HUSH! (JAZZ LINE)

DUKE PEARSON (1962/1/12)

HUSH!


【パーソネル】

DONALD BYRD (tp) JOHNNY COLES (tp) DUKE PEARSON (p)
BOB CRANSHAW (b) WALTER PERKINS (ds)

【収録曲】

HUSH! / CHILD'S PLAY / ANGEL EYES / SMOOTHIE
SUDEL / FRIDAY'S CHILD / OUT OF THIS WORLD
GROOVIN' FOR NAT'
【解説】

 梅雨ですなぁ。今年の梅雨はわりと性格が素直なようで、今のところ平日に雨が降って週末には晴れるというパターンが続いております。先週の土曜日も晴れました。日曜日は薄曇でした。で、月曜日の朝はなんだかあまりぱっとしない空模様だったんですが、どういうわけだか遠くの山が綺麗に見えておりました。長良川の堤防からも御嶽山がくっきりと見えておりました。いや、あまりに近く見えておりましたので、もしかしたらぜんぜん違うどっかのチンケな山だったのかも知れませんが、本人が「おんたけだぁ。」と思って見ていたんだから、もし違っていたとしてもそれはそれで幸せなことではないかと思います。直線距離にしたら100キロそこそこみたいなので、別に見えたとしても不思議ではないような気もしますしね。で、梅雨です。梅雨というのは本州上に梅雨前線が停滞するために、ジトジトと雨が降り続くという気象現象のようなんですが、この前線というのがよくわからんのですよね。僕は科学的な分野に関してはわりとあらゆるジャンルに精通しているんですが、気象と地学と生物と天文と物理と電気と磁気と発電設備と変電設備と送電設備と電気鉄道の分野に関しては疎いですからね。ということで本日は「梅雨前線とストッキングの伝線」というテーマを中心に、気象用語についてお勉強してみたいと思います。

 伝線。これは簡単ですね。ストッキングがぴーっと縦に裂けてやぶれちゃうことです。僕もこれには何度も泣かされました。頭からかぶって何度やぶれちゃったことか。「かぶる時に手を濡らすといい。」とか、「買ってきたらすぐに冷蔵庫で冷やすといい。」とか、いろいろとストッキングの伝線防止法に関してはウラ技があるようですが、いや確かに冷蔵庫でよく冷やしたストッキングというのはひんやりしていて気持ちがよく、特に夏場にはイイかな?…という気がするんですが、伝線防止という観点からは効果が今ひとつだったような気がします。アシに穿く時にはいいのかも知れませんが、頭にかぶると駄目です。もしかしてアタマが大きすぎるからですかね?あるいはアタマが角張っていて角に引っかかっちゃうとか。あと、ストッキングをかぶる時には髪型にも気をつけなければなりません。坊主刈りは刺さります。つんつんヘアも刺さります。モヒカンはてっぺんで切れます。その意味でもっとも安全なヘアスタイルはスキンヘッドではないかと思うんですが、いや、何も剃毛…じゃなくて剃髪してまでストッキングを頭からかぶりたいとは思いませんけどね。そこまでするなら、破れにくいぱんつをかぶればそれですむ話ですしー。

 ということでストッキングの伝線問題はクリアしました。残すことろはあと梅雨前線だけですね。えー、調べてみたところ、前線というのは暖かい空気と冷たい空気がぶつかり合うところなんだそうです。調べてみれば簡単なことですね。で、前線というのは家庭でも簡単に作れるものなんだそうです。3分くらいあれば大丈夫なんだそうです。カップラーメンが出来るまでの時間つぶしに、ちょっと前線を作ってみるのもいいかもしれませんね。夏休みの自由研究にもよさそうだし。で、用意するものはガスコンロやかんおやじです。母子家庭のお子様にはちょっと申しわけないんですが、そういう場合には近所のおじさんをレンタルしても大丈夫です。別に血縁関係がある必要はありません。で、手順としましては、まずやかんをかけて、ガスレンジで沸かします。前線の構成要因をひとつである「暖かい空気」を作るわけですね。そして「暖かい空気」が出来たところで、おやじを呼びます。そして「なんか、面白いこと言うてぇ。」と頼みます。するとおやじは満面に笑みを湛えて、とっておきのギャル…いや、とっておきのギャグを披露してくれることでありましょう。いや、いつも“ギャル”という単語ばかり使っているので、“ギャ”まで書いたところで指が勝手に“-”のキーを押しておりました。習慣と言うのは恐ろしいものでありますが、えーと、おやじが披露してくれるとっておきのギャグというのは、例えば「もう梅雨入りしていたのかぁ。そんなこととはつゆ知らず。なんちて。」とか。その瞬間、室内には冷たい空気が充満します。こうなればしめたものです。おやじが発する冷たい空気と、やかんの周囲の暖かい空気をぶつければ、ハイ、前線の出来上がり。とっても簡単だねっ♪

