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- 【アルバム名】
- ON THE TRAIL (RIVERSIDE)
- 【リーダー名】
- JIMMY HEATH (1964)
- 【パーソネル】
- JIMMY HEATH (ts) KENNY BURRELL (g) WYNTON KELLY (p) PAUL CHAMBERS (b)
- ALBERT HEATH (ds)
- 【収 録 曲】
- ON THE TRAIL / CLOAK AND DAGGER / VANITY / ALL THE THINGS YOU ARE /
- GINGERBREAD BOX / I SHOULD CARE / PROJECT S
- 【内 容】
- 先日、何気なく新聞のテレビ欄を見ていたら「キティちゃん通選手権」という文
字が飛び込んでまいりました。いや、テレビ東京系の『TVチャンピオン』という番組
なんですけどね。「…という番組」などという書きかたをしなくても誰でも知っている
と思いますが、よく「大食い選手権」とかをやっている番組です。僕は基本的にはほと
んどテレビを見ない生活を送っているんですが、いや“すけべサイト”のチェックに忙
しくてテレビなど見ている暇がないというのがその理由なんですが、「キティちゃん」
となれば話は別です。以前このコーナーでも取りあげたことがありますが、このところ
僕は「ハローキティ地域限定ピンバッジ」の収集に血道をあげておりまして、あるいは
それに関する情報が得られるのではないか?という期待を胸に、その番組をビデオ録画
したんですけどね。テレビ東京系というと、こちらではテレビ愛知ということになりま
す。チャンネルで言うと“25”ですね。ちなみに名古屋地区ではテレビのチャンネル
はすべて奇数番号になっております。
-
- 1:東海テレビ(フジテレビ系)
- 3:NHK総合
- 5:CBC(TBS系)
- 9:NHK教育
- 11:名古屋テレビ(テレビ朝日系)
-
- で、UHFのほうは
-
- 25:テレビ愛知(テレビ東京系)
- 35:中京テレビ(日本テレビ系)
-
- となっておりまして、三重県ではさらに
-
- 33:三重テレビ(テレビ東京系)
-
- というのも映ります。だから名古屋よりも1チャンネル多いわけなんですが、この
放送局は『三重ちゃった』などというローカル番組を除けばほとんどテレビ愛知と同じ
番組をやっているので、あまり意味はないんですけどね。ぜんぜん見てないですからね
、『三重ちゃった』。で、VHFほうは1、3、5、9、11と奇数番号が並んで、7
だけが欠番となっております。そのため、リモコンのボタンにUHFの放送を割り当て
る場合、この地方の家庭では中京テレビを“7番”にしている家庭が多いのではないか
と思われます。正式に統計をとったわけではないんですが、おそらくそうなっている筈
です。そうするとなんとなく“納まり”がいいですもんね。で、テレビ愛知のほうは昔
の“東京12チャンネル”のイメージから“12番”に割り当てている家庭が多いので
はないかと推測されます。となると、三重テレビはどうすればいいのか?という問題が
起こってくるわけなんですが、基本的にどうでもいい放送局なので、適当に空いた番号
に割り振っておけばいいのではないかと。ちなみに僕のテレビでは“4番”になってお
ります。
-
- で、僕は子供の頃、テレビのチャンネルが奇数ばかりなのは、日本民族の“奇数
好き”と何か関連があるのではないか?と思って、いろいろと調べてみたんですけどね
。夏休みの自由研究にしようか?とも思ったほどなんですが、確かに日本人というのは
奇数を好む国民でありまして。例えば年中行事を見ても、1月1日は元旦、3月3日は
雛まつり&耳の日、5月5日は子供の日、7月7日は七夕&ひなのちゃん誕生日♪と、
奇数月の奇数日ばかりが特別扱いされてますよね。対して2月2日とか、4月4日とか
、6月6日とかは何にもありません。辛うじて8月8日がそろばんの日&塩サバ2号誕
生日♪、10月10日が体育の日&目の愛護デー&さみをちゃん誕生日♪となっており
ますが、そろばんのほうは“ぱちぱち”の語呂合わせだし、目の愛護のほうは10月1
0日を
-
- 一 一
- 0 0
-
- と書くと“眉毛と目”に見えるよね♪という、ほとんど顔文字 (^o^) 並みの発想
で制定されたもので、歴史的・文化人類学的な意味合いはまったくといっていいほどあ
りません。体育の日だけは何やら曰くありげですが、これだって東京オリンピックの開
会式の日であるに過ぎません。
- で、なぜこの日が東京オリンピックの開会式の日に選ばれたかというと、この日は
晴れる確率が極めて高い気象学上の“特異日”だったからで、あまり深い意味はなかっ
たものだから“ハッピーマンデー制”によって10月の第2月曜日(だっけ?)に変更
になっちゃいました。とまあ、年中行事の観点からも日本人が昔から奇数を重んじてき
たことは明らかでありますが、その極め付けが“七五三”ですよね。子供が3歳、5歳
