- 【アルバム名】
- McLEAN’S SCENE (PRESTIGE)
- 【リーダー名】
- JACKIE McLEAN (1956/12/14,1957/2/15)
- 【パーソネル】
- JACKIE McLEAN (as) BILL HARDMAN (tp) RED GARLAND (p) MAL WALDRON (p)
- PAUL CHAMBERS (b) ARTHUR PHIPPS (b) ART TAYLOR (ds)
- 【収 録 曲】
- GONE WITH THE WIND / OUR LOVE IS HERE TO STAY / MEAN TO ME /
- McLEAN'S SCENE / OLD FOLKS / OUTBURST
- 【内 容】
- 『回転寿司開店マニュアル』
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- 回転寿司の歴史というのは意外に古く、万葉集には山上憶良が回転寿司について
詠んだものと思われる歌を見ることが出来ます。
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- ・イクラらは 今はまからん 子泣くらむ それその母も 乾くを待つらむぞ
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- 《通釈》イクラなど(値段が高くて皿の絵も派手なもの)は、今は(「まけて♪」
とお願いしても)まからんものである。子供が(食べたいとダダをこねて)泣くので、
その母親は(ネタが)乾くのを(そしてそれによって店側が値下げを断行するのを)待
っていることであるなぁ。
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- 「子煩悩だけど貧乏」という憶良の面目躍如といった歌でありますが、普通の寿
司屋ではネタが乾くというような事態は考えにくく、たとえネタが乾いちゃったからと
いってそれを値下げして売るというようなことをプライドの高い寿司職人が許す筈もな
く、よってこれは回転寿司の店での光景を詠んだものではないかと思われるわけなんで
すが、概して寿司職人というのは職人肌ですからねぇ。でまた、寿司職人というのは職
人肌でなければなりません。もし「サメ肌の寿司職人」なんてのがいたとしたら、ワサ
ビをおろすのには重宝でしょうが、寿司を握る腕前はあまり期待が持てませんもんね。
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- 「寿司はコハダから。」というのは寿司通の間では常識となっております。コハ
ダを握らせてみればその店の実力がわかるということらしいですが、僕は今までコハダ
の寿司なんてものは食べたことがございません。東京ではどうか知りませんが、名古屋
以西ではコハダというのはあまりポピュラーじゃないんじゃないでしょうかね?少なく
ともウチでたまにとる桑名寿司の並寿司には入っておりません。だいたいイカ、タコ、
エビにタマゴにアナゴ。マグロの赤身に鉄火・カッパ4個。といったところでございま
す。たまにアナゴの替わりに鮭だったり蝦蛄だったりすることもありますが、ま、あま
りたいした寿司じゃねーな。。。という感じですよね。ただ僕の場合、イクラとかウニ
とか鮑とかそういう手合いのものはあまり好きじゃないので、並寿司でちょうどいいわ
けです。少なくとも「寿司太郎弁当」よりは豪華ですしね。
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- 寿司太郎弁当。僕の高校時代、親がオカズのネタに貧窮したりするとよく登場し
ました。“ちらし寿司+オカズ”というセットメニューならなんの問題はないんですが
、寿司太郎オンリー。平たい弁当箱の“ごはんの部”と“おかずの部”の間の仕切りを
取り払って、蓋を開ければもう見渡す限りの寿司太郎。寿司太郎をたたき台に、エビや
アナゴを散らしてレベルアップが計られているのならともかく、まったくのタダの寿司
太郎。あ、錦糸タマゴと紅ショーガぐらいは散らされておりましたっけね?ともかくま
あ、あまり嬉しいメニューではありませんでしたが、ふりかけのゴマだけはちょっぴり
おいしかったです。つまり僕たちがやんぐだった頃、寿司と言えば“すけろく”か“寿
司太郎”だったわけなんですが、近頃のコドモがいちばん好きな食べ物は「(ちゃんと
した)寿司」なんだそうですね。なんて贅沢な!
