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【アルバム名】
TETRAGON (MILESTONE)
【リーダー名】
JOE HENDERSON (1967/9/27,1968/5/16) 
【パーソネル】
JOE HENDERSON (ts) DON FRIEDMAN (p) KENNY BARRON (p) RON CARTER (b)
JACK DE JOHNETTE (ds) LOUIS HAYES (ds)
【収 録 曲】
INVITATION / R.J. / THE BEAD GAME / TETRAGON / WALTZ FOR ZWEETIE /
FIRST TRIP / I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN
【内   容】
 “野人”というのがいます。どこにかというと、浦和レッズではなくて中国の山 奥らしいんですけどね。でも、確かにいると確認されたわけではなく、いわゆる“UM A”と呼ばれる存在であります。科学雑誌の『ムー』で初めてこの“UMA”という言 葉を見たとき、それは確か「幻の生き物“UMA”を見た!!」という文脈だったと思 うんですが、「ウマぁ?ンなもん、何が珍しい。。。」と不思議でなりませんでした。 が、これは“馬”ではなくて“ウーマ”と読むようで、“未確認生物”といった意味で あるそうです。ま、“UFOの生物版”とでも言えばわかりやすいですかね?“UFO ”が“ユーフォー”で、“UMA”が“ウーマ”というのはおかしいのではないか?“ ユーフォー”と“ユーマ”、もしくは“ウーマ”と“ウーフォー”というように発音を 統一すべきではないか?という意見もあろうかとは思いますが、そんなことはどっちで もいいですね。
 
 で、“UMA”について考えてみる前に、まず“UFO”について検証してみよ うと思うんですが、いや、何故かというと“UMA”だけでは1回分もたないような気 がしてならないからなんですけどね。で、“UFO”なんですが、これは皆さんもよく ご存じのとおり“未確認飛行物体”のことでございます。日本では“UFO”=“空飛 ぶ円盤”と考えている人も多いかと思いますが、別に円盤型じゃなくて球体だったり四 角錐だったりしても、それが飛行していて、しかも未確認であればそれは“UFO”で あると言えるわけでありまして、厳密には“UFO”と“空飛ぶ円盤”は別のものであ ると考えたほうがよいでしょう。では、
 
 田中さんちの康夫クン、どうやらグレちゃったらしいわよぉ。いや、はっきり確 認したわけじゃないんだけどね。
 
という例の場合、果たしてこの康夫クンを“UFO”と呼ぶべきか?という問題が 持ち上がってまいります。賛成派は「この場合、康夫クンは非行しているし、その情報 は未確認であるから、間違いなく“UFO”と呼ぶべきである。」と主張しているわけ でありますが、僕個人としては反対派の「でも“飛行”と“非行”は違う。」という意 見のほうがより説得力があるような気がするんですけどね。成るほど、確かに“非行” というのは“飛ぶ”ものじゃなくて“走る”ものですしね。では“未確認飛行物体”と いう言葉の変わりに“未確認非行物体”という言葉を作ってはどうか?という提案もな されたわけでありますが、いくらグレているとは言え、少年を“物体”扱いするという のはどういうものか。。。という反対意見が出され、じゃ“未確認非行少年”という名 前にしたらどうか?という話になって、でも“非行少年”という言葉は昔からあるぢゃ ん?あ、そっかぁ♪ということになって、結局この論争には終止符が打たれたというこ とであります。実にまあ、どうでもいいことを論争していた人もいるものですなぁ。。 。
 
 では続いて“UMA”。これは“未確認生物”なので、別に空を飛行している必 要はありません。非行に走っている必然性もありません。いや別にネッシーがグレて非 行に走っちゃったりしても、一向に問題はないんですけどね。ただネッシーは一応“水 棲生物”とされているようなので、あまりおおっぴらに野山を走り回られたりするとネ ッシー研究家の立場が台なしになっちゃいますけどね。で、“UMA”はネッシーだけ ではなく、他にもいろいろな生物が確認されているわけですが、いや未確認されている わけでありますが、イッシーだとかクッシーなどと言ったネッシーのパチモンに限らず 、イエティ(雪男)とかビッグフット(デカ足)などと呼ばれているのもそうですし、 ツチノコなんていうのもそうですよね。
巨大蛇ナークは結局のところはニシキヘビでしたし、猿人バーゴンは発見こそされ たものの、その正体はきっぱりと「猿人である。」と断言するにはあまりにも・・・。 というシロモノだったので、“UMA”の一員であると考えるにヤブサカでないと思わ れます。ちょっぴりマイナーなところではヒバゴンとかタキタロウなんていうのもあり ますな。そのうち、タキタロウというのは“おさかな系”の生物らしいんですが、ちゃ んと魚拓も取られておりますし、「焼いて食べたらうまかった。」という証言もありま すので、その生存の信憑性はかなり高いと言ってもいいと思います。
 
