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【アルバム名】
HEAVY SOUL (BLUE NOTE)
【リーダー名】
IKE QUEBEC (1961/11/26)
【パーソネル】
IKE QUEBEC (ts) FREDDIE ROACH (org) MILT HINTON (b) AL HAREWOOD (ds)
【収 録 曲】
ACQUITTED / JUST ONE MORE CHANCE / QUE'S DILEMMA /
BROTHER CAN YOU SPARE A DIME / THE MAN I LOVE / HEAVY SOUL /
I WANT A LITTLE GIRL / NATURE BOY
【内   容】
 今年は東海道の宿場制度が制定されて、ちょうど400年なんだそうです。今朝 の『ふれあい見つけ旅』でも特集をやっておりましたので、これはもう間違いないわけ でありますが、いや、同じ旅番組でも『いい旅・夢気分』でやっていたとなるとその信 憑性は半減しちゃうんですけどね。それに比べて『ふれ旅』のほうは天下のフジテレビ 系列ですんで、これはもう大丈夫なわけでありまして。で、確かに“天下分け目”の関 ヶ原の合戦が1600年で、その翌年に東海道の宿場制度が制定されたということなの で、2001年の今年はそれからちょうど400年にあたるわけですな。ちなみに東海 道というのは江戸の日本橋と京都の三条大橋を結ぶ街道でありまして、その途中に五十 三の宿場が設けられたと。それが俗に言う“東海道五十三次”であるわけですが、それ にしてもどうして“53”などという半端な数にしちゃったんでしょうね?もうちょっ とよく考えて3つの宿場をボツにすれば“50”ということになって、キリがよかった のにぃ。。。と残念でなりませんが、徳川家康の考えることは今ひとつよくわかりませ んなぁ。例えば“岡崎”と“鳴海”の間にある“池鯉鮒”などという宿場は、別になく したところで誰も困らないと思うんですけどねぇ。ま、一部の淡水魚マニアからは文句 が出るかもしれませんけどね。だいたい、何て読むんですかね、この地名?いけこいふ な?たぶん違うでしょうな。こういう一般人に正しく読めないような宿場は無くしても 支障がない、というか、是非とも抹消すべきだと思うわけでありますが、この“池鯉鮒 ”を閉店の第一候補として、本日は「徹底検証・無くしてもよい東海道の宿場町ワース ト3」というテーマでお届けしようと思います。選ばれた地元自治体から苦情のメール が殺到することは必至。
 
《東京都》
 
基点である日本橋を除くと、東京都内には東海道の宿場はひとつしかありません。 “品川”がそれですね。これを無くすとなると恐らく慎太郎クンが怒って自衛隊を出動 させるなどの騒動になると思われるので、ヤメておきましょう。旅籠の数が93(18 42年の資料による)というのは五十三次の中で7番目くらいに多い数字ですしー。
 
《神奈川県》
 
“川崎”→“神奈川”→“保土ヶ谷”→“戸塚”→“藤沢”→“平塚”→“大磯” →“小田原”→“箱根”
 
神奈川県内の宿場はこの9つでありますな。今でも市や区の名前として残っている ところが多く、全体的に見てもメジャーな区域であると言えるでしょう。このうち“箱 根”には関所があり、「箱根八里は馬でも越すが…」という俗謡もあり、「箱根の山は 〜天下の険っ♪」という唱歌もあって、東海道を代表する宿場なのでハズすわけには行 きませんね。その手前の“小田原”にはチョーチン屋さんがあるから駄目です。小田原 のチョーチン屋さんからチョーチンを貰って、「小田原を持ち上げるチョーチン記事を 書いてくれ。」と頼まれているので、ここを悪く書くことは出来ません。となると地味 なところで“保土ヶ谷”“戸塚”“大磯”あたりが候補に上がってくるわけですが、“ 戸塚”にはヨットスクールがあって、現代病を直すには頗る重宝なので、ここを無くす と家庭内暴力や登校拒否などの問題を抱えた親が困ってしまいます。となると“保土ヶ 谷”か“大磯”になるわけですが、“保土ヶ谷”はひとつ手前の“神奈川”から4.9 キロしか離れておらず、次の“戸塚”までも8.8キロしかなくて、別に無くしたとこ ろでぜんぜん困らないと思われるので、この地区の閉店候補に上げておきましょう。“ 保土ヶ谷”はいりません。
 