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- これは日本も裕福になって、食べるものに関しても贅沢になっちゃったんだね。
ということのほか、回転寿司の登場で寿司という食べ物がポピュラーになったという点
も見逃すことが出来ません。日本に回転寿司が登場したのは約30年前と言われ、山上
憶良の歌はどうなったんだ?という細かい問題は差し置いて、わりと歴史が古いじゃな
いかという気がしますよね。もっとも回転寿司が今のようにポピュラーになったのは今
から20年ほど前のことでありまして、普及のきっかけは円広志の「夢想花」のヒット
だったと言われております。円広志だってまわってまわってまわってまわるんだから、
寿司がまわって何が悪い!?というわけですね。
- そもそもなぜ回転寿司では寿司が回転しているのかというと、もし回転寿司のお店
で寿司が回転せずに匍匐前進してたりすると、それは回転寿司ではなくて匍匐前進寿司
というものになってしまうからなんですが、そもそも回転寿司というのは店舗の大形化
に伴って考案されたシステムでありまして。なるほど、カウンタ中心の小さな寿司屋な
ら「へい、タコ、お待ちっ!」とか言ってカウンタの上に寿司の乗った皿を置けばそれ
ですむ話でありまして、経費に占める運搬コストの割合などたかが知れたものでござい
ます。ま、そのへんの話は明日にでもするとして、今日は「回転業界の他業種への応用
」というテーマについて考えてみたいと思うんですけどね。寿司が回るんだったら俺た
ちだって!ということで、いろんな食べ物をとりあえず回転させてみたわけなんですが
、中でもわりと成功したのは「回転焼肉」でございます。カルビだロースだ、ミノ、タ
ン、キムチ…と、次々と流れてくる皿を取って自分の席の網で焼くわけなんですが、こ
れはなかなかいいアイデアですよね。で、焼肉が回るなら俺たちだって!ということで
、とりあえず“しゃぶしゃぶ”だって回ってみたんですが、これはあまり評判にはなり
ませんでした。むしろ“ノーパン化”に走ったほうが話題になりました。「回転ラーメ
ン」。まわっているうちに麺がのびます。「回転かき氷」。まわっているうちに溶けま
す。「回転ナマ牡蛎」。回っているうちに腐ります。「回転女体盛り」。回っているう
ちに刺身が生ぬるくなります。こうしてみると回転させてメリットがあるものって、な
かなかないもんですなぁ。。。
-
- ということで明日はまったく新しいタイプの回転寿司「回転UNO寿司」につい
て考えてみたいと思います。
-
- (つづく)
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- @ さて、今日は我らが“J.マック”。関西地方では“J.マクド”と呼ぶそ
うですが、マクリーンという人はマイルスやコルトレーンほどではないにせよ時代によ
ってかなりスタイルが違うので、どの年代のアルバムを取り上げるかが重要なポイント
となります。大きく分けると『レット・フリーダム・リングス』より前、それ以降とな
るわけですが、一般的にはプレスティッジ盤と、それに先立つアドリブ原盤あたりの人
気が高いですね。ブルーノートだと、いちばんストレートな『スイング・スワング・ス
インギン』だとか。ということで本日は『マクリーンズ・シーン』。この頃のプレステ
ィッジへの吹き込みはいくつかのセッションが何枚かのアルバムに分散して収録されて
いるので、まとまりのほうは今ひとつなんですが、演奏のほうはどれをとっても“切っ
ても切ってもマクリーン”状態。中でも僕が好きなのは『ア・ロング・ドリンク・オブ
・ザ・ブルース』と、この『マクリーンズ・シーン』でありまして。気怠い表情の『ロ
ング・ドリンク〜』も秀逸ですが、真っ赤な背景に眼光鋭いJ.マックを配した『マク
リーンズ・シーン』のジャケも悪くありませんよね。相方がビル・ハードマンというの
もいいですな。ということで、では1曲目から聴いてみましょう。
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- 1曲目「ゴーン・ウィズ・ザ・ウインド」。ガーランドのイントロに続き、マク
リーンが例のトーンで主題を吹き始めます。テンポはかなり速めですな。テーマ部をマ
クリーン→ハードマン→マクリーン→ハードマンの順に吹きわけて、そのままハードマ
ンのソロへと突入していきます。で、このハードマンのソロが秀逸でありますな。ちっ
ともトーンがハードマンじゃないので地味な印象を持たれがちなんですが、よく歌うフ
レージングはブラウニーにだってひけをとりません。立派です。ソロの途中で誰かが思
わず「うがぁ!」というような声を出しちゃったのも頷けます。で、ソロ2番手はガー
ランド。よく転がっております。アート・テイラーのサポートもニクいねペヤング!と
いった感じでありまして…、とか書いているうちにマクリーン登場。はっきり言って勢
