【アルバム名】
IMAGES (JAZZLAND)
【リーダー名】
SONNY RED (1961/6,12)
【パーソネル】
SONNY RED (as) BARRY HARRIS (p) GEORGE TUCKER (b)
BLUE MITCHELL (tp) LEX HUMPHRIES (ds)
GRANT GREEN (g) JIMMY COBB (ds)
【収 録 曲】
IMAGES / BLUES FOR DONNA / DODGE CITY / BLUE SONNY / THE RHYTHM THING /
BEWITCHED , BOTHERED AND BIWILDERED
【内   容】
 飛騨高山は雪であります。いわゆる“ホワイト・クリスマス♪”というやつです 。いいですねぇ、ホワイト・クリスマス。言葉の響きからして、いかにも清純という感 じでありまして、いや、実際には「“ほわいと・くりすます”だねっ♪」「あ〜ん、と ってもろまんちっくなのぉ♪」とか言って、ぜんぜん清純ではない行為に更けるペヤン グが増大するだけなんですが、いや、ホワイト・クリスマスでなくても「“くりすます ”だねっ♪」「あ〜ん、とってもろまんちっくなのぉ♪」とか言って、ぜんぜん清純で はない行為に更けるペヤングが増大することには変わりはないので、雪が降ろうが降ら まいがぜんぜん関係はないんですが、とにかくホワイト・クリスマスです。ぎゃるがよ ろこぶホワイト・クリスマスも、ぎゃるとは無縁の僕には迷惑以外の何物でもなく、今 朝ホテルの窓から外を見て、家々の屋根が白くなっているのを見て「あちゃー。。。」 と思いました。幸い車道の雪は溶けていて当面の通行には支障はなさそうなんですが、 本日のスケジュール
 
  ・朝から近くのスキー場で滑る
  ・昼から高山赤十字病院で労働する(←ナースの働きぶりの観察)
  ・夜は職人さんに飛騨牛のステーキか焼肉を奢ってもらう
 
のうち、最初の“近隣でのスキー”に大いに支障をきたす恐れがございます。高山 市内から10キロほどのところに“暗い山ウンコ臭い”・・・って、ああん、誤変換。 。。高山市内から10キロほどのところに“位山国際”というスキー場があるんですが 、“位山”→“暗い山”の誤変換はともかく、“国際”→“ウンコ臭い”の誤変換はあ まりにもわざとらしかったですね。そんなもん、間違えるハズがありませんもんね。で 、それはともかく“位山国際”というスキー場があって、なんだか名前が地味なもんだ から“モンデウス飛騨位山スノーパーク”という名前に変わっちゃったんですが、エウ ヘニオ・モンレアル校長の一番弟子を自認する僕としては、“モンデウス”と聞いて黙 っているわけにはいきません。いつからエウヘニオ・モンレアルの一番弟子を自認する ようになったんや?とか、モンレアルとモンデウスでは最初の“モン”しか合ってない ではないか?という気がしないこともないんですが、とにかくまあ、近いからそこへ行 ってみようと思ったんですけどね。
 
 で、ホテルの駐車場を出て国道158号線から国道41号線に入って南のほうへ 走っていくと、周囲の積雪情況が次第に改善されていきまして、お!これならだいじゃ ぶなんちゃう?と、思わず顔もほころぶクリスマスの朝。国道を曲がってスキー場への アクセス道に入ってもまだだいじゃぶで、宮村の役場の前も全然OKで、でも山道に入 ってスキー場まであと3キロくらいのところまできて、ぜんぜんだいじゃぶじゃなくな ってまいりました。なんでこんな山の上にスキー場をつくるねん!と文句のひとつも言 いたいところでございますが、乗鞍、朴の木とノー・チェーンで強硬突破してきた僕も 、ついに年貢の収め時がまいりました。去年まで使っていたチェーンは塩サバ2号の操 作ミスが祟って切断処分の憂き目を見たため(←“じゃず・じゃいあんと”のずっと前 の回を参照)、今年は新しくソフト99の“初めてのぎゃるでも簡単♪”とか書いてあ るチェーン(←ソフトSM用?)を買ったんですが、初心者でもOK!でもきちんと亀 甲パターンになっている、なかなかのスグレものでございます。
 
