- 【アルバム名】
- FIREBIRDS (CONTEMPORARY)
- 【リーダー名】
- P.LASHA & S.SIMMONS (1967/9/28,29)
- 【パーソネル】
- PRINCE LASHA (as,fl,a-cl) SONNY SIMMONS (as,eng-hor)
- BOBBY HUTCHERSON (vib) BUSTER WILLIAMS (b) CHARLES MOFFETT (ds)
- 【収 録 曲】
- THE ISLAND SONG / PSALMS OF SOLOMON / PRELUDE TO BIRD / THE LOVED ONES /
- FIREBIRDS
- 【内 容】
- あなたはトイレでうんこをして、紙がないことに気が付きました。ふとトイレの
ドアに目をやると、そこにはお正月用の“しめ繩”が。あなたは“しめ繩”の紙の部分
で拭きますか?それとも縄で拭きますか?
-
- ということで、今日は“れっつ・ぷれいすてーしょん”のコーナーで予告した通り
、しめ繩について考えてみたいと思います。しめ縄。漢字で書くと注連縄。よく考える
とぜんぜん読めない字ですよね。“注連”のあとに“縄”という字がついているから、
これまでの経験上でなんとなく“しめなわ”と読めるだけの話で、もしサバ料理の店の
メニューに“注連鯖”と書いてあっても、誰も“しめさば”とは読めないでありましょ
う。で、注連縄で思い出したんですが、三重県の度会町には“注連指”という地名がご
ざいます。度会町というのもなかなか「わたらいちょう」とは読みにくいんですが、“
注連指”のほうはもっと難解ホークス(現ダイエー)ですよね。そこで“注連縄=しめ
なわ”の法則を適応して「しめゆび」が正解かと言うとそれだけではまだ駄目で、もう
ひとひねりして「しめさす」と読むのが正解です。伊勢神宮に近い土地柄だけに何か神
道上の深い意味があるのだと思われますが、そういえば南勢町には“神津佐”という地
名もありますね。これは「こんさ」と読むんですが、あれは僕がまだ津の営業所にいた
頃。社員のひとりに「“こんさ”ってどう書くんやったっけ?」と聞かれ、僕とOLさ
んがまったく同時に「神(かみ)に津(つ)に佐(さ)っ!」と答えてしまい、「同じ
こと言うとる!」と、目を見合わせて笑ったものでございます。ちょっぴり甘酸っぱい
青春の思い出ですな。あの時の公明党の坂口力好きのOLさんは元気に暮らしているの
でしょうか?
-
- 難読地名と言えば桑名の近くには“員弁”というところがございます。僕達は子
供の頃から「いなべ〜、いなべ〜」と言って馬鹿にしていたので、員弁と書いて“いな
べ”と読むことには何の疑問も持っていなかったですが、わりと難読な地名のようで、
ラジオでは“いんべん”などという検便と一文字違いの名前で呼ばれておりました。ま
、確かに員弁にある員弁高校は“インコー”という淫らな行為みたいな名前で呼ばれて
いるんですが、それはそうと注連縄のお話。注連縄というのはもともと自分の領地の境
界を示す“立入禁止”の印として用いられたものだそうであります。成るほど“なわば
り”という言葉もありますもんね。“なわばり”というのは“縄と前貼り”の略ではな
く、文字通り周囲に縄を張りめぐらせて自分の領地を主張したものでございます。ヤッ
クンの、あ、これは寺島クンのほうのヤックンではなくて“マル暴関係”のほうのヤッ
クンなんですが、ヤックンたちはよく縄張り争いというのをしますよね。で、例えば度
会町にある注連指地区の覇権を巡ってヤックン同士が首を絞めたりドスで刺したりする
と、ただちにお巡りさんがやってきて殺人現場の周囲に縄を張りめぐらることになりま
す。これは別に殺人事件のどさくさに紛れてお巡りさんが「この土地、貰いっ♪」と横
取りしようとしているのではなく、立入禁止にして「注連指地区絞め刺す事件」の現場
保存に務めているのでありますな。
-
- 自分の領地の境界を示し、立入禁止の印とする“縄張り”でありますが、これは
やがて正常に機能しなくなってまいります。だって縄なんて、ひょい!と下をくぐった
らおしまいですもんね。そこで人々は自己のテリトリーの主張するために竹垣を作り、
やがてそれは塀というものに変化して「向かいの竹垣に塀が出来たんだってねぇ。」「
へぇ〜。」と人々を驚かすことになります。そんなわけで“縄張り”というのはその言
葉だけが残ってその実態は消え去ってしまったわけなんですが、その末裔と言えるのが
注連縄であるわけですな。注連縄はもっぱら神社の前に掲げられ、俗域と聖域を区分す
る役割を担っております。
- 昔はちゃんと周囲に縄を張りめぐらせていたんですが、「どうせ、ひょい!と下を
くぐったらおしまいだしぃ。。。」ということで、長い縄を張りめぐらせるかわりに、
