GEMINI (JAZZLAND)

 LES SPANN (1960/12/8,16)

GEMINI


【パーソネル】

LES SPANN (fl,g) JULIUS WATKINS (frh) TOMMY FLANAGAN (p)
SAM JONES (b) ALBERT HEATH (ds) <#1,4,6,7> LOUIS HAYES (ds) <#2,3,5,8>

【収録曲】

SMILE / CON ALMA / Q'S DUES BLUES / IT MIGHT AS WELL BE SPRING
STOCKHOLM SWEETNIN' / BLUES FOR GEMINI / AFTERTHOUGHT
THERE IS NO GREATER LOVE

【解説】

 やぁ皆さん今日は。ソルト・サバー・カフェ(←何?)のマスター、サバービア稲葉(←誰?)です。いや、赤いスニーカーのマスターに対抗して、高いスミイカの素股として売り出そうかと思っているですが、やっぱり売り出すには安いイカじゃないと駄目ですかね?でもイカは足が10本あるから股も9箇所あるわけでして、その分、濃厚なサービスが期待されるので、多少は割高になっちゃうのも仕方がないかな?…という気もするんですが、それはそうと今ひとつ盛り上がりに欠けますなぁ、ソルトレイク・オリンピック。いや、個人的には「今ひとつ盛り上がらない。」という気がしてならないんですが、どうなんですかぁ?世間では盛り上がっているんですかぁ?多分、ダメだろうなぁ。。。でも、もしかして、ひょっとしたら、ひょっとするかも?…という気がしないでもないんだけど、でもやっぱりダメだろうなぁ。…と思っていたスキーのジャンプも、やっぱり駄目でしたしね。こんなことなら最初から余計な期待をせず、「多分、ダメだろうなぁ。。。」の時点でヤメにしておけばよかったかな?…という気がしないでもないんですが、ま、マリシュが金メダルを取れなかっただけでも、ヨシとしておきましょうかね?いや、何だかいかにもスケベそうな顔をしているので、あまり好きじゃないんですよねぇ、マリシュくん。アホネンは好きなんですけどね。長野オリンピックの時も日本では大人気だったようで、ぎゃるの間からも「アッホね〜ん♪」という黄色い声援がとんでいたそうでありますが、そういえば今大会にもなかなか味のある名前の選手が出場しておりましたね。その名もマッティ・ハウタマキっ!ニックネームはやっぱり、たまきん

 ま、長野オリンピックが盛り上がり過ぎというか、メダルの取りすぎだったわけでありまして、元来、冬のオリンピックなんてのは銀メダルが1個と銅メダルが1個で、ま、こんなもんなんじゃないですかね?で、僕は今、長野におります。伊那プリンスホテルです。いつもは土曜日に仕事を終えてから飯田なり伊那なりまで移動して、日曜日に白馬あたりでスキーというパターンを取っていたんですが、この週末は土曜日が晴れ、日曜日は雪または雨。。。という予想だったので、パターンを逆にしてみました。朝の4時に家を出てHAKUBA47五竜とおみで滑り、で、今夜は伊那プリに泊まって、明日は適当に会社に寄って残務処理をこなすという、そういった予定になっております。場合によっては面倒になって、残務処理うんぬんのところがキャンセルになっちゃうかも知れませんが、ちなみに今日の伊那プリは安かったです。前に泊まったときは8000円ぐらいしたと思うんですが、今日は5500円でした。前日になってぎりぎりで予約したので、スーパーの総菜のコロッケが閉店間際になると50円引きになるのと同様、急遽ダンピングに踏み切ったということなのかも知れません。で、こちらに来て思い出したことがあるんですが、それは何かと言うと駒ヶ根に忘れてきた明治亭のソースかつ丼なんですけどね。何のことだかわからない人には前回の原稿を読んで貰うこととして、そういえば伊那にも明治亭の支店があったハズぢゃん。…ということを思い出し、せっかくだから行ってみようと思ったわけでありまして。伊那プリンスホテルと言っても実際は伊那市じゃなくて隣の箕輪町というところにあるんですが、ま、10数キロの距離だと思われるので、ま、何とかなるんじゃないですかね?