 ま、要するに“おさかな系”にせよ“猿人系”にせよ“蛇系”にせよ、未確認で 生物でありさえすれば“UMA”と呼べるわけでありまして、その範疇はかなり広いと 言えるわけでありますが、では“何だかわからないけど、イカの刺身のようなもの”は どうなのかというと、これは“生物(なまもの)”であって“生物(せいぶつ)”では ないので、たぶん駄目なんじゃないカナ?という気がします。で、そんな“UMA”の 一種に中国に住んでいるらしい“野人”というのがいるらしいんですが、“飛行と非行 ”の論争で無駄に行数を費やしてしまったので、その詳細はまた明日。
 
 @ ということでジョー・ヘンダーソンです。ジョー・ヘンと言うと、いつも同 じことばかり書いて恐縮なんですが、いや実はそれほど恐縮なんかしてないんですが、 スイングジャーナルの読書欄に「先月号の表紙はジョー・ヘンダーソンとやらであった 。とってもむさくるしいので、もっとカッコいい人を表紙にしてほしい。」と書かれて いたのを思い出しますね。本人としてもある程度、それほどカッコいいタイプというわ けではないな。。。ということは自覚してたんでしょうが、こうもあからさまに公の場 で断言されると、さすがにちょっと腐っちゃいますよねぇ。。。この投書を目にしたジ ョー・ヘンはグレて非行に走ったと言われておりますが、いや未確認情報なんですけど ね。で、ルックスは極めてまづくても、その演奏スタイルはけっこう好きな人もいるよ うで、僕なんかもけっこう買ってるほうなんですけどね。『ページ・ワン』や『イン・ ン・アウト』あたりのBN盤が人気なのではないかと思われますが、60年代後半には マイルストーンにも吹き込みを行っております。ジャケットの出来が極めてまづいので ポピュラーな人気こそありませんが、演奏自体は極めて良好でございます。で、今日は そんな中から『テトラゴン』というアルバムを取りあげてみたいと思うんですが、どう でもいいけど、何だか怪獣のような名前ですなぁ、テトラゴン。ペンタゴンと言えば五 角形で、テトラと言えばテトラポットでわかるように“4”を意味する言葉なので、テ トラゴンというのはおそらく四角形の意味ではなかろうかと。で、ジャケットには四角 錐のようなものが描かれておりますが、そう言えば謎の猿人の名前はバーゴンでしたよ ね。で、楽器編成はというとシンプルなワン・ホーン・カルテットでありまして、ドン ・フリードマン&ジャック・ディジョネット組と、毛に貼ろう&ルイス・ヘイズ組の2 つのセッションからなっております。ベースは共にロン・カーターですな。ということ で、では1曲目から聴いてみましょうね。
 
 アルバムは「淫靡てーしょん」で幕を開けます。ジョー・ヘンのアルバムで、こ のようなポピュラー・チューンで始まるというのはちょっと珍しいんじゃないですかね ?ドン・フリーマンの弾くイントロがいかにもドン・フリぴょんらしくって、よろしい ですな。続いてジョー・ヘンがわりと素直な感じにテーマ・メロディを歌い上げ、その ままソロへと突入してまいりますが、アドリブに入った瞬間、例の“うねうねスタイル ”が炸裂し、やはりこれは紛れもなくジョー・ヘンのアルバムなんだな。。。というこ とが再確認されます。もう、モロに“うねうね”してますもんね。ビッグ・インディア ンも真っ青?という感じでありますが、やはりビッグ・インディアンは黒でないと精悍 な感じが出ませんよね。ピンク・ゴッドはピンク色でいいんですけどね。
続くドン・フリっちの綺麗なタッチのピアノと好対照をなしていて、なかなかイイ 感じです。ピアノ・ソロのあと再びジョー・ヘンの登場となりますが、ここでの“昇り つめ感”はとっても昇天しちゃっていると思います。
 
