【アルバム名】
TODAY AND NOW (IMPULSE)
【リーダー名】
COLEMAN HAWKINS (1962/9/9)
【パーソネル】
COLEMAN HAWKINS (ts) TOMMY FLANAGAN (p) MAJOR HOLLEY (b)
EDDIE LOCKE (ds)
【収 録 曲】
GO LI'L LIZA / QUINTESSENCE / DON'T LOVE ME / LOVE SONG FROM "APACHE" /
PUT ON YOUR OLD GREY BONNET / SWINGIN' SCOTCH /
DON'T SIT UNDER THE APPLE TREE
【内   容】
 JAZZのクリスマス・アルバムでご協力を  投稿者: sabapyon (ねかま/三重 ) 2001年1月04日 午前 9時03分
 
JAZZのクリスマス・アルバムでご協力を・・・。時期ハズレで誰も相手にして くれない!!でも、常に情報収集してその時そなえなきゃ!!レコード、CDあわせて も1枚もないけど。でも、死ぬまで??集めるぞ。クリスマス・アルバムってその人の 人間性がしみじみでちゃって、普段のアルバムと違った楽しみがあるのよね。わたしに は・・。一枚でも、二枚でも、「こんなあるよ」って教えてください。決して、「そん なの持ってるよ」なんて言わない。私の知ってるアルバムであれば、それでお話ししま しょう。若いぎゃるは私にご協力を・・。そうでない方は別にいいのぉ♪
 
 ということで、クリスマスのお話です。ホンマに時期ハズレですなー。で、JA ZZのクリスマス・アルバムに関しては、ちゃんと相手をしてくれた裸恥婦ちゃんの『 恋人は三太夫〜♪』というカキコに貴重な情報がありましたよね。直腸今日イクぅ♪あ 〜ん♪とか言う部分はウチのサイトにはふさわしくないので割愛するとして
 
     ※
 
ええと、クリ酸い増すアルバムといえばですね、※太郎氏ご指摘のピアソンのBN 盤が有名ですが、他にボビー恥門吸うのプレスティッジ盤『HOLIDAY SOUL』などがあり ますな。で、カタログ上ではこのアルバムの次に位置するのが同名のタイトルを持つド ン・パターソン(org)のアルバムで、個人的にはパット・マルティーノの参加ゆえに だいぶ前から探していたブツなんすけど、ついに20世紀のクリ済ますには間に合わず 、ってことになっちゃいました。あ、上記2枚でも「Santa Clauseis coming to town 」を演ってるんすけど、この曲、ポール・ブレイの初リーダー盤(ミンガスとブレイキ ーをサイドに、パウエル〜シルヴァー風に弾いてるやつね)で演ってませんでしたっけ ?今手許にないんで実際には聴けないんすけど。あとはですね、パーカーのライブの私 家録音が音源のアルバム(ESPだったか?)で、ちょうど12月25日だったんすか ね、アドリブの途中でこの曲を引用してるのがあったような気がし鱒です。
 
     ※
 
 いやー、裸恥婦ちゃんって、ただのハダカの恥ずかしがり屋の婦女ボーコー魔か と思っていたら、JAZZにもとっても詳しいんだね♪で、早速、愛象版って、カバは どうした、太田!?・・・って、違います。いかにもわざとらしい誤変換でしたが、愛 蔵版“プレスティッジ・ブック”を引っ張り出して調べてみると、お、確かにありまし た、ティモンズとドン・パターソンの『ホリディ・ソウル』。ティモンズのほうはレコ ード番号が7414番で、1964年11月24日の録音。クリスマス慰撫のちょうど 1ヶ月前だったから、こういう企画を思い付いたんでしょうか?ブッチ・ウォーレンと ウォルター・パーキンスを従えたトリオ編成で、「ウインター・ワンダーランド」「サ ンタが町にやってくる」「ユー・アー・オール・アイ・ウォント・フォー・クリスマス 」「ホワイト・クリスマス」「クリスマス・ソング」と、まさしく栗損のオンパレード 状態ですな。ティモンズのプレスティッジ盤はリバーサイドの諸作に比べると今ひとつ 人気薄のよーな気がしますが、これなんかクリスマス前に出したらけっこう売れるんじ ゃないですかね?2000枚ぐらいは。
 