 ただ問題なのは、家を出た時点では明治亭でソースかつ丼を食おうという発想がまったくなかったので、地図の載った明治亭のパンフレットを持って来てないんですよね。ま、そのパンフレットに載っている地図というのは極めてアバウトなものでありまして、新駒ヶ根店を探す際にもほとんど役にたたなかったわけでありますが、それでも地図があるのと無いのとでは大違いですからね。でも、だいじゃぶ。僕には文明の利器がございます。ハイテク兵器と言ってもいいかも知れませんが、僕は鞄の中からジョルナダちゃんとPHSカードを取り出し、ネットに接続して明治亭・伊那支店の電話番号を調べると、続いてその番号をデルNAVIに入力して、直ちにその場所を探し出すことに成功したのでありました。いや、駒ヶ根ではカーナビの電話番号検索に頼り切ったのが失敗の元だったんですが、今度は大丈夫でありましょう。僕は勇躍、クルマを発進させたのでありました。

 ホテルから約20分。ナビが「この先、目的地です。」と告げた地点には、おお、いかにもそれらしい店があるではありませんかぁ。が、近づいて見ると、その店には「ラーメン・餃子の店 とんとん亭」という看板が。。。違うっ!僕が目的としているのは、 こんな豚の絵の書いてある店ではないっ!…と心の中で叫んでしまいましたが、いや、明治亭もカツ丼の店だから豚の絵が書いてあっても不思議ではないんですが、とにかく周囲を探してみてもそれらしき店は見あたらず、こうなったらラーメンと餃子を食べてやるぅ!と一瞬思ってしまったんですが、ここで諦めてはオトコが廃ります。少なくともソースかつ丼を食べないことには僕のメンツが丸潰れです。そういえば1年ほど前にこの街を訪れた時、駅前の蕎麦屋でソースかつ丼を食べたら、今ひとつだったなぁ。。。ということを思いだし、もうこうなったら、あの店でもいいかぁ。…と思って駅近くの駐車場にクルマを停めて探してみたんですが、“あの店”もどの辺にあったのかよく覚えておりませんで。。。ま、今ひとつだったから、別にその店じゃなくてもいいんですけどね。で、駅前を散策していると裏筋のやや怪しげな通りに信州蕎麦という看板の出された店がありまして、ま、蕎麦屋ならソースかつ丼もあるだろうと思ってそこに入ってみることにしたんですが、店の中に足を踏み入れて、「しまった。。。」と思いました。そこは蕎麦屋ではなく、蕎麦もメニューにないことはない飲み屋といった感じの店でありまして、ソースかつ丼のの字もの字も見当たりません。逃げようか?と思ったんですが、店のおばちゃんがえらく威勢のいいおばちゃんで、とても逃げおおせるような雰囲気ではなかったので、泣く泣く焼き鳥のツクネトリを頼み、「飲み物は?」と聞かれて、とても「クルマだからウーロン茶でいいですぅ。。。」と言い出せるような雰囲気ではなかったので、泣く泣く生ビールも注文したのでありました。ま、おいしかったからイイんですけどね。

 ついでに塩味タンを追加して、蕎麦ギョーザというのがあったのでそれも頼んでみて、その蕎麦ギョウザというのは、いったいどこがどのように蕎麦なの?といった感じのごく普通の餃子のように見受けられましたが、おそらくは素人が食べてみて、そうやすやすと気が付かないほど微妙にデリケートに蕎麦なんでしょうね。ま、マズくはなかったからイイんですけどね。で、餃子をカジりながら、ぼーっと店内を見回してみると、壁に「関サバ 1000円」と書かれた紙が貼ってあるのに気が付きました。僕は目を疑いました。失礼ながら、とても関サバのような高級食材を扱っているような店には見えず、それにその関サバと書かれた張り紙は手書きなので字が読みにくく、おまけに僕は目があまりよくないので、どうにもそれが確かに関サバなのかどうか、自信が持てませんで。。。もしかしたら間(あいだ)サバなどという、わけのわからん料理だったりする可能性もありますしね。そこで僕は威勢のいいおばちゃんじゃないほうの、お兄さんの店員を呼び止めて、「あのぉ、あそこに書いてあるサバって言うのは…?」と探りを入れてみたんですが、すると「せきさばです。刺身です。」という明確な回答が。おお、やはり!僕は嬉しくなって思わず注文してしまったんですが、出された関サバは薄目の刺身が六切れでございました。とてもサバとは思えない価格設定ですなぁ。。。ま、確かにおいしかったんですけどね。カツオの刺身みたいに生姜ジョーユで食べるんですが、それほど脂っぽくはなく、とてもあの下品なサバと同じサカナであるとは思えません。無論、臭みはまったくありません。蕁麻疹も出ません。もし発疹が出たとしたらそれは関サバのせいではなく、さっき食べた蕎麦ギョーザの蕎麦のせいだと思います。

