EAST COASTING (BETHLEHEM)

CHARLES MINGUS (1957/8)

EAST COASTING


【パーソネル】

CLARENCE SHAW (tp) JIMMY KNEPPER (tb) SHAFI HADI(as,ts)
BILL EVANS (p) CHALES MINGUS DANNIE RICHMOND (ds)

【収録曲】

MEMORIES OF YOU / EAST COASTING / WEST COAST GHOST
CELIA / CONVERSATION / FIFTY-FIRST STREET BLUES

【解説】

 トシのせいか、このところずっとヤル気がありませんで、更新も滞りがちになっております。以前のような「週5回」のハイペースなど夢の股夢、いや、そんな淫夢のような変換じゃなくて、夢のまた夢。最低限のノルマとして自らに課していた「週3回」(←手抜き企画を含む)すらクリアできずに、先週はとうとう2回だけ(←手抜き企画を含む)になっちゃいました。おまけに、せっかく頂いたメールの返事もまだ書いておりませんで、ではここで業務連絡です。『ちんちんだけ参加』の件、了承しましたです。あ、安曇野“MING○S”…って、伏せ字にしてもあまり意味がありませんでしたが、そんなによかったですかぁ。まだ部屋に空きがあるようなら、さっそく予約を入れておきましょうかね?…と、そんなことはどうでもよくて、で、最近ではアッチのほうもさっぱりでありまして。。。「アッチのほうというのは、どっちのほうだ?もうちょっと具体的に書いてくれないとワカランではないか。」という意見もあろうかと思いますが、ま、婉曲に言うならば「ああん、もうパンツがびちょびちょになっちゃったのぉ。。。」とか、「ああん、痛いのぉ。。。」とか、「カラダは正直だねっ。」とか、そういった関係の方面なんですが、このところ1ヶ月に1回、もしくは2回といった頻度でございまして。。。

 こんなことではいかん!と一念発起した僕は昨日、久々に行ってまいりました、木曽川のマカイゲレンデ。で、行ったはいいんですが朝からまったく風がなくて、結局のところ一度も川に出ることはなくて、おかげで海水パンツがびちょびちょになることも、筋肉痛でそこらじゅうが痛くなって「カラダは正直だねっ。」といった事態に陥ることもなかったんですが、いや「カラダは正直だねっ。」というのはちょっと無理がありましたかね?ま、それはともかく、一日中炎天下に寝転がって、去年から中断したままになっていた立花隆のの『臨死体験』を読んでいただけで、なんだか随分と疲れてしまいました。やはりこのトシになると“真っ昼間の屋外ぷれい”というのは結構ツライものがありまして、ま、同じ川遊びにしても、日が西の空に傾いた頃に繰り出して、風流に「鵜飼」なんぞでも鑑賞していたほうがお似合いなのかも知れませんね。

 で、先週のことでございます。僕が事務所でぼーっとしていると「鵜飼の御案内」という回覧が回ってまいりました。さすがは岐阜ですなぁ。。。ちなみに東海地方には岐阜の長良川以外にも「関の鵜飼(長良川)」というのと「犬山の鵜飼(木曽川)」というのがあって、わりと鵜飼に関しては「お盛ん」な土地柄であるわけですが、僕はいまだかつて鵜飼というのを見たことがありません。また、見たいと思ったこともありません。ま、やんぐというのは概してそんなものですよね。鵜飼ぃ?ンなもの見にいく暇があったら、薪能でも見に行くぢゃん?みたいな。で、その「鵜飼の御案内」という回覧は、要約すると「事務所内の親睦を高めるため、みんなで鵜飼を見に行こう」という趣旨だったわけですが、それを見た僕は「ちょっとイイかも?」と思ってしまいました。で、3秒ほど考えた結果、「出席」のほうにハンコを押しておきました。もっともその回覧は“出席”というところにしかハンコを押す欄が作ってなくて、「事務所内の親睦を高めるためなんだもん、もちろん出席するよなっ?なっ?なっ?」という無言の圧力が感じられ、4月に転勤してきたばかりの新参者である僕に、勝手に“欠席”の欄を作ってハンコを押すだけの勇気はありませんでした。

