火”と“鼻毛”。この2つには何の関係もありません。ただ、スーパーとかで売られている「おこさま花火」の筒状になったヤツを鼻の穴に突っ込み、火をつけると鼻毛がジリジリ燃えたりするよね。…といった遊びもありますので、まったく無関係というわけでもないんですけどね。でもやっぱり、どうせ燃やすんだったら陰毛だよねっ♪…という意見は依然として根強いものがございますので、“花火”と“鼻毛”の結びつきはそれほど堅固なものではないと言えましょう。ということで、今日は鼻毛抜きの、花火一本で勝負してみたいと思うんですが、桑名にもちゃんと花火大会はあります。鼻血大会はなくても、花火大会だけは毎年欠かしたことがない。そういう自治体は少なくないと思いますが、「桑名水郷花火大会」は昭和9年に伊勢大橋の完成を祝って行われたのが始まりだとだというから、わりと歴史のある催しであると言えるかも知れませんね。伊勢大橋というのは揖斐・長良川にかかる国道1号線の橋なんですが、その少し下流の中洲のところから花火が打ち上げられます。伊勢湾台風の犠牲者の霊を弔う「灯篭流し」も行われます。約束通りにあなたの愛したレコードも、一緒に流したりはしません。グレープ「精霊流し」じゃないですからね。無論、ソーメンを流したりもしません。このあたりは川幅が1キロくらいありますので、そんなことをすればソーメンは回収不能になっちゃいます。あ、女子高生のセーラー服のリボンと男子生徒の帽子の白線を結んで川に流す「白線流し」というのはいいですよね。子供心にも花火大会の「灯篭流し」というのは地味な企画だなぁ。…という気がしておりましたので、今年からは「白線流し」に変えたほうがいいんじゃないですかね?いや、大人になって、「灯篭流し」というのも悪くないかな?…と思えるようにはなってきたんですが、あれは幅が20メートルくらいの川に流してこそ風情があるのであって、川幅が1キロのところでやってはいけません。伊勢湾の満潮と重なるのか、いつも下流から上流に向かって逆流しているような気もしますしね。で、もし「白線流し」が行われるということになれば、漁船をチャーターしてセーラー服のリボンを回収しに行こうと思います。帽子の白線のほうはいりません。オトコの帽子の白線って、なんだか白癬菌がたかっていそうで、痒そうだしー。

 桑名の花火大会は堤防のナナメになったことろに座り込んで鑑賞するのがオツですね。夜の闇に吸い込まれ、川に転落しそうな気分になっちゃうところがスリリングです。無論、その隣に“浴衣美人”がいれば言うことはありません。同じ“ゆかた”でも“山川ゆかた”(←山川豊のそっくりさん。山川鱧のライバル。)ではいけません。日頃からそりの合わない姑と一緒。…というのが嫁の立場にしてみれば最悪のシチュエーションですね。そういう場合は「どーん!」と大きな花火が上がった瞬間、どーん!と背中を押して川に突き落としてしまうのがいいのではなかろうと。翌年、姑が好きだった山川豊のレコードでも一緒に流してやれば、その魂も浮かばれるというものです。私の小さな弟が、何にも知らずにはしゃぎまわって、灯篭流しが華やかに、始まるのですぅ♪…ということで、あ、伊勢大橋や長良川河口堰の上から見るというのもいいかも知れませんね。僕は今まで桑名側の堤防からしか見たことがないんですよね。いつも正面から見る格好になるので花火は丸く平たい形に見えているわけなんですが、真横から見ればきっと薄っぺらい形をしてるんだよね?…とは、さすがにオトナになった今では思っておりませんが、「下から覗く」というのも一度体験してみたいシチュエーションのひとつであります。スカートの中というのも下から覗いてみるとなかなか楽しいものでありますので、花火だって面白いんじゃないか?…と思うんですよね。で、どうすれば花火を下から覗けるかというと、これは簡単です。漁船をチャーターすればいいわけです。赤須賀の漁師のコドモはいつも自分ちの船に乗って川に繰り出して来ておりまして、むっちゃ羨ましかったんですよね。漁師のコドモに生んでくれなかった親を怨んだことも一度や二度ではありません。でも、もう大丈夫です。どうせ「白線流し」のセーラー服のリボンを回収するのに漁船を1台チャーターするわけですので、それに乗っていけばいいいわけです。うーん、一石二鳥。