 一方、ドン・パターソンのほうはレコード番号が1番違いの7415番、録音は 1日違いの1964年11月25日となっております。ドン・パタ、マルティーノ、ビ リー・ジェイムスというオルガン・トリオ編成で、「サンタが町にやってくる」「ユー ・アー・オール・アイ・ウォント・フォー・クリスマス」の2曲目がティモンズ盤と被 っていて、あとは「きよしこの夜」「メリー・クリスマス・ベイビィ」「ジングル・ベ ル」と、選曲は一段とベタになっております。
が、こちらのほうはメンバーが今ひとつマニア向けなので、ま、売れたとしても5 00枚がいいところでしょう。いっそのこと、ティモンズ盤と抱き合わせて“2in1 ”でCDにしちゃうとか?ちなみに“三太夫姿のピアソンがうれしいね♪”(←アラシ 隊員風?)の『メリー・オウル・ソウル』はBN4323番で1969年の2月と8月 の録音。ずいぶんと時期ハズレに作ったんですなー。ボブ・クランショウ、ミッキー・ ロッカーのほかにアイアート・モレイラも入っておりまして、ピアソンはピアノとチェ レスタを弾いている模様です。ここにも「サンタが町にやってくる」が入っていて、他 には「ハブ・ユア・セルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」「ジングル・ベル」「 サイレント・ナイト」といった選曲ですな。
 
 と、他人のカキコの引用とデータの羅列だけでかなりのスペースを浪費してしま いましたが(←計画的)、ところでメリー・クリスマスの“メリー”って、どういう意 味なんでしょうね?塩サバ物産(仮名)先代社長の妻・平井めりちゃんのことぉ?と思 ってしらべてみると、“merry”というのは“楽しい”とか“ゆかいな”とか“陽気な ”という意味なんですね。たのしいくりすます。なるほどー。メリーゴーランドのメリ ーも同じ意味でありましょう。ちなみにクリスマスは“Chirist's Mass”、すなわち“ キリストの鱒”というのが語源になっております。やっぱり忘年会は鱒の塩焼きで升酒 だよねっ♪というのを至上のヨロコビとしていた増田明美ファンのキリストの誕生を祝 う日。ということになっておりますが、実はキリストが12月25日に生まれたという 証拠はどこにもございません。この日は元々、衰えゆく太陽が再びよみがえる冬至の祭 りの日で、また太陽神が生まれた日とされていたので、クリスマスは何となく12月2 5日だねっ♪となったいうのが実状のようでありまして、神亀3年(西暦726年)の 10月10日に山部赤人がマグロの歌を詠んだから、10月10日は“まぐろの日”だ ねっ♪というのに比べ、その謂れは実にテキトーであると言わざるを得ません。
 
 一方、サンタクロース。サンタさんの故郷は北欧のフィンランドだとばかり思っ ていたら、実はトルコなんだそうですね。今ではソープという名前に変わってしまいま したが、トルコ生まれのニコラスというおじさんがクリスマスの夜、とある未亡人ソー プ嬢の家に夜這いしようとして煙突から侵入いたところをその家の子供に見つかって、 「アンタ、誰や!?」と詰問されて、苦しまぎれに「えへ、煙突・アチャコでござりま す。もぉ、むちゃくちゃでござりますがな〜。」と物まねをしたのが始まりと言われて おります。あまりに寒いギャグだったので、さしものトルコでも雪が降ってホワイト・ クリスマスになったそうでありますが、いくら子供とはいえ、そんな子供騙しの物まね で納得する筈がなく、「アンタ、夜這いやろ!」などと核心をついたことを言うもんだ からニコルスおじさんは大慌て。「いや、その・・・おじさんはね、セイント・ニコラ スというとっても立派な聖人でね、聖人といってもバルタン星人じゃなくって・・・」 と、しどろもどろに弁解したところ、「そっかぁ♪」と納得して寝ちゃったというから 、所詮はコドモですなぁ。。。
 
 ほっと一息ついたニコラスおじさん、でわでわ♪と、ママの靴下を脱がせたとこ ろで背後に視線を感じ、嫌ぁな予感で後ろを振り向くと、寝たものだとばかり思ってい たコドモが障子に指で穴を開けて、じーっとこっちを覗いているんですよねー。びっく りしたニコラスおじさん、「ほ〜ら、僕ぅ。プレゼントをあげるから、自分の部屋でお ねんねしようね〜。」と猫なで声を出して、脱がせたばかりのママの靴下に“大人のオ モチャ”を入れて渡し、ようやく事無きを得たということでございます。
 