 うーん、夏休みの自由研究としては今ひとつでしたなぁ。着眼点は悪くないと思うんですが、出来た結果が地味ですよね。前線なんか作ってみたところで、写真に撮っても何だかぼやーっとした湯気のようなものが写っているだけで、わけわかんないですしね。担任のマチコ先生からも、「おやじを使うと言うアイデアはよかったんだけど、う〜ん、まいっちんぐぅ〜♪」と言われちゃう恐れがありますよね。マチコ先生も一応は担任の教師なんだから、もうちょっとまともなコメントをしろよぉ。…という気がしないでもないんですが、それはともかくとして、これで前線の正体はよーくわかりましたよね。では、どうして前線が出来ると雨が降るのかというと、これも仕組みは簡単です。暖かく湿った空気冷たい空気が触れるということはウノ先生的な解釈でいうと「ジュン、って潤ってきちゃうんです。」という状態と「あっ、すごい、彼のそのもの。」が触れ合うということですよね。もう、こうなってしまえばその結果は明らかです。いや、まじめに気象についてお勉強しよう。…という向学心に燃えて、間違ってこのサイトにたどり着いちゃった少年少女の立場を慮って詳しい結末については省略しますが、前線とはすなわち、そういうことだったんですなぁ。いや、「あっ、すごい、彼のそのもの。」というのはちっとも「冷たい空気」なんじゃなく、とても熱いのではないか?…という気もするんですが、細かいことを気にしてはいけません。

 …とまあ、雨の匂いのする6月の昼下がり、ふとそんなことを思った次第であります。

 ということで、デューク・ピアソンです。今回はジャズ・ラインの『ハッシュ!』というアルバムを取り上げてみたいと思います。いや別に、前に紹介した『バグス・グルーヴ』というアルバムとまったく同じ顔のジャケットなので、ジャケ絵が流用できてとってもラクぅ?…と言った不純な動機から選んだわけではありません。確かに2順目の時には『タイム・アフター・タイム』というアルバムをそのような不純な動機で選んだという前歴もあるんですが、今日の僕は違います。ジャケ絵を新たに書き下ろすだけの覚悟は出来ております。ただ、覚悟はあってもカラダのほうが付いていかず、結局のところは前のジャケ絵を流用することになろうかと思いますが、大切なのは結果ではなく、意気込みですからね。「ヤル気はあった。」という姿勢だけ見せておけば、神サマはきっと許してくれるに違いありません。で、この『バグス・グルーヴ』『タイム・アフター・タイム』『ハッシュ!』という、俗に“ピアソンのジャズライン・ジャズタイム3部作”と呼ばれる3枚は、レコードを3枚くらい出して潰れちゃった超マイナー・レーベルが原盤だったために、数奇な運命をたどったことで知られております。版権が変わるたびにジャケとはもちろん、アルバムのタイトルからリーダーの名義まで、わけがわからんくらいに変わっちゃってますもんね。もはやどれがどのアルバムに相当するのかすらサダカではありませんが、『エンジェル・アイズ』とか『アウト・オブ・ジス・ワールド』という名前で出ているヤツもあれば、フレディ・ハバード名義の『No.5』なんていうのも、元を正せばこの3枚のうちのどれかだったりします。レコ屋で「あ、これ持ってないヤツぢゃん。」とか思って買ってみて、ウチに帰って聴いてみたら前に聴いたことのあるヤツだった。…といった悲劇は後を絶ちません。何とかして欲しいと思います。特にリーダー名を変えられちゃうと、もうお手上げですよね。リーダーの名義を変えるということは、すなわち販売元が「ピアソンでは商売にならん。」という判断を下したということでありまして、それを知ったピアソンは、きっと草葉の陰で泣いていることでしょう。

