GRAB THIS! (RIVERSIDE)

JOHNNY GRIFFIN (1962/7/28)

GRAB THIS!


【パーソネル】

JOHNNY GRIFFIN (ts) PAUL BRYANT (org) JOE PASS (g) JIMMY BOND (b) DOUG SIDES (ds)


【収録曲】


GRAB THIS! / 63rd STREET THEME / DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE
OFFERING TIME / THESE FOOLISH THINGS / CHERRY FLOAT


【解説】

今日は将棋について考えてみたいと思います。いや、他にネタがないもんで。

将棋。いいですよねぇ。「うん、あれはいいもんじゃ。」僕の知り合いの長老もそう言っておりました。いやあ、長老とはよく話が合いますなぁ。「もんじゃ焼きというのも、いいもんじゃ。」長老の話というのは得てして本筋から外れがちになるのが欠点でありますが、ま、年寄りのやることなので大目に見てあげてくださいね。「もっともワシは、もんじゃ焼きなど食ったことはないが。」食ったことがないんなら、言うな!と、怒りたくなる気持ちはワカランでもないんですが、ま、年寄りのやることなので大目に見てあげてくださいね。「それはそうと“しょうぎ”じゃが、あれはいいもんじゃ。」そうそう。長老の話というのは得てして本筋から外れがちになるのが欠点でありますが、広い心を持ってゆっくりと話を聞いてあげれば、やがて本題に戻ってくるわけでありまして。長老相手に焦りは禁物でございます。「こう見えてもワシは、若い頃はよく遊郭で女遊びをしたもんじゃ。」…って、それは「将棋」やなくて「娼妓」やがな。ばしっ!

ということで将棋のお話です。世界には将棋によく似たゲームが100種類ほどあるそうですが、その起源はインドであるという説が有力なんだそうです。「そうじゃ。インドなんじゃ。」…って、まだいたんかい、長老。「カレーの起源もインドなんじゃ。」…って、誰もそんなこと聞いてねぇってば、長老。それに、そんなことアンタに言われなくても誰でも知ってるってば、長老。「カレーは辛ぇ。」…って、つまんないこと言うんじゃねぇ!と、怒りたくなる気持ちはワカランでもないんですが、ま、年寄りのやることなので以下同文。「ワシが言いたいのはそれだけじゃ。」あ、やっと消えてくれましたね、長老。でもきっと、最後のほうになってまた登場するであろうことは火を見るよりも明らかでありますが、その昔、インドにアシュタパダと呼ばれる盤を用いるゲームがあったと。いいですねぇ、アシュタバタ。何だかスキャットしちゃってますよね。アシュタバタ〜、シュビシュビドゥバドゥバ、パッパヤ〜♪

で、このアシュタバタというのは8×8の桝目のある盤なんだそうですが、ゲーム自体は「すごろく」のようなものだったらしいです。今ひとつですなぁ、すごろく。紙の質があまりにも悪く、拭きすぎると血が出そうになるんですよねぇ。…って、それは「助六(すけろく)」。いや、昔ウチで使っていた便所紙の商標名なんですけどね。どんな悪い紙を使えばこんな色になるんや?と問い詰めたくなるような灰色の粗悪品でありましたが、このアシュタバタを用いた「すごろく」のようなゲームに駒を取り合うという要素を加えて「チャトランガ」とよばれるゲームが成立したと。うん、これでかなり将棋に近くなってきましたな。ちなみに「チャトル」というのはサンスクリット語で「4つ」、「アンガ」は「組」という意味だそうで、すなわち「チャトランガ」は「4つの組」ということになりますね。つまりこのゲームは4人でやるからチャトランガだねっ♪というわけでありまして、もう昔のインド人ってば、ネーミングのセンスに“ひねり”がなさ過ぎぃ。。。

で、この「チャトランガ」が世界中に広がって、西洋ではチェス、中国では中国将棋、朝鮮半島では朝鮮将棋、軍人は軍人将棋、川俣は軍司将棋というふうに様々に姿を変え、ルールを変えて100種類にも及ぶゲームが誕生したわけでありますが、その腐るほどたくさんあるチャトランガ起源のゲームのうち、日本の将棋だけに見られる特殊なルールというのがございます。それは何かと言うと「捕虜の再利用」ということなんですが、取った相手の駒を自分の持ち駒として使えるというのは、日本の将棋だけなんだそうでありまして。例えばチェスなんかだとゲームが進むにつれて駒の数が減っていき、だから先が読みやすくなるわけですよね。チェスの世界チャンピオンがコンピュータが負けちゃったのは、この「先の読みやすさ」がコンピュータには優位に働いたわけでありますな。が、ゲームが進むにつれて持ち駒が増えて、打てる手の数が増えちゃう将棋の場合には、まだまだコンピュータは「名人」には適わないということでありました。…という話をラジオで聞いて、なるほどなぁ。。。と深く関心した次第でありますが、しかしなんですなぁ。この日本将棋特有のルールというのは、著しく武士道の精神に欠けていると言わざるを得ないものでございまして。

