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- 【アルバム名】
- SPEAK NO EVIL (BLUE NOTE)
- 【リーダー名】
- WAYNE SHORTER (1964/12/24)
- 【パーソネル】
- FREDDIE HUBBARD (tp) WAYNE SHORTER (ts) HERBIE HANCOCK (p)
- RON CARTER (b) ELVIN JONES (ds)
- 【収 録 曲】
- WITCH HUNT / FEE-FI-FO-FUM / DANCE CADAVEROUS / SPEAK NO EVIL /
- INFANT EYES / WILD FLOWER
- 【内 容】
- “野人”というのがおります。いや、確かにいると確認されたわけではないんで
すが、そういうものがいると噂されております。その幻の生物である野人の姿が遂にビ
デオで撮影されたというのだから、これは大スクープですよね。いや、正確に言うと発
見されたのは“野人そのもの”ではなく“野人のハーフ”ということらしいんですが、
それとて野人の存在を証明するには確たる証拠になりますし、それに人間とのハーフと
いうことになれば「誰が野人にヤラれちゃったのか?」もしくは「誰が野人とヤっちゃ
ったのか?」という通俗的な興味の点においては“野人そのもの”が発見されるよりも
スキャンダラスであると言えましょう。で、どこで発見されたのかと言うと中国の神農
架というところだそうですが、成るほど、中国のあの辺りなら野人の1人や2人が発見
されたとしてもそれほど不思議ではありませんよね。いや、中国のあの辺りと言っても
、神農架というのがどの辺りにあるのかよくは知りませんけどね。しかしまあ神農架と
いう名前からして神聖な農民が担架で運ばれているような土地柄であることは容易に想
像がつきます。
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- で、野人がいるのは中国だけなのかと言うとそんなことはなく、ロシアの極東地
方にも棲息していると言われております。特にユジノサハリンスクという町には捕獲し
た野人を放し飼いにして展示するサファリパークみたいなものまであると言うのだから
驚きですね。で、町の人々はこの“野人のサファリ”にたいへん好意を抱いていて、「
ユジノサハリンスクの人は野人のサファリ好き♪」というのはマニアの間では有名な話
なんだそうでありまして。それはともかく、今日は中国で発見された“野人のハーフ”
の話をしたいと思うんですが、ではここで“野人”のアウトラインについて簡単におさ
らいしてみましょう。
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- ・中国・神農架の標高1500メートル以上の土地に棲息する。
- ・ユジノサハリンスクにもいる。
- ・山に住む毛むくじゃらの人とも猿ともつかない生物。
- ・深山に住み、人語を解さず、怪力をほこる。推定身長1.8~2メートル。
- ・その正体としてはアウストラロピテクス説、ラマビテクス説、ギガントピテクス
説などが唱えられている。
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- 成るほど、要は猿人バーゴンの中国版のようなものなんですな。ユジノサハリンス
クにもいますけどね(←しつこい)。ちなみに中国では“野人(イェレン)”と発音す
るそうですが、そのネーミングには“野性の人”とか“野蛮な人”といった意味が込め
られているのだと思われます。“野良育ちの人”“野放図な人”“野放しの人”“野グ
ソする人”といった意味もあるのかも知れません。で、ある日、その野性的で野蛮で野
放図な野グソ野郎がフラフラと村のほうに降りてきて、パンツを干している人妻の姿に
ついムラムラして、ガバッと襲いかかるという大変けしからん行為に耽ったであろうと
いう可能性を完全に否定することは出来ないわけでありまして、ある日、村の人妻がサ
ルのような子を産んだのを見て、「ありゃ、よし子(仮名)と野人の間に出来た子とち
ゃうか?」と噂したとしても無理からぬところでございます。そしてその子に“猿の子
”というあだ名を付けたというのだから、中国の山奥の人々のネーミングセンスのひね
りのなさは目を覆いたくなるばかりでございますが、いっぽうの母親のほうも赤ん坊の
泣き声が子犬みたいだったから“犬子”と名付けたというのだから、何を言わんや。。
。ちなみに“犬子”クンは男の子でございます。