 翌日、村のコドモ達は“餅切り”の話で持ちきりでありました。「お前んとこ、 のし餅はどうやって切るぅ?」「うん。包丁で四角く、こうやって切るぅ。」などとい う実にどうでもいい話をしているとき、一人の子供がこんなことを言い出したんですよ ね。「昨日なぁ、うちにセイント・ニコルスちゅうオッチャンが来て、オモチャをくれ たでぇ。」
こうしてクリスマスの夜に煙突からやってきて、靴下にプレゼントを入れてくれる “セイント・ニコルス”というオッチャンの存在は広く世間に知られることになるわけ ですが、ちなみにセイント・ニコルスの“セイント”というのは聖ニコルスの“聖”の 部分のことでございます。聖コスプレ学園の“聖”ですな。昔、ジャイアンツにいた西 本聖(たかし)の“聖”であります。すなわちサンタさんというのは“たかしさん”で あったわけですが、なぜ“セイント”が“サンタ”に変化していったのかというと、あ の夜、少年が聞いた「おじさんはね、セイント・ニコラスというとっても立派な聖人で ね、聖人といってもバルタン星人じゃなくって・・・」という台詞にヒントがございま す。
 
  バルタン星人→ウルトラマン→アラシ隊員→毒蝮三太夫→サンタさん
 
ねっ♪
 
 @ さ、コールマン・ホーキンスです。モダン・テナーの歴史を紐解いてみると いうのは、紐パンツの紐をほどくほどは面白くないので簡単にすませておきますが、“ レスター・ヤングのフレーズをコールマン・ホーキンスのトーンで吹き、チャーリー・ パーカーの影響を振りかけた”というのがそのスタイルの底流にあると言えましょう。 これ、前にも書いたような気もしますが、前の世紀のことなんか、もーすっかり忘れち ゃいました。で、つまりホーキンスという人はモダンの世界では“長老”にあたるわけ なんですが、「今の若いヤングは。。。」などと年寄り臭いことを言って、“若いヤン グ”って、若くないヤングがおるんかい!などと若いヤングからツッコミを入れられた りすることもなく、わりと若いヤングの演奏にも理解を示し、自らも若いヤングと共演 したりして、そのフレキシブルな生き方というのは大変立派なことだと思いますねぇ。 ま、ただの“節操のないジジィ”ということも出来ますけどね。で、60年代のホーク のアルバムにはけっこうモダン派にも楽しめるものがあるわけなんですが、このインパ ルス盤の『トゥデイ・アンド・ナウ』なんかどうでっしゃろ?選んだ“若いヤング”代 表が、若いんだけど何だか若年寄的な雰囲気のあるトミー・フラナガンというのがイイ 線いってると思うんですけどねー。シンプルなワン・ホーン編成というのもよくて、ベ ースは長老派のメジャー堀井(←日系2世?)、ドラムスは写真を見る限りヤング派だ と思われるエディ・ロックという人でございます。んじゃ、1曲目から。
 
 「ゴー・ロリ・リザ」は・・・、あ、“ロリ”じゃなくて“リル”ですな。普段 、どんなキーワードで検索をかけているかが一目瞭然のタイプミスでありましたが、「 ゴー・リル・リザ」はトラディショナル・ナンバーでございます。“Li'l”というのは “little”の略だと思われるので、ま、ロリでも似たようなもんですけどね。で、トラ ディショナル・ナンバーだけにとってもトラディショナルな曲でございまして、ホーク のテナーからは南部テキサス州あたりの薫りが感じられますなぁ。いくら鮭の卵がイク ラだといったところで、やっぱりちょっと古臭いわねぇ。。。といった感は否めません が、ま、待ちなさいって、ねーちゃん。ホークの短いソロのあと、メジャー堀井の得意 技“弓弾きソロとスキャットの一人ユニゾン”が聞かれますが、これがなかなかイイ感 じなんですよね。ずーっと後の時代に情事ベンソンがギターで同じようなことをやって おりますが、よく歌うベースのボウイング・ソロというのはこういうのを言うんだなぁ 。。。と、ポール・チェンバース君には大先輩のプレイに耳を傾けて大いに反省しても らいところでございます。もっともこの一人ユニゾン、あまりやり過ぎると厭味になっ ちゃいますけどね。続くトミ・フラのソロは若年寄ではあってもさすがにモダンな感性 を湛えておりまして、それに触発されたホーキンスの第2ソロはけっこう若っぽく頑張 っております。大いに吹きまくって、吹きまくり過ぎて終始がつかなくなったのか、ソ ロの途中でフェード・アウトしているのがご愛嬌ですな。
 