 この器具は一度だけウチで「ちょっと試してみるぅ?」と装着してみたことはあ るんですが、屋外で本格的なぷれいに用いるのは今回がはぢめてでありまして。ま、そ の使い心地のテストもかねてちょっと巻いてみることにしたんですが、下のところのフ ックを止めるのがギャルには大変かな?という気がする以外は、わりと簡単に装着でき ました。ただ走ってみると乗り心地があまりよくありませんが、それはまだ不慣れな為 でありまして、やがてそれがカイカンに変わったりするんでしょうかね?とにかくまあ 、時速30キロの低速走行でなんとか無事にモンデウスに到着することが出来ました。 平日のスキー場は空いてるだろうなぁ。とは思っていたんですが赤毛のアンの定、ガラ 空きでありまして、ざっと駐車場の車を数えて三十台くらい?ホンマにやっとんのか? と心配になったくらいなんですが、そういえばこのスキー場、ちゃんとオープンしてい るのかどうか調べるのを忘れておりました。が、幸いにもなんとかシケたコース1本だ けは営業しておりまして、平日の午前券(2000えん♪)を購入して、ガラ空きのリ フトに乗り込んだのでありました。
 
 クソ寒いっ!の一言でありましたな。くる途中はぜんぜん雪など降っていなかっ たのにスキー場は雪嵐でございまして、あとでモンデウスのサイトをチェックしてみた ら「本日の天候:ブリザード」とか書いてありましたけどね。止まって治す痔の薬ぃ? それはプリザS。“リ”と“ザ”しか合ってないやん。という気もしますが、とにかく クソ寒いわ、前はぜんぜん見えんわ、帽子を持ってくるのを忘れたらアタマは凍結する わで、2回滑って嫌になり、さっさと切りあげてしまいました。ひと滑りあたり100 0えん♪来るだけ無駄でしたなぁ。。。
 
 適当に時間を潰し、昼少し前に前日の夜“他人(飛騨牛)丼”を食べた店に行っ てみました。いや、メニューにあった“天麩羅ラーメン”というのが気になっていたん ですよね。ラーメンと天麩羅は合うのか?と疑問に思わないでもなかったんですが、和 風ダシの効いた中華そば風の高山ラーメンには意外とマッチするかもしれません。普通 のラーメンが550えん、天麩羅ラーメンが600えんと、とってもリーズナブルだし ぃ。差額が50えんだから天麩羅部門にはなんの期待も持ってなかったんですが、届け られた天麩羅ラーメンには大きな天麩羅がのっていて、しかもエビのシッポまで覗いて いて、のちにエビの本体が天麩羅全体に占める割合が約15パーセント程度であること が判明するわけですが、麺類上の天麩羅は本体よりもむしろコロモのほうがおいしいの で、これでいいわけです。で、天麩羅のコロモの上には大根オロシがのっていて、麺の コシがどうのこうのというより、ただひたすらギトギトのコロモと和風のツユのハーモ ニーを楽しむものでありますな。結構おいしかったです。“他人(飛騨牛)丼”よりず っとオススメですな。
 
 で、この店に入ったときから気になっていたのが、中にいた一組のペヤングなん ですけどね。ぎゃるのほうがこちらを向いて座っていたんですが、若干“ケバ入ってる な”というタイプでございました。問題は後姿しか見えてないオトコのほうなんですが 、これがまあ、キンキラキンの頭をしておりまして。僕はもともとペヤングにはあまり いい感情を持ってなくて、「隙があったら石ぶつけるぅ!」と思いながら生きているわ けですが、一目見た瞬間に「ガイジンみたいなアタマしやがって!」(←外国人差別の 問題発言)と、敵意を抱いてしまいました。で、2人の話を聞くともなしに聞いてると 、オトコのほうはボソボソとした片言のようなしゃべり方なんですよね。もしかしたら ちょっとアホなのかも知れません。オコトのほうもオトコですが、こんなオトコと付き 合っているオンナのほうも問題ありですな。
ま、いずれにせよ大した奴らではないな。。。と判断して無視することにしたんで すが、やがて食事を終えて立ち上がったオトコの顔を見て、おや?と思いました。ガイ ジンさんだったんですなー。いや、ガイジンさんだったらガイジンみたいなアタマをし てるのも当然ですし、言葉が片言なのも仕方ありません。で、女の子のほうも店の人に きちんと「ありがとぉ。御馳走さまぁ♪」と挨拶したりして、実にいいコなんですよね ー。僕は「誤解してバカにしたりして、ゴメンね♪」と心の中で謝ると、丼の底のアブ ラまみれのツユを飲み干したのでありました。
 