《静岡県》
 
静岡は東西にだだっ広い県で、それを東海道が横断しているもんだから、宿場の数 も半端ではありません。全部で、えーと…22宿(±2宿)くらいありますね。数え間 違いがあるかも知れないので、1割程度の誤差は大目に見てもらいたいわけであります が、えーと、書き出してみるだけでも大変ですな。
 
“三島”→“沼津”→“原”→“吉原”→“蒲原”→“由比”→“興津”→“江尻 ”→“府中”→“丸子”→“岡部”→“藤枝”→“島田”→“金谷”→“日坂”→“掛 川”→“袋井”→“見付”→“浜松”→“舞坂”→“新居”→“白須賀”
 
この中で真っ先に抹殺したいのは“藤枝”なんですが、「ここでシゴトをしていて 、チャーハン男に虐められたから。」などと言う私情を挟むのはどうか・・・。という 気がしないでもないので、これは残しておきましょう。「サッカー最中(もなか)」も ありますしね。食べ物関係で言うと「うなぎパイ&すっぽんの郷」の“浜松”だって落 とせないし、“三島”には「三島のふりかけ」というのがあるので、是非とも残してお きたいところです。“江尻”には「江尻の女はええ尻しとる。」というギャグがありま すし、“見付”という宿場は何となく「金目鯛の煮付け」を彷彿させるので、無罪放免 と致しましょう。となると“原”“興津”“府中”“丸子”“金谷”“日坂”といった 、マニアでないとどこにあるのかわからんような宿場が閉店候補に上げられるわけです が、静岡は“東海道宿場制度制定400年”の記念行事にたいへん力を入れているよう なので、その努力に免じて今回は許してあげましょう。
 
《愛知県》
 
“ニ川”→“吉田”→“御油”→“赤坂”→“藤川”→“岡崎”→“池鯉鮒”→“ 鳴海”→“宮”
 
ニ川、吉田、御油、赤坂、藤川ぁ?どれもすべからくパッとしませんなぁ。。。そ の次の“岡崎”は徳川家康の出身地だから、ここをボツにするとタタられます。で、次 の“池鯉鮒”は問題外で、今でいうと知立市にあたるらしいんですが、ここは「藤田屋 の大あん巻き」以外に特筆すべきものもないので、さっさと抹消しちゃいましょう。ち なみに最後の“宮”というのは今でいう熱田神宮のあるあたりで、ここから“桑名”ま でが東海道で唯一の海路である「七里の渡し」になるわけですね。
 
《三重県》
 
“桑名”→“四日市”→“石薬師”→“庄野”→“亀山”→“関”→“坂下”
 
東海道の宿場の中で最も間隔が開いているのが“宮”と“桑名”の間でありまして 、その距離は27.3キロ。一里が約4キロだから七里で約28キロとなって、「七里 の渡し」というのはだいたい辻褄が合うわけですな。ちなみに五十三次の中で最も旅籠 の数が多かったのが“宮”でありまして、その数は248件で断トツ。“桑名”はその 約半数の120件でありますが、これは第2位の成績だそうでございます。立派なもの じゃないですかぁ。ところで“庄野”ってどこなんですか?そんなもん地元民ですら知 りません。知らないから、いりません。“坂下”というのもいらんと思いますが、すで に“保土ヶ谷”と“池鯉鮒”と“庄野”の廃止が決まり、このうえ“坂下”までボツに しちゃうと“東海道四十九次”となってまた半端になっちゃうので、今回の検証は“庄 野”の廃止を持って終了とさせて戴きます。ちなみに東海道はこのあと滋賀県に入って “土山”→“水口”→“石部”→“草津”→“大津”と続き、終点の京都・三条大橋に 到着するわけです。本来なら土山、水口、石部の“土木系トリオ”などいつ廃止になっ ても不思議ではないんですが、“坂下”と同じ理由で今回は生き抜きました。なまじ最 初のほうにあったのが災いしましたなぁ、保土ヶ谷クンは。
 
