お正月ですなぁ。お正月と言えば、コタツを囲んで、お雑煮を食べながら、カルタをしてた、もぉぉぉぉ〜のぉぉぉぉ〜でぇ〜すぅ♪…と、その昔、“はっぴいえんど”が歌っておりましたが、お雑煮を食べながらカルタをしたりすると、汁がこぼれてカルタの札が汁まるけになると思いますので、ヤメといたほうが無難だと僕は思うんですけどね。特に雑煮の汁というのは煮込みすぎてドロドロになった餅の成分が溶け出したりしていて、紙につくとやっかいですからね。半分“ヤマト糊”と化しているというか、とりあえず飛び散った汁をティッシュで拭いたりすると後で乾いてカピカピになったりして、遊びに来た親戚のおばさんに「まあ、お正月だからって、昼間っから。。。」などと、あらぬ誤解を受けたりして、まことに雑煮の汁というのは取り扱いには充分に留意しなければいけませんなぁ。
ということで、今日は『お正月とモチ』というテーマでお届けしたいと思うんですが、僕は餅に関してはちょっと嫌な思い出がございまして。。。あ、せっかく忘れかけていたのに、書いているうちに思い出してしまいましたが、あれはそう、僕がまだ小学校に通っていた頃でありました。ウチの学校は「地区団登校」と言って、同じ地区に住んでいる児童・生徒が一緒になって学校に登校したり、パンチラ写真を『投稿写真』に投稿したり、負けそうになって投降したり、暴行したり、膀胱に尿をためたり、モンコウイカを焼いて食べたりしていたわけなんですが、しかしなんですなぁ。モンコウイカというのは、どうしても一瞬「コウモンイカ」に見えてしまって、いけませんなぁ。…とまあ、そんなことはどうでもよくて、僕がある日、地区団登校の集合場所へと赴くと、どこからともなくモチを焼く匂いが漂ってまいりました。で、僕が姿を現したのと、モチを焼く匂いが漂ってきたのがほとんど同時でありまして、「あ、いねよ、モチ食べてきたなぁ!」ということになって、あ、ちなみに「いねよ」というのは「稲葉」を音読みにしたものでありまして、当時の僕はどういうわけだかそういう呼び名で呼ばれていたんですが、この「いなば君、モチ食べてきた疑惑」以降、今度は「もち」と呼ばれて、いじめられるハメになってしまいました。僕はその日、モチなんか食べてへんちゅうねん!で、もし本当にモチを食べていたにしても、何でそんなことで「モチ」と呼ばれて、いじめられなアカンねん!
と、書いてるうちにだんだん思い出してムカついてまいりましたが、それはまあ、いじめるヤツが悪いだけであって、モチ自体には何の罪もございません。モチというのはオイシイものでございます。よく「煮ても焼いても食えない」などという言いかたをしたりしますが、モチというのは煮ても焼いても食えます。揚げてみても大丈夫です。ただ、サカナと違ってナマでは食べることが出来ませんが、いや、食って食えないことはないんですが、決して褒められたものではありませんな。“つきたて”ならまだしも、日が経過してカピカピになったモチというのはカジっても粉っぽいコメの味しかしなくて、「こんなことならカジらなきゃよかった。。。」と後悔することは必至。…といった程度のものでありまして、ここはやはり焼いたり煮たりして、ニタリ貝と一緒に食べたりするのが無難なところではないでしょうか。で、煮るか、焼くか。それが問題になってくるわけでありますが、こと正月に限ればこの問題は至って簡単でありまして、お正月は雑煮。そう、相場が決まっております。ところで、どうして元旦の朝には雑煮を食べるんでしょうね?
雑煮。子供の頃、「ぞうに」というのは象を煮たもの、もしくは“ゾーっとするようなウニ”のことだと思っていた人は少なくないと思いますが、えーっと、そのルーツは室町時代にまでさかのぼりまして、大晦日に神様にお供えしたモチだのブリだのウニだのニタリ貝などを、正月になってから雑多に煮たのがその始まりだと言われております。下関あたりでは“しびれフグ”なんかも煮ちゃうそうでありますが、雑煮ほど地域によってその実態が異なる食べ物も珍しいそうでありまして、では一体、日本各地でどのような雑煮が食べられているのか?という問題について、ちょっと調べてみました。いや、正確に言うと、日本各地でどのような雑煮が食べられているのか?という問題について調べている人様のサイトを適当に検索してみました。雑煮分類学の分野において、雑煮というのは主に3つの観点から分類するというのが趨勢のようでありますが、それは何かと言うと
1.モチは丸か四角か?
