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【アルバム名】
TOGETHER AGAIN (CONTEMPORARY)
【リーダー名】
T.EDWARDS & H.McGHEE (1961/5/15,17)
【パーソネル】
HOWARD McGHEE (tp) TEDDY EDWARDS (ts) PHINEAS NEWBORN JR. (p)
RAY BROWN (b) ED THIGPEN (ds)
【収 録 曲】
TOGETHER AGAIN / YOU STEPPED OUT OF A DREAM / UP THERE / PERHAPS / MISTY /
SANDY
【内   容】
 “頭寒足熱”という言葉がありますよね。暖房をするときは足元を暖かくして、 頭のほうは涼しくするのが理想的だよねっ♪だって、頭のほうばかりを暖めると、ぼー っとして、のぼせちゃうんだモン♪鼻血だって出ちゃうんだモン♪という意味なんです が、「頭のほうばかりを暖めると、のぼせちゃうんだモン♪」ということは“のぼせる ”という漢字を見ても明らかですよね。“逆上せる”と書いて“のぼせる”と読むわけ なんですが、何だか「“本気”と書いて“マジ”と読む。」みたいですよね。「サカナ 偏に“BLUE”と書いて、鯖。」とか。あ、最後のはあまり本筋とは関係なかったよ うな気もしますが、すなわち“逆上(のぼ)せる”というのは頭に血が上った状態を言 うのでありまして、ではなぜ頭に血が上ったのかと言うと、次の3つの原因が考えられ ると思われます。
 
  1.コーフンしたから。
  2.逆立ちしたから。
  3.頭を暖めたから。
 
 1の場合、ではなぜコーフンしたのか?ということが問題になってくるわけです が、その原因はいくつか考えられると思います。点検費をまけろ!まけん!で言い合い になったとか、WEBサイト上でチャーハンの食べかたにケチをつけられたとか、そう いうあまり好ましくない事態によってコーフンに立ち至るということもあるでしょうし 、「あはん♪」とか「うふん♪」とかやってるうちに、思わずコーフンしちゃったのぉ 。きゃは♪なんてこともあるでしょう。いずれにせよコーフンするとなぜ“逆上(のぼ )せる”のかというと、コーフンする→血圧が上がる→血が頭にのぼる→逆上(のぼ) せるというメカニズムが働くわけですね。
 
 では続いて第2のパターン、“逆立ち”と“逆上”について考えてみましょう。 “逆立ち”と“逆上”。なんだか字面を見ているだけで深い絆で結ばれているような気 がしますよね。でもそれを言うなら“逆上”と“逆上がり”のほうがよりその結び付き が堅固なのではないか?なんかこう、契りを交わしちゃったというか、行き着くところ までいっちゃったというか、そういう関係があるような気がしないか?という意見もあ ると思いますが、確かにそれは正論なんですよね。スリランカは昔、セイロンでしたし ね。ご指摘の通り、逆上がりをしても“逆上(のぼ)せる”という状態は引き起こされ るわけでありまして、しかもその逆上の度合いは逆立ちをしたときよりも激しいという ことが物理学的にも医学的にも証明されております。これはちょっと考えればわかるこ とでありまして、逆立ちをした場合にカラダに作用する物理力は位置エネルギーだけで ございます。すなわち、逆立ちすると頭が足よりも下になるもんだから、水が高きから 低きに流れ下るように体中の血液が頭に集まって、その結果“頭に血が上った”という 状態になって、“逆上(のぽ)せる”という症状が引き起こされるわけですね。では逆 上がりをするといったいどのような物理力が働くのかと言うと、それについて考えてみ る前に、ここらで一度“改行”を入れておきましょうかね。
 
 位置エネルギーと遠心力。結論から述べるとこの2つの力が働いているわけなん ですが、逆上がりをすると、一時的に鉄棒から逆さまにぶら下がっているような状態が 生じますよね?ちょうどコウモリが木からぶら下がっているような格好になるわけです が、ところでコウモリってあんな格好で木からぶら下がってたりして、頭に血が上って 逆上(のぼ)せたりしないんですかね?と思ったら、やっぱり頭に血が上って逆上(の ぼ)せたりしているらしいんですけどね。では何故、頭に血が上って逆上(のぼ)せた りすることがわかっているのに木から逆さまにぶら下がっているのかというと、何も好 きや酔狂でそんなことをしているのではなくて、止むに止まれぬ事情があるらしいんで すけどね。
というのもコウモリというのはいっちょまえに羽根など生やしておりますが、空を 飛ぶ力というのは極めて弱いんだそうです。だから普通のトリのように木の枝にとまっ た状態から空に向かって離陸することが出来ず、仕方がないので木の枝に逆さまにぶら 下がって、空を飛ぶときにはとりあえず枝から足を離し、落ちて地面に叩きつけられる 前に何とか浮力を得て飛び上がろうと。そういうスレスレの人生を送っていたわけなん ですな、コウモリって。
 
