THE GIFT (SAVOY)

CHARLES MOFFETT (1969)

THE GIFT


【パーソネル】

CHARLES MOFFETT (tp,vib,ds) PAUL JEFFREY (ts,a-cl) WILBUR WARE (b)
DENNIS O'TOOTLE (ds) CODARYL MOFFETT (ds)

【収録曲】

AVANT GARDE GOT SOUL TOO / ADNERB / THE GIFT
BLUES STRIKES AGAIN / YELRIHS

【解説】

 携帯を機種変更しました。通称、“機種変(きしゅへん)”ってやつぅ?…って、何でも4文字に省略するのは日本人ヤングの美徳だと思いますが、ツーカーセルラー東海の“ファンスタイル”というやつです。ヤング風に言えば「ツカセルのファンスタ」といったところですかね?64和音で、音楽も聴けるというから、「ロクヨンでオトキケ(音聴け)ぇ?」といったところなんですが、いや、音楽が聴けるというからMP−3プレイヤーみたいに使えるのかと思ったら、ダウンロードしたMIDIの曲が聴けるという、ただそれだけのことなんですな。京セラ製らしくデザインが今ひとつで、ご大層にリモコン付きのヘッドフォンまで付属しておりましたが、こんなのでMIDIの音楽など聴いていたら巷の女子高生に、「えーっ、激ダサぁ。。。」と馬鹿にされることは必至でありまして、家で泣きながらユーミンの「卒業写真」でも聴こうと思っているんですが、あ、ジャズ関係では「ザ・サイドワインダー」がありました。もちろんMIDIだから“ぱちもんバリバリ”なんですが、一応はリー・モーガンの演奏に基づいてアドリブ・パートまで再現されておりましたので、ま、その努力だけは認めることに致しましょう。ま、激ダサであるには違いないんですけどね。

 で、こんな機能が何の役に立つのかというと、例えばえーと…、ダウンロードした曲の一部を切り取って着メロにするとか。あ、着メロというのも4文字略語でありますが、ちなみに僕は「ヨーデル食べ放題」にしておきました。焼き肉バイキングで食べ放題、食べ放題、ヨロレイヒ〜♪…て、こんな曲がシーンと静まり返った事務所の中で突然鳴り出した日にゃ、恥ずかしくって赤面しちゃうことは必至なので、音を消してヴァイブ設定にしておこうと思うんですけどね。…って、それじゃ着メロの意味がまったくありませんね。ちなみにこの歌の歌詞の中では「割り箸も割り放題〜♪」というところと、「ビールは別料金〜♪」というフレーズが好きなんですが、最後の「制限時間は90分〜♪」というところでは、「バイキング桑名と同じやん!」と、激しく感動してしまいました。ちなみにこの歌もそうなんですが、データによっては画面に歌詞が出てくるものもあるので、「シケたMIDIカラオケ(←これも4文字略語)」的な使い方もすることが出来ますね。ということで、本日のテーマは「中国カラオケ事情」でございます。

 カラオケのレパートリーを増やさなければと真剣に悩んでいるんですが、いや、いつまでも加山雄三の「君といつまでも」だけでは、ギャルのウケもよくありませんしね。頑張って「お嫁においで」をレパートリーに加えたところで事態が好転するとも思えませんし、

 ・カラオケで「お嫁においで」を歌う男のところに嫁にいきたいと思いますか?

というアンケートを巷のぎゃる100人を対象に実施したとすれば、恐らくアホらしくて誰も回答してくれないと思いますが、ちなみに僕がマスターしようとしているのは「恋人も濡れる街角」という歌でございます。スケベっぽい歌詞がちょっぴり刺激的ぃ?…という感じなんですが、で、この曲のMIDIカラオケがないものかと思って探してみたところ、ファンスタイルのほうにはありませんでしたが、パソコンのほうにはありました。で、ついでに「日本の歌の中国語表記」というサイトを発見しまして、これは1回分のネタに使えるぅ?…という気がして嬉しくなったんですが、ちなみに「恋人も濡れる街角」は中国語では「雨中的恋人們」となっておりました。なかなか情緒的な感じのする漢字表記でありまして、なかなかやるな、中国人!という感じなんですが、「恋人も濡れる」というのはただ単純に雨に濡れるという意味だけではなく、えーと、なんと言いますか、婉曲に言うと「私のあすこ、ジュン、って潤ってきちゃうんです。」という状態をも含んでいるのではないかという気がするんですが、いや、ちっとも婉曲な表現ではありませんでしたが、とにかく中国語の表記ではそのあたりのニュアンスがちょっと不足しているような気がしないでもありません。最後の「們」という字を変えて、「雨中的恋人悶」にすればよりベターだったのではないかと思われます。