 んなことでまあ、サバとビールで、とってもサバービアな夜でありました。おしまい。

 ということで、さ、後半部分ですね。読者の大半は@マークの前で力尽きているという恐るべき調査結果が判明しましたので、後半はテキトーに流しておこうと思うんですが、今日はレス・スパンを取り上げてみようと思います。読者の多くは恐らく「誰?」と思ったんじゃないかという気がするんですが、僕もよく知りません。調べてみようという気もありません。どうせ、誰も読んではいないんだしぃ。。。先日、名駅のタワーでこの『ジェミニ』というジャズランド盤を見つけ、ジャズランド好きの僕は思わず買ってしまったわけなんですが、レス・スパンという人はフルートとギターを担当しているようです。ジャズの世界にも何人かマルチ・インストゥルメンタル・プレイヤー、略して“MIP”はおりますが、フルートとギターという組み合わせは珍しいですよね。更にこのアルバムにはフレンチホルンのジュリアス・ワトキンスも参加しておりまして、いかにもリバーサイド系らしい、オリン・キープニュース好みの変則的な編成となっております。ちなみにピアノは故・トミー・フラナガンでありますな。で、リーダーのレス・スパンについて、輸入盤CDの裏のところに簡単な説明があるようなので、そこを見てみることにすると、えーと…なるほど。そういった経歴の持ち主であるわけですな。どうせ誰も読んでないんだから詳しい説明は省きますが、出痔・ガレスピーのクインテットと苦隠士・ジョーンズのビッグ・バンドに主に滞在していた人のようであります。ということが明らかになったところで、では1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 えーと、1曲目は「スマイル」ですね。スマイリー原田くんもソルトレイクではさっぱりでありましたが、いや、ラージヒルの予選で2位につけたというから、ひょっとして?…と期待したんですけどねぇ。。。団体戦で巻き返しをはかるということでありますが、一度巻くのを失敗しちゃったコンビニおにぎりの海苔は、もう一度巻き返してみても、なかなかうまくいかないのが常でありまして、それはそうと「スマイル」ですね。何かチャップリンに関係のある曲ではなかったか?という気がしないでもないんですが、詳しいことはわかりません。調べる気もありません。ミディアム・テンポの演奏なんですが、テーマ部のアンサンブルが何だか不思議なハモリ具合でありますな。フルートの音色がダブって聞こえるような気がするので、あるいはオーバー・ダビングしているのかも知れません。個人的にはこういう小細工はあまり好きじゃないんですが、モザイクというのもあまり好きではありません。好きじゃないので一度、通信販売でモザイク除去装置を買って除去してみようか?と思っているんですが、果たしてあんなものでホントにモザイクが除去されるんですかね?目を細めて見ると、うっすらと透けて見える…ような気がする。…といった程度の効果しか期待できないんじゃないか?という気もするんですが、フルートにフレンチホルンが絡むテーマ部に続いて、サム・ジョーンズのピチカート・ソロとなります。こんなところも、いかにもリバーサイド系ですよね。で、短いアンサンブルのパートを挟んでワトキンスのフレンチホルンのソロとなるわけですが、聴いてるだけでこっちも息苦しくなってくるような音色でありますなぁ。。。こういう、いかにも欲求不満が募りそうな楽器を吹いていると、途中で「イーッ!」とかならんのですかね?健康のためにもフレンチホルンの吹き過ぎと破廉恥行為のやり過ぎには気をつけたいところでありますが、続くレス・スパンのフルートは軽快というか御陽気というか、要するにあまり哀愁とかを感じさせないプレイに終始しております。 使い方を誤ると、何だか間抜けになっちゃいますからねぇ、フルート。ま、全体的には「まあまあかな?」といった演奏でございました。