 ちなみに現在の国道1号線は東海道とほぼ同じルートになっておりますが、鉄道 は逃げました。東海道線も新幹線も名古屋から西は上のほうにそれて、関ヶ原のあたり を通るようになっちゃいました。おかげで桑名には関西線しか通っておりません。名神 高速も関ヶ原のあたりを通るようになっちゃいまして、おかげで桑名には東名阪(ひが しめいはん)しか通っておりません。これは恐らく陰謀でありましょう。誰の陰謀かと いうと、レインボーマンの陰謀であるに違いありません。インドの山奥で陰謀の修業を してきたに違いありません。でも来春に開通する第2名神はちゃんと桑名を通るように なったので、とってもよかったと思います。そんだけ。
 
 @ ということでアイク・ケベックです。いやぁ、不評でしたなぁ、
 
  ・愛子 検便食う
 
という俳句。“検便食う”と“俳句”で韻を踏んでいて、イイと思ったんですけど ねぇ。。。で、ケベックと言えばブルーノートの“タレント・スカウト”兼“運転手” 兼“雑用係”として頑張ったわけですが、何とテナーまで吹けたんですねぇ。たいした もんです。40年代にいくつか中間派風の録音を残しており、で、60年代になっても そのスタイルは相変わらず中間派風だったんですが、ちょっと聴いた感じでは当時の流 行のソウル風スタイルに聞こえなくもないので、そのどさくさに紛れてアルフレッド・ ライオンが何枚かのリーダー作を吹き込ませたわけであります。61年から62年にか けてアルバム6枚分のセッションを敢行し、そのうち4枚が発売されたわけであります が、最後の録音から約2ヶ月後に、ケベックは肺ガンのためにあえなくこの世を去って しまったのでありました。合掌。。。で、この『ヘビー・ソウル』というアルバムは1 2インチ盤では彼の初リーダー作にあたりまして、フレディ・ローチのオルガン・トリ オをバックにしたワン・ホーン編成となっております。ただオルガン・トリオといって もオルガン・ベース、ドラムスという編成でありまして、ギター抜きになっているとこ ろが特徴と言えるかも知れませんね。ということで、では1曲目から聴いてみましょう 。
 
 「アクァイテッド」はケベックのオリジナルで、おそらくタイトルは「赤い鉄塔 」のもじりでありましょう。あ、鉄塔で思い出したんですが、皆さん“てっかぶつ”と いうのをご存じでしょうか?いや、ラジオの交通情報でアナウンサーのおねえさんが言 ってたんですけどね。「国道○○号線は落下物の影響で渋滞しております。」というア ナウンスのあと、いきなり「てっかぶつ…」という謎の言葉を発して、おねえさんはし ばらく絶句しておりました。「鉄板が落ちておりまして…」と言おうとして“鉄板”と “落下物”がごっちゃになり、思わず“てっかぶつ”と言ってしまったようなんですが 、何だか道路上に鉄火巻きが散乱している情景を彷彿させ、秀逸だと思います。で、ケ ベック作の「赤い鉄塔」のほうもなかなかの秀作でありまして、ワイルドな曲調とフレ ディ・ローチの弾く“ぴゃっぱぱ〜、ぴゃっぱぱ〜♪”というフレーズとがよくマッチ しております。アル・ヘアウッドの切れ味鋭いドラミングも秀逸ですな。テーマのあと 、そのままケベックのソロとなりますが、最初のワン・コーラスはベースとドラムスだ けをバックに、セカンド・コーラスからはローチのオルガンも加わって、この何気ない アレンジが結構効果的ですね。ケベックの吹きっぷりは中間派風とは言っても決して古 臭い感じではなく、テキサス・テナーを思わせる豪快さがあって悪くないです。ちなみ にケベックはニュージャージー州の出身なんですけどね。新しいジャージの似合うお土 地柄?で、続くフレディ・ローチのソロもいい味を出しております。最後に再びケベッ クが登場してワイルドな咆哮を聴かせ、テーマに戻って、唐突なエンディング。…と思 わせておいて、もう一度ローチが“ぴゃぴゃぴゃぱぱ〜♪”と出てくる瞬間がよいです な。
 