 で、逆上がりをすると一時的にコウモリ状態になって頭に血が上ると。それと同 時にぐるぐると回転するもんだから遠心力が働いて、ますます頭に血が集まると。すな わち、逆上がりは位置エネルギーと運動エネルギーのダブルパンチとなって、逆立ちの ときよりもより一層アタマに血が上ることになるわけですが、ま、これは逆上がりに限 らず“前回り”だって同じことなんですけどね。ただ“蹴上がり”の場合は蹴上がると きに頭から血が下がる方向に運動エネルギーがかかるような気がしないでもないので、 逆上がりに比べると逆上(のぼ)せる度合いが少ないような気がするんですけどね。ま 、いずれにせよ逆立ちや逆上がりをすると頭に血が上って逆上(のぼ)せちゃうと。
 
 ということで、では最後の“頭を暖め過ぎて逆上(のぼ)せちゃう場合”であり ますが、このメカニズムは簡単です。これは風呂の湯と同じでありまして、頭を暖める と血が軽くなって、軽くなった血が頭のほうに上っちゃうと。軽くなった血が頭のほう に上って、逆上(のぼ)せちゃうと。逆上(のぼ)せて、鼻血だって出ちゃうんだモン ♪と。風呂に長いこと入っていて逆上(のぼ)せちゃうのも同じメカニズムでしょうね 。この場合は血が暖められて軽くなって頭に上るのと、血圧が上がって頭に血が上るの との相乗効果ではないかと思われますが、ここでふと“逆上(のぼ)せて鼻血が出ちゃ う絶好のぽいんと♪”とでも言うべき場所があったことに思い当たりました。それはい ったいどこなのかというと、世間では一般に“ソー○ランド”と呼ばれているところな んですけどね。ここは昔“ト○コ風呂”という名前で呼ばれていたことでもわかるよう に風呂に入ることになるでしょうし、逆立ちになったり、ぐるぐる回ったりというよう なプレイが展開されることも想像されます。無論、コーフンだってしちゃいます。これ はもう“逆上(のぼ)せの3大要素♪”をくまなく兼ね備えていると言えるわけであり まして、僕の学説が正しければ「入って数分で鼻血ブー♪」ということになるハズなん ですけどねー。それを確かめるため、自らの身を犠牲にしてでも一度“ソ○プランド” というのを体験してみるべきではないか?と思わずにはいられません。
 
 @ ということでテディ・エドワーズです。何が「・・・ということ」なのかよ くわかりませんが、このテディ・エドワーズという人に関しても、その素性は寡聞にし てよくわかっておりません。少なくとも僕はあまりよく知りません。唯一、知識として 持ち合わせているのはブラウン=ローチの『イン・コンサート』の古いほうのセッショ ンに参加していたな。ということぐらいでありまして、後任のハロルド・ランドと同じ く、西海岸を活動拠点にしていたため、日本ではあまりなじみのない存在になってしま ったのではないかと思われます。スタイル的にはロリちゃんの流れを汲むハード・バッ パーでありまして、“西海岸のロリンズ”と呼ばれていたのはこの人でしたっけね?で 、コンテンポラリーを中心に何枚かのリーダー作が輸入盤でCD化されておりまして、 このコーナーでも取り上げられて、今回と同じよーなことを書いていたのではないかと 思われますが、この『トゥゲザー・アゲイン』というアルバムはハワード・マギーとの 双頭コンボの作品であると言ってもよろしかろうと。ジャケットに書かれている名前の 文字サイズも同じだし、写真だって2人で仲良く写ってますよね。それに合わせてジャ ケットには3種の楽器を吹くラティーフの“3つの顔”があしらわれております。余計 なことをすな!と、僕は言いたいです。ジャケ絵を書くのが面倒やちゅーねん。。。で 、リズム・セクションはフィニアス・ニューボーンJr、霊ブラウン、江戸シグペンと 、なかなか興味深いメンツが揃っております。ということで、んじゃ、1曲目から聴い てみようね。
 