 で、いつのことかと思ったら9月の4日(火)でありまして、またずいぶんと先の話であると同時に、何故、火曜日などという半端な日に?という気がしないでもないんですが、「事務所内の親睦を高めるのは火曜日っ!」という、幹事の強い信念に基づいたセッティングであると思われるので、4月に転勤してきたばかりの新参者である僕がとやかく言う筋合いではありませんよね。で、それはまあイイとして、僕が鵜飼の鑑賞にあたって心配していることがひとつございまして、それは何かと言うと「蚊に刺されへんか?」ということなんですけどね。「飛んで火に入る夏の虫」という言葉もありますが、鵜飼というのは篝火をじゃんじゃんと燃やすわけでありまして、蚊が大挙して押し寄せてくる危険性は非情に高いと言わざると得ません。おまけに相手は「鵜」でありまして、あっちを見れば「鵜」、こっちを見れば「蚊」で、ウカウカしていると全身を蚊に刺されて、「鵜飼で、う〜痒ぃ〜。」というギャグを飛ばすおじさんも1人や2人は出てくる違いなく、それを聞いたOLさんは思わず寒くなって、納涼にひたる。。。とまあ、こういうメカニズムになっているわけでありますが、ということで本日は「1音の言葉」というテーマでお届けしたいと思います。

 日本語で、読みが1音である生物は「蚊」と「蛾」と「鵜」の3種類しかいない。という話を以前「蛾」のネタところで書いたことがありますが、対象を生物に限定しなければ、読みが1音であるコトバといういうのは結構ありますよね。「胃」「木」「毛」「死」「酢」「背」「田」「血」「津」(←最近では“Z市”)「手」「戸」「歯」「火」「屁」などなど。こうして見てみると、カラダに関係したコトバであるとか、生活に関係のある単語が多いですよね。それもそのはず、人類が初めて「コトバ」というのを用いるようになり、色々なモノに名前を付けるにあたっては、「まずは身近なモノから、簡単な名前を付けていこう。」という意識が働いたハズであります。それは恐らく「単なる思い付き」といったレベルではなかったかと思われますが、例えばあるヒトがストレスから来る胃潰瘍で胃が痛くなって「いーっ。」と苦しんでる様を見て、「んじゃ、カラダのこのあたり(注:胃のあたり)にある臓器は、“い”という名前にしようかぁ。」とか。そんな悠長なことを言ってる暇があったら、早く病院に連れてけよ!という気がしないでもないんですが、生憎、この時代にはまだ病院というものが存在しておりませんので、一概に「胃」の命名者を非難することは出来ませんね。で、続いては「火」なんですが、ここでひとつ改行を入れておきましょう。

 「火」。えーと、これはですね。主婦のサチコさん(29歳)が天麩羅を揚げているとですね、ヒロコさん(31歳)が遊びにくるわけですね。で、「最近、アッチのほうはどう?」「とんと御無沙汰なのぉ。。。」などと、実にどうでもいい話をしているうちに天麩羅油に火がまわり、鍋の中のエビ(4匹)ともども大炎上しちゃうわけです。サチコさんは思わず「ひぃ〜!」と悲鳴を上げるわけですが、その様子を見ていたヒロコさんが「んじゃ、あのメラメラしているやつは、“ひ”という名前にしてみるぅ?」と提案するわけですね。そんな悠長なことを言ってる暇があったら、鍋に消火フラワーを投入するなり、119番通報するなり、なんなりしろよ!という気がしないでもないんですが、生憎、この時代にはまだ消火フラワーも消防署も存在しておりませんので、一概にヒロコさんを非難することは出来ませんね。

 次で3発目なので、これで終わりにしようと思うんですが、最後は「毛」であります。えーとですね、タカシくん(33歳)が暗い夜道を歩いているとですね、向こうからギャルが歩いてくるわけですね。で、「ギャルだなぁ。。。」と思っていると今度は電柱の影から一人の男が出てまいりまして、ギャルにガバッと襲いかかったわけであります。「いやっ!やめてっ!」ギャルが懇願するのにも聞き耳持たず、男は「けけけけけけ!」という変態じみた笑いと共にギャルのパンツに手をかけるという狼藉を働くわけでありますが、それを見ていたタカシくん、「んじゃ、あのあたりに生えてるやつは、“け”という名前にしてみるぅ?」…って、そんな悠長なことを言ってる暇があったら、助けろって、タカシ!