 あ、安全地帯の「ワインレッドの心」もレパートリーに加えようかと思っているんですが、この曲の中国語表記は単純明快ですね。「酒紅色的心」って、まるっきり、そのまんまですね。このパターンで行くと、「カラオケで歌うと、とっても盛り下がる曲ベスト10」の8位くらいにランクインされるのではないかと思われる安全地帯の「碧い瞳のエリス」は、「碧眼的好色」?とか思っていたら、いや、“エリス”というのはどうしても“エロス”を連想させて、思わず鰈技師の顔が浮かんできちゃうんですよねぇ。。。で、この曲の中国語表記はというと、僕が思っていたのとはまるっきり違っておりまして、「痴情意外」というのが正解でありました。意外な結果ですなぁ。。。“青い”と“瞳”はどこへいった?という感じでありますが、いや、おそらく“エリス”は“痴情”という漢字に化けたんだと思いますけどね。中国人も僕も、考えていることは似たようなものなんだなぁ。。。と思ってしまいましたが、試しに知り合いの中国人に聞いてみたところ、「痴情的鰈技師、好色千万、嗚呼!」と申しておりました。失礼なことを言う中国人ですね。で、次です。谷村新司の「昴」は、「星」となっておりました。ま、確かに「昴」は「星」には違いありませんが、これは「スッポン」を「亀」と言ってるようなものでありまして…って、ま、確かにスッポンは亀だから間違いではないわけですが、「スッポン」という言葉の持つ「アッチのほうによさそう♪」というニュアンスが「亀」では欠如してしまいますので、やはり翻訳として適切ではないように思われます。が、「昴」は別に「アッチのほうによさそう♪」という意味は持ち合わせていないので、別に「星」でもイイんじゃないか?という気がしないでもないんですが、えーと、自分でも何を書いてるのかよくわからなくなってきたので、とりあえず改行しておきましょう。

 大事マンブラザースの「それが大事」。中国語では「紅日」。何でや?小川範子の「それぞれの愛」。中国語では「解決」。勝手に解決するなって、中国人っ!ま、確かに中国人って、「愛なんて、人それぞれアルね。」とか言って、勝手に解決しちゃいそうな雰囲気がありますけどね。で、愛と言えば「愛して愛して愛しちゃったのよ」という歌がありますが、これなど中国語では「就這様喜歓了(イ尓)」となっております。最後の(イ尓)というのはおそらく、日本語フォントにこのような漢字がないのでこういう表記になっているんだと思いますが、「就這様喜歓了」って、何だか就眠後に夜這いにあって歓喜している様が目に浮かぶようで、実に味わい深いものがありますなぁ。で、「恋人も濡れる街角」「雨中的恋人們」でありましたが、同じく“雨中的シリーズ”には「雨中的點點滴滴」というのもありました。“點”というのは見慣れない漢字でありまして、果たして万人のパソコンで正しく表示されているのかヒジョーに疑問でありますが、これは何の歌なのかというと、八代亜紀の「雨の慕情」でございます。これは曲名を訳したというより、キメのフレーズの「雨、雨、降れ降れ、もっと降れ〜♪」の部分を漢字表記にしたものでありましょう。「雨中的滴滴」って、いかにも雨が降っていそうな感じですもんね。で、同じ“雨中シリーズ”では欧陽菲菲に「雨の御堂筋」という歌があるようなんですが、ところでなぜ雨ばかりが出てくるのかと言うと、この日中曲名対照表が五十音順になっているからなんですが、中国人にとって御堂筋というところはボケ老人の温床のようなイメージがあるんでしょうかね?「雨の御堂筋」は中国語では「雨中徘徊」というタイトルになっておりました。