、7歳になったことをお祝いする行事なんですが、何故“七五三”であって、“六四二
”ではないのか?これなど、日本人が奇数好きであるということ意外に説明する手だて
がありません。これは文学・芸能の世界にも当て嵌まりまして、俳句は575だし、短
歌は57577だし、都都逸は7775だし、演歌の世界を見ても“7775”の都都
逸パターン、もしくは“7575”というリズムの歌は極めてポピュラーなものとなっ
ております。例えば三重が生んだ偉大な演歌歌手、三重テレビでは北島三郎よりも偉い
と言われている鳥羽一郎の代表作「兄弟船」は
-
- 波の谷間に 命の花が ふたつ並んで 咲いている〜♪
-
- と、“7775”の都都逸パターンになっております。都はるみの「アンコ椿は恋
の花」は曲名自体も七五パターンですが、歌詞のほうは
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- 3日遅れの 便りを乗せて 船はゆくゆく 春みなとぉ〜♪
-
- と、歌詞のほうは都都逸パターン。同じ都はるみでも「北の宿から」は
-
- あなた変わりは ないですか 日ごと寒さが 募ります〜♪
-
- の七五パターンなんですが、いずれにせよ5と7という奇数が基調になっているこ
とには違いなく、演歌の世界を見ても日本人の奇数好きは疑いのない事実であると断言
せざるを得ません。それでもまだ「そうかぁ?」とか言ってる人はお正月に百貨店で買
う福袋のことを考えてみてください。福袋というのはたいてい“3000円のもの”と
“5000円のもの”と“10000円のもの”の3種類が用意されてますよね。20
00円の福袋ってあるかぁ?ま、それは無いこともないような気もしますが、4000
円の福袋ってあるかぁ?つまり、福袋を見ても日本人の奇数好きが反映されているわけ
でありまして、だからテレビのチャンネルも日本人に好まれるようにとの願いを込めて
、1・3・5・9・11という奇数が選ばれているのである。と、B紙の一番下の「結
論」というところにマジックで書いて自由研究は見事に完成したわけですが、夏休みの
家族旅行で旅館のテレビを付けた瞬間、「日本には奇数でないテレビのチャンネルもあ
る。」という事実を思い知らされ、『日本人とテレビのチャンネルに関する研究』は頓
挫したのでありました。
-
- @ ということで本日はジミー・ヒース。あ、「キティちゃん通選手権」に関し
てはまた日を改めて言及してみようと思っておりますが、ジャズ界の3兄弟と言えば何
といってもハンク、サド、エルビンの“ジョーンズ3兄弟”が有名ですよね。地味なと
ころではピート、コンテ、シノブの“カンドリ3兄弟”なんていうのもありますが、本
日の主人公、ジミー・ヒースもパーシー、ジミー、アルバートの“ヒース3兄弟”の一
翼を担っております。で、ジミー・ヒースはテナー奏者なんですが、こと日本ではそれ
ほど人気がなく、ま、ハロルド・ランドやチャーリー・ラウズと同レベル?といった程
度の扱いですよね?イリノイ鮭師匠もはっきりと「B級テナー」と断言してましたが、
フレーズをコピーしやすいので真似するにはいいんだそうです。で、彼の場合はテナー
奏者というよりむしろ作編曲家として評価されるべきなんですが、同じテナー奏者兼作
編曲家のベニー・ゴルソンに比べ、こと日本での評価は今ひとつであると言えましょう
。僕は好きですけどね、ジミー・ヒースのアレンジ。ウチの婆ちゃんは麒麟児が好きで
したけどね。で、彼のリーダー作というと3管や4管編成のアレンジを重視したものが
多いわけなんですが、その中でこの『オン・ザ・トレイル』というアルバムはギターと
キダ・タローが入ってこそすれシンプルなワン・ホーン編成ととなっていて、作編曲家
としてよりもむしろテナー奏者としてのジミー・ヒースにスポットを当てた作品と言っ
てもいいでしょう。ということで、んじゃ1曲目から聴いてみましょうね。
-
- 1曲目はタイトル曲の「オン・ザ・トレイル」。この曲はウイントン・ケリーの
『イッツ・オール・ライト』というアルバムでも演奏されてましたよね。ジミー・ヒー
スの『オン・ザ・トレイル』は輸入盤のCDを買ったので、ライナーノートが英語で書
いてあります。困ったことです。その点、『イッツ・オール・ライト』は日本盤のCD
を買ったので、ライナーは岩浪洋三センセが書いております。いいことです。よってケ
リー版のほうのライナーを引用させていただきますが、ファーディ・グローフェの組曲
『大渓谷』のなかでいちばん親しまれている曲だそうです。確かにどっかで聴いたこと
のあるようなメロディですな。ちなみにケリー版では「山道を徃く」という邦題になっ
ておりますが、試しに“trail”を辞書で調べてみると「引きずる」とありました。な
るほど、トレーラーの“trail”ですな。で、他にも「野原や山の小道」という意味も
あって、よって“on the trail”=「山道を徃く」となったのでありましょう。んで、
ケリー版がチェンバース、ジミー・コブとのトリオにケニー・バレルのギターとキャン
ディドのコンガが加わった編成だったのに対し、ジミー・ヒース版のほうはバレル、ケ