 ということでミンガスでありますが、前回の『京城肉』は思いっ切り“ダブり書き”しちゃいましたね。ちなみに僕の「過去ログ・チェック法」はですね、例えば今回の場合なら“CHARLES MINGUS”というキーワードでサイト検索してみるわけです。最近では“google”というのがハヤリみたいなのでそれで試してみると“塩通”のどこかのページが…、出てきませんなぁ。。。使えないサーチ・エンジンですなぁ、ぐーぐる。もしかして“CHARLES”ぢゃなくて“CHARLIE”で書いてるぅ?と思って試してみると、あ、出ました出ました。2件目に『PREBIRD/CHARLIE MINGUS』というのがヒットしました。使えるサーチ・エンジンですなぁ、ぐーぐる。とまあ、こんな具合にチェックを入れているわけですが、それでホントに漏れなくチェックできてるのぉ?と言われるとはなはだ疑問でありまして、それが証拠にチェック漏れによる“ダブり書き”も絶えないわけでありますが、ということで今日は『イースト・コースティング』です。もしかしてこれも2回目かも知れませんが、「ダブって書いたって、別にイイぢゃん?」と開き直り、「ダブって書いて、何が悪いのぉ?」と逆ギレもして、話を進めてみたいと思います。

 えーと、『イースト・コースティング』。例の翻訳ソフトでは『海岸を航行している東』と出ましたが。部連れへ無盤でございます。単語登録されてませんなぁ、ベツレヘム。そんなことでキリスト教徒に許されると思っているのか?という気が致しますが、いや、ベツレヘムというのはイエス生誕の地として有名ですもんね。いや、カトリック系の高校に通っていた少年少女の間でしか有名ではないのかもしれませんが、メリノール女子校の制服というのは悪くないですよね。セーラー服ではなくてブレザー・タイプなんですが、制服でありさえすれば、そんなのはどちらでも構いません。ちなみに四日市商業の制服は茶色の今ひとつ趣味のよくないものでありまして、地元では「茶ブス」と呼ばれているそうでありますが、もちろんカワイイ娘だっているんですけどね。むろん、ブサイクなのもおりますけどね。で、このベツレヘム盤にはミンガスとはどう考えても不似合いなビル・エバンスが参加していることで知られておりまして、他のメンバーもクラレンス・ショウ、ジミー・ネッパー、シャフィ・ハディと、かなりの地味揃いでありますが、ミンガスのアルバムはあまりラジカルでないほうがイイのぉ。といった向きには結構オススメかも知れませんね。ズボンのポケットに手を突っ込んでガンを飛ばしているミンガスのジャケットも、すっきりしていて悪くはないです。んなことで、では1曲目から聴いてみましょう。

 「ミンガス=わや」という公式をアタマに描いていると、肩すかしを食ったような気分になる1曲目は「あなたの記憶」。「記憶」というより「思い出」と訳してほしかったところでありますが、小学校の卒業文集で「6年間の思い出」という作文を書かせると、「この6年間の思い出は重いでぇ。」と書くヤツが必ずクラスに必ず1人はいましたよね。あと「長いようで短かった6年間」という常套フレーズを書く女の子がクラスに必ず3人はいました。あと、火事で家が燃えたヤツとか。僕のことですけどね。で、「メモリーズ・ユー」でありますが、「立派なメロディの曲なので、編曲は単純にした」というミンガスの言葉どおり、編曲は単純であります。むしろ「単純過ぎる」と言ってもいいかも知れませんね。某・安曇野“MING○S”の部屋の造りは「シンプル過ぎる」といってもいいほどシンプルでありましたが、まだ部屋に空きがあるようなら、予約を入れておきましょうかね?で、演奏のほうはベースのピチカートにクラレンス・ショウのミュートが絡む形で極めて地味に幕を開けます。そこにアルトが絡み、エバンスのピアノとダニー・リッチモンドのタイコが絡み、サビのメロディはジミー・ネッパーが地味に歌い上げ、AABA形式の最後の“Aの部”はアンサンブルで地味に演奏され、そしてエバンスのピアノ・ソロへと続いていきます。リリカルでよろしいですなぁ、エバぴょん。地味ですけどね。以後、ネッパー、シャフ・ハディとソロが続きますが、パーカーっぽいハディのアルトが悪くありません。とか言ってるうちに後テーマに戻って、演奏は終わりました。ちなみに日本語ライナーには青木和富クンこと“トミー青木”が「『メキシコの思い出』の<フラミンゴ>に似たメランコリーなトーン・カラーがあるが、メキシコの思い出は重いでぇ。」というようなことを書いております。