 @ ということでソニー・レッド。あ、昨夜は職人さんと一緒にメシを食いに行 って、飛騨牛のステーキや焼肉ではなくて白木屋だったんですが、ぜんぜん文句はあり ません。どこの産まれかはサダカでないものの、ちゃんとステーキだって食べちゃった し(480円♪)、手羽先に串焼き盛り合わせに“そばめし”だって食べちゃったしー 。“そばめし”というのは焼き蕎麦と焼き飯を合体させたものでありまして、神戸名物 とか書いてありましたが、定めしおいしいものでございました。で、中ジョッキ一杯と 壜ビール半分飲んだらすっかり眠たくなっちゃったので、ホワイト・クリスマスの夜に もかかわらず8時半には寝ちゃったわけなんですが、案の定、また朝の4時に目が覚め ました。で、「ホテルの駐車場を出て国道158号線から国道41号線に入って南のほ うへ走っていくと・・・」というところから原稿を書き始めたわけなんですが、ホテル の窓から外を見ると、おお!車道まで真っ白ぉ!白木屋から帰るときには雪もやんでい たので、すっかり安心してたんですけどねぇ。。。この調子では車で5分の高山赤十字 病院までもチェーンを巻いていかねばならず、果たして無事に家まで帰れるのでありま しょうか。。。
 
 ということで、はい、27日の夜です。26日の朝は結局チェーンを巻くことに したんですが、前日にモンデウスで“経験済み♪”であったにもかかわらず、どうして も下の部分のフックがうまくとまらないんですよねー。30分ほどパンツまで雪でべた べたになりながら悪戦苦闘してようやく装着に成功したんですが、いろいろやってみて 判明したのは「このチェーンは雪の上ではうまく巻けない」という恐るべき事実でござ いました。あ〜ん、そんなのぜんぜん役に立たないのぉ。。。ま、タイヤの周囲の雪を 全部どけちゃえばいいんですけどね。で、せっかく苦労して巻いたにもかかわらず昼に 帰る頃には道路の雪はべたべたに溶けていて、でも東海北陸道はチェーン規制だったの で国道41号線を通って中津川経由で帰りました。こっちはチェーンなしでぜんぜん大 丈夫でした。どうも雪というのは飛騨の南のほうよりも奥美濃のほうがよく降るみたい ですなー。で、今日の塩通は今年最後の更新になります。
 
 この『イメージズ』というアルバムはソニー・レッドのアルバムなんですが、最 初にこの名前を見たとき、『ザ・コネクション』のピアニストぉ?と思ってしまいまし た。それはフレディ・レッドですな。僕は時々この2人の名前がごっちゃになってしま うんですが、ま、どちらも赤いから似たよーなものですよね。で、ソニーのほうのレッ ドはBNに『アウト・オブ・ザ・ブルー』というリーダー作を残しているアルト奏者で ございますな。そのアルバムを聴く限りパーカー直系のハード・バッパーという感じだ ったんですが、ドナルド・バードの『ムスタング』『ブラック・ジャック』『スロー・ ドラッグ』の“ソニー・レッド入り3部作”では別人のようなフリーキーな演奏を披露 しており、僕たちはおったまげちゃったものでございます。で、ジャズランド盤の『イ メージズ』。ジャケットには“ウィズ・ブルー・ミッチェル・アンド・グラント・グリ ーン”とクレジットされておりますが、この3人が同時に参加している演奏はなく、A 面が青ミッチェル入り、B面がグラント栗委員入りとなっておりますので、念のため。 ま、いずれにしても興味深いメンバーでありまして、ピアノが前ばり貼りっす、ベース が情事タッカーというのもイイですなぁ。んなことで、では1曲目から聴いてみましょ う。
 
