- 【アルバム名】
- GETTIN’ TOGETHER! (CONTEMPORALY)
- 【リーダー名】
- ART PEPPER (1960/2/29)
- 【パーソネル】
- CONTE CANDOLI (tp) ART PEPPER (as,ts) WYNTON KELLY (p)
- PAUL CHAMBERS (b) JIMMY COBB (ds)
- 【収 録 曲】
- WHIMS OF CHAMBERS / BIJOU THE POODLE / WHY ARE WE AFRAID? /
- SOFTLY , AS IN A MORNING SUNRISE / RHYTHM-A-NING / DIANE / GETTIN' TOGETHER
- 【内 容】
- ゴカイを誤解していないか?というのが本日のテーマです。いや先ほど会社の5
階にある書庫へファイルを返しにいこうとして、ふと思いついたんですけどね。書庫の
ドアを開ける鍵には白いプラスチックに「5F」と書かれたタグがついておりまして、
それを見て何気なく「5階かぁ。。。」と呟いてみて、そういえば僕はゴカイという生
き物を少し誤解していたのではないか?と思った次第でありまして。いや、誤解と呼ぶ
には少し語弊があるかも知れませんが、五平餅というのはけっこうオイシイものですよ
ね。こんがりと焼いたお餅、というかゴハン粒のカタマリに、ねっとりと絡みつく味噌
味のタレ。かぶりつくと口のまわりが味噌でべたべたになっちゃうわけなんですが、そ
の唇の感触は幼い頃、「ちびっこ串カツ」(←味噌味)を食べて口のまわりが味噌でべ
たべたになり、ついでに濃紺のジーパンにも落下して“乾いたウンコ状”になってしま
ったことを、一種ノスタルジックめいた感傷を伴って思い出させるのでありました。い
や、幼い頃といっても今年の春のことなんですけどね。
-
- 五平餅というのは恵那だとか中津川だとか馬籠だとかへ行くとよく売っているの
で、おそらく中山道の街道筋の名物なんでしょうが、その名前の由来には諸説あるよう
です。なかでは五穀豊穣を祈って神様にささげる弊即(へいそく)が元なのではないか
という説が有力みたいですが、弊即というのはおそらく五平餅みたいな形をしたお札み
たいなものなんでしょう。で、五穀豊穣を祈って神様にささげる弊即みたいな形の餅と
いうことなら「五弊餅」と書くのが道理なんでしょうが、それが「五平餅」に変わっち
ゃったのは、おそらく街道筋の茶屋で五弊餅を売ってる婆サンがメニューを書いている
うち、だんだんと面倒になっちゃったんでしょうね。最初のうちはきちんと
-
- 五弊餅 1ぽん 150えん♪
- 五弊餅 2ほん 300えん♪
- 五弊餅 3ぼん 450えん♪
-
- と書いてたんですが、「7ほん」くらいになって、だんだん面倒になってきちゃっ
たんですな。もぉ、いちいち「弊」なんて漢字、書いてられないのぉ。。。というわけ
ですね。そこで、「“ごへいもち”って読めれば、別にどんな漢字でもかまわないヨネ
?」と、ヨネ婆さん(78歳)は思ったわけです。日本の商売人というのは概してそう
いうことには大らかでありまして、東海林さだおのエッセイには「新キャ別」と書かれ
た八百屋の話が出てきますし、先日、精進湖から甲府へ抜ける道を走っていると、「森
のきの子」と書かれた茸の直売所がありました。要するに、読めればいいわけです。で
、加藤ヨネさんの経営する茶屋「加藤茶屋」のメニューは途中からこんな感じになった
わけですね。
-
- 五弊餅 7ほん 1050えん♪
- 五平餅 8ほん 1200えん♪
- 五平餅 9ほん 1350えん♪
- 五平もち 10ぽん 1500えん♪
- 五平もち 11ぽん 1650えん
- ごへー 12 1800じゃあ!
