【アルバム名】
THE RAT RACE BLUES (NEW JAZZ)
【リーダー名】
GIGI GRICE (1960/6/7)
【パーソネル】
RICHARD WILLIAMS (tp) GIGI GRYCE (as) RICHARD WYANDS (p)
JULIAN EUELL (b) MICKEY ROKER (ds)
【収 録 曲】
THE RAT RACE BLUES / STRANGE FEELIN' / BOXER'S BLUES / BLUES IN BLOOM /
MONDAY THROUGH SUNDAY
【内   容】
 うるおい。漢字で書くと潤い。この「潤」という字は音読みすると「じゅん」と なります。だからウノ小説の主人公は「ジュン、と潤ってきちゃうんです」ね。という ことで、今日のテーマは「潤いのある暮らし」。
 
 カーナビのナビ子ちゃんが最近ちょっぴり不感症気味であると話を前に書きまし たが、オリックス・オートリース所有のリベロ・ビジネスワゴンにはもうひとつ、ポー タブルCDプレイヤーの“しで子ちゃん”というのも同乗させております。で、先日、 この“しで子ちゃん”のほうまで不感症に陥ってしまったんですよね。CDなのに「し ーでー」などと訛った呼び方をしていたものだからゼネレーション・ギャップを感じ、 “その気”をなくしてしまったのかも知れません。焦った僕は、こういう場合、焦りは 禁物であるとは判っていたんですが、ついつい“しで子ちゃん”の脚を、いや蓋をガバ っと広げると、その付け根の部分をしみじみ眺めるという行為に走ってしまいました。 するとそこには何やら、クリクリした丸い形のものがついていたんですよね。噂には聞 いていたんですが、こうして間近に見るのは始めての経験でありました。そう“レンズ そのもの”でございます。
 
 「しーでー」におけるレンズというのは「神聖にして犯すべからず」といった存 在でありまして、それが証拠に「レンズ部には手を触れないでください。」などという 注意書きがありますよね。さらに、噂によればこの部分からは“霊座(れいざ)”と呼 ばれるアヤシの光線が照射され、例えばこの光線を人体のスネ部などに浴びせれば「毛 はいらん!」とばかりに毛根から焼き尽くしてしまうというほどの物凄さ。だから当然 、「絶対にレーザーを直視しないでください。」という注意書きも併記されているわけ なんですが、直視しちゃダメ。触ってもダメ。とまあ、それほどまでに神聖な部分に、 僕はこともあろうにフッ!と息を吹きかけてしまったのでありました。
 
 CDが音飛びする場合、人はとりあえずディスクを取り出して、フッ!と息を吹 きかけてみます。必ずそうします。テレビの映りが悪くなると、とりあえず平手でパン パンと叩いてみるのと同じように、人はCDを見ると必ずといっていいほどフッ!と息 を吹きかけます。この世にコンパクト・ディスクというものが登場した頃から「CDは 埃に弱い。」ということがさかんに喧伝されていたんですが、その意識が骨の髄まで染 みついちゃっているんですよね。で、実際、埃のついたCDというのは必ず音飛びしま す。もう、飛びます!飛びます!というくらい、飛びます。フッ!と息を吹きかけても ダメとなると、今度はティッシュで優しく拭いてみたりします。ティッシュはかえって 紙埃がついちゃうからダメなの。セーム革というのがいいの。ということは判っていて も、一度どこかにしまい込んじゃったセーム革は、いざ使おうと思って探しても絶対に 見つからないというのが常でありまして、とりあえず常日頃から何かとお世話になって いるティッシュで代用しちゃうんですよね。で、「吹いても拭いてもダメ」ということ が判明し、もう一度あらためてディスクをしみじみと観察し、そこに一筋の「陰毛図」 を発見して、唖然!ということになるわけです。
 
 ディスクのほうは大丈夫らしいということになると、怪しいのは“レンズそのも の”のほうであります。そういう目で“しで子ちゃん”のレンズを直視してみると(← いけない)、なるほど、何やら薄汚れた感じでありまして。クルマの中に放置という悪 環境にあるわけだから、それもやむを得ないんですけどね。そこで僕はレンズクリーナ ー・ディスク(乾式)というのを取り出して、神聖な部分のクリーニングを試みたので ありました。が、結果はNG。あらためてクリクリしたその部分を直視してみたですが 、どうもあまり綺麗にはなってないようでありまして。どうやら“快楽用箒♪”みたい なのでコチョコチョやったぐらいでは感じないほど“しで子ちゃん”の症状は深刻なよ うでございます。
そこで僕はある重大な決意をしたのでございます。すなわち、「濡らしてやるぅ! 」
 
 さすがに直接嘗めるのは憚られたので、ティッシュを唾液で湿らせて、そっとマ ル秘部分に触れてみました。(←いけない。)クリクリした部分をクリクリ♪したりし ちゃいました。(←もっといけない。)そして恐る恐るディスクを挿入すると、祈るよ うな思いでプレイ開始。すると、おお!一発やん!
 
 気をよくした僕は、たまらずナビ子ちゃんの“レンズそのもの”も濡らしたティ ッシュでクリクリ♪しちゃったんですが、おお!こっちも一発やん!
 