「生きて、捕虜の辱めをうけず。」という言葉がございます。それがいいことなのか、悪いことなのかは別にして、捕まって捕虜になるくらいなら、自分で腹を斬って死んじゃるわい!という心意気が武士道の精神であるわけです。「ヤラレちゃうくらいなら、自分で舌を噛み切って死ぬのぉ。。。」というのがヤマトナデシコの貞操観念であるわけです。それが何ぃ?「あ〜ん、無理矢理ぃ。。。あ、でも、ちょっと気持ちいいカモ♪」だぁ?「けしからんっ!」と、長老としては苦言のひとつも呈したくなるところでございますが、あ、やっぱり出てきましたね、長老。で、将棋の駒というのはこの「ちょっと気持ちいいカモ♪」のギャルと大差がないというのが実状でありまして、本来なら捕まりそうになったところで自ら潔く腹をかっさばくか、あるいは何も言わずに敵の太刀の前にオノレの首を差し出すというのがあるべき姿だと思うんですが、あろうことか「じゃ、僕、降参するぅ。」とか言って自ら進んで捕虜になって、で、 あっさり寝返って敵方の兵士になったかと思うと、かつての主君の首を狙って攻めてくるというのだから、もう何を言わんや。。。

ところがこの根性なしの「コロビ捕虜野郎」が、ある日突然とんでもないことをしでかすわけでありまして。それはすなわち「成る」ということなんですが、例えばの話、つい先ほどまで味方として一緒に働いていた「歩(あゆむ)」クン。彼は兵力としてはまったくぱっとせず、出来ることといえば前に一歩進むことぐらいでありまして、根性もまったくなく、上官からいつも「おまえ、金玉ついてんのか!?」と罵倒されるような存在であるわけです。そんなだから戦場に出た途端に敵に捕まってしまい、で、割腹して果てるほどの気概があるハズもなく、あっさりと捕虜になっちゃうわけですね。そしていとも簡単に寝返って敵方の兵士になっちゃうわけです。

かつての味方としては面白くないのは確かでありますが、ま、どうせ役立たずのヘナチョコ野郎だしぃ。。。ということで、大した痛手ではないわけです。だからまあ、戦場の前のほうをウロチョロしているのを見掛けても、ま、相手にするまでもないな。。。ということで放置されることになるわけですが、そのどさくさに紛れてふと気がつくと、この「歩」がいつの間にやら自軍の陣地にまで攻め込んで来ているんですよね。そしてこの「歩」は敵陣に入ったと途端に豹変します。ひっくり返えって「と」というのになります。「“歩”というのは世を忍ぶ仮の姿。実はこの俺様の正体は“金”だったんだぎゃ!」とオタケビをあげると、かつて虐められた怨みを晴らすべく、右に左に後ろに前に、ま、斜め後ろにだけは進めないものの、まさに七面六臂の大暴れ。アイツ、本当はこんなにヤバい奴だったのか。。。と、かつての仲間が気付いた時はすでに遅し。ついには敵陣奥深くに「玉」を追いつめると太刀を振り下ろし、その首を落としてしまったのでありました。いやあ、弱いと思って馬鹿にして虐めたりしていると、ある日突然キレて、何をしでかすか分かったもんじゃありませんなぁ。。。

以上、「金玉ついてんのか!?」と言われた男、「金」と化して「玉」を討ち取る。というお話でした。おしまい♪

@  さ、ジョニー・グリフィンです。『グラブ・ジス!』です。アタシってぇ、わりとグリフィンとか好きでぇ、リバーサイドのアルバムとかぁ、わりと集めてるんだけどぉ、この『グラブ・ジス!』だけは買いそびれていたんですよね。いや、何となく。オルガンをバックにしたグリフィンというのが今ひとつピンと来ませんでしたし、そのオルガンもポール・ブライアントなどという、俳句に詠もうとすると間違いなく「ポールねた」と「ブラいや〜ん♪」ばかりになるに違いない人名であるという点も僕の趣向にはマッチしませんしね。おまけにギターはジョー・パスでぇ、頭ハゲてるしぃ。しかしまあ、よく考えてみるとそれほど大した問題でもないような気もするので試しに買って聴いてみたんですが、やっぱり大した問題ではありませんでした。音を聴いてる限りじゃ、ジョー・パス、禿げてるかどうかわかんないしぃ。