2.汁は「すまし」か「味噌」か
3.「具」は何か?
ということなんですけどね。で、色々な調査結果を僕なりに分析した結果、だいたいの分布というのが判明しましたので、ちょっと紹介しておきましょう。
地域 | モチの種類 | 汁の種類 | 具の種類 |
丸餅が好きな地域 | 丸い餅 | 不明 | 不明 |
切り餅が好きな地域 | 四角い餅 | 不明 | 不明 |
味噌仕立てが好きな地域 | 不明 | 味噌仕立て | 不明 |
すまし仕立てが好きな地域 | 不明 | すまし仕立て | 不明 |
モンコウイカがよく獲れる地域 | 不明 | 不明 | モンコウイカ |
水戸 | 不明 | 不明 | コウモンイカ |
韓国 | 韓国風の餅 | キムチ汁 | キムチ |
インド | インド風の餅 | カレー汁 | 象 |
さ、君の故郷ではどんな雑煮を食べたかな?
ということで、「先日、名古屋で仕入れてきたCDシリーズ」です。いや、今日(1月3日)はハローキティに会えるスキー場@ヘブンスそのはらにでも行って、明日は八方に行って、お昼は八宝菜?とか思っていたんですが、大雪で名古屋付近の高速が軒並み通行止めになって、大幅に予定が狂っちゃいました。いや、昨日あたりから伊吹おろしがビュービューと吹き荒れておりまして、ヤバそうな雰囲気だったんですよねぇ。。。仕方がないのでこうしてオウチで原稿を書いているわけでありますが、祝・あきらジャズまつり出場記念 ということで、キャンディド盤の『トシコ・マリアーノ・カルテット』でございます。いや、秋吉敏子の演奏って、マトモに聴いたことがなかったもんで。あきらジャズまつりには現旦那のルー・タ○キンを連れてきておりましたが、これは別れた旦那、チャーリー・マリアーノとの共演盤であります。個人的にはビッグバンドよりもコンボ物のほうが好きなので、ここらあたりがいちばん無難かな?という気がするわけです。ということで、では、マンディ満ちるのパピィ&マミィの若かりし頃の演奏に耳を傾けてみましょうか。
1曲目、「ホエン・ユー・ミート・ハー」。彼女に会った時の心の高ぶりとか寒ブリを歌に託したものでありましょうか?ちなみにマリアーノと敏子嬢との出会いは携帯電話の出会い系サイトだったと言われておりますが、あ、そういえば携帯電話をワン切りして、着信履歴からリダイヤルすると、いきなり「えっちしたーい♪」という声が流れるという出会い系サイトが少し前に問題になっておりましたな。テープの声でも何でもいいから、「えっちしたーい♪」という声を聞きたかった僕のところには結局一度もかかってこずに、ちょっぴり拍子抜けしてしまいましたが、曲のほうは4拍子で始まり、4分の3拍子に変わり、コーラスの直前8小節ほどのところでまた4拍子に戻る。コーラス部分の24小節の中では、はじめの16小節が3拍子、おわりの8小節が4拍子となる。By ナット・ヘンホフ…といった複雑な構成となっておりますが、あ、水戸では雑煮にコウモンイカの他に納豆も入れたりするんですかね?桑名では別に焼きハマグリを入れたりしないので、名物を必ずしも入れるというわけでもないみたいですけどね。で、演奏のほうはというとマリアーノのアルトが結構鋭いのにちょっとビビりました。いや、どっせ白人だしぃ、見た目も優男風だしぃ、ま、ポール・デスモント風のアルトを吹く叙情派のおっさんぢゃないの?…と、勝手に判断してたんですよね。が、いざ蓋を開けて見ればパーカー直系という感じでありまして、いや、本人としてはそういうレッテルは迷惑だろうとは思うんですが、例えて言うならアート・ペッパーのアタックをもっと強くした感じぃ?いや、全然違いますかね?ま、アドリブ一筋に生きる☆といった姿勢はとってもイイと思います。いや、何故“☆まーく”なのかはよくわかりませんが、トシコぉ、いい旦那を見つけたぢゃないのぉ。