【アルバム名】
REACH OUT! (BLUE NOTE)
【リーダー名】
HANK MOBLEY (1968/1/19)
【パーソネル】
WOODY SHAW (tp,flh) HANK MOBLEY (ts) GEORGE BENSON (g)
LAMONT JOHNSON (p) BOB CRANSHAW (b) BILLY HIGGINS (ds)
【収 録 曲】
REACH OUT I'LL BE THERE / UP OVER AND OUT / LOOKIN' EAST /
GOIN' OUT OF MY HEAD / GOOD PICKIN'S / BEVERLY
【内   容】
 下痢です。下痢の時は下痢のこと以外に何も考えられないので、今日は下痢ネタ です。題して「下痢便と和田勉」。いかにもくだらないネタでありますが、いや、くだ っているからこそ下痢便なんですけどね。
 
 ところで、どうして下痢のことを“くだる”というんでしょうね?下痢便が上か ら下に、急転直下の勢いで下っていくからですかね?そういえばゲロを吐くことをウチ のほうでは“あげる”と言ったりしますが、もしかしてこれは方言ですかね?ちょっと 気になったので「上げる」という単語を国語辞典で調べてみたんですが、
 
(ア)低い所から高い所へ移す。「棚の上に上げる」
(イ)空中高く位置させる。「アドバルーンを上げる」
(ウ)陸上に移す。
(エ)水中からとり出す。「湯から上げる」
(オ)室内に入れる。「客を座敷に上げる」
(カ)からだ、またはその一部を高くする。
(キ)収益を収める。「利益を上げる」
(ク)吸い上げる。
(ケ)高所にかかげる。
(コ)吐く。もどす。「酒に酔って上げる」
 
あ、ありましたー。「酒に酔って上げる」なんて書くと、ぜんぜんゲロを吐いてる ような感じがしませんけどね。「酒に酔ってもどす」だと、少しはゲロを吐いているよ うな感じがしますけどね。「酒に酔ってゲロを吐く」だと、更にゲロを吐いている感じ が強くなりますね。で、人があげたり、もどしたり、ゲロを吐いたりするにのは何も酒 に酔ったときばかりでなく、風邪をひいて気分が悪くてもあげたり、もどしたり、ゲロ を吐いたりしますし、牡蛎にあたってもあげたり、もどしたり、ゲロを吐いたりします よね。で、その“あげたり、もどしたり、ゲロを吐きたくなる気持ち”のことを専門用 語では“吐き気”というわけでありますが、吐き気というのはいったいどのようなメカ ニズムで起きるのでありましょうか?で、吐き気がした場合には大人しく吐いちゃった ほうがいいんでしょうか?それとも我慢してゲロを飲み込んじゃったほうがいいんでし ょうか?ゲロなんか飲み込んじゃうと気持ちが悪くなってゲロを吐きたくなっちゃうの で、ここはやはり大人しく吐いちゃったほうが得策ではないかと思うんですが、そもそ もゲロは、どうしてゲロというんでしょうね?で、色々と調べてみたところ、どうやら 症状の順番にポイントがあるようで、例えば牡蛎にあたった場合にはまず下痢の症状が 出て、続いて吐き気がして“あげる”、もしくは“もどす”ということになるそうです 。だから下痢(ゲリ)の次に来る症状のことを“ゲロ”(←五十音順)と呼ぶようにな ったわけなんですな。“ゲリ”の次なら“ゲル”ぢゃないのか?という反問もあるでし ょうが、そういう細かいことを言って僕の学説にケチを付けるような人は妖怪人間のこ とを考えてみてください。ベム・ベラ・ベロ。“ベラ”の次なら“ベリ”になってもよ さそうなものですが、3つもとばして一気に“ベロ”までいっちゃってます。“ゲリ” の次が2つ飛ばしの“ゲロ”になったところで、いったいどのような不具合が生じると いうのでありましょうか?
 