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- で、先月号の『ムー』に、25歳くらいに成長した犬子クンの写真が掲載されて
いたんですけどね。中国の研究者が撮影したビデオの1コマらしいその画像を見る限り
、野人と人間のハーフと噂される犬子クンは“ぼーっとしたジャイアント馬場”のよう
な風貌をしております。
- ジャイアント馬場自体それほどシャープなルックスをしているわけではないので、
それを更にぼーっとさせればいったいどんな感じになるのかだいたい察しがつくと思い
ますが、『ムー』の記者は「写真を見る限りでは、脳発育不全の患者にしか見えない。
」という感想を述べております。なんせ“ぼーっとしたジャイアント馬場”ですからね
ぇ。ちなみにウチのほうではウンコのことを“ばば”と言いますが、これは関西地方の
方言なんですかね?下請け業者・三重発情期(仮名)の吉治クンは現場で犬のウンコを
見つけて「“ばばちょ”がある。」と発言しておりましたが、それはともかく『ムー』
の記者ですら懐疑的な発言をしているようでは“野人と人間のハーフ”の存在の信憑性
は極めて低いと言わねばなりません。中国科学院奇異珍奇動物専業考察委員会・袁振新
(エンチョンシン)教授の研究成果が待たれるところであります。
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- ではまったくのパチモンなのかと言うと、“野人と人間のハーフ”を彷彿させる
特徴をいくつか持ち合わせているのも確かなんですけどね。例えば犬子クンは服を着て
おりません。中国の北のほうで(←たぶん)、しかも標高が1500メートルともなれ
ば夜はかなり冷えるのではないかと思われますが、服を着せようとすると怒るんだそう
です。だから『ムー』に載っていた写真もフリチン状態でありまして、いや、残念なが
ら局所は黒丸で修正されておりますので、果たしてその部分が“野人並み”なのかどう
か、窺い知ることは出来ないんですけどね。あと、生活態度も野人らしくワイルドであ
りまして、「果物と野菜類が大好物」というから意外にもベジタリアンのようでありま
すが、「常にあちこちで不潔なものを食べているけど、体はとても丈夫で病気はほとん
どしない」というのだから立派なものですなぁ。
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- ただそんな犬子クンもその最期は実にあっけないものでありました。30歳頃に
突然の下痢症状に襲われて、1週間もたたないうちに死んじゃったというのだからアワ
レなものです。なまじそれまで病気をしたことがなかったので、突然の下痢便にびっく
りしてショック死しちゃったんですかね?ということで、以上、「ジャイアント馬場似
の野人、最期は“ばば”に泣く。」というお話でした。ばばちょ♪
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- @ さ、ショーターですね。正太クンのこの1枚はオーソドックスに『スピーク
・ノー・イヴィル』を選んでみました。ぼーっとした東洋女のジャケが印象的ですよね
。ショーターの顔は何だかジャイアンツの工藤みたいになっちゃいましたが、タイトル
上の“くちびる”は何だかギョーザみたいになっちゃいましたしね。「悪魔のことはゆ
ーな」というタイトルに、オカルト好きで、好きなサザエさんのキャラはオカルさん。
というショーターの嗜好が如実に表れていて興味深いところでありますが、フレディ・
ハバードとハービー・ハンコック、ロン・カーターを従えた本作は新主流派ジャズのひ
とつの頂点であると言えるでしょう。タイコがトニーじゃなくてエルヴィン君というの
も正太君のリーダー作らしいですね。仲悪かったみたいですもんね、ショーターとトニ
ー。ということで、ではさっそく聴いてみましょうね。
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- 1曲目「ウィッチ・ハント」。日本語にすると“魔女狩り”ですか。“マゾ狩り
”じゃなくて。マゾなど狩って拷問してみたところでかえって喜ぶだけでありまして、
あまり意味ありませんもんね。で、曲自体はそれほど魔女狩り的なムードに溢れている
わけではなくて、かと言って日本人ウケしそうなわかりやすいメロディでもなくて、ま
、ショーターらしいといえば確かにショーターらしい曲なんですけどね。で、ソロ先発
もショーターでありまして、これも彼らしいと言えば彼らしいソロであると言えましょ
う。ほとんど解説になってませんけどね。ソロ2番手はフレディ・ハバードでありまし
て、短いがとてもブリリアントな午後、By田中康夫。と日本語ライナーに熊谷美広の