 あとはえーと…特に書きたいことはありませんな。あ、そうそう。僕は子供の頃に自分で“花火”を作ってみたことがあります。好奇心旺盛でしたからね、コドモの頃の僕。“花火”の作り方というのはわりと簡単でありまして、まず最初に用意するのは“すり鉢”です。台所にあるヤツを花火用に流用してもいいんですが、それをした場合、お母さんに「ゴマ和えが花火臭くなっちゃったぢゃないの!」と叱られて、「おこさま花火」の筒状になったヤツを鼻の穴に突っ込まれ、火をつけられて鼻毛をジリジリ燃やされたりする恐れが多分にありますので、100均ショップとかで小さい“すり鉢”をひとつ買ってきたほうが無難でありましょう。で、その“すり鉢”の中に“硫黄塩素酸カリウム”と“お好みの金属粉末”を入れて、よくかき混ぜるわけです。続いて硝酸を溶かした水溶液に紙をつけてよく乾かして、その上に“すり鉢”で作った粉末をのせる…って、そんな材料、どこで手に入るねん!…と、ここまで読み進んできて、そう思いましたね。ま、お好みの金属粉末というのは何とかなるような気がします。どうしても無理だったら“お好み焼き用の青ノリの粉”で代用すればいいわけです。問題は“硝酸”と“硫黄塩素酸カリウム”でありまして、その2つがどうしても手に入らなかった僕は、花火づくりはきっぱりと諦めました。あまり物事に執着しない、さっぱりした気性のコドモでしたからね、僕。で、どうしたのかというと、仕方がないから“タコ糸”を燃やしました。“タコ糸”を15センチくらいの長さに切って手で持って、その先に100円ライターで火を付けて「線香花火だぁ♪」と言って遊んでおりました。ンなことして、何が面白い?…と思われるかも知れませんが、コドモ心にも、「こんなことしてもちっとも面白くないなぁ。。。」と思いながら遊んでおりました。友達のいない寂しい子供でしたからね、僕。“タコ糸”が燃える煙が目に染みて、少し泣きました。今でも夏になるとあの“タコ糸”の燃える切ない香りが、幾許かの郷愁を伴って鮮やかに甦ってくるのでありました。おしまい。

 ということでサディク・ハキムです。いや、愛宕町私設ライブラリさん、略して“愛ブラ”さんから 「ハキムのMD、送りまっす♪」 というメールが届いたんですよね。もしかして『じゃず・じゃいあんと』で取り上げてくれ…ということかぁ?と思ってしまいましたね。あ、でもジャケ絵を書くことが出来ないから、残念ながら『塩通』で取り上げることは出来ませんね。…と、お断りのメールの文面まで考えておいたんですが、送られてきたMDにはご丁寧にも、原文ライナーとジャケットのカラーコピーまでが同封されておりました。こうなったらもう、覚悟を決めるしかありませんね。えーと、『WITCHES,GOBLINS,etc…』ですか。僕は最初“etc…”の部分を見て、「何枚かのアルバムから選曲して“マイ・コンピ”を作ってくれたのかぁ?」と思ってしまったんですが、こういうタイトルのアルバムなんですね。“be−bop掲示板”の過去ログを見たら、ちゃんとこのアルバムのことが紹介されておりました。恐らくハキムのリーダー作で唯一CD化されているアルバムではないか?…ということでありました。で、このアルバムのジャケット、どこかで見たことがありますな。恐らくジャズ本の類か何かで紹介されていたんだと思いますが、ということはハキムの中でもわりと有名な作品なんでしょうね。で、タイトルにある“Witche”というのは“魔女”のことですね。“マゾ”のことではなくて。ショーターに「Witch Hunt」(魔女狩り) という有名な曲があるので、知ってる人も多いかと思います。対する“Goblin”のほうは“”ですね。高中正義の『虹伝説』というアルバムの中に 「ごぶりん・ごぶりん・ごぶりん・ごぶりん・ごぶりん・ごぶりん・ごぶりん・ごぶりん…」 という歌がありましたので、これまた有名なのではないかと思われます。ちなみに「やまりん」というのは宗男関係で有名になりましたけどね。「さばりん」というのは僕の呼び名のひとつでありますが、そういえば僕のところに外国からメールが届くことがあるんですよね。それらは間違いなく“すけべサイト”の宣伝なんですが、アタマのところに“Dear , Sabapyon"とか書いてあって、けっこう笑えます。ま、“Sabapyon"はメールアドレスに使っているから別に不思議ではないんですが、先日は“Dear , Sabatino"と書かれたメールが届きました。イタリア人か何かだと思ったんですかね?…とまあそういうことで、では1曲目から聴いていくことに致しましょう。