とりあえず“ねじねじ”してみたわけでございます。だからアレはただ何となく“ねじ
ねじ”してあるのではなく、「いざとなったらほどけて長い縄にだってなれるんだかん
な!」という注連縄の気概を示したものだと言えるわけですね。何となくそんな気がし
ます。
-
- “ねじねじ”は分かった。じゃ“ひだひだ”のほうはどうなんだ?という疑問が
涌いてくるのはもっともな話で、成るほど、注連縄というのはただの“ねじねじ”した
縄ではなく、折り畳んで“ひだひだ”にした紙もついてますよね。あの“ひだひだ”は
いったい何の意味があるんでしょうね?例えば家庭でギョーザを作る場合、グを挟んだ
皮を半円形に綴じるとき、その綴じたところに“ひだひだ”をつけたりしますよね?あ
れはギョーザの皮にギョーザのタレがよく絡むようにわざわざ“ひだひだ”にするわけ
なんですが、注連縄にギョーザのタレがよく絡んだところであまり意味はありません。
よってあの紙の“ひだひだ”はギョーザのタレがよく絡むようについているのでないこ
とだけは確かなんですが、ではいったい何故か?結論を申しましょう。あれは“ひだひ
だ”に意味があるのではなく、紙であるということが重要なのです。つまりあの紙は“
神”を意味していたんですな。紙だから神。そんな塩通レベルの駄洒落が許されると思
っているのか!という人もいるかも知れませんが、例えばおせち料理にしたところで昆
布巻きの昆布は“よろこぶ”に通じるからめでたい。…って、日本人の考えることは所
詮その程度であるわけでございまして。
-
- ここまで書けばもうおわかりでしょう。注連縄の紙で拭くのか、縄で拭くのか。
決して神の化身である“紙”で拭くなどという罰当たりなことをしてはならず、縄で拭
くのが正解なわけですが、いざとなったらやっぱり紙で拭いちゃうんだろうなぁ、みん
な。。。
-
- @ ということでプリンス・ラシャ&ソニー・シモンズ。あ、ちなみにあの“ひ
だひだの紙”の正式名称は“紙垂(かみしでorしで)”と言って、神様の衣を象徴す
るものといえるでしょう。ということでありました。僕の単なる思い付きもまんざらで
もありませんなぁ。“ひだひだ”になっているのは“ひだスカート”のつもりなのかも
知れませんね。で、プリンス・ラシャ。
-
- ・ずるずると プリン吸うラッシー やかましい
-
- > 静かに食べようね。
-
- プリンって最初のうちは上品にスプーンで食べていてもそのうちだんだん面倒にな
ってきて、最終的には直接口をつけてズルズルと吸ってしまうものなんですよねぇ。そ
れは名犬と言われるラッシーでも同じことでありまして、もっとも犬は最初からスプー
ンなんか使いませんけどね。続いてはソニー・シモンズ。
-
- ・味噌にすまん ズボンについたら うんこみたいで
-
- > ごめんネ、味噌。
-
- チビッコ串カツの味噌ダレをズボンに垂らしちゃったときの心情を素直に詠んでみ
ましたが、もうオトナなんだからいいかげん“うんこネタ”は卒業しないといけません
ね。チビッコ串カツもね。で、このプリンス・ラシャとソニー・シモンズという人に関
しては、素性等まったくよくわかりません。輸入盤の原文ライナーを解読すればある程
度のことは分かるんでしょうが、そんな語学力はありませんし、やる気だってまったく
ありません。だから2人のリーダーのことは無視してサイドマンに目を転じたいと思う
んですが、ボビ・ハチくんが入ってるんですよね。僕がこのアルバムを買った動機の1
00%はこれだったんですが、ちなみにベースがバスター・ウィリアムスで、ドラムス
はチャールス・モフェットでございます。モフェットはオーネット・コールマンと一緒
にやっていた人で、ベーシストのチャーネット・モフェットくんのパパですな。チャー
ルス+オーネット÷2=チャーネットというわけなんですが、だからもしオーネット・
コールマンがアンポン・コールマンという名前だったら息子の名前はチャンポン・コー
ルマンになっていたわけですが、それはともかく1曲目から聴いてみましょうね。
-
- もしかしてオーネット・コールマンとかマリオン・ブラウンみたいな意味不明の
“ザ・忍耐”な世界ではないか?と危惧していたんですが、「アイランド・ソング」は
わりとメロディアスなナンバーだったので安心しました。ソニー・シモンズ、通称シモ
ちゃんのほうはアルト以外にイングリッシュ・ホルン、ラシャぴょんのほうはフルート
とアルト・クラリネットも吹くようなんですが、ここでは2人ともアルトを吹いている
模様です。バスクラというのはドルフィーが吹いておりますが、アルクラというのもあ
ったんですね。イメクラ、キャバクラ、コゾクラに続く第4のフーゾク?とか言ってる
うちにアドリブ・パートになったんですが、おお、いきなり“もろドルフィー”ではあ
りませんか!もう少し詳しく説明すると、アドリブ・パートはほとんど集団即興演奏み