 はい、2曲目。先にネタをばらしてしまうとこのアルバム、ここから3曲バラー ドが続くんですが、それがとってもモダンな感性に満ち溢れていて、個人的にはとって もオススメなんですよね。で、バラード3連発の第1弾は「クインテッセンス」。“真 髄”とか“典型”というような意味なんですが、クインシー・ジョーンズが自分の名前 に引っ掛けて命名した美しいバラードでございます。同じインパルスから出ているクイ ンシーのリーダー作のアルバム・タイトルにもなってますよね。朗々とした吹きっぷり はホークが豪快なプレイだけでなく、バラードの名手でもあることを再確認させてくれ ます。この味は“長老”でないと出せませんよねー。人生の重みを感じさせる演奏でご ざいます。中間部のトミ・フラのピアノもさすがですなぁ。
 
 はい3曲目。「ドント・ラブ・ミー」は「私のこと、好きにならないで。。。」 というような意味でしょうか?言い寄ったんだけど、体よく断られたんでしょうかね? 「あなたは私には勿体な過ぎる人だわ。。。」とか言われて。心の中では「誰がアンタ なんかと!このハゲっ!」とか思ってるんでしょうけどね。好きでハゲたわけじゃない のに、立場ないですなぁ、このハゲ。で、この演奏を聴いてすぐに頭に浮かんだのが「 あ、デクスター・ゴードンや!」というものでありまして、デックスのバラード・プレ イはホーキンスの強い影響を受けていたんですなー。同じスイング期のテナー奏者では ベン・ウェブスターのバラード・プレイが有名なんですが、ビッグ・ベン(←日本名: 大ベン♪)ほどビブラートは顕著でなく、よりモダンな印象がございます。そして2曲 目にも増して“深い”です。ほとんどテーマ・メロディをストレートに吹いているだけ なんですが、それでも紛れもない“ホーキンスのJAZZ”になっているところが流石 ですなぁ。
 
 4曲目、「アパッチ〜愛のテーマ」。アパッチというとどうしても“アパッチけ ん”を連想してしまい、ロクな曲じゃないな、こりゃ。。。と思ってしまったんですが 、意外にも物凄く綺麗なメロディのバラードでありました。ちなみにアパッチというの はインディアンの種族でありまして、インディアン娘の悲恋物語なんでしょうな、恐ら く。美しいというより、哀しいといった感じの演奏でございまして、むせび泣く官能テ ナーとトミ・フラのピアノの絡みに、メロンパンナちゃんも思わずメロメロ♪といった 感じでございます。
 
 はい、5曲目。さしもの名バラードも3曲続くとちょっぴりタルくなっちゃいま すが、ここでアーシーなスロー・ブルースが登場します。「プット・オン・ユア・オー ルド・グレイ・ボンネット」は「君の古いグレイの帽子」といったところでしょうか。 “bonnet”というのは子供や御婦人のかぶる顎の下で紐を結ぶ帽子なんだそうです。ド イツのボンにありそうですけどね、“ボンネット”という名前のプロバイダー。アーシ ーでちょっぴりくどいプレイなので、好き嫌いの別れるところでありましょう。6曲目 はホークのオリジナル「スインギン・スコッチ」。少っちスインギンなナンバーであり まして、とっても能天気なデキシー風の曲でございます。メジャー堀井の弓弾きに続く トミ・フラのイントロはデューク・ジョーダンの「スコッチ・ブルース」のパクリです ね。ミディアム・ファストでホークが淀みのないプレイを聴かせてくださいます。余裕 綽々の名人芸と言ったところでしょうか。メジャー・ホリーの“一人ユニゾン”も聞か れますが“アルバム1枚あたり2回”というのは、ま、節度をわきまえた範囲でありま しょう。
 
 はいラストです。「ドント・シット・アンダー・ザ・アップル・トリー」は「林 檎の木の下に座ってはいけません」という曲です。“邪悪な蛇”が出てきて「林檎を食 うとおいしいぞぉ。」とか、「じゃ、今度はぱんつを脱いでみようかぁ。」とか、色々 といらん誘惑をするから林檎の木の下に座ってはいけないんでしょうかね?桜の樹の下 には屍体が埋まってますしねぇ。となると仲良く遊んでいいのは“大きな栗の木の下” だけということになるわけですが、みんな、栗を食べているかなぁ?
 
 ということで、では皆様、よいお正月を!


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