UNITY (BLUE NOTE)

 LARRY YOUNG (1965/11/10)

UNITY


【パーソネル】

WOODY SHAW (tp) JOE HENDERSON (ts) LARRY YOUNG (org) ELVIN JONES (ds)
【収録曲】

ZOLTAN / MONK'S DREAM / IF
THE MOONTRANE / SOFTLY AS A MORNING SUNRISE / BEYOND ALL LIMITS

【解説】

 僕は今、飯田におります。いや、特に深い理由はないんですけどね。強いて言えばトジマの監督とウチの所長が悪いということになると思いますが、順を追って説明しましょう。金曜日の昼少し前、僕が事務所で勤労に励んでいると、上之保の現場監督をやっているトジマの大森クン(仮名)から僕の携帯に電話がかかってまいりました。あ、大森クン(仮名)の“大”の字は例の如く大小反転して、“森”のほうは木を1本伐採して頂ければイイわけなんですが、いつぞや、『LAST DATE』のところで、「見た目はアヤシそうだけど、いざ付き合ってみたら根はイイ人だった。」という評価を下した人なんですけどね。で、その彼が何を言いだすのかと思ったら、「上之保の工事の設計書の数量調書があるでしょ?アレを全部チェックして、実施数量を書いて、月曜日に持ってきて貰わないと困るんだけどぉ。」って、いや、 「困るんだけどぉ。」って言われても、そんなこと急に言われても、僕としても困るんだけどぉ。。。いや、確かにウチの会社に嫌気が差してヤメちゃったヤング岡田君が放置していったファイルボックスには、そういった資料が入っていたような気がしないでもありませんし、コンサルの藤田クンも「12月の頭までに資料を提出するように。」というようなことを言っていたような気がしないでもないんですが、面倒なので聞かなかったことにして、今まで放置していたんですよねぇ。。。それにしても「根はイイ人だった。」などと思ったのはとんでもない間違いでありまして、トジマの大林君(仮名)ってば、いきなり何ということを言い出すのでありましょうか?

 で、彼がいきなり、とんでもないことを言い出したから、飯田市。…というわけではなく、話にはまだ続きがございます。月曜日に持ってきて貰わないと困るんだけどぉ。…と言われても月曜日には既に可児市の市道50号アンダーパスというところで点検の予定が入っておりますし、かといって金曜日中に片付くような仕事でもなさそうですし、かくなる上は残業してでも資料を作り上げて、土曜日の朝イチに上之保村まで走るテだな。。。と覚悟を決めた次第でありますが、夕方の6時にウチの所長が「健康ランド行って、風呂入って、中華食うぞぉ。」ということを言い出して、やむなく強制連行されて、で、風呂に入って中華料理を食べて、ナマ中2杯と梅酒を1杯飲んだらベロベロになって仕事どころじゃなくなって、仕方なく土曜日に会社に出て資料を作って、昼から上之保村に走って、ついでだからどこかそのへんに泊まって、次の日は「おんたけ」でスキーを満喫しようということになって、いや、「おんたけ」には先週も行って来たんですが、11月30日からはゴンドラも運行されて、3000メートル滑走可能ということなんですよね。先週は一番上のゲレンデがまだ駄目で、滑走距離は2000メートルだったんですが、その1.5倍は楽しめるということになるわけです。これはもう、行くしかないでしょう。いや、上之保村からなら「ウイングヒルズ白鳥リゾート」へ行くほうが遙かに近いんですが、ウイングは滑走距離が1000メートルですからねぇ。既に2000メートルを経験しちゃってる僕は、今更半分では満足できないカラダになっちゃってるわけでありまして。でまあ、「おんたけ」に行くのなら木曽福島、それが駄目なら恵那か中津川あたりで泊まりたかったところなんですが、『旅の窓口』では適当なところがなく、仕方がないので中津川から30キロほど行き過ぎることにはなりますが、飯田市あたりで妥協をしておこう。…とまあそういうことで僕は今、飯田にいるんですけどね。