 はい、では続いて“吐き気”と“八卦”と“はっけよい”の因果関係について調 べてみましょう。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉がありますよね。「ト ンカチで膝を叩いても、ぴょんと足が上がらないのは脚気」という言葉もあります。な んだか妙に長ったらしくて、説明的でリズム感も悪いので、もっと簡潔な言い回しはな いですかね?「上がらぬは脚気」。これでいいですかね?で“脚気”のほうはさておい て、“八卦”の意味を辞書で調べてみると「易の8種類の形。うらない。」とありまし た。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というのは占いの時に言われる言葉なんですが 、ただ「当たるも占い、当たらぬも占い」と言ってるだけのことだったんですな。もう 少し詳しくいうと、人間には8つの“ケ”があるんだそうでありまして、鼻毛、腋気、 胸毛、チン・・・って、いや、そういうことではなくて、陰陽五行説に関係があるんだ そうですけどね。
アタイのお小水、飲んでもイイよぉ。でも一升の半分までネ♪…って、それは“飲 尿五合”。そんなに飲みたくはありません。ま、いいとこ2合まで?って感じなんです が、ちなみに“陰陽五行説”というのは“陰陽”と“五行”の2つのパートから成って おります。そのうち“陰陽説”というのは、世の中は“陰”と“陽”という相反する二 つの原理から成り立っているとする説でありまして、成るほど、世の中には陽気な人も いれば、陰気な人もいますよね。写真の世界にも“陰画”と“陽画”というのがありま す。英語でいうと“ネガ”と“ポジ”ですな。“negative”を正しく“ネガティブ”と 発音出来るか“ネガチブ”と言っちゃうかで人間を“やんぐ”と“やんぐでない”に分 類することが出来るわけでありますが、確かに世の中は何事でも2つに分類することが 出来ますよね。だから一見すると“陰陽説”というのは正しいように思われますが、「 例外のない規則はない。」というのも事実でありまして、“陰陽説”が当て嵌まらない ものもあるんですよね。例えば“毛”。“陰毛”というのはあっても“陽毛”というの はありません。医学用語に“陰洗”という言葉はあっても“陽洗”という言葉はありま せん。あやうし、陰陽説!ということで、明日は「“あやうし”と“ウミウシ”」とい うテーマについて考えてみたいと思います。じゃ。
 
 @ さて、ハンク・モブレイです。このところずっと現場労働が続いておりまし て、現場労働というのは基本的にぼーっとしているか工事写真を撮っているわけなんで すが、“光二写真”(もろ♪)なんてのはあまり撮りたくないですなぁ。いや、某・海 藻系青年の本名なんですけどね。で、現場にいると原稿が書けなくて更新が滞りがちで 、すまんこってす。あ、そういえば少し前に「すまんこってす。おめこぼしを。」など というタイトルのカキコがありましたね。あまりにもけしからんので直ちに削除しよう と思ったんですが、それはともかくハンク・モブレイです。この人はBNに腐るほどリ ーダー作を残していて、その数は恐らくブレイキーのJ.M.やリー・モーガンに匹敵す るのではないかと思いますが、この『リーチ・アウト』というアルバムはその中でもか なり後期の録音でございます。1968年というと、ちょうど僕の生まれた年ですね。 BNもこのあたりになるとジャケのセンスがダサダサで、何だか「ニタリ貝を見てニタ ニタしている現場労働のおっさん in パリ」という感じでありますが、ギターに情事 便槽(←汚物ぷれい♪)なんて人が入っているのもポイント低いですね。辛口の菊正宗 ファンには「なーんだぁ、ジョー・ベンかぁ。。。」と馬鹿にされること請け合いなん ですが、いや、この頃のジョージ・ベンソンは割りと真面目にジャズ・ギター弾いてる んですけどね。で、個人的には弱視エイズ地下鉄轢禍片腕切断トランペッター@ウディ ・ショウくんの参加が嬉しいところなんですが、とにかくまあ1曲目から聴いてみまし ょうね。
 
 アルバム・タイトルにもなっている「リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼア」は 、フォー・トップス66年のナンバー・ワン・ヒットだそうです。目指せ!ポップ・チ ューンをプレイするポップな中年♪というところなんでしょうが、これでまだ一段と辛 口ファンの不興を買うことでありましょう。演奏はベンソンのギターで幕を開けますが 、典型的なジャズ・ロック風のサウンドとなっております。やっぱりジャケットでモブ レイがニヤケていたとおりのアルバムかぁ。。。と思っているうちにモブレイが登場し ますが、そのソロは意外とハードであります。ちょっぴりモーダルな感じもありますよ ね。で、続いては期待のウディ・ショウくんのソロなんですが、まずまずかな?と言っ たところですかね。ラモント・ジョンソンのブロック・コード多用の藤山甘美なソロが あってテーマに戻るわけですが、ベンソンがメロディを提示する導入部と違い、今度は メンバー全員のユニゾンとなっております。各自のソロが短めで、ちょっと物足りない かな?という気もしますが、ま、ジャズ・ロックだからこんなものでしょう。
 