 何とかして欲しいと言えば、僕が持ってる国内盤のCDも何とかして欲しいです。パートのおばちゃんが挟むのを忘れたのか、ライナーノートとかレコーディング・データの書かれた紙が入ってなかったんですよね。2つ折りになったジャケットの紙が入っていただけでした。ただでさえ徳間ジャパンのCDはケースに書いてる情報が少なくて不親切だというのに、これではライナーノートの引用と転載だけを頼りに原稿を書いてる僕の立場はどうなる!?…と、文句のひとつも付けたくなっちゃいます。ただこのCDのいいところは別テイクがちゃんと収録されていることですよね。それもきちんと同じ曲を続けて聴けるようになっておりまして、本テイクよりも別テイクのほうが先に来ているところを見ると、実際に演奏された順番に忠実に再現されているようです。別テイクが聴けるのは3つの曲なんですが、こうして2つのテイクを聴き比べることによって、ジャズマンが同じ曲をどのように料理していくかという過程をドキュメンタリーのように知ることが出来て、とても興味深いです。…とか思ってるヤツはこの世の中に何人くらいいるんでしょうね?全国でほんの数百人単位のマニアだけではないですかね?同じ曲をいくらアドリブだから演奏内容が違うとはいえ、2回続けて聴かされるのは迷惑以外の何モノでもないので、やめて欲しいところです。どうしても別テイクを収録したいというのなら、最後にまとめて入れておいてください。いや、さすがに最近ではそういうCDが多くなりましたけどね。別テイクがあっても収録せずにオリジナルに忠実に…といった路線も定着してきているように思われます。収録時間があまっとるのにオマケを入れんと、もってゃあにゃあがね。…といった名古屋人的な発想は最近では流行りません。…ということで、では1曲目から、いや1曲目は別テイクだから2曲目から聴いてみることに致しましょう。

 1曲目と2曲目はアルバム・タイトル曲の「ハッシュ!」です。今後、別テイクの存在は無視して話を進めますが、ちなみにこのアルバムのパーソネルはドナルド・バードジョニー・コールズの2トランペットという変則的なフロントに、ピアソンボブ・クランショウウォルター・パーキンスのリズムという構成になっております。いや、ここまではCDケースの裏にも書いてあるんですよね。ただ録音年月日が書いてありません。さいわい『タイム・アフター・タイム』の日本語ライナーにこのアルバムに関する記述があって、どうやら1962年1月12日の録音らしいということが判明したからよかったようなものの、でなければ取り返しのつかないことになるところでした。あぶないところでした。で、最初の曲は「ハッシュ!」という曲です。ここまではCDケースの裏に書いてあるんですが、作曲者のクレジットがありません。でも大丈夫です。これはドナルド・バードの曲です。もしかしたら違っているかもしれませんが、運良く僕の記憶力がそれほどアホではなかったとしたら、それで正解です。いや、僕が博学多識だったからよかったようなものの、でなければ取り返しのつかないことになるところでした。あぶないところでした。バードが自分のリーダー作でやっていたような気がするんですが、何と言うアルバムでしたっけね?…ということで、ここでちょっとネットで調べてみたところ、ウチの『タイム・アフター・タイム』のところが引っかかってきたんですが、その記事によると『タイム・アフター・タイム』というアルバムは

 …当初はトロンボーンのウイリー・ウィルソン名義のアルバムとして作られたんだけど日の目を見ず、録音の数年後にオランダで発売された時にはフレディ・ハバードの『グルービー』、60年終わりにはデューク・ピアソンの『デディケイション』(プレスティッジ盤)、70年代に日本で発売された時にはフレディ・ハバードの『No.5』という名前だったんだそうです。

