CARL’S BLUES (CONTEMPORARY)

CURTIS COUNCE (1957/4/22,8/29,1958/1/6)

CARL'S BLUES


【パーソネル】

JACK SHELDON (tp) HAROLD LAND (ts) CARL PERKINS (p)
CURTIS COUNCE (b) FRANK BUTLER (ds)
GERALD WILSON (tp)


【収録曲】

PINK LADY / I CAN'T GET STARTED / NICA'S DREAM / LOVE WALKED IN
LARUE / THE BUTLER DID IT / CARL'S BLUES


【解説】

 7月28日(土)です。いや、懸案になっておりました「塩サバ通信オフ会」の日程なんですが、この日に決めました。たった今、そう決めました。ホテルだって予約しちゃいました。たった今、予約しちゃいました。もう後戻りは出来ません。いや、というのもですね、今朝がた、オフ会をやっている夢を見たんですが、その中で僕は「あ!そういえばホテルの予約をするの、すっかり忘れてたぁ。。。」と大慌てしておりましたので、それが正夢にならないようにと思って早めに手を打っておいたわけなんですけどね。 「コーヘイの夢」という前例もあることですしね。

 (編集部注) 「コーヘイの夢」

 ある日、発電機用のエンジンが壊れたので、コーヘイくんに頼んで見てもらったら、自動給油装置が壊れてエンジンオイルの量が異常に増えておりました。コーヘイくんに頼んで自動給油装置の分解清掃をしてもらったんですが、その翌日、コーヘイくん(推定年齢59歳)から電話がかかってまいりまして。
「おい、いなば君よ。俺な、今朝がたな、昨日のエンジンがまた壊れて、みんなで大慌てしとる夢を見てな。“正夢”ちゅうこともあるで、ちょっとお客さんに電話してな、確かめてくれへんか?」
で、僕は「あ、はいはい。そういうこともあるかも知れませんね。」とテキトーに相づちを打ってそのまま放置しておいたんですが、しばらくするとホントにお客さんから「エンジン、また壊れたぁ。」という連絡が入りまして。コーヘイの夢、マジやん!世の中、こういうことってあるんですなぁ。。。と、僕は大いに感心しながら現場に急行した次第でありますが、もういちど自動給油装置を分解して調べて見ると、原因はコーヘイくんの組立ミスでありました。正夢って、アンタのせいやん!!…というお話。

 ということで横濱は桜木町のホテルを予約しまして、これで準備は万端、星人はバルタン。あ、ふと思ったんですが「成人の日」の祝典に、ゲストとしてバルタン星人を呼ぶとイイかも知れませんね。つまらない市長の話なんかを聞かせようとするから新成人が暴れるわけでありまして。いや、バルタン星人がスピーチが得意なのかどうかサダカではありませんが、そこはそれ、通信教育で「ユーモア話術」を勉強してもらえばそれですむ話でありまして。で、横濱にホテルをとったということは、オフ会の会場は横濱に決定したということなんですが、というのもその日は横濱の二俣川というところで「小林旭じゃずまつり」が開催されるということでありまして。じゃ、みんなでそのジャズ・フェスを見にいけばイイぢゃん。と僕は思った次第なんですが、どうも地元民@おこめ師匠がこの案には乗り気でなさそうなんですよねぇ。。。もしかして、僕と一緒にジャズ・フェスにいくのがイヤなの?と、思わず勘ぐってしまう勘ぐり二郎(←「炎」の演歌歌手)なのでありましたが、どうやら他に理由があるようでありまして。。。


お鱶い 投稿者:サバ4  投稿日: 6月19日(火)10時32分29秒

の件ですが。

●ジャズフェスお不快にする。

という案も、こねくり回す価値があるかもしれません。
が、危惧感として、

●場所取りの問題
 やはり、いい場所というのは朝早く行かないと取れません。
 例え朝早く行っていい場所を確保しても、
 「でも昼間は暑いし、それに素人さんしか出ないし、日が陰った頃に行くか」
 なんて午後遅くに行ってみると、あろうことかレジャーシートで確保していたスペースに、
 酔っ払った一連隊が乱入し上を下への乱痴気騒ぎ。

