【アルバム名】
SIZZLIN’ (PRESTIGE)
【リーダー名】
ARNETT COBB (1960/11/30)
【パーソネル】
ARNETT COBB (ts) RED GARLAND (p) GEORGE TUCKER (b) J.C.HEARD (ds)
【収 録 曲】
SWEET GEORGIA BROWN / BLACK VELVET / BLUE SERMON / GEORGIA ON MY MIND /
SIZZLIN' / THE WAY YOU LOOK TONIGHT
【内   容】
ゲームの名称:『ザ・回転寿司』
 
ゲームの概要:『寿司ポンジャン』と『坊主めくり』を組み合わせた画期的でオリ ジナリティに溢れた、まったく新しいタイプのゲームです。
 
     ※
 ということで、『ザウルスMOREソフトコンテスト』応募用の新しいゲームの 誕生です。いやー、『寿司ドンジャラ』などとボケをかましながら、影でしっかり構想 を練っていたんですなぁ。たいしたものです。牌のグラフィックだってしっかり作って あります。『寿司ポンジャン』の牌をデジカメで撮影して加工しただけなので、バレた らsユージンに怒られるかもしれませんが、友人なんだから大目に見てくださいね。で 、ゲーム盤のデザインも考えておきました。ザウルス用のお絵かきソフトは何度も書き 直しているうちに色がくすんでくるのが欠点でありまして、何だかぼーっとした仕上が りになっておりますが、このあたりは本番で塩サバ2号が何とかしてくれるでしょう。 で、『寿司ポンジャン』を『ザ・回転寿司』に改良するにあたって、牌の種類を少し変 更しました。まず「いかグループ」なんですが、安っぽいほうから順に“げそ”“いか ”“アオリイカ”だったんですが、この“アオリイカ”を廃止しました。だって、これ だけカタカナで5文字あって、バランスが悪かったんだもん。。。で、何かいい名称は ないものかと考えたあげく、とっても高いイカということで“高いか”ということにし ておきました。これで寿司屋へ来たおじさんも「“高いか”は高いかー?」というとっ ておきのギャグで、連れてきたOLさんに大ウケすることは間違いなし。こんなところ にまでゲーム・プロデューサの細かい気配りが感じられるのであります。グランプリを 取るためには、こういう細かい点が意外と大切なんですよねー。が、あまりにも今ひと つなネーミングなので、ここで業務連絡。水産系@ごんあじ姫。何かいい名前のイカが ありましたら、ご教示くださいませー。
 
 ま、「いかグループ」はたいした問題ではなくて、『ザ・回転寿司』になって大 きく変わったのが「まぐろグループ」と「大衆魚グループ」でございます。『寿司ポン ジャン』では“赤身”“中トロ”“大トロ”が各3枚ずつとなっていた「まぐろグルー プ」は『ザ・回転寿司』では“トロ”9枚に一本化されました。同じく“いわし”“さ ば”“あじ”となっていた「大衆魚グループ」は“さば”9枚に統一しました。ごんあ じ姫には申しわけありませんが、“あじ”には身を引いていただきました。なぜ「トロ 」と「さば」をまとめたかというと『坊主めくりルール』の導入によるわけであります が、『ザ・回転寿司』で用いられる牌は“日本酒”“うに”“たい”“かに”“松坂牛 ”を除いた72枚ということになります。で、シャッフルされた寿司ネタは画面中央の ベルトコンベアに乗って、右から左に向かって流れてくるわけでありますが、この回転 寿司屋は“寿司隠蔽方式”を取っておりまして、流れてくる段階で、そのネタを確認す ることは出来ません。“?”のフタをかぶせられた状態で出てくるわけであります。
 最初の一皿が流れてきた段階でゲーム・スタート。『寿司ポンジャン』は基本的 に4人でするゲームでしたが、『ザ・回転寿司』は2人用です。何故かというと4人分 も寿司を書くのは面倒だからなんですが、基本的なゲームの流れとしてはコンベアで流 れてくる寿司を交替に1皿ずつ取って、ネタの組み合わせで役を作っていくわけであり まして、このあたりは『寿司ポンジャン』に似てますね。ただ『寿司ポンジャン』は最 初に牌が8枚配られるのに対し、『ザ・回転寿司』では1枚ずつ取っていくところが画 期的であります。何故かというと、ただ何となくなんですけどね。
 