 資料の見直しのほうは1時間で片付けちゃいました。いや、真面目に考えてもよくわからないので、適当に数字を書いておきました。そのことできっとトジマの大林クン(仮名)はコンサルの藤田クンから叱られることになると思いますが、僕の知ったことではありません。ヤル気も知識も能力もまったくない僕にそういう仕事を頼んでしまった“人を見る目のなさ”を恨むしかありません。ま、チミも叱られたりして大変だろうけど、何事も社会勉強だと思って、頑張ってね。…とエールを贈る次第でありますが、おかげでスケジュール的にはかなり余裕が出来ました。昼前には上之保の現場事務所に到着することができ、封筒に入れて内容の適当さを隠蔽した資料を「ほい。」と手渡し、本日の業務は無事に終了。で、帰りに武儀町のサークルKに立ち寄って昼食を買い求めたんですが、ちょうど近くの高校の下校時刻と重なったようで、店内は高校生で溢れておりました。で、店の前には太モモもあらわに女子高生が4名ほど地べたに座り込んでおりまして、こうなってくるとムードもへったくれもありませんなぁ。。。いや、武儀(むぎ)町だから、ムギチョコ好きの純情派女子高生がいっぱい?…とか期待していたんですが、大垣あたりの“けった女子高生”よりも数段ケバいんじゃないっすかね?いや、店に入る時、ちょっとは僕のほうに注目してくれるかな?と思っていたら、まるっきり無視でしたからねぇ。チラっと様子を窺って、「あ〜ん、とっても今ひとつなオジサンなのぉ。。。」というので急速に興味を失う。。。というのならまだ許せるんですが、“ただの通りすがりの女子高生好き”など、ハナから人間として認識してないようでありまして。ま、でなきゃ、人前で太モモ丸だしで地べたに座り込むような真似が出来るわけがないんですけどねぇ。。。と、無視されたやっかみもあって、ちょっぴり女子高生に失望した土曜日の昼下がりでありました。

 で、上之保から関を通って美濃加茂に抜け、国道21号で可児から御嵩を通って土岐インターから中央道に乗ったんですが、飯田には2時半頃には着いちゃいそうなペースでありました。いくらなんでも2時半にホテルにチェックインしてもやることもないし、あ、“やること”で思い出したんですが、国道21号線沿いに“すけべホテル”の看板があったんですが、そこには「退屈しないホテル」というキャッチフレーズが書いてありました。ま、確かに、あんなことや、こんなこと。いや〜ん、そんなことまでぇ♪と、やりたいことがたくさんあって、退屈する暇もないだろうなぁ。。。と妙に納得した次第でありますが、生憎と僕が向かっている飯田市のシルク・ホテルというところは、そういうホテルではありません。ま、昼間の2時半にチェックインしても、おそらく“すけべビデオ”の放送はやっているでありましょうが、あんなものは基本的に15分も見れば飽きちゃいますからねぇ。そこでまあ、伊那インターまで足を延ばして以前から行ってみたかった高遠城跡公園に行ってみることにしたんですが、その話はまたいずれ写真集のところで紹介することにして、で、高遠から国道153号線を45キロほど走って、5時半頃に飯田の街に到着しました。ホテルに付くまで、ちょっと道に迷いました。いや、おそらく道に迷うだろうなぁ。。。と思って、会社のカローラ・フィールダーから“十年一昔カーナビ”を外して自分の車に乗せ換えてきたんですが、それでも迷いました。なんせ“十年一昔カーナビ”だからルート検索機能や音声ガイドなどといった余計な機能は一切なく、ただ地図の上に自分のいる地点が表示されるだけの簡易ナビでありまして、おまけに恥部…あ、タイプミス。おまけに地図ソフトが古いものだから、カーナビの画面上のルートと実際の道路とが今ひとつ“まっちんぐマチコ先生”してないんですよねぇ。飯田の市内は今ひとつ国道のルートがごちゃごちゃしてるんですが、いつの間にか後架になっていて、曲がる予定の交差点が無くなっていたり、ナビの画面では国道153号線となっている道路が、いつの間にやら違う番号の国道になっていたりと、ややこしいこと限りなし。。。人に何の断りもなく、勝手に道路を変えるな!と文句のひとつも言いたいところでございますが、それでもまあ、何とか無事に到着してこうしてゆっくりと部屋で原稿を書いているわけでありまして、まずはなによりでございます。ちなみに料金のほうは『旅の窓口』特別割引で4,800円(税別)と、かなりお値打ちですね。ま、消費税を入れると5,000円を越えちゃいますが、パンとコーヒーとジュースの朝食がサービスということなので、かなり良心的なホテルであると言えましょう。