●暑いったら暑いんだよう
 では、昼間っからい続けようとすると、これが暑いのなんの。
 ひたすらビールを呷って尿酸値を上げるはめに。

●最悪のPA 奇天烈な観客
 では、演奏のほうはどうかというと、
 野外ですから音なんてとりあえず鳴ってるって感じです。
 風が吹くと音が持ってかれたりして。
 あと、やはり馬鹿な客がいます。
 いつだったか、わたしと隣の青年の間に人ひとりが入れるくらいのスペースがあって、
 「すみません、そこもう少し空けてもらえませんか?」
 と、レジャークーラー&ビーチパラソル持参のオヤジに声を掛けられ、
 わたしと青年の双方が反対側に少しずつずれたんですが、
 「あのー、もう少し空きませんかね?」
 「えっ、何人来るんですか?」と青年。
 「8人。いや、9人かな」とオヤジ。
 「無理!無理!」
 僅か畳一枚ほどのスペースにどうやって9人を収めるつもりだったんでしょうかね、あの親爺。

●雨降れば降ったで地獄
 これはもう言わずもがな、ですよね。

というわけで、真夏のジャズフェスはリゾート気分で最高ね!
という先入感は捨ててもらい、真夏の現場労働に従事するぞ!
という意気込みで参加していただけるんだったら、いいかもしれません。
そんだけ 


 という点を危惧されているようなんですよね。ちなみに僕は「真夏のジャズフェス」というのには一度も行ったことがなく、だからその実体がどのようなものであるのかまったく見当がつかず、かといって「リゾート気分で最高ね!」というような過度の期待を抱いているわけでもなく、ま、町内会主催の「納涼盆踊り大会」みたいなもん?という程度の認識であったわけですが、それではまだ考えが甘かったらしくて、おこめ師匠はいつの間にやら名前が変わっていた『旧・テメエットリのジャズ』の掲示板において、再度「暑いからやめたほうがいい。」との警告を発せられているのでありました。そんなに酷いのか、旭じゃずまつり?

 で、ちょっと旭じゃずまつり関連のサイトを調べてみたんですが、えーと、どれどれ…。「恒例の“旭ジャズまつり”は今年も猛烈な暑さの中、多勢の観客を動員し…。」「あの強烈な暑さの中、会場の野球場はほぼ人で埋め尽くされ…。」「いやーそれにしても暑い。とにかく暑いのなんのって…。」うーん、なるほど。この3つの意見を集約すると、どうやら暑いみたいですな。それもただ暑いだけでなく、相当に暑い模様です。ぼく、寒いギャグは得意なんですが暑さには弱くって、なんだかヤル気が失せてきちゃいましたなぁ。。。桜木町のホテル、早めにキャンセルしちゃったほうがイイですかね?でもまあ、高校時代には高校野球の地区予選の応援に駆り出されておりましたし、専門学校時代はプールの監視員もしておりましたし、ハワイにもグアムにも行ったし、木曽川にも行ったから、ま、何とかなりますかね?甘いですかね?ということで、ここでひとつアンケートを取ろうと思うんですけどね。ということで、とりあえずここをクリックしてみてください。

 いや、ただ一度「フォーム」というのを使ってみたかっただけで、深い意味はありません。で、このページは“miraiネット”、僕のメルアドは“Infoweb”なので、別画面にすることを余儀なくされました。「すけべサイト、悪夢の無限ポップアップ・ウインドウ地獄」を思い出して不愉快になった人もいるでしょう。謹んでお詫び申し上げます。で、暑いのはまあ、我慢汁でも漏らして何とか我慢するとして、問題は雨ですよね。さいわい、僕は雨男でも雪男でも義男(よしお)でも繁男(しげお)でも間男(まおとこ)でもないんですが、かといって当日に雨が降らないという保証はありませんしね。で、おこめ師匠のお目当て、秋吉敏ぴょんの登場は19時くらいで終演は20時30分の予定とのことなので、式次第はだいたいこんな感じでどうでしょうね?