 はい2曲目。モブレイのオリジナル「アップ・オーヴァー・アンド・アウト」は 期待の新鋭テナー奏者(なのか?)のエリック・アレクサンダーが取り上げてアルバム ・タイトルにしたことで有名なナンバーですね。1曲目のジャズ・ロックに落胆し、思 わず落雁を買いに和菓子屋さんへ走っちゃった辛口ファンも納得のハードでモーダルな ナンバーでございます。辛口のファンがどうして甘い落雁なんか買いにいくのだ?とい う問題はさておき、テーマ部こそちょっぴりファンキーな薫りもありますが、ウディ・ ショウ、モブレイと続くソロは新主流派そのものと言った感じで、とってもハードでよ ろしいですなぁ。モブレイのモード奏法はマイルスの『サムデイ・マイ・プリンス・ウ ィル・カム』の頃はさっぱりでしたが、ここに来てようやくモノになったようでありま すな。ジョージのベンちゃんだって頑張ってるし、1曲目ではただ甘美なだけだったラ モント・ジョンソンも今度はシングル・トーン中心にハービー・ハンコック風のプレイ を展開しており、良好です。ビリー・ヒギンズの活躍も大江光りますね。ジャケットで ニヤケているからと言って、馬鹿にしてはいけませんなぁ。ということを感じさせられ る1曲でありました。モブレイのオリジナルが続いて、3曲目は「ルッキン・イースト 」。ミディアム・テンポのハード・バピッシュな佳曲でありますが、モブレイのソロは モーダルであります。タラを干して棒状にしたものは棒鱈(ぼうだら)ですけどね。三 河人の友達も「タラを干して棒状にしたものは棒鱈(ぼうだら) だらぁ。」と言って おりましたが、ウディ・ショウのエネルギーに溢れ楽しげでブラスならではの誇らしげ なサウンドと、ジョージ・ベンソンによる力強いメローなプレイも楽しんで頂きたいと ナット・ヘンホフは言っております。
 
 はい4曲目。「ゴーイン・アウト・オブ・マイ・ヘッド」はリトル・アンソニー &ジ・インペリアルズやセルジオ・メンデス&ブラジル66などで知られるポップ・チ ューンだそうです。リトル・アンソニー&ジ・インペリアルというのは寡聞にしてよく 知りませんが、セルジオ・メンデスという名前は聞いたことがありますな。通称を“セ ルメン”と言って、私の名前は〜、セルメンでっす♪という有名なヒット曲のある人だ ったと思います。で、ここでのモブレイ一味は親しみやすいメロディのこの曲をジャズ ・ボッサ風のリズムで演奏しており、とってもいい感じに仕上がっております。ナット ・ヘンホフはジャッキー・マクリーンの口を借りてモブレイのリリシズムについて言及 しておりますが、なるほど、ここでの哀感を湛えたハンクのプレイはリリシズムと呼ぶ にふさわしいと言えましょう。僕は・・・えーと、“○○○ズム”で何かボケようと思 ったんですが、特に思い浮かばなかったので次の曲にいきましょう。「グッド・ピッキ ンズ」は3つ目のモブレイのオリジナルで、ベンソンとホーンの掛け合いのような形で テーマが演奏されます。・・・。えーと、“ベンソンとの掛け合い”から“便の掛け合 いネタ”へと話を展開しようと思ったんですが、いい言葉が思い浮かばない今日の僕っ てば、ちょっぴりスランプ。。。で、いつもわりと理知的なプレイをするウディ・ショ ウがここではヒップなソロを披露していて、面白いですね。わははははははは。
 
 はいラストです。「ビヴァリー」はピアニストのラモント・ジョンソンのオリジ ナルで、前田美波里に捧げられたナンバーでしょうな、おそらく。とっても前貼りで面 白いですね。わはははははははは。ゆっくりめのジャズ・ロック調のナンバーで、ファ ンキーな薫りもするグルーヴィーなナンバーです。モブレイのソロはモーダルです。・ ・・って、だんだん書くことがなくなってきましたな。あ、ジョージ・ベンソンがかな りいいソロを披露しておりますな。ウディ・ショウも頑張っておりますな。ピアノのソ ロにホーンのリフが絡むあたり、ヒジョーに格好いいですな。ということで、いかにも “BN4000番台後半モノ”らしいジャズ・ロック調あり、新主流派風あり、ボサノ バ風あり、モハメド・アリ、雨宮白蟻の1枚でありました。おしまい♪


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