-
- 10ぽんめからは“餅”を書くのも面倒になり、11ぽんで“♪”マークが嫌にな
ってきて、12でヤケを起こした模様です。だいたい、何本買ったところで1本あたり
150円なら、いちいち細かく書く必要はないような気もするんですが、そこがヨネ婆
サンのお人柄なのでありましょう。ただちょっとボケてるだけかも知れませんけどね。
-
- で、最初に「お餅、というかゴハン粒のカタマリ」という表現を用いましたが、
おこめを半分つぶした状態のことを「はんごろし」というそうです。だからたとえ、店
の奥に引っ込んだヨネ婆さんが「はんごろしにすべ?」などと爺さんに言ってるのが聞
こえてきたとしても、身の危険を感じることはありません。インターネットで「ヨネ婆
さん、山婆疑惑!?」などというスクープを流してもいけません。
- 「でも私は大好きなのぉ♪」というキャンディ・キャンディの談話を捏造したりし
てもいけません。山婆、イタズラ、大好き、かけっこ、スキップ、大好き・・・
-
- えーと、何の話でしたっけ?「誤解と呼ぶには少し語弊があるかも知れない」と
いう話でしたね。で、何を誤解しているのかというと、ゴカイをなんですけどね。僕は
今まで、ゴカイというのは足がいっぱいあるから気持ち悪いんだと思っておりました。
足というのは数が多くなるにしたがって、気持ち悪さも増すものなんですよね。昆虫よ
りも蜘蛛、蜘蛛よりも百足(むかで)のほうが気持ち悪いです。じゃ、タコよりもイカ
のほうが気持ち悪いのかというと別にそんなことはないんですが、一方、手というのは
数が多いほどエラいです。例えば千手観音。あれは手が1000本も生えてるからエラ
いのであって、千手観音なのに手が2本しかなかったりしたら、タダの仏像ですもんね
。で、僕はゴカイというのは足がいっぱいあるから気持ち悪いんだと思っていたわけな
んですが、実はあれが足ではなくて手だったとすれば、ゴカイというのはエラい生き物
ということになるのではないか?ゴカイの名誉を挽回するためにも、あれが手なのか足
なのかをはっきりさせる必要があるのではないか?義憤に駆られた僕はさっそく調べて
みたわけなんですが、結論を先に申しましょう。あれは手でも足でもありません。「毛
ェ」です。
-
- 環形動物門ゴカイ綱多毛類。これがゴカイの生物学上の分類です。ちなみにミミ
ズはミミズ綱貧毛類に属します。つまりまあ、ゴカイというのは「毛深いミミズ」だっ
たわけですな。で、足が多いと気持ち悪くて、手が多いとエラいわけなんですが、では
毛が多いとどうなるのか?これは簡単です。胸毛の多いおじさんを想像すればわかりや
すいんですが、毛が多いと豪快な感じがします。
-
- 結論:ゴカイは豪快♪
-
- @ はい、相変わらず長いだけで何の内容もない前半部分でありましたが、アー
ト・ペッパーの『ゲッティン・トゥゲザー』。ペッパーの最もポピュラーなアルバムに
、当時のマイルス・デイビス・クインテットのリズム・セクションと共演した『ミート
・ザ・リズム・セクション』というのがありますが、本作はその続編、というか“2匹
目のドジョウ”というか、“2番煎じ”というか、だんだんとイメージが悪くなってき
ましたが、今回の共演者はウイントン・ケリーと棒チェンバースと地味昆布のトリオ。
「ウィズ・アン・オールスター・リズム・セクション」なんて副題もついておりますが
、あとコンテ・カンドリなんていうトリ系のトランペッターも参加しておりますね。で
、企画自体がしょぼいので「どうかな?」と思ったんですが、聴いてみたら演奏のほう
は意外に悪くなかったので、こうして取りあげてみたわけなんですけどね。で、1曲目
は棒チェンのオリジナル「ウイムス・オブ・チェンバース」。これはチェンバースのリ
ーダー作のタイトルにもなっている曲ですが「チェンバースの気まぐれ」とか「出来心
」とか「思いつき」とかいった意味ですかね?僕もわりと気まぐれな性格だし、原稿は
思いつきだけで書いてるし、つい出来心で万引きしたり、軒先のぱんつのゴムを引っ張
ったりしちゃうわけなんですが、なるほど、いかにも思いつきだけで出来たような曲で
ありますな。アルトとベースのピチカートのユニゾンで1回目のテーマが演奏され、2
回目はそれにカンドリが加わります。で、ソロ先発はペッパー。しばらくはピアノレス
・トリオの形で演奏が進み、途中からケリーも出てまいりますが、そのコンピングは控
えめな性格って感じぃ?が、ソロになるとさすがにケリーはいい味を出してますね。昆
布くんのドラミングはよく言われるように“簡潔明瞭オカズなし”といった感じですが
、オカズがなくても昆布の佃煮さえあればメシは食えますからね。塩昆布というのもい