 えーと、まず1曲目は「ムーン・イン・アクエリアス」という曲ですか。“アクエリアス”というのはアレですね。“ポカリスエット”のライバルです。どういう意味でしたっけ?“AQUA”という言葉がついているところを見ると、おそらく“”に関係あるんじゃないか?…というところまでは推測出来るわけなんですが、“水瓶座”。なるほど。ミズガメといえば先日、長良川の近くの排水機場で除塵機を運転していたら、ゴミと一緒に“スッポン”が出てまいりました。そんだけ。あ、いくら形状が亀の頭に似ている…というか、亀の頭そのものだといっても、“スッポンぷれい”というのは危険すぎるような気がするので、ヤメといたほうが無難ではないかと思われます。で、曲のほうはアレですね。最初に聴いた時には、「今ひとつ特徴のない曲やなぁ。」…という気がしたんですが、何度も聴いているうちに“よくなって”きましたね。いや、いつも寝る前に聴いているんですが、2曲目の途中くらいまでは意識があるので、この曲だけは何度も聴いているんですよね。テンポはミディアム・ファストで、タイプとしてはバップ風ですかね?シンプルなAABA形式で、サビのところにはちょっぴり禅味も感じられようかと。で、アドリブに入ってからのハキムのプレイは極めてオーソドックスでありますな。バリー・ハリスと比べても“凄み”はそれほどない感じなんですが、ビ・バップしてるって感じぃ?…は伝わってこようかと。イヌ科の哺乳類はコヨーテかと。で、ハキムのソロのあと、エロ系ベーシストのエロール・ウォルタースという人のソロがあって、ピアノとドラムスの8バースがあって、テーマに戻って、おしまい。ま、手堅い作りではありますな。

 はい2曲目です。タイトル曲の「魔女、鬼、などなど」です。曲名から受けるイメージとは裏腹に、マイナー調のいかにも日本人にウケちっくな曲でありますな。これならもう、大丈夫でしょう。(←何が?)ソロに入ってからの哀愁味に溢れた展開もよろしいですな。パウエルばりの「んあー、んあー_@という唸り声もまじえ、アドリブは次第にエキサイトしてまいります。いいぢゃないの、ハキム。ということで、次です。演奏はいいけど、解説は短い。それが僕のいいところです。いや、あまり意味はよくわかりませんけど。で、3曲目は「アワ・ボサ・ノヴァ」という曲ですね。「僕たちのボサ・ノヴァ」…って、勝手に自分達のものにすんな!…と思ってしまいますが、曲のほうはボサ・ノヴァです。これはタイトルから受ける印象と実際の曲とが見事にマッチした例と言えますね。で、日本人、ボサ・ノヴァ好きです。納豆のネバネバも好きです。いや、僕は嫌いですけどね。陰で何か悪いことをたくらんでいるんじゃないか?…という気配が感じられますもんね、納豆。裏で誰か糸ひいてんじゃないか?…とか。とまあ、そんなことで納豆にはあまり好意を持っていない僕なんですが、更衣室を覗いたりするのは好きです。で、サキムのプレイはそつがないですね。これだけ余計なことを書いているにもかかわらず、まだ演奏が続いているところをみるとかなり長い演奏のようでありますが、気持ちよさげにピアノを弾いていて、なにより。