 第1部「めしの部」(17:30〜18:30):二俣川駅前のめし屋で、めしを食う。

 第2部「敏子の部」(19:00〜20:30):雨が降ってたらやめる。暑くて嫌になってもやめる。

 第3部「野毛の部」(21:15〜23:00):野毛を満喫する。

 えー、めしを食うのは「二俣食堂」でも「川俣寿司」でもどこでもいいです。「カフェテリア素股」でもいいです。雨が降ってたり、「“敏子の部”は苦痛なのぉ。。。」というギャル系読者の意見が聞かれたりした場合には、ただちに取りやめて「野毛の部」に突入してもいいです。「あ〜ん、敏ぴょん聴きたいのぉ。。。」と、おこめ師匠がゴネた場合は見捨てます。じゃずまつりに1時間半いるだけで、3000円(前売券、もしくは割引券持参の場合)はちょっとぉ。。。という意見が出された場合は中には入らず、会場周辺をうろうろして、風に飛ばされて漏れ聞こえてくる音を鑑賞するというのでもイイと思います。んなことでまあ、ひとつご検討願えませんかね? > おこめ師匠

 ところで、「ジャズ・フェスで見かけるミョーな奴」というのはラズウェル細木の漫画にもありましたよね。いま、その本が手元にない(←ぎゃるに進呈した)ので正確なことは覚えておりませんが、ラズウェル君がぎゃると2人で電車に乗って、じゃず・ふぇすの会場に向かうんですよね。「旭じゃずまつり」だったら相鉄線の車内といったところでしょう。で、「会場の場所、知ってるの?」と問いただすぎゃるに対し、ラズウエル君は「んにゃ。」と首を横にふるわけです。「でも、あのお兄さんの後についていけばいいのさ。」で、そのお兄さんの出で立ちというのが、2年前のジャズ・フェスのTシャツに身を包み(←去年のではダサいと思っている)、手にはディスク・ウニオンの袋に入ったレコードを持ち(←だっけ?)、そしてウォークマン(←死語?)のヘッドフォンからは漏れ聞こえるシンバル・レガートと、そういう状態であるわけです。そこで、ジャズフェスで見かけるミョーな奴(その1)「一目見てジャズ・フェスへ行くとわかる奴」。

 で、電車を降りてお兄さんの後についていくと、その人は「ただいまー!」と自分の家に入ってしまって、「違うぢゃないの!」「んな、アホな。。。」と、そういうオチでありましたな。で、なんとか無事会場に到着するわけですが、会場の片隅では出演者のレコードとかを売ってるわけですね。僕はジャズ・フェスには一度も行ったことはないんですが、長島温泉の「長島グランドショー」には何度か足を運んだことがあって、そこでもやはり同じように「ぴんから兄弟」のカセットテープとかが売られておりました。で、そんなもんを買っていくオバサンというのが結構いるんなんですよねー。「そんなもん」って、ぴんから兄弟さんに失礼ぢゃないのっ!という気もしますが、こんなところでレコード買ってもサービス券も貰えないのにねぇ。。。ということで、ジャズフェスで見かけるミョーな奴(その2)「会場でレコードを買う奴」。

 で、その客が買ったレコードを見て、ラズウェル君が猛烈な勢いでしゃべり始めるんですよね。「あ、僕それ、オリジナル盤を持ってるんだ。ステレオ盤とモノラル盤があって…」。ということで、ジャズフェスで見かけるミョーな奴(その3)「自分の持っているレコードを自慢する奴」。ま、ジャズ・ファンに限らず、コレクター系の趣味を持っている人というのは多かれ少なかれ、そういう傾向はありますよねー。ジャズ系のサイトを持ってる人なんていうのはその最たるものでありまして、要はタダの「自慢したがりの、うんちく垂れたがり」なんだってば、えーい、うっとうしい!