 で、先程まで、部屋のテレビで有料放送を鑑賞しておりました。ここの有料放送は自販機で1000円のカードを買えば、それで1日中見たい放題♪というシステムなんですが、あ、これなら昼間の2時半にチェックインしても充分にモトはとれましたかね?ちなみに有料放送は3チャンネルあって、普通の邦画のチャンネルが1つと、すけべビデオが2チャンネルという構成になっております。で、先程まで、邦画のチャンネルを見ておりました。ウソじゃないです。すけべビデオのほうは、これからです。番組表を見ると18時から20時までは『居酒屋ゆうれい』という映画でありまして、タイトルからして、いかにもつまんなさそうだなぁ。。。と思って、まったく期待を持たずにボーッと見ていたんですが、結構ハマってしまいました。山口智子の“すけべシーン”もあって、かなり楽しめました。ちなみにこの「一般邦画チャンネル」も深夜になるとかなり内容がアヤしくなってまいりまして、えーと、0時からは『愛のコリーダ・完全編』ですかぁ。あ、『痴漢ストーカー・狙われた美人モデル』というのもありますね。明日は5時に起きて「おんたけ」を目指そうと思っているんですが、寝坊するのを覚悟の上で午前2時からの『ピンサロ病院3・ノーパン診察室』というのを見ようかどうか、今、真剣に悩んでいるところでございます。

 ということで、さ、ラリー・ヤングですね。あ、今、家に帰って原稿を書いてるんですが、 予定通り「おんたけ」で滑ってまいりました。で、『ピンサロ病院3・ノーパン診察室』のほうはどうしたのかと言うと、とりあえず10時に眠りについて夜中の2時に一度起きて、ピンサロ病院でパンツを脱いだところだけ確認したら、また朝の5時まで寝ればいいかぁ。。。ということで、携帯の目覚ましを夜中の2時にセットしておいたんですけどね。ところが夜中の12時半頃に勝手に目が覚めてしまい、よく考えたらそこまでしてまで見るほどのことでもないかぁ。。。という気もしてきたので、目覚ましを朝の5時にセットし直したんですけどね。ところが夜中の3時過ぎに再び目が覚めてしまい、そこまでしてまで見るほどのことでもないけど、自然に目が覚めちゃったのなら、とりあえず見ておかないというテはないな。。。という気もしましたので、慌ててテレビのスイッチを入れてみたところ、倍賞千恵子が出ておりました。一瞬、倍賞千恵子がノーパン診察されるのか?と思ってしまいましたが、寅さん映画の予告編でありました。慌てて番組表をチェックするとピンサロ病院は3時15分まででありまして、僕は頭から布団をかぶって朝までフテ寝をした次第でありますが、とりあえずラリー・ラングです。今日はスキーの後で「寝覚めの床」の散策などをして、とっても疲れたので後半部分はテキトーに流しておきましょうね。で、更新するのは月曜日にまわしちゃおうと思いますが、さて、今週の1枚は御存知、『ユニティ』でございます。

 ラリー・ヤングと言えば“オルガンのコルトレーン”という呼び名で知られているわけでありますが、何も彼は昔からトレーンしていたわけではありませんで、初期のプレスティッジ盤なんかを聴くと、ごく普通のソウル風オルガン・ジャズをやったりしております。そんな彼がトレーンに目覚めたのはブルーノートに移籍してからのことでありまして、以前このコーナーでも紹介した『イントゥ・サムシン』あたりからその兆しが見られ始め、続く『陰嚢寒し、ん〜♪』でその路線を発展させ、そしてこの『ユニティ』で絶頂を極めたということになろうかと思いますが、 確かに野外でズボンを脱いだりすると、そのあたりが寒く感じられる季節になりましたよね。いや、スキー場で着替える為に野外でズボンを脱ぐような事態に立ち至ったわけでありますが、隣のクルマではギャルが、「あ〜ん、恥ずかしい。。。」とか言いながら外で黒いタイツ姿を披露したりしておりました。彼女は僕のことをかなり意識していたようでありまして、ムギ町の女子高生と違って、とても人間的にもデケたギャルであると評価せざるを得ませんが、で、この『ユニティ』は、何と言ってもウディ・ショウ、ジョー・ヘン、エルビンというメンバーが注目ですよね。特にエルビン菅原クンとの出会いはラリ・ヤンにコルトレーンを強烈に意識させたであろうと思われますし、僕の好きなウディ・ショウが参加しているのも嬉しい限りでございます。んなことで、では1曲目から聴いてまいりましょう。