いだけの青臭いプレイなんですが、それがまた青春。ソロの最後のところはちょっぴり
失敗気味なんですが、それもまた青春。そのあとチェンバースが登場して、お得意のボ
ウ弾きを披露するわけなんですが、それだって青春。若いというのはそれだけで何だっ
て許されるのであります。
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- 2曲目「我が恋はここに」。57年2月のほうのセッションで、ハードマンが抜
けたワンホーン編成で、ピアノはマル・ウォルドロン。ここでもマクリーンは勢いに任
せた青春の叫びを聴かせてくださいます。そんだけ。マクリーンのプレイに説明などい
りません。ただ聴くべし。3曲目は再びハードマンが戻って、クインテットの演奏にな
ります。ミーン・トゥ・ミーで通じ合う〜、そういう仲になりたいの〜♪ですね。1曲
目より少しゆっくりしたテンポでガーランドがイントロを弾いたあと、チャンバースが
ピチカートでテーマを弾くというのが面白いですね。で、AABAの“B”のパートに
なってようやくJ.マック登場。で、最後の“A”はハードマンがミュートで吹くとい
う、ちょっと凝ったアレンジがなされております。ソロ先発はマクリーン。好調です。
ソロ2番手はガーランド。転がってます。ソロ3番手はチェンバース。指で弾いてます
。いくら彼が器具(弓)好きだからと言っても、けっきょく最後は手に戻るということ
でありましょう。ソロ4番手はハードマン。ミュートで吹いております。たいていのト
ランペット奏者は「ミュートを付ければ即席マイルス♪」という感じになっちゃうんで
すが、この人の場合はそれほどでもないですね。立派です。続くマクリーン、テイラー
、ハードマンの4バースはちょっぴり失敗気味なんですが(←特に出だしのマクリーン
)それもまた青春。で、そのあとチェンバースが弾くテーマに戻るわけなんですが、頭
のところでハードマンが間違えて「ぴゃぁ〜ぱぁ〜ぱ…」と吹きかけて、慌てて引っ込
んでおります。“Bのパート”で登場するマクリーンも「俺、ここで出てきてもよかっ
たっけ?」といった感じにおずおずと吹き始めていて、笑いを誘います。はっきり言っ
て失敗テイクなんですが、それもまたJAZZ。
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- 4曲目のタイトル曲「マクリーンズ・シーン」はマクリーンのオリジナルとなっ
ておりますが、実質的にはテーマらしいテーマのない即興のブルースでございます。3
曲目の「ミーン・トゥ・ミー」のイントロと似たようなガーランドのピアノで始まり、
そのままピアノ・ソロへと続いていくわけでありますが、リラックスしたムードがたま
りまへんなぁ。。。2分39秒でようやくマクリーンが登場。ハードマンとチェイスの
形で4小節ずつのアドリブを繰り広げ、演奏は次第に熱を帯びてまいります。で、4分
頃からハードマンのソロとなり、5分30秒くらいからはマクリーンのソロをたっぷり
と聴くことが出来ます。そのあと、テイラーのドラム・ソロとチェンバースのピチカー
ト・ソロだって、たんまりと聴けちゃいます。だって全部で10分18秒もあるんだも
ん。で、最後は再びアルトとテナーのチェイスに戻るんですが、ハードマンの吹く「真
っ赤なお鼻の〜、トナカイさんは〜♪」に注目いたしましょうね。はい5曲目。スタン
ダードの「オールド・フォークス」はマクリーンの十八番。ワン・ホーンによる切々と
した吹きっぷりは“トリ肌ぞわぞわもの”でございますな。やっぱり50年代J.マッ
クは歌モノがいちばんですよね。マル・ウォルドロンのほの暗いピアノもマル。ラスト
のカデンツァもお約束で、はかなげなエンディングもGOODです。
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- はい、ラスト。「アウトバースト」はマクリーンのオリジナルで、超アップテン
ポの火を吹くようなバップ・ナンバーでございます。マクリーンはワン・ホーンで息を
つく暇もない壮絶な“BLOW JOB”を披露。続くマルも頑張ってはおりますが、
ちょっぴり“もたつき気味”の感もありますね。そのあとマクリーンとテイラーの4バ
ースで大いに盛り上がって、誰かが思わず「いぇ〜〜!」という声を出しておりますね
。次に再びマクリーンの独壇場となって、最後はさすがにちょっぴり息切れの感もあり
ますが、なんとか無事にエンディングにたどり着きました。ご苦労サマ。。。としかい
いようのないナンバーで、このアルバムは幕を閉じます。
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- 以上、やっぱりマクリーンってイイよね?
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