 ということでありました。博学多識ですね。いや、ライナーノートに書いてあったのを丸写しにしただけのことだと思いますが、こうしてもっともらしく書いてあると、なんだかとっても物識りのように見えますね。で、『タイム・アフター・タイム』が実はウィリー・ウィルソン名義だったという話は始めて知りました。自分で書いていて、すっかり忘れていました。草葉の陰で泣いていたのはピアソンじゃなくてウィルソンのほうだったんですね。いや、ウイリー・ウィルソンというのはぜんぜん知らない人だから、それもやむなしという気はするんですけどね。それはそうと「ハッシュ!」なんですが、これは『ロイヤル・フラッシュ』というアルバムに収録されている模様です。ヒップな感じの曲なんですが、なんとなく下品な香りがするので僕はあまり好きではありません。そのあまり好きでない曲が別テイクも含めてノッケから2回も続くので、僕のこのアルバムに対する好感度はかなり低かったわけなんですが、ジャケ絵で手抜きが出来るという魅力には勝てませんからね。で、改めて聴きなおしてみたんですが、いや意外にも悪くありませんね。『ロイヤル・フラッシュ』のバージョンよりもテンポは若干速めではないかと思われますが、下世話なムードがなかなかいい感じに仕上がっております。ピアソンのピアノがわりと上品なので、そのコントラストがいいのかも知れませんね。2トランペットのユニゾンによるテーマ演奏に続いてトランペットのソロになるんですが、さて、ここからが問題ですな。ライナーノートがないもんだから自力でソロの順番を判断しなければならんのですが、果たしてバードが先なのか、コールズが先なのか?バードはブラウニー・ライクだし、コールズのほうはマイルスそっくりで、スタイルが違うから聞き分けるのは楽勝だよね。…とタカをくくっていたんですが、いざ聴いてみるとワカランちゅうに。。。実際に聴いてみてもわからんというのに記憶だけを頼りにソロ・オーダーを論じるというのはどだい無理な話ですよね。この問題に関してはまたの機会に譲ることにしましょう。

 ということで2曲目です。この曲にも別テイクがあってCDでは4曲目ということになるんですが、「チャイルズ・プレイ」という曲ですね。赤ちゃんプレイというのはやったことが…いや、聞いたことがあるんですが、「ちゃいるど・ぷれい」というのは初耳ですね。何歳くらいに見立ててプレイするんでしょうね?個人的には小学校5年生くらいから中学3年生までがベストかな?…という気がするんですが、あ、これは相手をコドモに見立てるのであって、自分自身はオトナのままでいいです。おじさんの役でいいです。コドモの役をやって、「まあ、ぼく、小さくてかわいいわねぇ。。。」などと言われた日にゃ、傷付いて立ち直れませんもんね。で、曲自体はいかにも幼稚園児がお遊戯に励んでいるかのような“らぶりぃ&きゅーてぃ路線”でありまして、この手の曲調には意外とトランペット2本というサウンドが合うものなんですね。…と思っていたら2コーラス目くらいに入って、かなり込み入った感じのサウンドになってまいりました。以前、この曲のアタマの部分だけを聴いて「世の中を舐めたような曲だな。」と思って次の曲にスキップしてしまったんですが、真面目に聴けばけっこう手の込んだ作品だったんですね。誰が作曲したのか知りませんが、ピアソンのオリジナルかも知れません。で、ソロ・オーダーなどの詳しい演奏内容に関してはまたの機会に譲りたいと思います。

 はい3曲目です。「エンジェル・アイズ」です。これはトリオによる演奏ですね。しみじみとした…というか、淡々としたバラードです。ほぼストレートにテーマを演奏して、そしてそのままフェードアウトして消えていったような気がします。ピアソンのリリカルな一面がよく現れた1曲であると評価することも出来ますが、地味な演奏だったなぁ。。。という気がしないでもありません。いずれにせよ、またの機会に再検証するまでもないような気がしないでもありません。で、4曲目です。「スムージー」という曲らしいんですが、どういう曲だったのかまったく記憶にありませんので、全面的にその内容に関してはまたの機会に譲りたいと思います。今日の僕ってとってもいい加減ですね。あとできちんとフォローしますので、ここのところは適当に読み飛ばしておいてくださいね。何か書いてないと勤務時間中、とっても暇だしー。

 で、4曲目です。「スデル」という曲です。ここまで書いて思い出したんですが、ピアソンって最近このコーナーで取り上げたばかりでしたよね?いや、基本的にはウチのCDラックに並べてある順番に紹介しているので、「今度はピアソンかぁ。」と思って書き始めたわけなんですが、よく考えたら前半が蜜蜂ネタだったときにそれにちなんで『スウィート・ハニー・ビー』というアルバムを紹介したということを、たったいま思い出しました。で、この「スデル」という曲はその『スウィート・ハニー・ビー』にも収録されていたナンバーでありまして、そのときの解説をちょっと引用させてもらうと

 「スデル」とかいう曲ですね。餃子屋では、醤油とラー油と酢出る。…と覚えておくといいと思います。いや、こんなものを覚えておいたところで何かの役に立つとも思えませんけどね。で、曲としては1曲目ほどにはないにせよわりとベタなナンバーでありまして、ただ構成的にはわりと凝った作品のようで、原文ライナーには“8、10、8、10のバー・シーケンスで、彼が注意する。10バー・セクションの各々の最初の4つの処置は倒置に基づく、そして、彼らはお互いと完全に働く。したがってHarmonicallyにそれは、soloists臨機応変への招待であった。”とありました。」