ということで1曲目。グリちゃんのオリジナル「グラブ・ジス!」。あ、これはアレですね。「ひったくる、これ!」などというタイトルがついておりますが、どこかで聴いたことのある曲ですね。BN盤の『イントロデューシング』あたりに入ってませんでしたかね?と思って調べてみたところ、入っておりませんでした。ぜんぜんアテにならないぞ、僕の記憶力。ゆっくりしたテンポのブルースで、テナーとオルガンのコール&レスポンスの形式でテーマが演奏されます。アーシーなナンバーだけにオルガンの音色がよくマッチしますね。で、ジョー・パスのギターはとっても控えめでありまして、いようが、いまいが、ハゲてようが、フサフサだろうが、ぜんぜん問題がなかったということが判明しました。で、テーマに続いてポール・ブライアントのソロになりますが、期待度が皆無だったわりには、けっこう好演してるよね。と、コーエン国防長官も誉めるほどの健闘ぶりでありまして、…って、あ、ラムズフェルドに替わっちゃったんでしたかね、アメリカの国防長官。とか言ってるうちに演奏は6曲目まで進んでおりますが、いや、掲示板チェックとかいろいろやってたんですけどね。で、懸案となっておりました「塩通・春のオフ会」なんですが、もはや春でもなんでもない7月7日の土曜日なんてどうでしょうね?というカキコをしたところでありますが、いや会場は別に「サンリオ・ピューロランド」にはこだわりません。駄目なら一人で行くだけの話だしー。とか思っていたら、ごんあぢ嬢の都合が悪いようなので、7月28日の土曜日に日程が変更になりました。皆様、万障繰り合わせの上、ご出席のほど、よ・ろ・ぴ・く♪

で、グリちゃん。えーと、2曲目に戻して「63丁目のテーマ」ですね。ブルーノート・クラブの通販で買ったCDプレイヤー付きアンプのCD部の調子が悪く、しばらくCD−MDシステムを使用していたんですが、リモコンをどっかにやっちゃって、どうも不便なんですよねー。いや、パソコンと少し離れたところに置いてあるもんで。で、新しいのを買おうかとも思ったんですが、よく考えたらパソコンでもCD聴けるんですよね。でもさすがにミスター・トンカチで680円で購入したスピーカーでは音がひどく、仕方がないのでミスター・トンカチで新しいのを買ってきたんですが、やっぱり音は今ひとつです。で、「63丁目のテーマ」なんですが、これは『ザ・リトツ・ジャイアント』でも演奏されていた曲でありますな。ぜんぜんアテにならない僕の記憶力ではありますが、これは確かです。しかしまあ、さすがはアメリカだけあって番地が63丁目まであるんですな。たいしたもんです。東村山なんか3丁目ですもんね。ところで「東村山音頭」の出だしの歌詞がコドモの頃から意味不明だったんですが、「東村山〜、庭先ゃ多摩湖ぉ♪」だったんですね。先ほどネットで調べていて、ようやく謎が判明しました。いやあ勉強になるなぁ、ネットって。で、演奏のほうなんですが、『リトル・ジャイアント』のあの下品なまでの猥雑さに比べると、かなり「あっさり味」に仕上がっております。で、グリちゃんの吹きっぷり自体はオルガンをバックにしようが、うまがバックでしようが、お構いなしのマイペースでありまして、オーバー・ブロウ(“BLOW JOB”過多)の一歩手前で踏みとどまっている姿勢は好感が持てますね。続くポール・ブライアントのオルガンもわりと上品な仕上がりで、ソロをとるジョー・パスだって悪くないじゃありませんか。ただ、全体的に今ひとつ迫力不足な薄力粉といった感はありますけどね。

で、3曲目。エリントン・ナンバーの「ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモア」。ブルージーなナンバーでございます。出だしはゆったりとしたテンポでかなりアーシーなかん次男ですが、…って、どんな次男なんですかね?出だしはゆったりとしたテンポでかなりアーシーな感じなんですが、グリフィンのソロが進むに連れて次第にテンポも速くなり、もうノリノリぃ。という感じです。はい、4曲目。「オファリング・タイム」はポール・ブライアントのオリジナルです。言葉では表現できない曲であります。いや、決して難解であるとか、半壊であるとか、宴会であるとかいうわけではなく、アーシーさと軽快さがないまぜになったような感じの曲なんですけどね。で、ジョー・パスの短めのソロに続いてブライアントのソロになりますが、さすがは自分で作った曲だけのことはあり、もうノリノリぃ。という感じです。グリフィンも頑張ってます。で、5曲目。「ジーズ・フーリッシュ・シングル」。関西弁に訳すと「そんなアホなこと。」、名古屋弁に訳すと「そんなタワケたこと。」というふうになりますね。グリちゃんの愛奏曲でありまして、BN盤の『イントロデューシング』でも演っております。オルガンをバックにしたバラードというのも、なかなかいいもんですね。肛門もいいもんですけどね。…って、今日のさばさん、ちょっと下品。なんかゲンメツぅ。…なんて言われると困るので、先ほどの発言は取り消しておきましょう。肛門もいいもんですけどね。 …というふうに取り消し線を使う場合は、対象文を <Strike> </Strike> で挟めばOKです。

  はいラスト。「チェリー・フロート」はグリフィンのオリジナルで、ミディアム・テンポの軽快なナンバーです。アルバムの末尾を飾るに相応しいリラックスしたナンバーであると言えるでしょう。ということで、以上、「まあまあかな?」という出来の1枚でありました。ぢゃ。


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