 エルビンが叩くマーチのリズムで幕を開ける「ゾルタン」はウディ・ショウのオリジナルです。そういえば塩サバ2号がヤングだった頃に着用していたスキーウェアは銀色でありまして、何となくウルトラ怪獣を彷彿させるものがあったので、通称「バルタン」と呼ばれておりましたが、ゾルタンというのはハンガリーの国民的大作曲家ゾルタン・コダーイのことだそうでございます。で、冒頭の“どこかで聴いたことのあるようなメロディ”はゾルタンが作曲した組曲『ハリー・ヤーノシュ』の第6曲、「皇帝と廷臣の入場」の行進曲を用いている。このあとのテーマ(AABA形式32小節)にも原曲の和声、リズム、ムードが活かされており、構成力に富んだ1曲だ。…ということでありますが、相変わらずコムツカシイ文章を書きますなぁ、悠雅彦クンってば。同じ雅彦でも、原田雅彦クンはかなりノー天気なんですけどね。このところ成績が振るわないようですが、オリンピック男の彼のことなので、きっとソルトレイクシティでは復活の大ジャンプか、見事な大失敗ジャンプを見せてくれることでありましょう。で、演奏のほうはというと、悠さんちの雅彦クンが「原曲のリズムが活かされている云々」と書いているにも関わらず、テーマに入ると冒頭のマーチから一転してポリリズム風になりまして、それがまた見事な効果を上げております。恐るべし、エルビン!で、彼の叩き出す複雑なリズムに乗せてウディ・ショウ、ジョー・ヘン、ラリ・ヤンがソロを取るわけでありますが、実に60年代的で新主流派風でモーダルで、素敵っ♪ということだけを述べておきましょう。僕は好きですねぇ、こういう激しいプレイって。ショウもジョー・ヘンも完璧なんですが、ここでのラリー・ヤングのソロはグラント・グリーンの「トーキン・アバウト・J.C.」でのプレイを彷彿させ、圧巻です。で、各自のソロの後、エルビンとジョー・ヘンの8バースがあって、テーマに戻って、「皇帝と廷臣の入場」(退場?)があって、マーチのリズムがフェイド・アウトして、おしまい。うーん、確かに見事な構成力と言わずを得ない1曲でありました。

 2曲目の「モンクス・ドリーム」はタイトルを見てもわかるようにセロニアス・モンクのオリジナルでございます。自分の名前を出したがることでは大橋巨泉に比類するものがありますからねぇ、モンク。で、この曲はオルガンとドラムスのデュオで演奏されるんですが、とても2人しか参加メンバーがいないとは思えない充実した内容となっておりますな。とてもデュエットとは思えぬ迫力である。…と悠クンも言っておりますが、僕も同感です。ベビー・フェイス・ウィレットは童顔ですけどね。ということで、3曲目。「イフ」はジョー・ヘンのオリジナルです。複雑な構成をとっているが、変拍子入りのブルースとみてよい。もちろん <ソロイストが自由に(通常のブルースの枠を越えて)音を選んで演奏出来るように書いてある> ので、従来のブルースのパターンとは異なっている。…ということだそうです。なんでもいいけど、htmlでは <> の記号は“&lなんとか”という文字に変換して書かなければならず、とっても面倒なので、原文ライナーにこの記号を使うのはヤメてもらいたいところでありますなぁ。。。 で、曲自体はいかにもジョー・ヘンらしいものでありまして、2ホーンによるリフ(12小節)のあと、ts(7コーラス)、tp(6)、org(10)のソロが展開されるが、とりわけヤングのめくるめく10コーラスが圧巻で、その熱気に圧倒される。…ということでありますが、わざわざコーラス数までカウントしていただいて、ご苦労様なことでございます。で、個人的にはジョー・ヘンの“うねりめく”ような7コーラスもなかなかだと評価しておりますが、ウディ・ショウの6コーラスは、若干“垂れ流し気味”ですかね?