…といった感じですね。後で離婚してますけどね。で、嫁のトシコのほうはというと、よく“和製女パウエル”みたいな言われ方をしますが、ここでの演奏を聴く限り、それほどパウエルっぽいというわけでもないなぁ。。。という気がしないでもありません。誰に似ているかというと…、ちょっと適当な例が思い浮かびませんなぁ。…といった感じのスタイルですね。で、寺院ジェリコの短めのピチカート・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。ま、あきらジャズまつり出演記念の義理みたいな気持ちで買った1枚なんですが、演奏のほうは思ったよりも数段よかったね。…とスーダン人も納得の1曲でありました。
2曲目の「リトル・T」は、マリアーノがレコーディングのおよそ6週間前に書き上げたナンバーだそうです。タイトルの“T”はモロチン、いや、もちろん“TOSHIKO”の“T”でございます。夫が妻にこういうタイトルの曲を捧げるのは大変に好ましいことでありますが、逆に妻はいくら夫の“そのもの”が小さいからといって、「リトルなんとか」などという曲を贈ってはいけません。いや、マリアーノがリトルだっかたどうかは寡聞にして知りませんけどね。で、演奏のほうはマリアーノのアルトにジェリコの弓弾きベースが絡む陰気なイントロで幕を開け、とっても不気味なムードが漂っております。…が、そこに“リトル・T”のリリカルなピアノが絡んできて、やがてミディアム・テンポになって綺麗なメロディのテーマが演奏されます。原文ライナーで納豆ヘンホフがマイルス・デイビスやビル・エバンスの作品に見られるように、このナンバーも高度な旋法を用いており云々…と書いているとおりモーダルなムードを湛えた作品でありまして、マリアーノのアルトは初めはリリカルに、そしてソロが進むにつれてエモーショナルな高まりを感じさせとっても良好です。続くトシコのソロはちょっぴりビル・エバンスっぽい感じがしないでもありませんね。で、続いてジーン・ジェリコのピチカート・ソロがあるんですが、ソロの途中にアルトとピアノが絡んでくるあたり、とってもよく考えられた演奏であるように思われます。えーと、曲解説の後半はあまりボケがありませんでしたが、ああ、韓国風の鍋物ぉ?…って、それはボケじゃなくて、チゲですね。…って、こんなボケなら無いほうがマシですしね。ちなみに僕はチゲよりも恥毛のほうが好きです。
はい3曲目です。「エレジー」という曲です。ああ、症状がひどい肛門疾患?…って、それは「エレジー」じゃなくて、「えれぇ痔」ですね。…って、こういうボケは作曲者のトシコさんに失礼ですよね。ちなみに三河地方では程度が甚だしいことを「どえれぇ」とか「えれぇ」と言ったりするわけでありますが、疲れていることも「えれぇ」と言いますね。だから、とっても疲れている場合は「どえれぇ、えれぇ。」となるわけですが、略して「どえれぇ。」でも意味は通じます。ついでにいうと、尾張地方では「〜をください」と頼む場合、「〜ちょーよ。」とか、略して「〜ちょ。」とか言いますね。だから名古屋の魚屋さんでサバを買う場合には「サバちょ。」と言うのが正しいわけでありますが、えーと、何の話でしたっけ?「エレジー」ですかぁ。タイトルから受ける印象とは裏腹にアップ・テンポの力強い演奏に仕上がっております。単純なようで奥が深いようで、なかなか印象的なメロディの曲ですね。で、ソロ先発はマリアーノちゃん、略してマリちゃん(“まりあちゃん”でも可)なんですが、相変わらず力強いプレイを披露しておりますな。かなり高音域を駆使して、時にはフリーキーとも言えるシャウトぶりで頑張っております。根は大人しいのに、楽器を持たせると人格が変わる。そういったタイプなのでありましょう。続くトシコちゃんは、なかなか綺麗なシングル・トーンを披露しております。こんなところはやっぱりパウエルの影響が見られるわけでありますが、それ以外に月の家円鏡の影響を感じさせる点も見逃せませんよね。…って、感じさせねーよ、ンなもん。