リー、チェンバース、アルバート・ヒースというメンバー。で、ケリー版の録音が19
64年の3月であるのに対し、ヒース版は1964年の春(詳細は不明)となっていて
、この2つのバージョンはほとんど“姉妹編”と言ってもいいのではなかろうかと。で
、長々と説明したわりには曲自体は何だか能天気なナンバーでありまして、ま、ヒース
のソロはかなり快調と言ってもいいと思うんですけどね。テーマの吹奏自体はゆったり
めのミディアムなんですが、アドリブに入るとかなり細かいフレージングで頑張ってお
ります。以前、僕はジミー・ヒースのスタイルを「淡泊なデクスター・ゴードン」もし
くは「粘り気のないデックス」と称したことがありますが、まさしくそんな感じであり
まして、言い得て妙といったところですかね?(←自画自賛。)ケリーとバレルのソロ
も聴けます。ケリー版はバレルがかなりフィーチャーされた形になっていたので、聴き
比べてみるのも一興でありましょう。月の家は円鏡ですけどね。
-
- はい2曲目。「クローク・アンド・デジャー」はヒースのオリジナル。「袖なし
外套と短剣」とはいったいどういう意味か?と思ったら“cloak-and-dagger”で「スパ
イ物」というような意味があるんですな。梅干しとかレモンとか?それは「すっぱいも
の」。基本的なボケでしたが、言われてみれば確かにスパイ物っぽいムードの曲であり
ますな。ケリーの弾くイントロがスパイ・スパイしてますし、テナーとギターのユニゾ
ンで演奏されるテーマもスパイ・スパイしております。で、テーマの後、すぐにベース
のソロになるあたり、いかにもスパイ・スパイしてますなぁ。弓好きのチェンバース君
ですが、ここではピチカートに専念していて、とっても千年灸でございます。続いてヒ
ースがとってもわかりやすいフレージングのソロを披露しております。ドライブ感に溢
れたとってもよいソロだと思います。続いてバレルがソロを披露しております。続いて
ケリーがソロを披露しております。やっぱりケリーはいいですなぁ。ということで3曲
目。「ヴァニティ」は原文ライナーを解読したところ、数年前のサラ・ヴォーンのヒッ
トだそうです。バラードでありまして、テナーとギターのデュオで演奏されております
。『ケニー・バレル・アンド・ジョン・コルトレーン』というアルバムに入っていた「
ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?」を彷彿させますね。「どうして僕は生まれたの?」っ
て、パパとママがやっちゃったからでしょうね、やはり。後半にはピアノ、ベース、ド
ラムスの3人も加わります。以上、ヒースの歌心の感じられる1曲でした。
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- 続いて4曲目は「オール・ザ・シングス・ユー・アー」。ミディアム・ファスト
のスインギーなナンバーに仕上がっております。ヒースのソロはよく歌っております。
そろそろ書くことがなくなってきたので原文ライナーを引用すると、ストレート・アヘ
ッドで、エニシング・バット・ハックネイドであると。
- “hackneyed”とは何かと思ったら「使い古した」とか「ありふれた」という意味
でありました。「ストレート・アヘッドであるが、決して使い古されたものではない。
」というようなことを言いたかったんでしょうな、ダン・モーゲンスタイン君は。はい
次。5曲目は「ジンジャーブレッド・ボックス」とクレジットされていますが、紛れも
なくマイルスなども演奏しているヒースの代表作「ジンジャーブレッド・ボーイ」でご
ざいます。“BOX”と“BOY”は似てますもんねー。間違っちゃうのもうべなるかな。有
名なんですが、決して解りやすい曲ではなく、どちらかというと変な曲なんですが、ケ
リー、バレルといったメンバーのおかげでマイルス版に比べるとまだポピュラーな仕上
がりになっております。で、ダン・モーゲンスタイン君の原文ライナーにはデクスター
・ゴードンやジョン・コルトレーンの名前が上げられていて、僕が直感で思った「粘り
のないデックス」というのは、まんざらデタラメでもなかった模様です。ここではどち
らかというとプレスティッジ時代のコルトレーンの影響が強いようですけどね。
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- はい、残すところあと2曲。6曲はスタンダードの「あ、異臭と毛や」もしくは
「哀愁土建屋」。テナーではモブレイが『モブレイズ・セカンド・メッセージ』で味の
あるプレイを披露しておりましたが、このヒース版もなかなかですな。ここでのヒース
のプレイはやはりプレスティッジ時代のコルトレーンの影響を感じさせます。はい、ラ
スト。「プロジェクトS」はヒースのオリジナルで、いかにもヒースらしい仕上がりに
なっております。以上、こういうストレートなジミー・ヒースというのはあまりくどく
なくて、とっても良好だったと思います。あ、ところでJ.J.ジョンソンって自殺した
んですか?
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