 はい、4曲目です。「ノー・モア・シュー」は1曲目と似た感じのストレート・アヘッドな作品です。「シューはもういい」。シュークリームの食べ過ぎで、もう甘いものはうんざり。…といったところでしょうか。俺はエクレアが好きなんや!…みたいな。いや、ほとんど一緒のような気もしますけどね。チョコレートがかかっている分だけ3エクレアのほうが甘いような気もするしー。ちなみにジャズ界でシュークリーム好きとして知られているのがジョン・コルトレーンですな。好きが昂じて『ア・ラブ・シュークリーム』などというお菓子系のアルバムを作ってましたもんね。…とまあそれはともかく、ハキムの演奏はどちらかというと辛口です。スピーディでいて、スヌーピー。尚且つドルーピー。…といったプレイが展開されます。いや、“トムとジェリー”に出てくる犬のキャラクターなんですけどね、ドルーピー。途中、エロ系ウォルターズのベース・ソロがあって、後半はピアノとドラムスの絡み…って、このアルバムはこのパターンが多すぎて、ちょっとくどい?…という気がしないでもないんですが、5曲目の「ポートレイト・オブ・カズン・ミッキー」という曲が実に綺麗なナンバーでありますので、多少のことは大目に見ておきましょう。イトコのミッキー・マウスに捧げられた曲だと思われますが、ちなみに僕はミッキーは嫌いです。あんなの、どこがカワイイんですかね?ブサイクですよね、あれはどうみても。「やーん、ミッキーって、カワイイ〜♪」とか言ってるブサイクなギャルとはあまり付き合いたくないな。…と思っている次第でありますが、いや、かわいいギャルが言うのなら別に許せるんですけどね。ちなみに僕は「はんぎょどん」が結構好きです。いつも一緒にいるタコさんの名前は「さゆり」だそうです。…とか言ってるうちに演奏が終わりましたね。ワルツ・タイムの実にキュートなナンバーでありました。途中に出てくるベース・ソロはちょっぴりくどいですけどね。

 はい、あと3曲です。6曲目は「ブーガーズ・ジレンマ」という曲です。ジレンマ。よくラーメンに入ってますよね。…って、それはメンマ。全然違いますね。最後の“ンマ”しか合ってせんね。“ンマ”だけ合ってればいいのなら、按摩とか閻魔とかサンマとか、もう何でもありですよね。で、曲のほうはアレです。ストレート・アヘッドです。今日は言葉に詰まったらストレート・アヘッド。これでいこうと思います。便所が詰まったら“スッポン”ですけどね。あ、ちなみに除塵機で巻き上げられた本物のスッポンは便所掃除には使えません。便所に流すと余計に詰まるのが関の山です。十両12枚目くらいにいましたよね。関取・関の山って。(←編集部注:いません。)で、演奏のほうはアップ・テンポの快調な快便で、いや快演で、ストレート・アヘッドでとてもいいと思います。んで、7曲目の「ピース・オブ・マインド」はタイトルから受けるイメージそのままの穏やかなバラードでございます。淡々としたタッチは哀しみ…というよりも、むしろ寂寥を湛えておりますが、1テーブル2000円…って、それは寂寥じゃなくて席料ですね。東南アジアで生水を飲んだら下痢と吐き気と発熱がとまらなくってぇ。…って、それは赤痢よ。…って、早く病院に行けよ!とまあ、実にしみじみとした演奏でありまして、ここでアルバムを終わりにしてもよかったかな?…という気もするんですが、まだ1曲あるんですな。えーと、「セイ・ホワット・ユー・ミーン」ですか。キャノンボールに「ノウ・ホワット・アイ・ミーン」というアルバムがありますが、それのパクリでしょうかね?パクリでなければチクリモグリ、あるいは赤痢とか。だから早く病院行けってば。で、曲のほうはミディアム・テンポのなかなかグルーヴィーなナンバーでありまして、なるほど、これをアルバムのラストに持ってきたのも悪くない発想ですね。アル・フォスターのドラムが今ひとつやかましいのが難点ですけどね。ハキムのソロは“唸り”もまじえて非常に好調でありまして、えーと…ストレート・アヘッドです。ということで、あ、別テイクがあと2曲残っているんですが、そこまで紹介するだけの義理はありませんので、今日はこれでおしまい。

【総合評価】

 なるほど、悪くないですな。1977年の録音なんですが、純ジャズ不毛のパイパン時代においても、このようなストレートな演奏をやっていた人がいたというのは立派なことだと思います。…とまあ、人から貰った音源なので、今日は無難にまとめておきました。あ、今週は現場に出る日が多いので、更新の頻度は期待できませんので、そこんとこよろしくです。


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