はい4曲目です。あと2曲ですね。このアルバムは全部で5曲しか入ってなくて、そういうところが勝負が早くてイイですね。で、ここで「ディープ・リバー」が登場します。日本名「深い河」です。黒人霊歌です。いつも思うんですがこの“黒人霊歌”という言い方は、何だか白い着物姿の黒人の幽霊を彷彿させ、なかなか趣深いものがありますなぁ。。。やっぱり“ニグロ・スピリチュアル”と言ったほうが感じが出ますよね?で、トシコ=マリアーノ・カルテットで黒人霊歌というのも、白人と日本人のペヤングだけにあまりピンと来ないんですが、これがなかなかイイ感じに仕上がっておりまして。えーと、まず最初にトシコちゃんのピアノのイントロがあるんですが、これが実に陽気な黒人ゴスペル風で、大いに楽しめます。で、マリアーノのスピリチュアルなアルトが入ってくるとムードが一変して、そのままゆったりしたテンポによるテーマの吹奏に突入します。で、そのままマリちゃんソロになるわけですが、とってもエモーショナルな歌い上げ具合が印象的ですね。彼はこの作品を驚異的な力で完全に自分のものにし、このスピリチュアル(霊歌)を無意識のうちにコンテンポラリーに、そして自叙伝的な作品に作り変えている。…と、ナット・ヘンホフが原文ライナーに書いているとおりの演奏だと思いますが、今日の名古屋は大雪が降って、最低気温は零下3度…って、いや、霊歌との絡みで書いてみただけなんですけどね。ああ、おこめの値段?…って、それは米価。
はい、一段と寒さが増したところでラストです。寒いといえば満州も寒いところだと思いますが、このアルバムの最後を飾るのはトシコちゃん生涯のテーマ曲と言える「ロング・イエロー・ロード」、日本名「長い黄色い道」でございます。彼女が子供時代を過ごした満州の思い出、黄色に煙る彼方に果てしなく伸びていくように見える道の記憶をもとにしたナンバーだが、それと同時に、アメリカ人の人々に対する思いと彼女がたどってきた長い道のりを表現してもいる。…ということであります。いや、個人的には道のりよりも味付け海苔のほうが好きなんですが、ストップタイムを効果的に用いた、なかなか印象的なナンバーでありますな。イントロとクローズは4分の5拍子。8小節−8小節−10小節−8小節の構成で、ニ短調の曲なのだが実際にはヘ長調であるかのように聴こえる…とヘンホフが書いておりますが、へんホフって、何だかとっても変なホフですよね?マリアーノの相変わらずエモーショナルな吹きっぷりも悪くありませんが、ここはやはりトシコちゃんのプレイに耳を傾けましょう。ソロの前半はマリアーノの吹く反復フレーズに絡む形で、そして後半は完全なるトリオでのソロになるわけですが、成るほど、フレージングなんかはモロにパウエルっぽいですね。もっともトシコちゃん自身、パウエルの後継者として分類されることは「そのような評価には、複雑な気持ちを抱いたのぉ。。。ある意味ではほめ言葉でもあるんだけどぉ、一方でわずらわしいとも思ったのぉ。(中略)私はいつも自分自身が感じるものをそのまま表現してきたしぃ、誰かの真似をしようとしたことなど一度もないのぉ♪」というようなことを述べておりますけどね。いや、こんな“ひなの口調”で言ってるわけではありませんけどね。そんなトシコちゃんも今年で、ななじゅうウン歳。あの“旭ジャズまつり”の盆踊り大会的なムードの中で、是非とも「ロング・イエロー・ロード」を聴いてみたいなぁ。。。と、ふと思った次第でございます。去年は全然知らない曲ばっかりだったしー。ということで、さあみんな、今年の夏は指圧だねっ♪