 ちあきなおみの「X+Y=LOVE」って、これなど中国語に直すには最難関の曲名ではないかと思われますが、そんなことで怯む中国人ではありません。これしきのことでメゲていては、4000年も中国人をやっておれません。答え一発、「X+Y就是愛」と、数式だってちゃんと中国語にしちゃいます。“X”と“Y”とか、アルファベットをそのまま使うのは反則ぢゃないのか?とか、そういう細かいことを気にしていては4000年も中国人をやっておれません。すべて「解決」アルね。…って、何だかよくわかりませんが、きりがないがないので他の曲名に関しては ここ を参照してもらうとして、最後に簡にして要を得た名訳をひとつ紹介しておきましょう。

 小田和正の「OH YEAH!」 → 中国語では「OH!夜」


 ということでチャールズ・モフェットです。ジャケ絵、失敗しました。実際にはもっとこう、「土建屋の現場責任者」といった風貌をしております。椅子に片足を乗せて、キメのポーズをとっております。で、この人はアレですよね。ベーシストのチャーネット・モフェットのおやぢとして、もっぱら知られているわけでありますが、ちゃんとリーダー作まで作っていたんですな。ちっとも知りませんでした。で、サイドマンとしては何と言ってもオーネット・コールマンとの共演で有名でありまして、あの『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』や、『黒い丼・コンサート』にも名前を連ねております。息子のチャーネットという名前が、チャールズとオーネットのユニットであるというのも、よく知られた話ですな。以上、僕がこの人に関して知っていることは、そんだけ。で、ここからは日本語ライナーを書いている土倉明クン(←誰?)の受け売りになるんですが、いや、ライナーの丸写しはいつものことなので改めて断ることもないんですが、チャーネット以外の息子たちもミュージシャンとして活躍しているんだそうでありまして、えーと、長男がモンドレ、次男がアンドレ、三男がオンドレで、四男が酔いどれ…って、違いますね。間違ったことを書いているうえに、それがちっとも面白くないというのは最悪のパターンでありますが、長男がモンドレ(tp)で、次男がモフェット・ジュニア(as,ts)、三男がコダリル(ds)で、四男がシャリース(vo)、で、チャーネットは末弟でベースを担当ということになっております。いや、ライナーにはただ名前が書いてあるだけなので、兄弟の中には音楽の道に入らずにオカマになっちゃった人もいるかも知れませんし、だからコダリルは三男じゃなくて五男ぐらいなのかも知れませんし、シャリースは名前からするともしかして四男じゃなくて長女だったりするのかも知れませんが、とにかくこれがモフェット・ファミリーということのようでございます。

 で、チャールズ・モフェットの初リーダー作にあたる『ザ・ギフト』というアルバムなんですが、ここには息子のうちの一人のコダリルが参加しておりまして、明クンのライナーによればモフェット・ジュニア(原文ライナーにはチャールズ・エドワーズと表記されている)も参加しているようなことが書かれているんですが、パーソネルにはモフェット・ジュニアの名前もチャールズ・エドワーズの名前もありませんで、ただ作曲者のところにはチャールズ・エドワーズ・モフェットという名前があるんですが、よくわかりません。が、コダリルくんが参加しているのは間違いないようでありまして、ちなみに録音当時のコダリルくんは、なんと7ちゃい。ジャケット裏には“OUR MASCOT”としてコダリルくんと思われるガキの小さな写真も載っておりますが、確かにこれは7歳児の顔ですな。ちなみにコダリルくんの担当はドラムスなんですが、このアルバムにはもう一人、デニス・オトゥートルとかいうドラマーも参加しておりますので、どこまでが7歳児のプレイなのかはよくわかりません。で、おやぢのチャールズ自身も職業はドラマーなんですが、ここではトランペットを吹いたり、ヴァイブを弄んだりもしているようでありまして、もう、何がなんだか。。。そのへんの事情は明クンの日本語ライナーでは明白でないので、ここはひとつ原文ライナーを素伽任愚…って、族のグループ名みたいな変換ですな。ここはひとつ原文ライナーをスキャニングして、OCRでTEXT化して、翻訳ソフトの「ポケトラ・エコ」で日本語にしてみようと思うんですが、えーと、やってみた結果、今ひとつよくわからない結果が出たので、この問題はこれにておしまい。