 で、彼の実力が遺憾なく発揮されるのは、続く自作の「ザ・ムーントレーン」でありまして、これは曲としてもショウの代表作であると言ってもいいでショウ。流れるような、実に印象的なメロディのナンバーでございます。そして漂う、そこはかとない哀愁。伊達に地下鉄に轢かれて片腕を切断したわけじゃないナ。…という男意気のようなものを感じさせますね。いや、地下鉄に轢かれるのはずっと後のことですけどね。で、テーマに続いてショウがフレーズのひとつひとつを慈しむかのようなソロを聴かせ、これがまた絶品です。モブレーのヒット作は『ディッピン』ですけどね。そういえば誰かが「女は別嬪、男はディッピン」などという実につまらないことを書いておりましたが、いや、つまらないのはお互い様ですけどね。で、ソロ2番手はジョー・ヘンです。リズムのノリ具合が結構アヤシゲなんですが、吹いているうちになんとか最後にはオトシマエをつけております。で、3番手のヤングのソロは先程の「イフ」でのプレイに比べると若干落ち着いた感じなんですが、弾いているうちにだんだんコーフンしてくる様子が窺え、興味深いですね。で、エルビンの“繊細に喧しい”ソロがあって、再びあの魅力的なテーマに戻って、おしまい。えーと、読み返してみると全然大したことは書いてありませんでしたが、60年代を代表する名曲・名演だと僕は思っております。

 5曲目、「朝日のようにさわやかに」。ここでこのスタンダードを持ってきたのはちょっと意外な気がしましたが、4人の強者の手によって、まったく新しい「朝さわ」に変貌を遂げていると言ってもよろしいかと。テンポはかなり速めの設定で、最初のテーマはジョー・ヘンが吹いております。エルビンの繊細なブラッシュ・ワークにも注目です。いや、個人的にブラシって、けっこう好きなんですよね。タワシとか。で、テーマを吹き終えたジョー・ヘンはそのままソロに突入するわけでありますが、その瞬間、エルビンがスティックに持ち替えている点にも注目しましょう。いや、個人的にスティックって、けっこう好きなんですよね。酢昆布とか。で、ジョー・ヘンは例の如く、かなり“うねうね”と好き放題に吹いておりますが、最後のあたりで再びテーマ・メロディを引用したりして、何とかオトシマエをつけております。続くウディ・ショウのソロはちょっぴりオーバー・ヒート気味なんですが、こちらも最後にテーマ・メロディを引用して、あくまでもこの演奏が「朝さわ」であることをアピールしております。で、ソロ3番手はヤングでありまして、エルビンに煽られ、これまたかなり熱いプレイを展開しております。僕は“天かす”というのがわりと好きなんですが、この展開も悪くないと思います。特にオルガン・ソロの途中でテナーとトランペットのリフが絡んでくるあたりが絶品ですね。構成的にも優れた作品であると言わざると得ませんが、最後はショウがテーマを吹いて、おしまい。さ、あと1曲です。

 6曲目の「ビヨンド・オール・リミッツ」はショウのオリジナルです。悪くはない曲なんですが、これだけアルバム全体を通して印象的なナンバーが揃っていると、ちょっぴり印象が薄いような気がしないでもありません。よって、日本語ライナーの引用でお茶を濁しておこうと思いますが、ショウが18歳のときに作曲した作品という。…って、ほう、高校生の頃の作品というわけですかぁ。なら多少、印象が薄いくらいのことはしょうがないかも知れませんね。僕が高校生の頃に作った曲と言えば「かぶとがに」とか「三葉虫」とか「放火魔」とか、そういうしょうもない曲ばかりでありまして、それに比べれば遙かにマシであると言えましょう。いや、個人的には「放火魔」という曲の、放火魔ぁ〜、放火魔、カマ、カマぁ♪というところのフレーズは結構気に入っているんですけどね。で、一応、A(18=8+10小節)、A’(18=10+8)、B(8)、A”(10)形式54小節と分析できる。…って、相変わらず数を数えるのと、足し算するのが好きですなぁ、悠クン。僕にはそういう楽理的なことはよくわからないので、とりあえず「まあまあだったかな?」という印象を述べるに止めておきたいと思いますが、アルバム全体で言うと、やっぱり“オルガンのコルトレーン”の代表作であるな。…ということは言えると思います。ということで、さ、信州限定「ベビースター・わさび蕎麦」でも食べよっと。



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