 はい2曲目です。「コン・アルマ」です。ガレスピー楽団出身だけに、ガレスピー・ナンバーを持ってきて御機嫌を伺おうというコンタンのようです。もう、魂胆みえみえ。練炭というのも穴が開いていて向こうがよく見えるものでありますが、ここでのスパンはギターを弾いておりますね。ギターとピアノが奏でるメロディにフレンチホルンが絡むテーマ部は若干地味ではありますが、続くスパンのギター・ソロは若干地味であります。ま、途中でウエスばりのオクターブ奏法をまじえて彼は彼なりに頑張っているとは思うんですけどね。ま、人にはそれぞれ事情というものがあるわけでして、第三者が無責任にとやかく言う筋合いはありませんね。で、相変わらず息苦しいフレンチホルンのソロがあって、テーマに戻って、おしまい。はい3曲目です。最初に聴いた時は「モンクの曲ぅ?」とか思ったんですが、「キューズ・デュース・ブルース」というスパンのオリジナルでありました。キューズデュースブルースで韻を踏んでいて、なかなか調子のいいタイトルですよね。曲自体もなかなか調子のいいリフ・ナンバーでありまして、ジュリアス・ワトキンスが中心になってテーマを吹奏しております。で、続いてスパンのギター・ソロになるわけですが、ここでのプレイはなかなかだと思います。キレもあるし、コクもあります。でもって、スインギーです。ノリもいいです。有明海の海苔養殖も今年は大丈夫だと思います。ソロ2番手はワトキンスです。この楽器にしては精一杯健闘していると評価することが出来ると思います。で、続くトミ・フラのソロはブルージーでよいですなぁ。サム・ジョーンズのウォーキング・ソロも出色の出来だし、最後にスパン→ルイス・ヘイズ→ワトキンス→トミ・フラの4バースがあって、テーマに戻って、おしまい。アルバム3曲目で、ここまでの中では一番の出来であると言ってよいと思います。

 いや、ボケが魂胆練炭のところしかありませんでしたね。ま、よく考えたらジャズの曲解説でいちいちボケをかます必然性もないわけでありますが、とりあえず4曲目にいってみましょう。「イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スプリング」。日本名「春の如く」ですね。スパンはフルートを吹いておりますが、1曲目と同様、音がダブって聞こえております。やはりオーバー・ダビングなんでしょうかね?だとしたら小細工を弄しているわけでありますが、ま、実にしみじみとしたバラードに仕上がっておりますので、ここはヨシとしておきましょう。小細工も時としては有効であるということが明らかになったわけでありますが、不細工というのはどうにもならんのですけどね。ま、マニアでもいれば別ですけどね。かく言う僕も、ちょっぴりブサイク程度のギャルが結構好きなんですが、ま、それも程度問題なんですけどね。この前、井上章一の『美人論』という本を読んでいたら「卒業面」というコトバが出てきたんですが、昔の女学校では器量のよいものは在学中にヨメに貰われていって、そうでないものばかりが学業を全うして女学校を卒業していったと。あと、「衛生美人」なるコトバも出てまいりました。顔のほうは「・・・。」でも、安産型でいかにも丈夫そうな体型のギャルのことを「衛生美人」と称して、みんなで誉めよう!…という、いささか無理のあるキャンペーンが提案されたことがあったそうですが、企画自体にかなり無理があるので、結局はぜんぜん定着しなかったそうですけどね。ちなみに僕は衛生美人体型のギャルというのも結構好きなんですが、えーと、「春の如く」。僕は今までこの曲のことはそれほど好きではなかったんですが、このスパンの演奏を聴いて、ちょっぴり見直しました。なかなかいい曲じゃないっすか。で、スパンのフルートの演奏はわりと真面目にフルートを吹いている時のローランド・カークと言ったところでしょうか?ぜんぜん真面目にやってない時は鼻でフルート吹いたりしてますからね、カーク。で、レス・スパンのソロが始まるあたりからテンポが速くなってミディアムに転じるわけでありますが、豚肉の入った味噌汁は豚汁。