 1曲目のタイトル曲「トゥゲザー・アゲイン」はエドワーズのオリジナルです。 「もう一度、一緒に♪」というタイトルからすると、この2人は旧知の間柄なんでしょ うな。相方のハワード・マギー史郎はバップ期に活躍したトランペッターなんですが、 “らりらり♪癖”がタタって、貴重な青年期を棒に振っちゃった人ですよね?が、中年 になってカムバックして、じゃ、子供の頃よく一緒にお医者さんごっこをして遊んだテ ディのエドちゃんと、また一緒にプレイしてみるぅ?というので作られたアルバムなん でしょうね、恐らく。で、曲のほうはラテン風のノリと、そこはかとない哀愁を感じさ せるファンキーなナンバーでありまして、なかなかいい感じだよね?ソロ先発はマギー で、僕はこの人のプレイはほとんどカムバック後のものしか聴いたことがないんですが 、ケニー・ドーハムに通ずる“四畳半的”な要素を感じさせるところがありますよね? 昔はもっと先鋭的だったのかも知れませんが、60年代のマギーはいい意味での“枯淡 ”を感じさせます。マイルスからの逆影響もあるんですかね?とか書いてるうちにテデ ィ・エドワーズのソロになりましたが、こちらはとっても豪快な郷ひろみ。とでも言う べき、力強いブロウを披露しておりますな。ワイルドなんですがアーシーではなく、ソ ウルというより純正ハード・バップを感じさせるスタイルでございます。やっぱイイで すなぁ、テディ・エドって。フィニアスのピアノもコンピングではファンキーに、ソロ ・パートでは端正に、十分にそのテクニシャン鰤を聴かせてくれております。続くレイ ・ブラのピチカート・ソロも強力無比で、マギーとエドワーズのソロ交換も実にオトナ の味わいです。以上、とってもよい演奏でした。
 
 2曲目はスタンダードの「夢から醒めて」。僕はこの頃、わりと“すけべ系の夢 ”を見ることがありまして、どうせ夢だから何をしてもいいや♪とか思いながら、あん なことや、こんなことをやってるうちに夢から醒めちゃうんですけどね。で、ここでは マギーのミュート・プレイをフィーチャーしたナンバーとなっておりまして、ラテン風 のリズムを用いた導入部から、やがておなじみのテーマが登場して、わりとシンプルな 伴奏をバックにしたマギーのテクニカルなソロが展開されます。ミュート・プレイだけ に一聴するとマイルス風でありますが、テクの上ではマギーのほうが数段上ですな。も う、スーダン人も大満足。しばらくマギーの独断場が続いて、ここでようやくエドワー ズの出番となりますが、彼だって負けてはおりません。淀みのないフレージングで大い に聴かせてくださいます。ということで3曲目。「アップ・ゼア」はレイ・ブラウンの オリジナルで、とってもアップ・テンポなナンバーでございます。ソロ先発はエドワー ズで、とってもワイルドでございます。続くマギーは2曲目に続いてミュート・プレイ でありまして、ま、“舅ぷれい♪”よりは数段ソソられるものがありますけどね。
 
 はい4曲目。「パーハップス」はたぶん「たぶん」という意味でありましょう。 たぶんパーカーの曲でありまして、またしてもミュートのマギーとエドワーズのユニゾ ンでテーマが演奏されます。ソロはワイルドなエドワーズ(←そればっかり。。。)テ クニカルなフィニアス(←そればっかり。。。)と続きますが、ここでのフィニアスの プレイは“彼らしい”といえば正にその通りなんですが、特に後半はちょっぴりフィニ アスに走り過ぎぃ。。。という気がしないでもありません。続くマギーはソロではオー プンにしておりまして、まあまあかな?といったプレイを展開しております。レイ・ブ ラウンのピチカート・ソロも聴けます。ということで、あと2曲ですな。5曲目の「ミ スティ」はおなじみエロ系ピアニスト、エロエロ・ガーナの代表作で、最も日本人ウケ のするスタンダードのひとつでございます。日本人がプロデュースするスタンダード曲 集では必ずと言ってもいいほど取り上げられる曲でありますが、本家アメリカではピア ノ以外で演奏しているバージョンは以外に少ないのではないかと。で、エドワーズはス トレートにしみじみとテーマを歌いあげております。ちなみにマギーはこの曲ではお休 みです。
さ、あと1曲ですな。「サンデイ」はエドワーズのオリジナルで、ちょっぴりメロ ディのわかりにくい曲であります。変則ラテン・バップとでも申しましょうかね?ソロ はマギー、エドワーズ、以下略という順番となっております。テーマがちょっぴり変な ので、それを踏襲したソロもちょっぴり変ですなぁ。。。エド・シグペンは何だかノッ ちゃってますけどね。ということで、全体的にはまあまあカナ?といった感じの1枚で した。おわり。


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