 はい2曲目。歌モノの「ジャスト・ワン・モア・チャンス」はバラードです。凍 る鰻・ホーキンスや便・ウェブスターの流れを汲むケベックのバラードが好きな人は少 なくないと思いますが、あ、“凍る鰻”は“こーるうなぎ”じゃなくて“こーるまん” と読んでくださいね。養鰻(ようまん)業者の“まん”です。ジャズの世界ではよく、 テナー・サックスによるバラード演奏に「メロディを絞り出す」という表現が使われる が、「ジャスト・ワン・モア・チャンス」におけるアイクの流れるようなプレイはその 好例と言えよう。…と原文ライナーでレナード・フェザーが書いておりますが、そんな 表現、よく使われますかね?メロディをサメりだす…って、意味がよくわからんしー。 。。ということで3曲目です。「キューズ・ジレンマ」はアイクのオリジナルで、オル ガンによるイントロは1曲目の「赤い鉄塔」とまるっきり同じですな。テーマ・メロデ ィは1曲目よりもよりワイルドな感じで、ワイルドだから悪いどー。ということもない んですが、それほどよくもありません。まあまあです。構成、ドライヴ感、メリハリ、 どれを取っても本作のベスト・トラックと言える。
…とレナード羽毛クンは書いておりますが、成るほど、言われてみれば確かにそう かも知れませんね。(←主体性なし。)
 
 はい4曲目です。「ブラザー・キャン・ユー・スペア・ア・ダイム」はご存じの とおり、不況時代のテーマソングというべき存在となったバラードだそうですが、タイ トルは大阪弁で言うと「兄ちゃん、金くれへん?」といったところですかね?ちなみに “DIME”というのは10セント硬貨のことですな。日本円にすると12円くらい。成る ほど、10円あれば公衆電話から「はじめてのアコム。」に電話して、ご融資可能かど うか問い合わせることが出来ますもんね。で、貧乏人ケベック君は「なぜ僕が一文無し になっちゃったのか。」ということをテナーで切々と訴えるわけですが、聴いてるだけ でなんだかアワレな気持ちになってきて、思わず10円くらいならまあ、いっかぁ。。 。と言う気分になっちゃいますね。途中のフレディ・ローチのソロが「まあ、いっかぁ 。。。」と思って10円を渡そうとする場面なわけですが、そのあとケベック君は急に 厚かましくなります。「な、どうせなら1万円くれへんか?」ムッとしたローチは「1 0円もやるかい!」と捨て台詞を残して去っていくのでありました。
 
  教  訓:欲張ってはいけません
  イカクン:イカの燻製です
 
はい5曲目。スタンダードの「渡しの彼氏」じゃなくて「私の彼氏」ですね。私の 私の彼は〜、左巻きぃ〜♪しかしなんですなぁ。いくらケベックのバラードが悪くない と言っても、こうも続けて聴かされるとちょっぴり飽きちゃうよねぇ。。。と思ってい ると、ケベックも「それもそっかぁ♪」と思ったのか、途中からミディアム・ファース トにテンポが速くなります。ソロの前半はオルガン抜きで、次第に盛り上がってきたと ころで満を持してローチが登場。…というのがこのアルバムのひとつのパターンですな 。最後に再びスローに戻って、「スローなブギにしてくれ」という南佳孝のリクエスト に応えた形となっております。よかったねぇ、佳孝クン。
 
 ミルト・ヒントンのピチカートで幕を開けるタイトル曲の「ヘビィ・ソウル」は ヘビィなソウルを感じさせるスロー・ブルースでございます。何だか聴いてるだけで息 苦しくなっちゃいますね。ただでさえ花粉症で鼻が詰まって息苦しいのに、困ったもん ですなぁ。。。が、「黒いの大好き♪」な“黒うんこ女”にとってはたまんない世界で ありまして、いや、好きでウンコを黒くしてるわけではないと思うんですけどね、美○ 宝の“黒うんこ女”。“うこん”は黄色いですしね。梨の味する不思議なおいも〜♪は ヤーコン。お盛んなのは新婚。…って、何を言ってるんですかね。ということで7曲目 。「アイ・ウォント・ア・リトル・ガール」は言わずと知れたロリ・ソングです。バラ ードです。ケベックはねちっこく「お嬢ちゃん、“馬のマル秘ショー”見にいかない? 」と誘っておりますが、見にいかねーよ、ンなもん。はい、ラストです。これまたスタ ンダードです。「ネイチャー・ボーイ」です。バラードです。このアルバム、前半は勢 いがあってよかったんですが、後半はスロー・ナンバーが多すぎて、ちょっぴり飽きち ゃいますね。ああん、もっと激しくぅ♪…って、そういえば最近、えるびん君は姿を見 せませんな。ま、別にいいんですけどね。グレちゃったりしてると、ちょっと困ります けどね。
 
 ということで、おしまい♪


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