いですなぁ。とか言ってるうちにカンドリが出て、オンドリも出て、そのあとはチェン
バースのピチカート・ソロですね。で、ペッパーとコブの4バースのあとシンプルなテ
ーマに戻って、エンディング。うーん、まあまあ。曲が地味だけにアルバムの冒頭とし
ては今ひとつインパクトがありませんなぁ。。。
-
- と、早くもこのアルバムに見切りをつけようとした人は2曲目の「ビジョウ・ザ
・プードル」を聴いてみてください。ペッパーのオリジナルでありまして、ちなみに「
ビジョウ」というのは当時ペッパーが飼っていたプードル犬の名前なんだそうです。そ
れにしてもまあ、ヘンな名前をつけたもんですなぁ。プードルという犬自体もあまり僕
の趣味じゃありませんね。僕は元来イヌはあまり好きじゃないんですが、どうしてもイ
ヌを飼わなければ殺す!という法律がモリ政権の元で成立しちゃった場合には柴犬を選
ぼうと思っております。名前は「しば太郎」なんかがいいですね。で、この曲でペッパ
ーはテナーを吹いているんですが、お世辞にも“イケてる”とは言えませんね。テナー
というのは黒くて、図太くて、もぉ“男性そのもの♪”といったところに魅力があるん
ですが、ペッパーのスタイルはやはり繊細なアルト向きであると言えるでしょう。ま、
余興の一環として軽く流しておきましょう。で、ペッパーの魅力が全壊…って、壊れち
ゃいけませんね。ペッパーの魅力が全開となるのは3曲目の「ホワイ・アー・ウイ・ア
フレイド?」この、強く抱き締めると壊れちゃいそうな“はかなさ”こそ、ペッパーそ
のものですよね。ちなみにこの曲ではカンドリくんはお休みですが、それが正解でしょ
う。トリの出る幕じゃありませんもんね。で、憂いを湛えたケリーのピアノがこれまた
抜群です。
-
- はい4曲目。「朝日のようにさわやかに」。朝となればトリの出番です。テンポ
はかなり速めで、ピアノのイントロに続いてペッパーがテーマを吹きます。そしてその
ままアドリブに突入します。朝となればトリの出番だと思っていたのに、ぜんぜん登場
しませんね、カンドリ。ソロ2番手はケリーで、まだ出てきませんね、カンドリ。『ケ
リー・ブルー』とはまた一味違う、溌剌とした「朝さわ」ですね。で、ケリーのソロが
終わり、もしかして出るかな?と思ったら、案の定でした。いや、カンドリじゃなくて
、チェンバースのアルコ。いかにも出そうな雰囲気だったんですよねぇ。。。録音の関
係か、「いつもより多めにギィ〜ギィ〜しております。」という感じで、頑張ってるね
、ポール!そのあとはペッパーとジミー・コブの4バースで、ここでのジミーは彼にす
れば精一杯に派手であります。で、そのまま何となくテーマに戻って、結局は最後まで
出てきませんでしたねぇ、カンドリ。5曲目は「リズマニング」。言わずとしれたモン
クの変な曲です。ここでようやくカンドリくんも登場してそれなりに頑張っております
が、ここでの聴きものはペッパーのソロでありましょう。50年代ペッパーに顕著だっ
た“浣腸的な甘さ”がここでは影を潜め、フリーキーなトーンを交えて攻撃的なプレイ
を展開しております。評価は別れるでしょうが、コルトレーンの影響が強くなる“60
年代ペッパー”の萌芽を感じさせる1作と言えるでしょう。で、カンドリのソロのあと
、ここでもチェンバースはアルコで頑張っております。そのあとはペッパーとコブの4
バースで、ここでもコブくんは頑張っております。ちなみに嘗めてみると甘いらしいで
すね、イチヂク浣腸の薬液って。
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- 6曲目「大安」。タンパ盤の『アート・ペッパー・カルテット』でも演奏されて
いた、ペッパーが妻のダイアンに捧げた哀しいまでに美しいバラードでございます。麻
薬中毒になっちゃったペッパーの愛をつなぎとめるために自らも“らりらり♪”になり
、何度か自殺を試みたあげく、癌で死んじゃった。。。という、ちっとも“大安”じゃ
ない人生を送ったそうでありますが、それだけに余計にメロディの美しさが胸にしみち
ゃいます。はい6曲目。タイトル曲の「ゲッティン・トゥゲザー」はペッパーがテナー
・サックスでブルースをレコーディングしたいために作った曲だそうです。ペッパーは
テナーでブルースを吹いております。で、僕の持っているCDにはこのあと「ゲッティ
ン・トゥゲザー」の別テイクとオマケ曲の「今宵の君は」が収録されているんですが、
面倒なので見なかったことにしておきます。そんなものは入っておりません。というこ
とで、今日はおしまい♪
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