 タイトル曲の「イメージズ」はレッドのオリジナルです。タッカーのピチカート にバリー・ハリスが絡むイントロがいいですなぁ。マリオン・ブラウンとかラシャ&シ モンズとか、ほとんど人生を投げたようなアルバムばかりを聴いていた人は「ひさしぶ りにJAZZらしいJAZZを聴いたなぁ。。。」という感慨に浸れることでありまし ょう。ただ、61年という時代を反映して、『アウト・オブ・ザ・ブルー』の頃のS. レッドに比べると、ずいぶんとモーダルな仕上がりとなっております。ミッチェルとレ ッドが交互に吹くメロディは、どこかで聴いたことがあるような気がするんですが、“ モーダルな『スピーク・ロウ』”という感じですな。ソロ先発はミッチェルなんですが 、フレーズだけを聴いていると『カインド・オブ・ブルー』のマイルスにかなり似てい ちゃたりしています。ソロ2番手のバリー・ハリスはどんな曲調でも格調の高い胃拡張 の僕。。。といった演奏を聴かせ、さすがでありますな。続くソニー・レッドは、はっ きり言ってモード奏法には不慣れな感じでありますが、そこがまた初々しくって、青臭 くって、蓮っ葉な感じがまた梅干し食べてスッパマン。解説がワケわかんないので、次 いきましょう。2曲目の「ブルース・フォー・ドナ」は一転してバピッシュなナンバー で、ソロ先発のレッドも、ここぞとばかりパーカー・フレーズを連発しております。1 曲目に比べて伸び伸びとした吹きっぷりがとっても野比のび太。続くブルー・ミッチェ ルのソロも彼らしい歌心が発揮されており、ソロ3番手のバリー・ハリスはどんな曲調 でも局長クラスの風格を感じさせ、さすがであります。ジョージ・タッカーの情事を達 観したようなピチカートも秀逸です。僕はまだ情事を達観するには30年早い!と言っ た感じでありまして・・・、とか言ってるうちに3曲目が始まりました。
 
 「ドッジ・シティ」は明るく陽気なハード・バップ風のナンバーでありまして、 ちなみに“dodge”というのは「さっとよけ」とか「ひらりと身をかわす」という意味 だったんですな。なるほど、ドッジ・ボールというのはそういうものでありましたかぁ 。僕はドッジボールでは逃げてばかりいて、残り一人になるまでひたすら逃げ続け、最 後にボコッと当てられてゲームセット。。。というパターンが常でありまして、「弱虫 イナバくん」とか「根性なしイナバくん」とか「イナバの白兎」とか「やっぱりイナバ 、100人乗ってもだいじゃぶ?」とか言われて馬鹿にされてきたわけでありますが、 ドッジボールの語源からすれば、逃げてばかりいたのは弱虫でも根性なしでも卑怯でも 物置でもなんでもなく、むしろ「ドッジボールの極意」とでもいうべき戦法だったわけ ですな。で、演奏のほうは“蓮っ葉なジョン・ジェンキンス”と言った感じのソニー・ レッド、歌心に溢れたミッチェル、どんな曲調でも・・・もう思いつかないバリー・ハ リスの3人とも、とっても好調です。
 
 はい、ここからB面のセッション。「ブルー・ソニー」はジョージ・タッカーの ウォーキングで幕を開けるアーシーなスロー・ブルースでありまして、ブルージーなバ リー・ハリス、“蓮っ葉なルー・ドナルドソン”といった感じのソニー・レッドと続き 、そしてお待たせ!グラント栗委員ちゃんの登場でございます。曲調が曲調だけに、こ こでのグリーンの起用はズバリ大正解でありますな。はい、5曲目。あと2曲分の解説 を書けば今年の僕のワークも終了です。さ、頑張りましょう。「ザ・リズム・シング」 はタイトルから何となく分かるように「アイ・ガット・リズム」のコード進行に基づい て作られた曲だそうです。ギターとアルトのユニゾンによるテーマから(←これがカッ コいい♪)、レッド以下、快調なソロが続きます。面倒になって途中でスキップしちゃ いましたが、ラストはアート・ペッパーの名演で名高いロジャース=ハートの「ビウィ ッチド」でありますな。「魅せられて」という邦題で知られている曲です。南に向いて る窓を開けぇ〜♪じゃないほうの「魅せられて」です。
 
  ・見せられて あ〜ん、小さい 露出狂。。。
 
  > 期待外れなのぉ。。。
 
じゃなくて「魅せられて」です。「魅了されて」なんて訳もあるみたいですけどね 。ペッパーの繊細さとはまた一味違うバラード・プレイが聴かれ、なかなかではないか と。
 
 以上、今年は終わり!


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