 …とありました。確かにポップなようでいてモーダルな感じもあったりして、なかなか凝った作りの曲なんですよね。ま、詳しくは後ほど書くとして、5曲目は「フライディズ・チャイルド」という曲です。「金曜日の子供」です。これはいいです。おそらくジョニー・コールズをフィーチャーしたナンバーではないかと思われますが、もしかしたらドナルド・バードのほうかも知れません。あるいは2人で吹き分けているのかも知れませんが、とにかく涙モノのバラードですね。『スウィート・ハニー・ビー』には「アフター・ザ・レイン」という名曲が入っておりましたが、それに匹敵するリリカルさであると言えるでしょう。はい、ラストです。「アウト・オブ・ジス・ワールド」です。3曲目の「エンジェル・アイズ」と同じくトリオ演奏となっております。4ビートとラテン・ビートが交錯して、「まずまずかな?」といった演奏になっていたのではないかと記憶しております。最後の「グルーヴィン・フォー・ナント」という曲はCDオマケ曲なので、どうだっていいです。

 ということで、さ、またの機会です。家でゆっくりと演奏を聴きながら書こうと思っていたんですが、ウイルス退治や何やらで時間がなくなっちゃったので、結局のところ記憶をたどりながらの執筆となります。通勤のクルマの中で聴いてみたんですが、いや、2つのテイクを続けて聴いてみるというのも悪くないものですな。例えば1曲目の「ハッシュ!」の別テイクはテーマのユニゾンがかなり適当な感じだったんですが、2曲目の本テイクのほうはテンポも若干速めになって、ユニゾンのまとまり具合も格段によくなっているよね?…ということがよくわかります。で、ソロ・オーダーはどちらのテイクもtptpですね。いずれのソロもストップ・タイムが効果的に使われておりまして、よかったんじゃないかという気がします。で、懸案となっておりました2人のトランペッターの順番問題なんですが、いや、何回聴いてみてもよくわかりませんなぁ。。。最初のソロはジョニー・コールズっぽい感じがするんですが、ピアノ・ソロの後のトランペットもドナルド・バードのようには聴こえないんですよね。よくわからないので、とりあえず「引き分け」ということにしておきましょう。

 続く「チャイルズ・プレイ」は前曲以上に別テイクと本テイクの差がはっきりとしております。別テイクのほうはいかにも「さぐりさぐり」といった感じですもんね。テンポもかなりゆっくりしておりまして、とりあえずの練習といったところでありましょう。こちらのほうの2トランペットの聞き分けは、わりと簡単でした。先発がバードで、後発がコールズです。もしかしたら違っているかも知れませんが、確率は1/2です。で、3曲目の「エンジェル・アイズ」はトリオではなくて、ピアノの無伴奏ソロでありました。たまに「ちーん♪」というトライアングルのような音が入ります。4曲目の「スムージー」は明るく楽しくスムージーなムードのナンバーでありました。続いて「スデル」の別テイクと本テイクが入っているんですが、これはいけません。ソロとソロの間とかにテーマ・メロディがけっこう頻繁に登場するんですが、そのおかげで2回続けて聴くと結構うんざりします。別テイクは抹消しましょう。で、「フライディズ・チャイルド」なんですが、やっぱりよいですなぁ。吹きっぷりがマイルスっぽいような気がしないでもないので、コールズのワンホーンである…ような気がしないでもない…と断言しておきますが、もし違ってたらゴメンな。で、「アウト・オブ・ジス・ワールド」はトリオによる演奏 で、まあまあの出来だったような気がします。以上で補足説明は以上です。

【総合評価】

 最初に聴いた時の印象はそれほどよくなかったんですが、改めて聴きなおしてみると意外と悪くないですね。ピアソンのピアノ自体はそれほど目立たないんですが、その分、作曲と編曲で頑張っているんでしょう。いや、作曲者のクレジットがないから誰の 曲なのかはよくわからんのですけどね。あ、ちなみにジャケ絵のほうはちゃんと書き直しましたです。“じゃけ・これ”にある『バグス・グルーヴ』のものと見比べてみてくださいね。

 
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