 はい、1曲目です。「アヴァンギャルド・ゴット・ソウル・トゥ」っす。作曲者の名前にはコダリルくんの名前がクレジットされておりますが、これは大したものですなぁ。タイコくらいなら7歳児でも戯れに叩けそうですが、作曲となるとなかなかそうはいきませんもんね。すくなくとも“ヘ音記号”が屁の音を示す記号ではないという程度の楽理的な知識は必要でありましょうし、コード進行に関しても、「コードって、茶色い卵に入っているよね?…って、それはヨードやがな!ばしっ!」と、一人ツッコミ出来るくらいの漫才の技能は修練しておかないと駄目だと思われます。で、ま、所詮は7歳児の作った曲だしぃ。。。と思って馬鹿にしていると、これがお世辞抜きになかなかの出来でありまして、ミディアム・テンポで演奏されるテーマは哀愁味を帯びていて、日本人の心の琴線に触れること、限りなし。このトシで日本のワビ・サビの世界を体得しているとは、おそるべき7歳児、コダリル・モフェット、略して、コダ・モフェ!生憎、ぼくは楽理的な知識が極めて脆弱なので、あまり詳しいことはわかりませんが、A A’A A’形式の16小節のテーマに続いてオマケのパートがあって、再び A A’のパートに戻ったりして、構成的にもなかなか凝っているようです。ま、オマケのパートの最後のフレーズがちょっぴり子供っぽいところがご愛嬌ですが、少なくとも僕が高校生の時に作った「かぶとがに」という曲よりは、遙かにしっかりとしておりますね。

 で、演奏のほうはというと、もう一度頑張って原文ライナーを解読してみると、チャールズがソウルでヴァイブのハイライトで、チャールズとコダリルがシェアなドラミングであると。 うん、これくらいの英語なら、何もわざわざ“マシンぢから”に頼らなくっても、何とかなりますな。で、テーマの部はヴァイブとテナーのユニゾンになっているので、ここでのドラムスはコダリルくんの担当ということになりますかね?何だか鼓笛隊のタイコみたいで、今ひとつテクニック不足の感は否めませんが、ま、所詮は7歳児ですからね。で、テーマに続いてベースのピチカート・ソロになりますが、ここでのバッキングは子供らしい純真さがあって、よろしいかと思います。おやぢのチャールズのほうだったとしたら、ちょっと問題アリですけどね。で、続いてはポール・ジェフリーのテナー・ソロでありますが、R&Bっぽい泥臭さを感じさせるプレイでありますな。…と思っていたら、後半はまるっきりコルトレーンになってまいりました。かなり激しいプレイが展開されておりまして、この手のサウンドが駄目な人には、ちょっと駄目かも知れませんね。「駄目なものは駄目!」と、土井党首も理屈抜きに申しておりましたが、確かにオバサンにはちょっと難しいカナ?という気はしますよね。で、続いてチャールズのヴァイブ・ソロが聴かれますが、本職ではないだけに、こちらもちょっぴりテク不足ぅ?…という感じは否めません。とまあ、そういった演奏でありました。

 はい、2曲目。「アドナーブ」はチャールズのオリジナルです。タイトルは“BRENDA”の逆綴りということでありますが、「ブレンダ」って、何?原文ライナーによれば、カリフォルニアのリビングがどうのこうので、リトル・ガールがどうのこうの…とありまして、“チャールズ淫行疑惑”の様相を呈しておりますが、リビングでガバッと襲っちゃったんですかね?で、演奏のほうはポール・ジェフリーのテナーが激しく咆吼する、いかにも60年代風といった感じの演奏なんですが、これも“インパルスのコルトレーン”が駄目なクチには、さっぱりかも知れませんね。いや、個人的にはこういうのって、結構好きなんですけどね。で、ここでのドラミングは1曲目とは比較にならないほどテクニック抜群でありまして、これはおろらくオヤヂのほうが張り切っているのでありましょう。が、ジェフりーに続いてヴァイブのソロも出てまいりまして、ということは、ここでのバックはコダリルくんなんですかね?…と思って原文ライナーを見てみると、チャールズが最初のドラム・ソロで、2番目がコダリル、で、チャールズは息子のソロを聴いた後で、再び登場。…ということのようでございます。ヴァイブ・ソロのバックでもかなり激しいタイコの音が聞こえておりましたので、かなり健闘したと言えるのではないでしょうか。もう、将来は立派な遣唐使になれること間違いなし!と言えましょう。