  結論:感度向上には「うるおい」が大切♪
 
 @ ということでジジ・グライス。油井正一センセいわく、「“ジッジ”と発音 するのが正しいらしい。」ということでありますが、
 
  ・俺、イボ痔っ 血ィぐらいすぐ 止めてみせるぜ
 
  > 男らしい兄貴♪
 
もう、思わず惚れなおしちゃうほど男らしい兄貴でありますが、気合で止められる ようなものではないような気もしますけどね。で、ジッジと言えばジャズ界きっての知 性派として知られ、ドナルド・“プロフェサー”・バードと『ジャズ・ラブ』という双 頭バンドを率いていたことでも知られております。ラブというのは“make love♪”の 裸撫ではなく、“laboratory”のラブであります。『じゃず研究室』とは、いかにもイ ンテリのジジ・グラくんらしいですね。で、ジャズ・ラブの解散後はもっぱらリチャー ド・ウィリアムス(tp)とリチャード・ワイアンズ(p)の“Wリチャード”を加えた レギュラーメンバーで活躍していた模様です。ただ日本では知性派のイメージが災いし て、それほど聴かれてないような気がしますね。玄人筋にウケる“ミュージシャンズ・ ミュージシャン”、もしくは“商売女キラー”といったところありましょう。クソ真面 目そうな顔して、なかなか隅におけませんなぁ。
 
 で、『ラット・レース・ブルース』。ねずみ競争ぶるーす?伊豆には「天城いの しし村」というのがあって、そこでは「いのししレース」を鑑賞したあと、みんなでシ シ鍋をつついたりするんですが、ラット・レースというのは初耳ですなぁ。と思って調 べてみたところ、
 
『混戦』(RAT RACE)
 
激しい生存競争、栄進のための競争を意味するが、同時に愚かな競争という意味も 持つ。
 
ということでありました。なるほど、シニカルな言い回しなんですな。言い回しと 言えば今場所から真っ赤ないいまわしをしめてますよね、朝乃若。ま、どうでもいいん ですけどね。で1曲目の「混戦ブルース」。「ぱぱーぱぱー、ぱぱーぱぱー♪」「じゃ かじゃかじゃかじゃか♪」と、ホーンと太鼓の掛け合いで始まり、今度は同じメロディ をワイアンズのピアノが奏でます。で、そのままピアノ・ソロへと突入していくわけで すが、ちょっぴり変則的な構成でありますな。しばらくワイアンズの悪くない演奏が続 いたあと、今度はウイリアムスがミュートでテーマを吹いて、そのままトランペットの ソロへと流れていきます。と、ここまで書いて原文ライナーに目を通してみたところ、 ジジは大都市における音楽的な混雑を表現しようと試みている。というようなことが書 いてありました。はあ、そうですかぁ。で、ウイリアムスのあとはジジのソロになるん ですが、この人のプレイは今ひとつ捕えどころのないウナギのつかみどりみたいなとこ ろがありますよね。浜名湖ウナギのキティちゃんはカワイイと評判みたいですけどね。
 
 はい2曲目。「ストレンジ・フィーリン」はサム・フィンチという人のオリジナ ルらしいです。ジョン・ヘンドリックスが詞をつけているゴスペル気分のナンバーらし いですが、今の僕は“おスペ”な気分でございます。って、いつだってそうなんですけ どね。と、そんなことはどうでもよくって、この手のゴスペル・ライクなナンバーだと 、俄然ワイアンズのプレイが光りますね。イントロが絶妙でございます。いい意味“B 級の味”でありまして、このことはもう一人のリチャードであるウイリアムスについて も同じことが言えますよね。ということで3曲目。「ボクサーズ・ブルース」はジジの オリジナルで、この曲にはジャズ・ライターの愛裸戯虎(アイラ・ギトラー)が詞をつ けているそうであります。
こういう、カッコして注釈をつけなければならないような漢字変換は厳に慎まなけ ればなりませんが、悪いオンナに騙されて、得意の絶頂から人生のドン底に落とされて しまったあるチャンピオン・ボクサーのストーリーだそうです。ファンキーな味わいの ある、なかなかの佳曲ですよね。ここでの哀感を湛えたジジのプレイは悪くありません 。本アルバムでも屈指のクッシー(←屈斜路湖在住)であると言ってもよろしいのでは ないかと。
 
 はい、残り2曲。「ブルース・イン・ブルーム」と「マンデイ・スルー・サンデ イ」は共にジジのフレンドで、シンガーでコンポーザーであるノーマン・マップという 人のオリジナルだそうです。「ブルース・イン・ブルーム」の“bloom”というのは「 観賞用の花」とか「さかり」といった意味ですね。で、“bloom”の形容詞である“bloo mer”にはイギリスの俗語で「大失敗」とか「へま」といった意味があるそうです。で 、“bloomer”に“s”がついた“bloomers”が俗にいうブルマのことですね。ザウルス 内蔵の辞書には「ひざの所でギャザーにした女子の運動用パンツ」という説明がありま した。いいじゃないですか、運動用ぱんつ♪で、“bloom”に陰具がついた“blooming ”には「若々しくきれいな」「ぴちぴちした」という意味のほか、英俗語では「ひどい 」という意味があるそうです。若くぴちぴちしたぎゃるのブルマ姿ほど好ましいものは ございませんが、ひどいオバハンのブルマ姿というのはあまり見たくありませんね。で 、「ブルース・イン・ブルーム」はマイナーなムードのベタなナンバーでありまして、 日本人ウケすること請け合い。同じく「マンデイ・スルー・サンデイ」もマイナー調の ナンバーでありまして、期待度3割2分4厘といった程度のアルバムだったんですが、 いざ聴いてみたら大当たり!の1枚でございました。ジャケットも渋いですよね。
 
 ということで、僕は今からネットでブルマ姿の女子高生を鑑賞することにします 。じゃ、またね♪


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