 はい5曲目です。「ストックホルム・スウィートニン」はクインシー・ジョーンズのオリジナルです。クインシー楽団の出身なので、ここでクインシーのナンバーを取り上げて御機嫌を伺おうというコンタンなのでありましょう。ミディアム・テンポのブルージーなナンバーなんですが、ギターとフレンチホルンのユニゾンがなかなかいい味を出しております。ここでのフレンチホルンはそれほど息苦しげではなく、トロンボーンっぽいトーンとなっております。カーティス・フラーを聴いてるような感じです。で、テーマに続いてスパンのギター・ソロになりますが、これはケニー・バレルっぽい感じですかね?途中からちょっぴりオクターブ入って、ウエス風になってますけどね。いずれにせよ、なかなか味わい深いプレイでございます。続いてはワトキンスでありますが、あ、ソロになるとやっぱり駄目ですね。呼吸困難です。きっと喉には血痰が詰まっているに違いない正岡子規。…そういった感じの演奏となっております。で、続くトミ・フラのソロは龍角散的な爽やかさがあって、いや、龍角散の粉末が喉の粘膜にへばりついた状態というのは爽やかさからはほど遠い状態であるわけですが、少なくとも喉に絡んだ痰はちゃんと取れますからね。龍角散、さすがだと思います。はい6曲目です。「ブルース・フォー・ジェミニ」です。ジェミニに捧げられたスパンのオリジナルのようでありますが、ジェミニって誰なんですかね?元宇宙飛行士のウルトラ怪獣?…って、それはジャミラですね。ウルトラマンにホースで水をかけられて死んじゃいましたが、人道的な見地からして、もうちょっと何とかならんかったんですかね?いくら今ではウルトラ怪獣に成り下がっているとはいえ、元は人間の宇宙飛行士だったわけですからね。せめて生け捕りにして金を取って見せ物にするくらいの人情的な措置が出来なかったものかと残念でなりませんが、曲のほうはアップ・テンポのブルース・ナンバーでございます。ちょっぴりビ・バップっぽい雰囲気を湛えたナンバーでありますな。フルートとフレンチホルンのユニゾンでテーマが演奏された後、スパンのフルート・ソロが展開されます。息を吸い込む音もナマナマしく、時にはハスキーなフリーキー・トーンも交え、かなりの熱演ぶりで好感の持てる熱延鋼管。…といった感じのプレイでございます。続くワトキンスのソロは若干もつれ気味ではありますが、ま、この楽器ではやむを得ないところでありましょう。ヘンな楽器を選んでしまった自己の選択の失敗を恥じるしかありません。今からでも遅くありません。思い切ってチューバに持ち替えてみませんか?で、アンサンブルとドラムの4バースみたいなパートを挟んでフラナガンのソロがあって、テーマに戻って、フェイド・アウトして、おしまい。とっても元気のある演奏でありました。

 7曲目の「アフターソウト」は極めつけの美しいメロディを持ったバラードでございます。あまりに綺麗な曲なので、てっきりスタンダード・ナンバーだと思っていたら、レス・スパンのオリジナルなんですな。やるぢゃん、スパン。伊達にパンツみたいな名前を付けてるわけじゃないですなぁ。…って、スパンとパンツでは、共通してるのはパンだけなんですけどね。で、フルートの音色が譬えようもなく美しく、そして哀しいです。使い方さえ間違えなければ、この上なくリリカルな楽器ですからねぇ、フルート。ワトキンスのフレンチホルンもむせび泣くような哀しみを湛えております。で、最後にもバラードの「ゼア・イズ・ノー・グレイター・ラブ」を持ってきましたか。ここではスパンのギターが泣かせますなぁ。…と、中瀬マスさん(87歳)も言っておりましたが、婆さんなのにどうしてオッサンみたいな言葉遣いなんですかね?謎多き老婆・中瀬マス(87歳)といったところでありますが、いや、1曲目の脳天気な雰囲気からして、この先いったいどうなってしまうのか?…という危惧を抱いていたんですが、3曲目以降は実によい仕上がりとなっておりました。「レス・スパン、侮れない。」というのが今日の結論です。今朝のウンコに血が混じってたの?…って、それは今日の血便ですね。ということで、おしまい。


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