おっちゃんが書いておりますが、成るほど、細かいフレーズを駆使したブリリアントな
ソロは取りとめのないショーターのソロよりも印象度・大ですな。相変わらずサイドで
いい仕事をしますな、この人は。
- 続くハービーのソロの時に彼のうなり声が聞こえるのもめずらしい。との指摘であ
りますが、成るほど、ソロの出だしこそ、いつものハービーらしいクールな弾きっぷり
でありますが、次第に指が止まらなくなってきて、遂には感極まって「うー!」という
呻き声を…あげているのかどうか、よくわかりませんでした。
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- はい2曲目。「フィー・フィ・フォ・ファム」ですかぁ。意味不明のタイトルで
すな。サンリオ・キャラクターの名前によさそうですけどね、ハムのキャラで。ウェイ
ンにしてはブルージーなメロディだと熊さんも指摘している通り、ウェインにしてはブ
ルージーなメロディです。フレディよりもリー・モーガンとのコンビで聴きたい感じの
曲ですな。が、決してフレディが悪いということではなく、ソロ一番手として実によく
健闘しております。続くショーターのソロは熊さんも言ってるようにノリとタメが素晴
らしいですね。もぉ、のりたまもびっくり!という感じですが、特にタメがよろしいか
と思われます。続くハービーのソロは出だしクールでありますが、ここではっきりと“
うなり声”が聞こえてますね。熊さん、間違えましたかね???ということで3曲目。
「ダンス・カダヴェラス」はゆったりしたテンポの綺麗なワルツ・タイムのナンバーで
す。“cadaverous”というのは「死人のような」とか「青ざめてやせこけた」というよ
うな意味らしいですが、それほど死にかけているようなイメージはなく、むしろ爽やか
な青い海を思わせる典型的な新主流派サウンドを聴くことが出来ます。んで、ソロ先発
のハービーが最高っ♪数ある彼のソロの中でも屈指の出来ではないか?と屈斜路湖のク
ッシーも褒めておりましたが、エルヴィン君の出しゃばり過ぎない絶妙のバッキングと
相俟って、この上ない出来のよさを誇っております。で、満を持して登場するショータ
ーのエモーショナルな吹きっぷりにも着目しましょう。ちなみにこの曲ではフレディ・
ハバードはテーマ部のみの参加となっていて、ソロは取っておりません。
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- はい4曲目です。タイトル曲の「スピーク・ノー・イヴィル」ですな。たいへん
魅力的なテーマを持った曲でありまして、ハービーはテーマ部のバッキングからして既
にノリノリ状態となっております。自分のリーダー作よりもサイドで参加したときのほ
うが熱くなるタイプですからねぇ、ハービー。人の影で、熱く信仰の心を深めなさい。
という学会の教えなんですかね?で、ハービーとエルヴィンに煽られて、ショーターと
フレディが熱く燃えるプレイを展開し、続くハービーも熊さんが「恐るべし!」と絶賛
する見事なソロを披露しております。うん、とってもいい演奏でしたね。で、熱く燃え
た後には極上の薔薇亜土を。「インファント・アイズ」はショーター・バラードの極致
とでもいうべき演奏でございまして、これぞ男のロマン、栗のマロンといった感じの吹
きっぷりはまさにショーターの独壇場。フレディ・ハバードの出番がなくて、思わずこ
の曲だけワン・ホーンになっちゃっております。3〜5曲目の「ダン・カダ」から「ス
ピ・ノイ」になって「イン・アイ」に至る、一連の流れも完璧ですよね。世間では辛口
評論で知られている僕も思わず脱帽して脱毛。。。
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- はいラストです。アルバムの最後は何気ない歌モノ風のナンバーで、さらっと締
めくくりたいものですよね。そこで「ワイルド・フラワー」。日本語では「野花」とで
も訳すんでしょうか。野人的な野蛮さなどみじんも感じさせないワルツ・タイムのナン
バーでありまして、これ股、なかなかの佳曲でございますなぁ。が、ショーター、フレ
ディー両君のソロは“爽やかさ”だけには止まらず、言いたいことはちゃんと言い切っ
ております。ハービーのソロだって硬派です。うなり声だってあげちゃってます。そし
て再び印象的なテーマ・メロディに戻って、おしまい。熊谷クンの指摘どおり、後テー
マの演奏が最初のテーマのときより、はるかに盛り上がってますよね。ああ、ジャズは
生きている。そうそう簡単に下痢なんかで死んだりはしないんだ。ということを指摘し
て、この原稿の締めくくりとさせて戴きます。
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