 2曲目はアルバム・タイトル曲の「イースト・コースティング」(←「椅子とこすって、ん〜♪」とか、もう言わない)ですな。ちなみに小学校高学年くらいの女の子が学校の机の椅子のパイプのところで偶然に股間をこすって、「ん〜♪」という快感に目覚めたというような話を聞いたことがありますが、このコーナーはそういう告白をするところではなくてジャズのレビューをするところなので、そっちのほうに話題を転じてみたいと思いますが、演奏はいかにもミンガスっぽい仕上がりとなっております。曲自体はバップっぽい雰囲気がありまして、ミンガス的なテンポの変化、及びダメロン的な香気も感じられるわけでありますが、何よりもイントロのエバンスがよろしいですなぁ。恐いおっちゃんに「黒っぽく弾け」って言われてるしぃ、言うこときかないと殴られそうだしぃ。。。というので、必死になって“黒っぽいピアノ”を弾こうとしている姿がいじらしいですなぁ。優等生だったエバンスが、このセッションで虐められたことによって非行に走ったというのは僕の勝手な想像でありますが、ちなみにジミー・ネッパーは「なんかムカつくぅ!」と理由でミンガスに殴られて前歯を折られてますよね。ということで、そのネッパーがソロの先陣を切り、続いてエバンスが開き直ってあまり黒くないソロを聴かせ、シャフ・ハディのアルトがあって、やはりシャフ・ハディなのか、テナーらしいソロもあって、テーマに戻って、おしまい。各自のソロは「まあまあ」といったところです。

 はい3曲目です。「西海岸幽霊」です。ひねりのない翻訳ですなぁ。いかにもミンガスらしいカラーの横溢したナンバーでありまして、エバンスのピアノも2曲目以上にブルージーな味があって、健闘が光ります。演奏は集団即興演奏風のパートとアンサンブルのパートと各自のソロ・パートとパートのおばちゃんが混在し、テンポも速くなったり遅くなったり、ムードもメランコリーになったり名犬ラッシーになったり…って、いや、コリーといえばやっぱり名犬ラッシー?という感じなんですが、そういえば「プラッシー」という名前のジュースがありましたよね。世の中のヤングの間では、いわゆる「ら抜き言葉」というのが流行っているそうですが、このプラッシーだけは、ゆめゆめ「ら抜き」にしてはいけないと思います。「ら抜き」にして前に「名犬」を付け、バター犬に最適だねっ♪などという、そういう不健全な発想をしてはいけません。…と余計なことを書いているうちにさしもの11分近い大作も終わってしまいましたが、4曲目の「シリア」はミンガスが愛妻のシリアに捧げたナンバーですな。愛妻おじさん、あいや〜、愛妻おじさん、あいや〜♪←「ハイサイおじさん」の節で歌ってくださいね。むろん、歌わなくても結構です。で、曲自体はリリカルなバラードなんですが、家庭用のバリカンはスキカルですなぁ。エバンスのリリカルなソロが印象的なんですが、家庭用のバリカンはスキカルですなぁ。…と、同じことを2回書くようになってくると、この原稿も終焉が近いです。

 はい、あと2曲です。「カンバゼイション」は「会話」という意味ですね。トミー青木は「バラードからブルースに変化するいかにもミンガスらしい趣向を感じさせる作品」と書いておりますが、個人的にはバラードからブルースへの変化よりも、セーラーからブルマへの変化のほうが好ましいと思います。さらに「スク水」を追加すれば完璧だと思いますが、しかし、いくら4文字に略すのが好きな国民性とは言え、スクール水着を「スク水」と訳すことはないと思うんですけどねぇ。。。ところでこれ、正式な発音は「すくすい」なんですかね?「すくみず」なんですかね?

 はいラストです。「51番街青」は青、すなわちブルースであります。そんだけ。

 ということで、今週は以上です。さ、プラッシーでも飲もうっと。


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