@ 

 ということで、ジャズのお話です。しばらく続いた「ちょっと前に名古屋で仕入れてきたCDシリーズ」は前回で終わりとさせていただいて、今日から通常メニューに戻ります。中断前は「ドラマー編」だったんですが、今日からは「ベーシスト編」です。よろしく。あ、ところで「ジャズフェスで見かけるミョーな奴」なんですが、他には「出演者と同じフンソーで来る奴」(←AEC風の白衣&フェイス・ペインティング)、「こいつらホントにジャズ・ファンだろーか?と思うような奴(その1)」(←星一徹風。こう見えてもガリ版刷りのフリージャズ批評集とか作っている)、「こいつらホントにジャズ・ファンだろーか?と思うような奴(その2)」(←飲み屋の大年増ママ&中年増ホステス風。たがいに「おねえさん」「さっちゃん」と呼び合う)、「どう考えてもジャズ・ファンじゃない奴」(←ビール飲んで酔っぱらってベロベロで、社内温泉慰安旅行の宴会風のおっさん)「ライブ盤が出たときに備えて大声を出す奴」(←“Yaaah!”)などが挙げられておりました。そうそう、長島グランドショーにもいるんですよねぇ、どう考えてもジャズ・ファンじゃない奴とか、ぴんから兄弟と同じフンソーで来る奴とか。ま、ぴんから兄弟ショーなんだから、ジャズ・ファンじゃなくてもぜんぜん不思議ではないんですけどね。

 で、カーティス・カウンスの『カールス・ブルース』なんですが、このアルバムって前にも一度、書きましたかね?何だか書いたことがあるよーな気もするんですが、ざっと調べたところその形跡はないし、このクソ面倒臭いジャケ絵を僕が書こうとするハズがないと思われるので、とりあえず取り上げてみることにしましたが、もし2回目だったらごめんね、ジロー。で、ジャケットに「This Album is Dedicated to the Memory of Carl Perkins」とあるように、これはこのところ濫発気味である翻訳ソフトのお世話になることなく、交通事故のために夭折しちゃったカール・パーキンスの思い出に捧げるために作られたアルバムであることが分かりますが、ちなみにそのパーキンスも演奏にはちゃんと参加しております。恐らく、

 アルバムを作ったら急死しちゃったので、慌てて追悼盤に仕立て上げた。

 急死しちゃったから売れるかも?というスケベ心から使用済みの音源を再編集して追悼盤としてでっち上げた。

 化けて出た。

 という3つのパターンが考えられますが、メンバー的にも演奏的にもわりと統制がとれているので、「アルバムを作ったら急死しちゃった」というのが正解ですかね?ちなみにメンバーはフロントがハロルド・ランドとジャック・シェルダン、で、トランペットは2曲でジェラルド・ウィルソンという人に替わりますが、ジャケットには写真を載せて貰えず、僕、グレちゃうんだもんね。と言ってグレちゃったことが懸念されますが、しかしジャック・シェルダンは顔がデカくてバランスが悪いですなぁ。。。いや、僕のイラストがヘタなだけなんですけどね。で、リズム隊はピアノが先述のパーキンスで、ベースはリーダーのカウンス、で、ドラムがフランク・バトラーという、実に西海岸の黒人ジャズらしいメンバーとなっております。あ、顔のデカいシェルダンだけは白人ですけどね。ということで、では1曲目から聴いてみましょう。