 で、先手のプレイヤーは流れてきた皿(この時点では1皿だけ)を取って、自分 のテーブルに置きます。皿を取った時点で次の皿が“?”のフタをかぶせられたままコ ンベアに乗せられるので、後手のプレイヤーはその皿を取って、自分のテーブルに置き ます。そんだけ。とっても簡単だねっ♪で、ここまで読んできた誰もが「それがどうし た?」とお思いのことでしょうが、このゲームの画期的なところはこれからであります 。持って来たネタが「いかグループ」だったり「えびグループ」だったり「軍艦巻きグ ループ」だったりした場合は問題ないんですが、“さば”だったり“トロ”だったりし た場合、ここで『坊主めくりルール』が適応されるんですよね。このゲームにおける“ さば”は坊主めくりにおける“坊主”、“トロ”は“姫”、その他のネタは“殿”だと 思ってください。つまり持ってきたネタが“さば”だった場合、あなたはテーブルの上 の自分の寿司から2皿をベルトコンベアに戻さなければなりません。なぜ2皿かという と、1皿だと持ってきた“さば”をコンベアに戻して、それでおしまい。ということに なっちゃうからです。ただしテーブルに何もない状態で“さば”を引いちゃった場合は “さば”を1つ戻すだけでOKです。ちなみに“さば”だって3枚集めれば役になるか ら、それ以外のネタを2つ戻しても構いません。
 
 ここまで読んできた誰もが「なぜ“さば”を引いたら皿を戻さにゃならん?」と 疑問に思われたことでしょうが、ちゃんと理由も考えてあります。だって僕、“さばア レルギー”だから“さば”を見ただけで食欲が減退しちゃったんだモン。。。なるほど ぉ、食欲が減退しちゃったのなら、取った皿を元に戻すのは当然だよね♪で、戻された 寿司は右端から順番にコンベアに乗せられて、ここで選手交替。はい、ここでコンベア の上に注目してください。コンベアの上には“?”のフタがかぶせられた皿のほかに、 対戦相手が戻した皿も乗せられております。戻した皿はフタが取られているので、ネタ を確認することが出来ます。こういう状態のとき、プレイヤーはネタが見えている皿で も“?”の皿でも、好きな方を1皿取ることが出来ます。だから相手の欲しがるような ネタを戻さないように注意しなければならないわけですな。このゲームでは麻雀と違っ て相手の牌も丸見えになっているので、相手の手をよぉーくチェックして皿を戻すよう にしてください。続いて“トロ”を引いた場合ですが、このときは続けてもう1皿を取 ることが出来ます。この1皿はコンベアの上から取ることも出来るし、相手のテーブル から略奪しちゃうことだって出来ちゃうわけです。何故そんなことが出来るのかという と、その心は「トロは“取ろう”に通じるから、めでたい!」
 
 こうしてコンベアから寿司を取ったり戻したり、人の寿司をかっぱらったりして 、見事に役が完成すればアガリです。アガったら湯呑みのクリックして、お茶でも飲ん でください。だって、寿司屋ではお茶のことを“アガリ”って言うんだもん♪
 
 @ ということで今日はアーネット昆布クンなんですが、いやぁ、『ザ・回転寿 司』の構想を練っている段階では「なんて画期的で面白そうなゲームなんだ!」と、自 らの山川豊なアイデアに酔いしれていたわけなんですが、こうして説明を書いて改めて 読み直してみると、こんなゲームのいったいどこが面白いんでしょうね?とにかくまあ 『シズリン』。お茶漬けをズルズル啜る感覚を表す“シズル感”なんて言葉がありまし たが、“sizzle”というのは肉を焼いたり油で揚げたりするときの“ジュージュー”と いう音のことを言います。比喩的に「焼けるように熱い」という意味もあるようですが 、このアルバムのタイトルはそういうところから来ているのでありましょう。その割に はジャケットが至ってクールなのが逆説的でよろしいですな。書くのが簡単そうですし ね。で、アーネット昆布クンと言えば“燃えるテキサス・テナー”の代表格でありまし て、昆布といえば冷たいオホーツク海のイメージがあるんですが、そこのところも逆説 的でイイですよね。ところで昆布クンの“アーネット昆布”という名前なんですが、安 曇野ミンゴスのきんや氏は「アーネットという名前の好きな女がいて、それの昆布(こ んぶ)なんだと思っていた。」と発言しておられました。どういう意味なんでしょうね ?
で、このアルバムはレッド・ガーランドとの共演が目玉のひとつになっているよう で、日本盤CDにはわざわざ“アーネット・コブ・ウィズ・レッド・ガーランド”とク レジットされております。テキサス・テナーとガーランドとの相性はどうか?と疑問に 感じられる点が無きにしもあらずですが、ま、とにかく聴いてみましょう。
 