たいな感じでありまして各自が好き勝手なことをやっているんですが、そのうちのアル
トAがちょっぴり地味めで、もうひとりのアルトBが“もろドルフィー風”なんですよ
ね。特に出だしのワン・フレーズが。アルトA・Bのどっちがシモっちで、どっちがラ
シャぴょんなのかはよく分かりませんが、ワカランといえばジャケット写真の2人もど
っちがどっちかワカランのですよねぇ。。。順番からすると左のほうがラシャくんかな
?という感じで、顔からすると左のほうがドルフィー風かな?という気がするんですが
、とにかくまあコレクティブ・インプロヴィゼイション風のパートが終わるとボビ・ハ
チのソロになります。彼を目当てに買ったんだから意気に感じて頑張ってくれないと困
るわけなんですが、残念ながら決して分かりやすいソロではございません。ボビ・ハチ
のリーダー作にはたいてい1〜2曲は意味不明の前衛風プレイが含まれているんですが
、その範疇に入る演奏ですな。で、その後はモフェットくんのドラム・ソロ。続いては
バスター・ウイリアムスの地味地味ソロ。ここまでくると、テーマ部だけ聴いて「わり
とオーソドックスぢゃん。」と安心したのが大きな間違いであったことは明白です。心
して残る4曲を拝聴しましょう。
-
- 2曲目、「サームズ・オブ・ソルモン」。“PSALM”というのは“賛美歌”
の意味らしいんですが、最初の“P”は発音しないみたいです。だったら最初から書か
なきゃいいと思うんですけどねぇ。まずフルートが出てきて、続いてソプラノ・サック
スを東洋風にしたような音色が聞こえてくるんですが、これがイングリッシュ・ホルン
なんでしょうかね?演奏のほうは最初から集団即興演奏風でありまして、かなり意味不
明でございます。フルートを吹いていたラシャくんは途中からアルトにスイッチしてお
りますが、やはりドルフィー風じゃなかったほうの人のような気がしますね。ドルフィ
ー風じゃなくて聴きやすいのかというと決してそんなことはなく、やっぱり意味不明な
んですけどね。あ、今度はまたフルートに転じましたね。・・・などといちいち解説す
るのも疲れるような演奏なので、さっさと次にいきましょう。10分45秒も聴き続け
るほど僕は忍耐強くはありません。サウナでも3分ぐらいでメゲちゃいますもんね。で
もサウナがあるのに入らないと何となく損した気がするので、とりあえず入るだけは入
るんですけどね。頭のほうだけ涼しい“露天サウナ”というのはないものですかね?
-
- で、3曲目。「プレリュード・トゥ・バード」。タイトルのバードというのはチ
ャーリー・パーカーのことなんしょうか?そういえばアルバム・タイトルも「火の鳥」
ですよね。火の鳥みたいなあなた〜♪という歌がありましたが、どうして火の鳥は自分
の炎で焼かれて焼鳥になったりしないんでしょうかね?で、「プレリュード・トゥ・バ
ード」は割としみじみとした滑り出しで、これなら僕でもなんとか耐えられるカモ?ち
なみに2人ともアルトを吹いておりますが、ゆったりしたテンポで“ワビ”とか“サビ
”とかを感じさせる吹きっぷりとなっております。2本のアルトの絡みから、ラシャく
んのほうとおぼしきアルトのソロになりますが、エモーショナルを感じさせるプレイと
なっております。ここらあたりはコルトレーンの演奏でしょうか?続いてシモくんとお
ぼしきアルトのソロにバトンタッチしますが・・・とか書いてるうちに終わっちゃいま
したね。
- 3分53秒と短いのが幸いして割と聴きやすい1曲でございました。
-
- はい、あと2曲です。もうちょっと辛抱してくださいね。「ザ・ラブト・ワン」
はイングリッシュホルンがリードしてしみじみとテーマを歌い上げます。さっきソプラ
ノ・サックスを東洋風にしたような・・・と書きましたが、オーボエにも似てますね。
時折バックに聞こえてくるバスクラ風の音がアルクラなんでしょうか?全体的に瞑想的
な名僧。といったムードでございまして、ボビ・ハチの美しいソロも聴けます。原文ラ
イナーには、ソニー・シモンズは既にジョン・コルトレーンの“史上の愛”を聴いてい
るということについて言及している。というようなことが書いてあるので、あるいはそ
の影響があるのかも知れませんが、ないのかもしれません。ボク英語、ワカラナーイ。
はい、ラスト。タイトル曲の「火の鳥」はアルト2本の絡みで演奏されます。オーネッ
ト・コールマンが書きそうな曲で、演奏のほうもオーネットっぽいですかね?ボビ・ハ
チのヴァイブが絡んでくるあたりはドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』を思わせま
すけどね。早い話がよくわからん1枚でありました。以上。
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