 3曲目の「ザ・ギフト」は、もうひとりの息子であるチャールズ・エドワード・モフェットくんのオリジナルです。チャールズ・エドワードくんのほうは、当時9ちゃい。「“9ちゃい”なんて、 コドモみたいに言わないでくれよぉ。」と文句を言ったりするナマイキ盛りでありますな。こういうガキは、ただ単にウザイだけなので、さっさと折檻でもしたほうが身のためではないかと思われますが、「これはワシの息子が、ぱぱりんである僕に捧げてくれたものなんだよ。」と、チャールズ父は嬉しそうであります。“ぱぱりん”って、アンタ。。。という問題はさておいて、チャールズ息子@エドワード君はある日、オルガンでこの曲の最初の4小節を作曲したんだそうでございます。チャールズ父はソフトにメロウにヴァイブでテーマを歌い上げるわけでありますが、実に9歳児らしからぬ大人びたムードのバラードでありますな。地味と言うか、暗いというか、きっと寂しいコドモだったんでしょうね、エドワード君。演奏のほうはヴァイブ主体でありまして、ジェフリーくんは後ろのほうで地味にバスクラ(だと思う)を吹いております。いやあ、とても子供が作ったとは思えない陰気なナンバーでありました。

 で、4曲目の「ブルース・ストライクス・アゲイン」は一転してご陽気なナンバーでありまして、こちらのほうの作曲者はコダリルくんでございます。弟のほうが出来のいい兄弟なんでしょうな、おそらく。タイトルどおりのブルース・ナンバーでありまして、ポール・ジェフリーのR&B臭バリバリのテナーをバックに、チャールズがなかなか渋いブルース・ボーカルを披露しております。最後にごく僅かではありますがトランペットも吹いておりまして、土建屋的な風貌にもかかわらず、意外と多才なんですなぁ、このオッサン。で、ラストです。チャールズのオリジナルの「イエーリス」っす。これは“shirley”の逆綴りって、多才なだけでなく、逆綴りも好きなオッサンなんですなぁ。。。ちなみにシェリーというのは奥さんの名前だそうですが、あ、書くのを忘れておりましたが、4曲目の「ブルースなんとか」では、デニス・オトゥートルとかいう人がドラムスを担当していたようです。で、5曲目でもコダリルと一緒にタイコを叩いているんじゃないかと思われるフシの記載が原文ライナーにありますが、よくはわかりません。で、曲自体は美しく地味なバラードでありまして、ちょっぴりオーネットの「ロンリー・ウーマン」を思わせるところもありますな。で、チャールズのヴァイブに続いてポール・ジェフリーが美しくフレーズを歌い上げるんですが、これはアルト・クラリネットだということです。一聴するとアルト・サックスみたいなんですが、なかなか綺麗なトーンですね。で、途中からテンポが速くなって、なんだか8ビートっぽいムードになって、しばらくヴァイブとアル・クラの絡みがあって、そしてジェフリーのソロへと流れてまいります。どう聴いてもアルト・サックスみたいなんですが、ま、原文ライナーがどうしても「アルト・クラリネットである!」と言い張るならそれを信じるとして、で、ソロ自体はなかなか激しいプレイでありますな。テナーではないので、それほど“コルトレーンしてる”ということはないんですが、誰に似ているかと言うと、えーと…、とにかく激しいプレイです。続くチャールズのヴァイブ・ソロもなかなか気合いが入っておりますな。かなり硬質なトーンでありまして、ま、テクはそれほどでもないんですが、真剣さだけは伝わってくるぅ?…というようなプレイですね。で、ウィルバー・ウェアのベース・ソロがあって、続いてバス・クラっぽいサウンドのソロが始まるんですが、あるいはこれがアルト・クラリネットなんですかね?で、最後に再びテンポがゆっくりになって、テーマに戻って、おしまい。なかなか凝った作りの曲でありました。

 ということで、さ、“funstyle”で「卒業写真」でも聴こうっと。



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