 1曲目、「水筒情事屋撫裸運」。ガーランドの弾くイントロのメロディが面白い です。続いて昆布クンが登場しておなじみのテーマを“BLOW JOB”するわけで すが、テキサス昆布クンの吹きっぷりは、かなりくどいですなぁ。。。「昆布ダシは薄 味が命!」の関西風の味付けに慣れた舌にはちょっとツライところですが、こういう野 暮なところが彼の持ち味ですしね。「ま、こういうタイプの人なんだから。。。」と、 諦めてくださいね。続くガーランドのソロは、日本語ライナーで岩浪洋三クンが「バド ・パウエルの流れを汲むセンスのいいピアノ云々」と書いているとおり、いつものカク テル・ピアノ風の味付け、略して“カクピー風味”が希薄で、かなりハードなソロを展 開しております。昆布、ガーランド、J.C.ハードの3者によるソロ交換も、とっても スリリングなイカリングフライ。という感じですね。それにしてもイカというのは輪切 りにしただけでリング状になって、まさしくイカリングフライになるために生まれてき たような生き物ですよねー。立派なものです。ゴハンを詰めれば“いかめし”になるし 、酒を注げば“イカとっくり”になるし、細く刻めば“イカそうめん”にもなるし、「 あなたのお望みどおり、如何様(いかよう)にも対処致します。」という、そのフレキ シブルな生き方は大いに見習わなければイカンと思います。で、イントロでガーランド が弾いていたメロディを最後にテナーとピアノのユニゾンで演奏して、エンディング。 野暮なだけでなく、なかなか洒落た演出だと思います。
 
 2曲目「ブラック・ヴェルベット」。ライオネル半布団楽団で昆布クンの先輩格 だったイリノイ鮭師匠のオリジナルでございます。テキサス派にはぴったりのワイルド な演奏でありまして、男くさい汗の匂いが“さぶ系”の君にはたまんないんじゃないか な?続くガーランドのソロは若干カクピー風味っぽいところもございますが、それにし てもイカピー(←イカ風味の豆菓子)というのはオイシイものでございますなぁ。僕は エビ風味のエビピーよりも好きですが、それはそうとここでのガーランドのプレイはち ょっとソニー・クラークを思わせるところがございます。で、そのガーランドがノッケ から活躍するのが3曲目の「ブルー・サーモン」。「青い鮭」ではなく、「憂鬱な説教 」というような意味でしょう。昆布くんオリジナルなんですが、洋三クンも指摘してい るとおり、アフター・アワーズなムードをもったスロー・ブルースで、開始からしばら くはガーランド・トリオのブルーなプレイが展開されます。やがて満を持してアーネッ ト昆布御大の登場。スタンリー・タレンタインに『ブルー・アワー』というアルバムが ありますが、こういう演奏を聴いていると、スタ・タレがイリノイ・ジャケーやアーネ ット・コブの影響をモロに受けていることがよくわかります。ひょっとしたら家でこっ そり「アーネット昆布・モロ画像」とか見てるのかも知れませんね。ガーランドの転が るようなタッチ、J.C.ハードと情事タッカーの堅実なサポートも見逃せません。や っぱり“ハードな情事”というのはイイもんですなぁ。。。ということを改めて感じさ せてくれました。
 
 4曲目は“情事つながり”で「我が心の情事屋」。これまた、ディープな昆布く んスタイルにはぴったりの曲でございます。はい5曲目。だんだん面倒になってきたの で解説が簡潔なのでありますが、今日は3曲目まで持ったから、よく頑張ったほうであ りましょう。30過ぎるとこれくらいの持続力が体力の限界灘by段田男なわけであり ますが、タイトル曲の「シズリン」はコブのオリジナル。ジョージ・タッカーのウォー キング・ベースで幕を開けるファンキーなムードのナンバーです。蓮っ葉な雰囲気がな んともいいムードでありまして、バックにまわったジョージ・タッカーのピチカートも 抜群の存在感を示しております。
宴会なんかで「あれ?いなばくん、おったん?」とか言われがちな僕としては大い に見習わないといけませんね。出だしは割と淡々としたタンタン麺。。。といった感じ だったんですが、演奏が進むにつれて次第に熱を帯びてきて、ガーランドもソロの後半 に得意のブロック・コードを駆使して、大いに気を吐いております。気を吐くのはいい ことですよね。ゲロを吐くのは迷惑ですけどね。
 
 はいラスト。痔エロ夢感の有名なスタンダード「ザ・ウェイ・ユー・ルック・ト ゥナイト」です。ラテン風なピアノのイントロが楽しいです。超アップ・テンポで料理 されることの多い曲なんですが、ここでのコブくんはゆったりした余裕のある吹きっぷ りで料理しております。全体にリラックスした演奏で、アルバムのラストを飾るにふさ わしいナンバーといえましょう。洋三センセも「コブの線の太い個性が存分に生かされ ている。」と称賛しておりますが、そうですかぁ。昆布クン、太いんですかぁ。よかっ たね、ひなのちゃん♪
 
 ということで、本日はおしまい♪


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