 でーん、でーん、でーん、でーん、でんでんでんでんでん、ゆっふぉ♪(←ピンクレディの「UFO」の節で歌ってね♪)ということで1曲目は「ピンク・レディ」です。目を合わせて見つめるだけでぇ〜、信じあえる、話もできるぅ〜♪と、地球のオトコに飽きた@すけべ淑女は歌っておりましたが、個人的にはキャンディーズのスーちゃんが好きでした。どうでもいいですね。で、「ピンク・レディ」は顔のデカいジャック・シェルダンの曲でありまして、あ、よく見たら「シェルダン」じゃなくて「シェルドン」ですかね?とにかくまあ、明るい“いかっぷ”(←“いかしたバップ”の略)といった感じの曲でありまして、わりとシンプルにテナーとペットのユニゾンでテーマが演奏された後、ハロ・ランのテナー・ソロになります。派手ではないが、地味。そういったスタイルが持ち味のランドでありますが、その安定感と堅実性とドライブ感はちょっぴり甘酸っぱい恋の伊予柑って感じぃ?で、続くシェルダンもしくはシェルドンはヒップなブラウニーにマイルスとチェットを混ぜ合わしたような感じのスタイルで、ま、3人も名前を出しておけばそれほど大ハズレということもないでしょう。歌心に溢れた、かなり良好なソロであります。で、続いてパーキンスのソロになりますが、録音当時はまだ死ぬとは思われていなかったのでそれほど大きくフィーチャーされることもなく、短めの演奏になっております。で、カウンスのウォーキング・ソロがあって、テーマに戻って、おしまい。「むっちゃええ」というほどではないにせよ、悪くはなくて、どちらかというと75点。そういったオープニングでありました。

 2曲目「I CAN'T GET STARTED」。翻訳ソフトの濫発は新鮮味がないのでなるべくヤメようと思っているんですが、やっぱりやっちゃいましょう。これを「言いだしかねて」と訳したら大したもんですけどね。「私は、始まることができない」。ま、そんなもんでしょうな。もっとも「言いだしかねて」というのは誤訳であるという話を聞いたことがあったような気もしますし。で、演奏のほうは原曲どおりのバラードでありまして、ハロルド・ランドをフィーチャーしたナンバーとなっております。イントロを弾くパーキンスがイイですよね。地味ではありますが、西海岸の名バイプレイヤー(←「ヴァイブ・プレイ、や〜ん♪」とか言わない)といった感じでありまして、ヴァイブ・プレイ、や〜ん♪あ、「…とか言わない」と言いつつ、思い切り書いてしまいましたが、ランドのプレイも歌心に溢れていて良好です(←常套句)。バラードですが次第にテンポが速くなっていって、途中からは倍○ンポになります。あ、ヘンなところを伏せ字にするとあらぬ誤解を招きませんね。途中からは倍テンポになります。で、カール・パーキンスのソロになってテンポが少しスローになりますが、そこはかとない哀感を湛えたプレイは絶品で、ところどころにテーマ・メロディの断片を散りばめるというのも、よいアイデアだよ。あ、よいアイデアだと…と書こうとしたら指が滑って、なんだか馴れ馴れしくなっちゃいました。で、最後に再びランドが登場し、ミディアム・テンポのまま演奏はおしまい。アレンジにも工夫が見られる良好な2曲目でありました。

 3曲目「ニカの夢」。パウエルの「クレオパトラの夢」。ツダ・ア○ミック(←下請け業者の名前)の「コーヘイの夢」と並ぶ「夢モノ3部作」のひとつでありまして、作曲者はご存じ、ホレス汁婆。典型的なシルヴァー節が聴かれるナンバーでありまして、ランドとシェルドンのコンビは…って、これはカーティス・カウンスのリーダー作でありますが、定番の「ラテン乗り」で料理しております。ただ、思ったよりも今ふたつくらいテンポ設定がゆっくり目でありまして、テーマ部はちょっぴり「もたれ気味」でありますな。が、ランドのソロに入るとテンポが速くなって、フランク・バトラーも本格的にラテンになって、ランド特有のドライブ感に溢れたプレイが堪能できます。で、短いアンサンブル・パートを挟んでシェルドンのソロになるわけですが、この人、期待度がゼロだったにもかかわらず、かなりイケてるソロを吹くんですよねー。スタイルとしてはブラウニーからケニー・ドーハムに至る系統なんですが、マイルスやチェットの影響も感じさせますよね。…と、今度は4人の名前を出しておいたので、前にも増して大ハズレはないでしょう。ここで再びアンサンブルを挟んで、今度はカール・パーキンスのソロ。良好です。イイです。ブルージーです。ファンキーです。スインギーです。大日本インキです。…と、4つも形容詞を出しておけば、どれかひとつぐらいは当たっているでしょう。で、その後、ランド→アンサンブル→シェルドン→アンサンブル…といった感じの、ちょっと変わった形の4バース(?)があって、ここらあたりはまさしくシルヴァー的だよね。と、まさし君も誉めておりました。