 はい、次。「R.J.」はロン・カーターのオリジナルで、マイルスの『E.S.P .』で演奏されていた曲ですな。それほどイケてるとか、イカすといった感じの曲では ありません。ストップ・タイムの用いられたテーマ部からジョー・ヘンのソロへと展開 していくわけですが、ノッケから“うねうね”加減はバリバリ全開ですね。ドン・フリ ちんのコンピングもちょっぴり意味不明で、ジャック・デ・ジョネットのトニーもどき のドラミングはなかなかに快調なれど、全体的には素人ウケのしない演奏となっており ます。さっさと切り上げて3曲目にいっちゃいましょうね。「ザ・ビード・ゲーム」は ジョー・ヘンのオリジナル、というか、テーマらしいテーマもないまま、いきなり壮絶 なアドリブ世界に引きずり込まれてしまう“ザ・忍耐”の世界であります。こういうの もさっさと切り上げて4曲目にいっちゃいましょうね。アルバム・タイトル曲の「テト ラゴン」もジョー・ヘン・オリジナルでありまして、一応はテーマらしいテーマがある 分だけまだマシですかね?とにかく積極的にコメントをしたくなるような演奏でもない ので次にいっちゃいましょう。5曲目の「ワルツ・フォー・ズィーティー」は…、あ、 ここで久しぶりに解説に耐えうる曲が出てまいりましたね。ウォルター・ビショップ・ Jrのオリジナルでありまして、哀愁味を帯びた実に綺麗なメロディの曲でございます 。ソロ先発はドン・フリードマンですが、『サークル・ワルツ』で名高いドン・フリー ドマンだけにワルツは得意であるに違いなく、あ、花粉症でくしゃみがとまらなくなっ ちゃいました。花粉症のくしゃみって風邪のくしゃみと違って発作的だから、舌とか唇 を噛んじゃって大変なんですよねぇ。。。“花粉症ぎゃる”はこの時期、尺八吹奏など は差し控えたほうが賢明ではないかと思われますが、あ、いつの間にかジョー・ヘンの ソロになってますね。ここでの彼は心持ちショーターっぽい感じがしないでもないと思 うんですが、いかがなものですかね?
 
 ということで6曲目。「ファースト・トリップ」はロン・カーターのオリジナル で、この曲、どこかで聴いたことがあるような・・・?とずっと思ってたんですが、先 ほどの「ショーターっぽい」でピンと来ました。確かティモンズの『ザ・ソウル男』に 入ってませんでしたっけね?と思って調べてみると…ぜんぜん入ってませんなぁ。。。 所詮は花粉症ぼーいの記憶など、まったくアテにならないね。。。ということを計らず も露呈してしまいましたが、何だか悔しいので調べてみたところ、あ、そうそう。ハー ビーの『スピーク・ライク・ア・チャイルド』に入ってた曲ですね。う〜ん、すっきり ♪で、すっきりはしましたが曲自体は何だか能天気なナンバーでありまして、大したこ とはないです。ちなみにこの曲と、先ほどの「テトラゴン」と、次に出てくる「愛撫後 藤湯餡堕舞素菌」がケニー・バロン&ルイス・ヘイズ組のセッションとなっております 。ということで「アイヴ・ゴット・ユー・アンダー・マイ・スキン」。ミディアム・フ ァストで料理しておりますが、出だしの部分の吹きっぷりなど、あまりジョー・ヘンら しくないですなぁ。かなり高音部を多様して、何だかアルトのようなトーンになってお ります。ところどころで“うねうね”しかけるあたり、ジョー・ヘンの片鱗は窺えます が、全体的にコーダルな感じのソロですね。ま、たまにはこんなのもアリか?というこ とで、あ、ピアノ・ソロの後はかなりジョー・ヘンっぽくなりますが、それにしても鼻 水(はだびず)ずばずば。。。


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