ACCENT ON THE BLUES (BLUE NOTE)

 JOHN PATTON (1969/8/15 , 6/9)

ACCENT ON THE BLUES


【パーソネル】

MARVIN CABELL (ts,saxello,fl) JOHN PATTON (org)
JAMES BLOOD ULMER (g) <#1-7> LEROY WILLIAMS (ds)
GEORGE COLEMAN (ts) <#8-9>

【収録曲】

RANKIN' AND SCRAPIN' / FREEDOM JAZZ DANCE / CAPTAIN NASTY
VILLAGE LEE / LITE HIT / DON'T LET ME LOSE THIS DREAM
LITE HIT (alt take) / BUDDY BOY / 2J / SWEET PEA
【解説】

 今年もまた、健康診断の季節がやってまいりました。もう、「正しい大便の取り方」というのは書きません。そのネタは過去2年間に渡ってお届けしてまいりましたし、「正しい大便の取り方」というのは、そう毎年毎年変わるような類のものではありませんしね。ちなみに今年の健康診断は月曜日だったんですが、ということは、土曜日と日曜日にサンプリングを行わなければならないということかぁ。…と、ちょっと早とちりして、土曜日に1本目のサンプルを採取してしまいました。よく考えたら日曜日と月曜日の朝に取ればよかったわけなんですが、ちょっと先走りしちゃいましたかね?ま、冷暗所に保管しておけばサンプルの賞味期限は1週間ぐらいは大丈夫ということなので、別に問題はないんですけどね。で、毎年毎年こうしてサンプルを採取していると次第に手慣れてくるというか、要領がわかってくるわけでありますが、その気持ちの緩みが災いしたのか、大便のほうもちょっぴり“ゆるめ”になってしまい、採取時にちょっと苦労をしてしましまったということだけ御報告をしておきます。

 で、検査当日です。健康診断の会場は去年と同じく水産系御用達@マリンクリニックというところでありまして、2年前まで会場だった名古屋市だか愛知県だかがやっている施設は、検診業務をヤメちゃったんだそうです。社員の評価は「前のところのほうが検査内容が充実していた。」ということで意見が一致しておりますが、「でも、ナースは今のところのほうが若い。」ということでありまして、僕個人としては検査内容などはどうでもいいので、やはりマリンちゃんにして正解だったと総務部の業績を高く評価している次第でありますが、あと、検診メンバーにギャル系がいるか?というのも重要なポイントですよね。受診者はジャージのような診察服を着用することになるんですが、その下は「パンツ1枚」というのが原則であります。これはギャル系とて例外ではありません。つまりまあ、健康診断というのはノーブラのOLさんとブラブラのおじさんが一同に会する場であるわけでありまして、いや、僕個人としてはそういう状況など別にどうでもいいんですが、果たしてうちの会社からは誰が来ているぅ?とチェックしたところ、社長に相談役に常務取締役に監査役という、そうそうたるメンバーでありました。いや、そんなことは別にどうでもいいんですけどねぇ。。。

 で、検査が始まるとすぐ、社長と監査役の2人が「検尿はまだかぁ?」と騒ぎ出しました。どうやら相当に催してきたようなんですが、看護婦のおねえさんに「エコーの検査が終わってからですぅ。」とたしなめられておりました。いや、2年前までの検診では受付後、ただちに採尿というスケジュールになっていたんですが、当クリニックは「尿でパンパンに膨張した膀胱を見てみたいっていう気分?」という方針のようでありまして。ちなみに僕は去年「一般検診コース」というのを選んでいたんですが、今年は「日帰り人間ドック」というのにしてみました。いや、去年はどっちを受診したんだかさっぱり記憶になかったので適当に選んでおいたら、結果的にそうなっておりました。「人間ドック」のほうは超音波エコーと肺活量の検査が追加されるようで、あとオプションで胃カメラ、もしくは胃のレントゲンを追加注文することも出来ます。今年は胃カメラかバリウムか、どちらかを飲まなければならないということだったので、とりあえずバリウムのほうを選んでおいたんですが、気分はかなり水色でありました。なぜ水色なのかというと、「バリウムはとってもまずい。」という話なので気分がとってもブルーなのと、「バリウムを飲むと翌日に白いウンコが出る。」という話なので、その期待感の「白」とが混ざって水色になったわけでありますが、いつのまにやらバリウムを飲む話は取りやめになったようで、ほっとしたような、ちょっぴり残念なような複雑な気分でありますが、あ、まず最初は採血でありますかぁ。