 4曲目「LOVE WALKED IN」。「愛は、中に入った」って、なんだかいやらしい訳ですなぁ。。。中に入った“愛”って、ナニ?と、問いただしたいところでありますが、演奏自体はポップでキュートなミディアム・テンポの歌モノに仕上がっております。シェルドンのヒップな歌いっぷりは先ほど名前を挙げた4人のミュージシャンの他に、ぴんから兄弟の影響をも感じさせますよね。…って、感じさせねーよ。ただ名前を出せばエエちゅうもんでもない。という教訓が得られたところで5曲目です。「ラルー」です。いつだったか、この曲に関する質問が掲示板に寄せられ、あちこちのジャズ系サイトで話題になったことがありましたが、ブラウニーが妻のラルーに捧げた、たまたまの名バラードでございます。あ、「珠玉」と書いて「しゅぎょく」と読むんですかー。ぼくはてっきり「たまたま」だとばかり思っておりましたが、ちょっぴり「ホワッツ・ニュー」にも似た美しいメロディのこの曲を、ランドは魂を込めて切々と歌い上げております。おそらく彼の心の中にはブラウニーに捧げる鎮魂の意味があったのではないかと思いますが、ここで美しいピアノを聴かせているカール・パーキンスがブラウニーと同じく交通事故によって夭折してしまうとは、何という運命の悪戯でありましょうか。

 うん、今の一文はよかったですな。涙もろいギャルのハートをキャッチしたであろうことは間違いないところでありますが、ちなみに「ラルー」ではシェルドンに替わってジェラルド・ウィルソンという人がトランペットを吹いております。ジャケットに写真を載せて貰えなくてもグレたりせず、健気にもミュートでマイルスっぽいプレイを展開しておりますが、こちらもシェルドン同様、期待度はゼロだったにもかかわらず、思わぬ健闘ぶりであると言えましょう。ちなみにこの人、ラストの「カールス・ブルース」にも登場しますが、その前に6曲目の「ザ・バトラー・ディド・イット」。バトラーはそれをする。一体ナニをするって言うんだ、バトラー?と、問い質したい気もしますが、タイトルどおりフランク・バトラーのオリジナルで、…というか、バトラーの無伴奏ソロであります。何でもいいけど、若いですなぁ、ジャケットのバトラー。イラストはぜんぜん似てませんけどね。で、問題のドラム・ソロのほうは師匠であるマックス・ローチのソレを彷彿させるものでありまして、いやホントにバトラーがローチの弟子なのかどうかは知りませんが、演奏を聴いていたら何となくそんな感じがしたもんで。ま、基本的にはどうでもいい演奏なので、「いらち」なヒトはスキップしたほうが無難でありましょう。らんらんらん♪…って、そっちのスキップじゃなくて。

 はいラスト。「カールス・ブルース」はタイトルからも判るように、カール・パーキンスのオリジナルでございます。どうせ「カールの青」とか訳すに決まっているので、翻訳ソフトは使いません。で、曲自体はタイトルからも解るようにブルースでありまして、パーキンスのブルージーなイントロがいいですね。先述のとおり、ここでトランペットを吹いているのはジェラルド・ウィルソンでありますが、なんせジャケットに写真が載ってないもんだから、白人なのか黒人なのかは分かりません。「わかる」という漢字は「判る」と書くのか、「解る」がいいのか、それとも「分かる」が正解なのか、今ひとつよくワカランのですが、3種類とも書いておけばどれかひとつは正解してるでしょう。…とか言ってるうちにランド、ジェラルド・ウイルソン(ここではオープンのせいか、それほどマイルス的ではない)のソロが終わって、とか書いてるうちにパーキンスのソロもカウンスのソロも、ユニゾンによるテーマの演奏も終わって、ここでちょうどエンディングとなりました。じゃ、さいなら。




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