 採血。僕はわりと「半ケツ」というのは嫌いではないんですが、採血というのはあまり好きではありません。注射針でチクっと刺されたりして、あまりよいものではありません。が、有無を言わせず看護婦のおねえさんに腕をつかまれ、問答無用でブスっと刺されてしまいました。不細工なおねえさんにブスっと刺されたりするのはあまりよくありませんが、担当のおねえさんはかなりの美形でありました。それはそれでいいんですが、その日の僕は“採血される血の勢い”というのが、どうも今ひとつでありまして。。。美形ナースの「まあ、元気がないわ。。。」といった残念そうな表情を見て、僕は思わず「ゴメンね、不甲斐なくて。。。」と心の中で詫びてしまいましたが、なんとか無事に規定量の採取を終了しました。血に勢いはなかったものの、おそらくその中には尿酸がたっぷりと含まれていることでありましょう。で、身長と体重を計って、次に視力検査があって、続いては血圧測定でありましたが、血に勢いがなかったわりには血圧は正常値でありまして、まずは何よりでありますな。で、心電図、肺のレントゲンと来て、今度は初体験の「肺活量測定」でございます。はぢめての体験でちょっぴり不安だったんだけど、おねえさまが優しくリードしてくれたので、だいじゃぶだったのぉ。ウフ♪で、ちなみに肺活量の測定は、太い棒状のものを口にくわえるという方法で行われたんですが、こういうのはギャル系のほうが得意なんじゃないですかね?いや、「わたし、細いモノしかくわえたことがないのぉ。。。」などと言われた日にゃ、まったく立場がございませんが、ちなみに僕の肺活量は「普通よりちょっと多めね♪」ということだったので、僕のオトコとしての矜持は辛うじて保たれたのでありました。

 最後は超音波エコーであります。この検査だけ担当がオニイサンだったんですが、今ひとつ怪しいムードの先生でありました。どうやらソッチのほうの気があるらしく、美少年である僕を見る目付きには、何やら危険な薫りが漂っておりました。彼は僕を密室に招き入れると、やおらに僕の服をまくり上げ、あろうことがジャージのズボンにまで手をかけて、パンツなりズリ降ろそうとするんですよねぇ。陰毛図、かすかに見える、昼下がり…といった微妙なラインまでパンツを降ろされちゃったんですが、いや、マジな話、“貞操の危機”という言葉がちょっぴり脳裏によぎりました。で、エコーの器具を操る手つきも妖しく、僕のカラダのあちこちをまさぐる執拗さには閉口してしまいましたが、いや、脇腹にローションを塗られて器具を滑らされたときには、くすぐったくて思わず爆笑しそうになっちゃいましたけどね。で、最後に採尿をして、かくして僕はドックを離れ、人生という名の大海に向かって、再びあてのない航海へと旅だったのでありました。おしまい。

 さ、ジョン・パットンです。ビッグ・ジョン・パットンという言い方もありますが、“ビッグ”と呼ぶほど、彼の体格はそれほど大きくはない。…というようなことが何かのアルバムの原文ライナーに書いてあったような気がします。じゃ、何が“ビッグ”なのかというと、それは当然、アレでありましょう。人格とかスケールとか、そういったものなんでしょうね。で、この人のアルバムと言えば、個人的には何と言ってもボビ・ハチの入った『レッテム・ロール』がフェイバリットなんですが、じゃ、『アクセント・オン・ザ・ブルース』は、どうよ?(←“2ちゃんねる”風。)このアルバム、まずジャケットを見た瞬間に“NG”ですよね。ノー・グッドです。んが・んぐ(←byサザエさん)です。何なんですかねぇ、このアフロの兄ちゃん。「てぃーんず・ぶるーす」を歌う原田真二ぃ?「キャンディ」を歌う…でも可です。結構好きだったんですけどねぇ、原田真二。「愛してかんからりん」で、スベっちゃいましたけどね。で、パットンの『アクセント・オン・ザ・ブルース』でありますが、物事を見た目だけで判断してはいけません。まったくソソられることのない気持ちにムチ打って買ってみたところ、演奏のほうはそれほど悪いというわけではありませんでした。ま、それほどイイわけでもないんですが、とりあえずのところ、1曲目から聴いてみることに致しましょう。

 1曲目、「ラッキン・アンド・スクレイピン」。タイトルの意味は「熊手でかく、そして削りとる」といったところでしょうか。パッキンを剥がしたりするときに用いる器具にスクレイパーというのがあるんですが、この“SCRAPE”という言葉から来ているのでありましょう。もっとも、おじさん達の間ではスクレイパーなどという専門用語が使われることはなく、もっぱら 「パッキン剥ぎ」とか呼ばれてますけどね。で、この「熊手、そしてパッキン剥ぎ」はハロルド・メイバーンの曲でありまして、“気怠いムードのジャズ・ロック”といった感じの仕上がりになっております。マービン・キャベルとかいう名前のテナー吹きが参加しているんですが、オルガンとギターとテナーの3Pで奏でられるテーマは悪くありません。繰り返しテーマの2回目からサックスのトーンが1オークターブくらい上ずった感じになっていて、これもまた悪くないですね。とてもテナーの音とは思えないので、あるいはジャケットにクレジットされている謎の楽器、“saxello”というのにスイッチしているのかも知れません。何て読むんですかね、これ?サックス・えろ?おそらく“エロいサックス”といった性格の楽器ではないかと思われますが、音色的にはソプラノ・サックスや、ローランド・カークが吹いているストリッチに近い感じですね。で、ソロ1番手はジェイムス・ブラッド・ウルマーですな。前半は単音中心で、後半にはオクターブ奏法っぽいプレイを展開しておりまして、なかなかの充実度ではないかという気がします。………。なかなかギター・ソロが終わりませんな。しかたがないのでその間にマリンクリニックの看護婦さんについて語ってみようと思うんですが、実に…あ、ここでマービン・キャベルのソロが始まりましたね。おそらくサックス・えろ、もしくはサクセロと思われる楽器を吹いているわけですが、フレージング自体はわりとオーソドックスですね。で、続くパットンのソロはノリがいいですし、全体的にみて、悪くない仕上がりかな?…という10分5秒の池田大作でございました。

 はい、2曲目です。このアルバムはCDオマケ曲や別テイクも含めると全部で10曲もあるので、悠長に曲解説をしている場合ではありません。先を急ぎましょう。2曲目はエディ・ハリスの「フリーダム・ジャズ・ダンス」っす。マイルスが取り上げたことで知られる変態曲なんですが、ここではオルガンとテナーが絡む形でテーマ部が演奏された後、パットンのソロになります。僕は“ぼっとん便所”というのはあまり好きではなかったんですが、パットンというのは悪くないと思います。で、ここでのプレイはソウル・ジャズというより、新主流派のノリに近いですね。後期のラリー・ヤングほどではないにせよ、わりとソッチの方面にも興味を持っていたのでありましょう。で、続くマービン・キャベルのテナーもモーダルなムードを湛えていて、なかなかでございます。はい、3曲目。ここからしばらくマー・キャベのオリジナルが続くんですが、まずは「キャプテン・ナスティ」という曲でございます。サクセロとオルガンの掛け合いで演奏されるテーマは、なかなかキャッチーなメロディでありますな。何かこう、いかにもナスティ船長って感じぃ?で、ボッサ風のリズムに乗ったパットンのソロも悪くないし、このアルバム、見かけ以上になかなかのスグレ物なんじゃないか?という気が次第にしてまいりました。サクセロを吹くマー・キャベも好調です。

 はい、4曲目です。「ヴィレッジ・リー」は、なんとも表現のしようのないようなナンバーです。サクセロです。エキゾチックな感じもあるし、アーシーなモーダルとでも言うべきサウンドのような気もするし、ま、とにかくパットンのロングなソロが堪能できるナンバーでございます。キャベルのソロも聴けます。ウルマーもソロをとります。7分21秒です。結構長いです。はい、5曲目です。「ライト・ヒット」は、いかにもライトなヒットだなぁ。。。という感じのナンバーです。軽いっすよね。軽石というのはけっこう軽いものなんですが、それに匹敵するくらい軽い仕上がりとなっております。が、軽いといっても軽薄ではなく、テーマに続くマービン・キャベルのサクセロ・ソロはモーダルでありますし、ウルマーは昼間っからお盛んだし、えーと、次第に解説がテキトーになってまいりましたね。あと4曲とちょっとです。頑張りましょう。LPレコードだとこれで最後になると思われる「ドント・レット・ミー・ルーズ・ディス・ドリーム」は、おそらく歌モノではないかと思われるナンバーでございます。キャベルの吹くフルートと、軽いボッサ風のリズムがなんともポップなムードを醸し出す日本カモシカ・センター。そういった感じのナンバーでございます。はい、あと3曲とちょっとです。7曲目は「ライト・ヒット」の別テイクなので、無かったことにしておきましょう。7曲目はありません。で、8曲目からはCDオマケ曲になるんですが、ギターのジェイムス・ブラッド・ウルマーが抜け、その変わりにテナーのジョージ・コールマンが入っております。で、3曲ともジョン・パットンの オリジナルなんですが、最初の「バディ・ボーイ」は抑揚の希薄なモーダルなナンバーでございます。はっきり言ってちょっぴり退屈な演奏なので、無かったことにしておいてもさほど支障はないように思われます。8曲目はありません。

 はい、あと2曲です。もう少し我慢すれば1週間ほどは塩通を読まなくてもすむと思われますので、あともう一息耐えてくださいね。人間、辛抱すればいつかきっといいことがあるハズです。で、「2J」という曲です。これもまた平坦なナンバーです。平坦にして瓢箪。そういったナンバーです。さしものパットンも曲作りに関しては今ひとつ?という気がしないでもないんですが、 無理からモーダルな曲作りをしようとしたのが敗因であると言えるかも知れませんね。ジョージ・コールマンだか、マーヴィン・キャベルだかのソロも必要十分にモーダルではありますが、はっきり言ってちょっぴり退屈な演奏でございます。はいラスト。「スイート・ピー」はタイトルからして甘いバラードですかね?…と思ったら、ミディアム・テンポの元気のいいナンバーでありました。ま、メロディ自体はシンプルなリフなんですが、ま、全体的にはまあまあですかね?ということで、CDオマケ曲が災いしてアルバム全体の印象が散漫¥98(後に“コゾクラ1号”と改名)になっちゃいましたが、6曲目まではそれなりに悪くはない出来でありました。ということで、では皆様、よいお年を。



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